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- 捏造満載でヴィク勇? かみさまのおはなし リクエスト募集
- 日時: 2017/04/08 14:14
- 名前: 五月雨 (ID: qbtrVkiA)
題名のまんまです
書きたくなったのでヴィク勇行こうと思います
けどヴィク勇はすでにくっついてる熟年夫婦なのでヴィク勇要素は薄めです
誤字脱字はあったら教えてください
捏造が酷いです
コメントは泣いて喜びます、誹謗中傷、荒らしはご勘弁を
オリキャラがでてきます
完結できるかもわからない不定期更新ですがお願いします!
現在リクエスト募集中!カプさえあれば大体は書ける(クオリティはさておき)ので気軽にリクしてくださいね〜。シチュエーションや属性はお好みでどうぞ♪
- Re: 父さん 1 ( No.19 )
- 日時: 2017/01/19 23:14
- 名前: 五月雨 (ID: ZMpE7sfz)
お風呂上がりのストレッチを終える頃に父さんは帰って来た。おかえり、と声をかけるとただいま…と疲れきった様子で返された。帰ってくるのが遅いのはいつものことだし、疲れているのもそういうタイミングなのだろう。忙しいんだな、この前出張行ってたし。家族大好きな父さんは滅多に出張を入れない。行くときはなんやかんや言って母さんを連れてこうとするし、オフシーズンの時なら僕も着いていった。学校がある時は流石にそんなことはなかったけど、基本的に自由なひとだから唐突になにかを言い出すので状況適応力と把握力がいるのが困る。
「コーヒー飲む?」
「うん、勇利は?」
「母さんは仕事。今やってる仕事もうちょっとだから仕上げるって。」
「そっか…」
目に見えてしょぼくれる父さんの背中を軽く叩いて労う。おつかれさま。
父さんは僕の肩に顔を埋めて暫く動かなかったけど、マッカチンがワンって吠えたらマッカチンに抱きついていた。
父さんはブラックだな。下手に砂糖入れると飲めなくなるし。しゅんしゅん音を立ててお湯が沸けていくのを見ながらマグカップを二つ出す。
ついでに母さんにもつくってあげよ。母さんはカフェオレだ。
なんとか今まで通りの更新ペースにしたいので一回ずつがみじかくなります…すいません…
- Re: 父さん 2 ( No.20 )
- 日時: 2017/01/22 15:46
- 名前: 五月雨 (ID: 6PL6dW6J)
父さんはスケート界の歴史を作ったひと。ユリオや母さんもそうだけど、やっぱり父さんは別格だ。世界中を驚かせた天才。連覇中に休んで記録をストップさせたり、なのに復帰した世界選手権一発目で優勝。休んだからだと周りに母さんを責めさせる理由を与えないためだ。それでも当時のロシアのスケート連盟からは大分圧力がかけられたらしいし日本のスケート連盟も父さんとの結婚にいい顔はしなかったけど。ファンの間でもどうしても批判的な人は居た。……まぁ、それだけで父さんが屈するわけないけどね?まず恐ろしかったのはロシアのスケート連盟の幹部達の弱味を握りマスコミや他国のスケート連盟にリークしてメンバーを一新し、母さんへの圧力をやめさせたこと。ロシアのスケート連盟が黙れば日本も黙らざるを得ない。ファンについてはわざと放置していた。母さんがサンクトペテルブルクに来た一年目の終わりごろ。ナイフをもって母さんに襲いかかってきた過激なファンがいた。父さんはそれを待っていた。そんな事もあるだろうから、と警備の厚いところだけを通るようにしていたから、母さんに怪我はなかった。そして、父さんはSNSにこんなことを挙げたのだ。
【今日、とっても悲しいことがあったんだ。俺の大切な人に、俺のファンっていう人が襲いかかったの。幸いケガはなかったけど、一歩間違ってたら死んでたかもしれない。……俺、これからメディアに出るのやめようかな。大切な人を傷つける位なら。】
これを見たファンは大慌てだ。自分の大好きな人が二度と見れなくなるかもしれない、という不安。それでも過激な人たちは母さんの非難を止めなかったけど、他のファンたちに全て押し潰されていった。余計なことをするな、と。
まあ、全て僕と二人が出会う前の話だけど。
だからこれは人に聞いた話だ。皇帝はほんとに皇帝だった。僕の前ではただの家族大好きな他の人よりちょっとイケメンの父さんでしか無かったけど、やっぱり皇帝だった。
そんなことがあって父さんと母さんに手を出す人は居なくなった。それは例外なく僕にも受け継がれている。ん?何の話だっけ?ああそう、彼がHistoryMakerって話だ。スケートだけなら連覇記録と歴代最高記録をショートプログラムもフリースケーティングも総合得点も持ってるユーラかもしれないけど、それだけではないのだ、僕の父さんは。ただのスケーターじゃなくて、その気になれば多分ロシアを裏から操ることもできる人。昔から父さんの"スケーター以外のトモダチ"は誰でも一度は見たことのある人や政府のなかでもトップクラスの権力を持つ人達だった。父さんはずっと用心していたのだ、何も僕らに起きないように、もしなにか起こっても即座に反撃して、叩きのめせるように。
………………まぁ、目の前で愛犬に仕事の疲れを癒してもらってるこの人なんだけどね。
やっぱり僕からすればそんなに特別な人にはみえないや、普通に愛されたくて、誰かを愛したい人だ。
「父さん、コーヒーできたよ。」
「ありがと、」
- Re: 父さん 3 ( No.21 )
- 日時: 2017/01/22 20:06
- 名前: 五月雨 (ID: ZMpE7sfz)
母さんが仕事部屋にいるときは集中したいときなので、なるべく近づかないようにしている。あの父さんもだ。だからコーヒーを持っていくだけでも普段は滅多に入れない場所なのでちょっぴりドキドキする。母さんらしく、必要なものしか置かれていない。日本文化の塊のようなあの旅館で育った母さんには木が落ち着くらしく、ウッド調のテーブルと椅子、それから小さなラックが幾つかあるだけだった。
「母さん。カフェオレ飲む?」
「ありがとう。頂くね。」
コーヒーを淹れたマグカップは、僕が来たときに家族お揃いで買ったもので、母さんが青で父さんが紫それから僕が緑の小さい花が描かれたデザイン。長く使われて持ち手の所が少し磨り減ったそのマグカップは一家全員のお気に入りだ。
渡して部屋から出ると、父さんから解放されたマッカチンがとてとて、と歩いてきてわんわん吠えてだっこをせがむ。頬を緩めてそれに答えると、微かに父さんの香りがした。
…ふと、興味が湧いた。
父さんにユーラについて聞いてみようか。
何しろ付き合いだけでいえば父さんの方が母さんより長いのだ。また違った視点の考えが聞けるかもしれない。
どこにいるのか、とキョロキョロ辺りを見回して見つけた父さんはキッチンに立っていた。瞳と同じアイスブルーの色のエプロンを巻いて冷蔵庫のなかを探っている。
その姿が夢の中の彼に重なった。
ぶるぶる頭を振ってそのイメージを頭から追い出してしまう。何を馬鹿なことを考えているのだ、目が疲れているのか?と眉間を揉むと、それに気づいた父さんに不思議そうにどうしたのかと聞かれた。
「ううん、何でもない。それより父さん。今日ね…」
母さんの時と同じ説明に加えて母さんの考えを話し、父さんはどう思うのか問う。母さんと同じで唇に指を軽く当てて少し考えると、こう言った。
「アーニーは挫折を知らないよね。」
にこやかに言われる。挫折。どんな意味だっけ。えーと、目的を持って続けてきたことが駄目になること…?だったよね。
挫折。挫折。たしかにした覚えはない。
「ジュニアに上がった一昨年、それから去年。どっちもタイトルを総なめにして勝利を掴んだよね。」
その通りだ。何がいけない?
「アーニーは強いよ。それは間違いない。勇利とそこは同意見だ。王者の椅子を埋めるのもきっとアーニーだろうね。アーニーにとって勝つことはそう難しくないことだろうから。」
あぁそうだ。試合に出るときは今までやって来た練習通りに、或いはそれ以上の演技をすれば表彰台の一番高いところに上れた。だからさっさとシニアに上がれって周りにせっつかれたんだっけ?元々15歳で上がるつもりだったけど。
「ねえアーニー。でもその勝利は嬉しかった?」
ゆったりした声音で父さんは僕の頭のなかをガツンと殴る。
"その勝利は嬉しかった?"
勝つことは嬉しかった。自分のしてきたことが無駄じゃなかったと証明される瞬間だったから。カツ丼が食べられるから。嬉しいに決まっている。
「ねえアーニー。君は誰を越えようとしてるの?」
重ねられた質問の答えは簡単だった。あなただよ、父さん。僕は貴方を越えたい。
「…僕の目標は、父さんだよ。母さんは僕と似てるから、ちょっと越えるって感じじゃないし、ユーラはコーチで、指導者だからね。」
「…ほら、アーニーのライバルはどこ?」
薄く微笑みながら問われたことは、母さんにも言われたことだった。
"けど、アーニーにはライバルがいないんだろうね"
「アーニーのライバルは過去のスケーターだ。今は現役を退いた、黄金世代と言われた頃のスケーター達。物足りないんだろう?いまのレベルじゃあ。」
何かがカチリと噛み合う音がした。
- Re: 父さん 4 ( No.22 )
- 日時: 2017/01/24 00:12
- 名前: 五月雨 (ID: ZMpE7sfz)
頭のなかがずっと冷えていった。物足りない、なにそれ、そんなこと……
「アーニーの強いの基準は俺たちだからね、間違いなく歴代最高峰の強さを誇った俺たちの世代。その最後の一人だったユリオが引退して、スケート界は低迷してる。ユリオに引っ張って貰ってきてた事に今さら気づいたんだね。………ねぇアーニー、ユリオはね、どんどん衰退していくスケート界を一番近くで見てたんだよ。ユリオは、アーニーもそうなると思って怖かったんじゃないの?」
"アーネスト、お前スケート楽しいか?"
衰退していくスケート界。ライバルもいなくて、ただ勝つ為だけに滑るスケート。そんなものの何が楽しいのか。
追い詰められた思考の中で引きつれたこえで父さんに答える。
「…まだわかんないじゃん」
もしかしたら、もしかしたら、ユーラの時とは違うかもしれないじゃん。
「そもそもまだ僕がそこまで強いかもわかんないじゃん」
「わかるよ、俺と勇利の子どもだもん、最強に決まってる。」
…ずるい。
声にならない呟きをしっかり拾うと、ゆっくりだきしめられた。
「俺たちじゃなくてちゃんとユリオに聞いてごらん。」
「…うん」
- Re: お知らせ ( No.23 )
- 日時: 2017/01/24 17:47
- 名前: 五月雨 (ID: jBnjPLnI)
最近ようやく雑談は掲示板でするのかと気づいた………掲示板作ったので良ければ見てください〜ユーリオンオンアイスについて語るスレです!
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