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捏造満載でヴィク勇? かみさまのおはなし リクエスト募集
日時: 2017/04/08 14:14
名前: 五月雨 (ID: qbtrVkiA)

題名のまんまです
書きたくなったのでヴィク勇行こうと思います
けどヴィク勇はすでにくっついてる熟年夫婦なのでヴィク勇要素は薄めです
誤字脱字はあったら教えてください
捏造が酷いです
コメントは泣いて喜びます、誹謗中傷、荒らしはご勘弁を
オリキャラがでてきます
完結できるかもわからない不定期更新ですがお願いします!

現在リクエスト募集中!カプさえあれば大体は書ける(クオリティはさておき)ので気軽にリクしてくださいね〜。シチュエーションや属性はお好みでどうぞ♪

Re: なんとなくだけど 5 ( No.59 )
日時: 2017/03/28 05:01
名前: 五月雨 (ID: NegwCtM0)

「ありがとシエル」
顔が微笑んでいるのがわかる。シエルはなぜかちょっと俯きながらいや、その、とかなんとか口ごもってた。なんで?
シエルのお陰で大事なことを思い出せた気がする。僕がスケートをするのは勝つためだし、父さんを越えるためだけれども、それだけじゃない。そんな当たり前のこと、どうして忘れていたんだろう。
夢の中のヴィクトルのことをそこまで大きく考えなかったのもきっとそのせいだろうな、だって彼は僕と同じだからね。
思えば僕のスケートは三つのLで満たされている。
lifeと、
loveと、
likeだ。
スケートが好きだ。寝る間を削ってやりたいほど好きだ。氷の上では別人になれるのが、重力から解放されて空を飛べるのが、どんなときでも裏切らないでいてくれることが、そして何より、僕の大切な人達もおなじだけ好きなのが、大好きだ。
「なんかおまえ吹っ切れた?」
いつもの明るい笑顔にこちらも笑い返してから言う


ねえねえ、話したいことがあるんだ。
今年のフリー凄いの見せてあげるね。
シエルは僕の演技好きでしょう?
だから、きっと気に入ってくれると思う。
曲名は"Ernest's favorite things"
アーネストの好きなもの
僕の好きなもの
…ふふっ
思い出させてくれてありがとう


そっと、ぽかんとしてるシエルの頬に、唇を寄せて軽く触れるだけのキスをする。感謝の印だ。
…なんで真っ赤になってるの?

Re: ヴィクトル=? 1 ( No.60 )
日時: 2017/03/29 13:37
名前: 五月雨 (ID: NegwCtM0)

家のドアの鍵はとっくに開けたけど、なぜか一歩踏み出せずにいる。やっぱりちょっと帰りにくいな。
…でもここでうだうだしてても変わらないよね。
丹田にぐっと力を込めて、試合前よりよっぽどドキドキしながら扉を潜る。少しいつもより声を張った。
「ただいま」
「おかえりアーニー。」
いつもと変わらない母さんの声に少し拍子抜けしながらマッカチンを撫でる。台所で鼻歌を歌いながら野菜を刻んでいる母さんはいつも通りの母さんだった。変わらない日常って大事なんだな。
「手伝う」
「ありがとう、ピーマン半割りにして種とって」
「わかった」
なんとなく手伝いを申し出て、微妙に距離を空けて包丁を構えた。母さんに仕込まれたので一通りの切り方はできるし、料理だってそこそこできる。
ヴィクトルとカツ丼を作ったのが懐かしいな。美味しそうに頬張ってたよね。ながい髪を一つに括るわけでもなく、上手によけて食べていた。純粋無垢な青い瞳をキラキラ輝かせて細めながら、美味しい!と口をハートにして叫んでたよね。
考えれば考えるほど、今の父さんにそっくりだ。
なんとなく彼が何なのかは分かった。彼は●●●●だ。とても歪な●●●●。あんまりにも僕のことがもどかしくなったのだろうか。僕だって彼に愛されている自信はある。
それにしても父さんの姿をしてるなんてね。それとも逆なのかな?父さんが彼に似たとか。ありえる。
まぁ、それも終わりにしないとね。
楽しい夢は覚めるもの。覚めないといけないもの、
僕の演技を凄かったと笑うあの顔は絶対一生忘れない。

Re: ヴィクトル=? 2 ( No.61 )
日時: 2017/04/02 02:30
名前: 五月雨 (ID: NegwCtM0)

父さんが帰って来た。
「ただいま!」
「お帰り。火使ってるから抱きつかないで」
「勇利が冷たい!」
カツキノシオだ。
とぷんぷんしてる父さんは…親に使う表現ではないけど可愛らしい。というか微笑ましい。昔から子どもじゃないんだからと母さんにたしなめられる様子をずっとみてきたからかもしれないな。
いつも父さんはにこにこ笑ってて、周りを振り回す天才だった。けれど、振り回して楽しませていた。天性のエンターテイナーだったのだ。そして強い。世界選手権、グランプリファイナルともに5連覇するくらいには。けれとどんなときでも笑顔を絶やさないし、ファンサの神でもある。自分のファンを大切にし、決して自惚れたりはしない。その上眉目秀麗で神々しいほどに美しい容姿。三流モデルなんかじゃあ太刀打ちできないレベルだ。年収はたぶんそんじょそこらの社長にも劣らない位。
…考えれば考えるほどほんとに凄い人のはずなんだよな。
「なんで勇利はお仕事頑張った旦那にそんな塩対応なの!?」
「声が大きいよヴィクトル…だって僕ならまだしもヴィクトルが火傷なんかしようもんなら僕凄い泣くよ?あなたのその雪みたいに透き通った肌に傷がつくなんて耐えられない。」
「え…んんんん…」
…凄い人のはずなんだよなぁ。
バカップルにしか見えないけど。
これもヴィクトル・ニキフォロフ。
夢の中のヴィクトルも、現実のヴィクトルも同じヴィクトル。なのにイコールでは繋がらないなにか。
もじもじ照れてる父さんに、母さんが火を止めて腕を広げた。それだけで、くしゃっと顔を歪めて笑いながら父さんはそこに飛び込んでいく。
笑うと少し深いシワが刻まれて、普段はとても40代にみえない美貌が年相応になる。彼も年を取るのだから当たり前だ。
カツキノシオはもうやだよ。
と誰に吹き込まれたのかわからない言葉を使いながら、父さんは幸せそうに母さんの肩に顔を埋めた。

Re: お知らせ ( No.62 )
日時: 2017/04/03 03:37
名前: 五月雨 (ID: NegwCtM0)

覗いてみたら、なんと…閲覧500突破してる!
滅茶苦茶嬉しいです(*^^*)
これからもアーネストの行く末をどうぞ見守ってください(*´ω`*)

…なんか記念に短編書こうかな……

という訳でリクエスト募集!
カップリングだけ必須でシチュとか属性はお好みで♪基本雑食なのでなんでも書きますよ(クオリティはさておき)

気軽にリクしてくださいね〜

Re: ヴィクトル=? 3 ( No.63 )
日時: 2017/04/03 03:58
名前: 五月雨 (ID: NegwCtM0)

ばふっ、と音をたててベッドに倒れこんだ。
…今日もきっと会えるよね。

暗転。そして閉じた瞼の上からでも分かる強い光。目を焼くような強い光に腕で顔をかばうと、だんだんその光は弱まった。
「…やぁアーネスト。」
優しい声が耳に心地よく響く。まだ少しチカチカする視界の中で少しずつ彼が見え始めた。
今日は長い銀髪を一括りにして、黒い衣装を着ている。涙のようにもみえる水色の結晶が全身に散りばめられていて、カマーバンドから出ている布はスカートのようだ。裏の深紅の生地が動く度に見えるのもとても格好いい。…これ、母さんも着てた奴だ。
「どう?今日はさ、アーネストに俺の演技見せようと思って。」
「………凄く、素敵だね。」
「そう?嬉しいな。」
じゃ、みてて、とリンクに滑り出す。彼が中央でスタートポーズをとると、勝手に音楽が流れ出した。
これって、"スリーピングビューティー"?
当時のジュニア最高得点を出したプログラム。
母さんがヴィクトルオタクになるきっかけの。
しなやかに動き始めると、彼は自分の世界を作り出した。スピンもステップもジャンプも洗練されていて、プログラムのなかに何の違和感もなく溶け込んでいる。大きく体を使った振り付けは、眠れるお姫様にも、勇敢な王子にもみえて、彼が何を表現したいのか、よく分かる。お城や衛兵だって見えてきそうだ。
それに何より、あの顔。
スケートが楽しくて仕方がないと語りかける表情。
いつまでも滑っていたいと訴えかける美しい瞳。
完成されたスケーティングからも、彼自身からも伝わってくる。
スケートが大好きだ。と。
父さんは母さんに会うまで、lifeもloveもほったらかしって言ってたけどさ、スケートへのloveは欠かしたこと、無かったと思うんだ。
フィニッシュポーズをとってからも、演技が終わったことが信じられないくらい、まだ彼の周りには彼の演技の名残があった。ふわふわ、ゆらゆら漂いながら、彼を人間から遠ざけていた。


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