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- 捏造満載でヴィク勇? かみさまのおはなし リクエスト募集
- 日時: 2017/04/08 14:14
- 名前: 五月雨 (ID: qbtrVkiA)
題名のまんまです
書きたくなったのでヴィク勇行こうと思います
けどヴィク勇はすでにくっついてる熟年夫婦なのでヴィク勇要素は薄めです
誤字脱字はあったら教えてください
捏造が酷いです
コメントは泣いて喜びます、誹謗中傷、荒らしはご勘弁を
オリキャラがでてきます
完結できるかもわからない不定期更新ですがお願いします!
現在リクエスト募集中!カプさえあれば大体は書ける(クオリティはさておき)ので気軽にリクしてくださいね〜。シチュエーションや属性はお好みでどうぞ♪
- Re: 朝 ( No.14 )
- 日時: 2017/01/12 00:18
- 名前: 五月雨 (ID: ZMpE7sfz)
「おはよう母さん」
「おはよう、わっちょっ!マッカチン!めっ!」
今日も朝から元気なマッカチンを抱き上げる。母さんを困らせちゃダメだろう?
最早夢と呼んでいいのかわからないあの夢のことはとりあえず忘れてしまえ。練習して、ご飯食べて、それからまたあの夢を見たら本人に聞いてやればいい。
ここまで来るとそうやって割りきるしかなかった。だからといってすぐに割りきれる人は極少数だろうが、幸いなことに両親ともあっけからんとした環境で育ってきたアーネストにとって難しいことではなかった。
日常生活に支障がなければそれでいいよ、もう。
「ヴィクトルまだ寝てる…アーニー、起こしてきてくれる?」
「いいよ。」
珍しくまだ起きていないらしい父さんを起こしに、二人のベッドルームに足を踏み入れる。二人の好きなバニラの香りがした。
「父さん、朝だよ?」
「…………んー、」
裸で寝る父さんの背中を軽く叩く。
「仕事は?」
「ある…」
「じゃあ起きなきゃ。朝御飯できてるよ」
「……うー。」
また本当に珍しい。ここまで愚図るなんて。寝起きの良い父さんの事だから、母さんが何かして拗ねてるんじゃないかと思ったのに。
「ヴィクトルー、今日はコーヒーと紅茶どっちが良いー?」
キッチンから聞こえてくる母さんの声にコーヒー、と呻く。もう起きなよ。と声をかけてからリビングに戻った。
「父さんコーヒーだって。」
「わかった。ありがとアーニー」
いつもどおり、じゃなくても、12年間のなかでいくらでもあった日々だった。
- Re: お知らせ ( No.15 )
- 日時: 2017/01/16 08:55
- 名前: 五月雨 (ID: QFE58D55)
一週間くらい更新出来ないかもです…
- Re: ユーラ ( No.16 )
- 日時: 2017/01/21 01:37
- 名前: 五月雨 (ID: ZMpE7sfz)
「ユーラ、おはよう」
「おう、おはよう。」
ホームリンクで今日も練習する。すでに決まっているショートを軽く練習し、まだ決まっていないフリーについての話をした。
「今年のテーマは"感謝"ショートではユーラへ。フリーでは、やっぱり父さんと母さんに伝えたい。」
「あぁ。それについては好きにすればい。ただ曲をどうするかだ。」
そう、曲がなかなか決まらない。イメージに合うものがなかなか見つからないのだ。かといって自分で作れるほど僕はセンスがないし、誰かに頼むのが妥当な流れだろう。
「……俺の知り合いに面白い奴がいる。そいつに頼むか?」
ユーラのその申し出を有り難くうけて、曲のイメージを伝えた。
なんといってもあの二人だ。並大抵なものでは伝えきれない。フリーのテーマは、僕が二人にであってどう変わったかを表現したいから…
「僕の人生について」
これかな。
ありきたり?
でも一番しっくり来る。
まだ15歳。こんなテーマは早いと言われるかな。とおもってたけど、ユーラはわかったといっただけだった。何となく拍子抜けした。
練習が終わって、片付けている時だった。ユーラが不意に僕に問いかける。僕は思わず手を止めた。
「アーネスト。お前スケート楽しいか?」
ユーラらしくない、弱々しい声と横顔。なにかを思い詰めたような。それに、質問された事の意味もよくわからなかった。楽しいかと聞かれるほど、僕のスケートはつまらないものだったのだろうか。でも、どうしたの、と聞くのも躊躇われる。そんな事ユーラは聞きたいんじゃないだろうから。
15歳にしては大人びた考え方だったが、それにアーネストが気づくことはない。
「楽しいよ?ユーラもいるし。父さんも母さんもいるし。」
笑ってそう答えると、ユーラはくしゃくしゃに顔を歪めた。何かに絶望するみたいな顔だった。
「ユーラ?」
「……………なんでもねぇ。」
気になるところではあったが、深く詮索するのも嫌がるだろうし、今はそっとしておこう。そっか、とだけ呟いて片付けを再開した。
- Re: お知らせ ( No.17 )
- 日時: 2017/01/18 00:49
- 名前: 五月雨 (ID: ZMpE7sfz)
以外と更新できちゃった。
リアルの方がいそがしいので更新頻度は下がるかもです…。
今後ともよろしくお願いします。
あとほんとに寂しいので誰かきて(>_<)
- Re: 母さん ( No.18 )
- 日時: 2017/01/22 15:42
- 名前: 五月雨 (ID: 6PL6dW6J)
「アーニー、元気ないね?」
「そう?」
母さんにそんな事を聞かれたのはは夕飯の時だった。いつも通りだったつもりなんだけど、どうして?あぁそうか、ユーラのことがあったからかな。母さんの方がユーラについてよく知ってるだろうし、ちょっと聞いてみようかな。
「ねぇ母さん。今日さ……」
今日の出来事について話した。ユーラにスケートを楽しいかと聞かれたこと。どうやって答えたか。ユーラが顔を歪めたこと。
母さんは静かに僕の話を聞いたあと、ちょっと考えるみたいに唇に指を軽く当てた。父さんと同じ仕草だ。
「…ユリオもヴィクトルと同じリビングレジェンドなのは分かる?」
「うん。」
「だから、彼も、スケート界を引っ張ってきたスケーターの一人だよ。ただ、彼が唯一出来なかったことがある」
「え?」
なに、それ。
ユーラのことをそんな風に母さんが評するのを聞くのは始めてだった。
「ユリオは、ジャンプがすごく得意だった。バレエもしっかりやってたから苦手だったステップシークエンスも見事に自分の武器にした。ユリオに教えてもらってから、僕のクワドサルコウが決まるようになったんだ。表現力も、どんどん成長してった。………けどね、ユリオは次の世代を育てられなかったんだよ。」
「次の世代…?」
「そう」
箸を止めてぽつぽつと話す母さんは、どこか遠くを見ている気がした。
「ヴィクトルはコーチとして僕を育てた。自分でいうのもあれだけど、僕だってユリオやピチット君やJJ達と競いあって高めあった。けど…ユリオは…。ユリオが世界選手権5連覇する頃には、ユリオと競える人はいなくなってた。僕たちの世代は、強すぎた。」
何かを堪えるような話し方に変わった事がわかった。
「今のスケーターだって、充分僕は格好いいと思う。最前線で闘うアスリート達だ。けど、やっぱり点数は全然違う。オリジナリティがある人達が激減して、僕やヴィクトルやユリオの背中を追う人たちが多い。」
遠い記憶に思いを馳せる表情は、現役の頃を思い出しているのだろうか。
「ユリオが引退して、王者の椅子はいまがら空きだ。…僕はきっと、その席を埋めるのはアーニーだと思うんだよ。」
「…僕?」
こくっと頷く。親の贔屓目でこんなことを言うような人ではない、けれど、そんな事を言われたのはこれが初めてだった。
「アーニー。アーニーなら、きっと僕もヴィクトルもユリオも越えられるよ。けど、アーニーにはライバルがいないんだろうね。その内ヴィクトルみたいにモチベーションが上がらなくなるんじゃないのかって、ユリオは心配したんじゃないかな。だってアーニー、君がスケートを楽しい理由に挙げたのは僕やヴィクトルやユリオじゃないか。今まで話を聞いてきて、アーニーが同年代の子達の話をしたことなんて殆ど無いね。どうしてかって、だってアーニー。アーニーは強いんだよ。周りのスケーティングが霞むほど。」
臥せられたダークブラウンの瞳は確信に満ちていた
「僕にはわからないけど、きっと不安になったんじゃないの?ユリオは。あと、自分が次の世代にバトンをつなげられなかったことがその原因なんじゃないかって、自分を責めてるんだ。ねえアーニー。どうする?」
ふわっと笑いながら母さんは僕に問いかける。その目は、母さんじゃなくて、強かなスケーターの目だった。大分ましになったと父さんは言うけど、やっぱり母さんは自己評価が低い。母さんだってスケート界を魅了して、歴史にその名を刻み付けたスケーターだ。
「…見せつけるよ。今年のショートプログラムで。僕はそんなにやわじゃないって」
力強く言うと、にっこり母さんはわらった。
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