複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 絶望色のPartyNight(参照1300突破!)
- 日時: 2014/08/13 13:20
- 名前: 深玖 (ID: Hyf7mfn5)
こんにちゎ!
これから、小説書ぃてぃこぅと思ぃまーす☆
初めてなのでお見苦しぃ部分も多ぃかと思ぃますが、
応援して下さぃ(はぁと)
ちなみに、用語解説はリア友の緋賀アリスちゃんに書いてもらいましたー☆
マジ感謝です。
追記・ちょっと見てない間に参照数がとんでもないことに……
>>03 プロローグ
>>36 登場人物紹介
>>38 用語解説
>>10 第1章
>>42 第2章
>>78 第3章・プロローグ
>>79 第3章 アイとミク〜その青春〜(読み飛ばしOK)
>>105第3章 あとがき
>>107最終章 第1節 桃果と私
>>115 第2節 突撃!聖マリアン女学院
>>120 第3節 微笑みの貴公子と爆弾
- Re: 絶望色のPartyNight(参照450突破!) ( No.112 )
- 日時: 2013/12/19 12:37
- 名前: 深玖 (ID: R9GAA8IU)
同日 PM3:15
「はぁーっ……」
なんとか、モモカに追いついた。久々に走ったので息切れが酷い。もう中学生の体力には敵わないのか。一方のモモカは立ち止まってはいるが私の方を振り向くことはない。モモカが逃げてきた場所は、事件があった家の前だった。
「も、モモカちゃん……」
「貴女は……一体何が目的なんですか?」
冷淡な声でそう尋ねられる。目的なんてないんだけどなぁ。
「貴女は警察でも、マスコミでもなさそうです。それなら……」
「モモカちゃん、このままで良いと思ってるの?」
自分でもびっくりするくらい冷めた口調になった。
「警察は今や無能だし、マスコミだって人の不幸を面白がりたいだけ。はっきり言うけど……」
「このままじゃ、迷宮入りするよ」
「え……」
モモカは驚いた顔でこちらを振り向く。
「でも、私が思うに、モモカちゃんはまだ隠してることがある。それを話してくれれば、解決は望める。確実に」
「……本当ですか?」
「私に、協力してくれない?このまま迷宮入りなんて、犯人の思うつぼだし、許せないから」
全部嘘だけど。
モモカはしばらく私を見つめていたが、やがて決心したようにこちらに歩み寄ってきた。
「改めて、自己紹介しましょう」
うげぇ。本名は変な名前だから言いたくないなぁ。
「私は、水色中学校2年のモモカです。『桃の果実』と書いて、桃果えんじぇる」
「……えんじぇる?」
この人、私より変な名前!?
「あ、えんじぇるの部分は気にしないで、桃果って」
「えんじぇるって呼ぶわね」
桃果が睨みつけてきたが、気にしない。
「私の名前は、大倉結子、29歳。大きい倉に、結ぶ子と書いて、大倉結子」
流石に本名を名乗るわけにはいかないので、偽名だ。
「「これから、よろしく」」
私達は握手をした。本当に相手が私を信用してるかどうかは、怪しいが。
「えーっと、ここじゃあ場所が悪いから……駅前の喫茶店で、詳しく話を聞かせてもらえる?」
「はい」
私の提案に、桃果は素直にうなずく。
とにかく、被害者の娘。良い駒を手に入れた。
- Re: 絶望色のPartyNight(参照450突破!) ( No.113 )
- 日時: 2013/12/19 16:03
- 名前: 深玖 (ID: R9GAA8IU)
同日 PM3:45
私と桃果は駅前の喫茶店にいた。私はレモンティー、桃果はキャラメルカプチーノを啜っている。とにかく、桃果に色々尋ねたいことがある。
「えんじぇる、お姉さんの行方はえんじぇるも知らないの?」
「だからその呼び方やめて下さいよ……。私の姉のことはどこまで知っているんですか?」
実をいうと年齢くらいしか知らない私だった。他に何も手かがりはない。だから困っているのだ。
「高校2年生ってことしか……」
「そうですか。私の姉、ミクは恋桜高校の2年生です。そして、事件から5日後に行方不明になりました」
恋桜ってあのバカ高校か……。
「えーと、行方不明になった理由に心当たりは?」
「理由はよく……でも、一緒にいなくなった人は分かります」
え?一緒にいなくなった人がいたの?それは初耳だ。
「まだ警察の方にもお話してないんですが……」
「ミクは、自分の学校の教師と不倫関係にあります」
あちゃー。
「その教師は今でも恋桜高校に?」
「いえ、今は聖マリアン女学院中等部の2年生に家庭科を教えていると姉が言っていました」
聖マリって名門お嬢様学校じゃん……。潜入は難しそうだ。しかも、最近『嫌な事件』もあったばかりだし……。ん?中学2年に家庭科を教えている?
「えんじぇる、聖マリ中2年の女の子が、この前……」
「あぁ、自殺しましたよね……」
そう、6月3日、事件の2日前……この学校の中等部2年の少女が理科室に置いてあった薬品を飲んで自殺するという痛ましい事件が起こった。何か関係はあるのだろうか?
「聖マリにも、今度行ってみる。何かが得られる望みは薄いけど。ちなみにお姉さんと不倫していた先生の名前って分かる?」
「ゴルゴです」
「なかなかダイナミックな名前ね」
「ところで本題に戻るけど、どうしてゴルゴ先生とミクちゃんが一緒に消えたって分かったの?」
「姉は両親のお通夜の時から様子がおかしくて……ときどき会場を抜け出しては、その先生とこそこそ会っていたんです。そして、姉は家出しました……。聖マリに連絡してみたところ、ゴルゴ先生は姉が家出してからずっと学校に来ていないそうなんです」
「そう……」
ならば、今も2人が一緒にいる可能性はかなり高い。ゴルゴとミクの両親を殺した犯人の間に、何か関係性はあるのだろうか?
- Re: 絶望色のPartyNight(参照450突破!) ( No.114 )
- 日時: 2013/12/25 14:30
- 名前: 深玖 (ID: HBzIqIh1)
ここで、私は1つ重大な質問をし忘れたことに気がついた。
「えんじぇるは、誰かに恨みを買うようなことしてない?」
「恨みですか?……そんなことはないと思いますけど」
今回の事件、家にあった金目の物は何も取られていない。怨恨での犯行としか考えられないのだ。桃果にも桃果の両親にも落ち度はなかったとすると……
「じゃあ——貴女のお姉さんは、どう?」
ミクが何かをしでかしたとしか考えられない。
「姉は……そういえば同級生から恨みを買ってるみたいなことを言ってたような」
「本当に!?」
ktkrwktk
「姉は……とてつもなく重い罪を……犯してしまいました……」
「……それは、どんな罪なの?」
「ショートケーキの上に乗っている苺を、苺を……!」
「苺をどうしたの!?」
「苺を食べてしまったんです!」
「はぁ?」
何をいってるんだ桃果は……苺を食べられたくらいで、人が2人も死ぬわけないだろう。でも、聞いてみるだけ聞いてみよう。
「ちなみに、ミクさんが恨みをかってそうな人の名前は分かる?」
「恋桜高校2年生の、アイさんです」
ミクと同じように漢字までは分からなかった。
「なるほどね……」
私はレモンティーのカップを置くと、立ち上がった。
「協力ありがとう、えんじぇる。また何かあったら連絡する」
「本当に……犯人は見つかるんでしょうか……」
「当たり前でしょ!任せときなさい」
嘘だけど。
「じゃあね!」
私は店から颯爽と飛び出したのだった。
- Re: 絶望色のPartyNight(参照450突破!) ( No.115 )
- 日時: 2013/12/25 16:50
- 名前: 深玖 (ID: HBzIqIh1)
最終章 第2節 突撃!聖マリアン女学院
6月18日 PM3:30
私、探偵大蔵結雲は聖マリアン女学院の門の前に建っていた。
「……相変わらずすごい建物ね……」
まるで中世のような上品な歴史ある建造物。そこからは、ブラウンを基調としたセーラー服のやはり上品な少女達が集まって出てきていた。確かあれは中等部の制服だ。
あの少女達は一見純真無垢な人形のように見えるが、あの事件以来、なかなか邪な目で見てしまうことが多くなった。
(あの事件で自殺した娘は、この城の中でどんな仕打ちを受けていたんだろう……)
自殺事件から2週間が経過したが、その娘がいじめが原因で自殺した可能性が高いという以外、何も分かっていないらしい。
(これじゃあ、天国の被害者も浮かばれないよなぁ……)
私は自殺した少女の名前を思い出そうとしたが、浮かんでくるのは名前の上品な雰囲気だけで、全く不可能だった。名字がちょっとだけ似ていたような……。
「あの、大倉さんですか?」
そんな私に、シスター姿の女性が話しかけてきた。
「あ、石川さんですね!今日は取材を受けて下さり、どうもありがとうございます」
「いえいえ……それと、このことは学校には秘密になっておりますので、取材はそこでお願いします」
そう言って石川さんが指さしたのは、学校の敷地内の教会の横にある、倉庫だった。なんか不気味な感じだなぁ。
「あそこならほとんど誰も来ませんし……」
なんか嫌な予感だ。
- Re: 絶望色のPartyNight(参照450突破!) ( No.116 )
- 日時: 2014/02/10 17:07
- 名前: 深玖 (ID: kbBPaUTR)
倉庫内
倉庫の中は、十字架や古い聖像などがたくさん置かれていて、とても不気味な雰囲気だった。そこに座る黒いシスター服を着た石川さんも、とても不気味に見える。
(怖いなぁ……でも捜査の為だ、仕方ない)
「改めて自己紹介させていただきます。私の名前は石川由紀。この聖マリアン女学院でシスターをしています」
「た、探偵の大倉結子です、よろしく……」
「今回は、この前自殺した娘についてではなく、ゴルゴ先生について聞きたいことがあるとのことですが……?」
「はい、そうなんです」
そして私は、ゴルゴ先生(これ本名か?)が一家惨殺事件に絡んでいるかもしれないことなどを端的に話した。
それを聞きながら、石川さんは時折頷き、時折悲しそうに眼を伏せていた。
「なるほど……。ゴルゴ先生は気さくで良い先生だったのですが、確かに何か大きな秘密を抱えているようでもありました……」
「本当ですか!?」
これは捜査の糸口がつかめるかもしれない。
「……大倉さん、今日、私は一つの告白をするためにこの捜査をお受けいたしました」
「告白?」
「えぇ、私は……罪人です」
は?
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25