二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ポケモン対戦小説】BOHパ対戦記録譚
- 日時: 2016/12/29 15:48
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
- 参照: https://www.youtube.com/watch?v=cSKjiY3FnrQ
はじめましての方は初めまして、そうでない方はこんにちは、モノクロです。
本作品は前作『バトル・オブ・ホウエン対戦記』に続く続編作品です。前作ネタなどもあると思いますが、今作だけでも内容は分かるように努めています。
前作の続編ということで、基本形式は前作と変わりませんが、今作はポケモン対戦をするにあたって、BOH——バトル・オブ・ホウエン縛りで対戦します。
バトル・オブ・ホウエン縛りというのは、前作品で題材にしたインターネット大会『Battle of Hoenn〜バトル・オブ・ホウエン』に出場可能なポケモンのみを使用する、という意味です。バトル・オブ・ホウエンに出場できるのは、ホウエン図鑑に登録されているポケモンのみ、作中に出て来るのもそれらのポケモンだけです。
では、次にこの作品の根本について説明しますと、言うなれば『ポケモン対戦小説』です。
対戦小説とはなにかと言いますと、『ゲームにおけるポケモン対戦そのもの』を題材とした作品で、動画投稿サイトに投稿される『ポケモン対戦実況動画』を小説風に書き起こしたものです。
なので本作には、種族値、努力値、個体値といった三値、ABCDSVといった略式記号、ガブ、バナ、クレセドラン、ゴキブロス、ドロポン、月光乱舞といった略称愛称蔑称などなどの、ポケモン廃人が多用する専門用語が多発します。できるだけ初心者の方にも分かるような作品を心掛けたいのですが、基本はある程度その手のことを知っている前提なので、ご了承ください。
作品の向上には全力を尽くすので、分かりにくい、もっとこうしてほしい、などの要望があればいくらでも申し付けてください。
そして、もしもこの作品で、対人戦やランダムマッチに興味を持った方がいたら幸いです。雑談板にモノクロの雑談スレ『DM第4相談室』というスレッドがあるので、よろしければお立ち寄りください。フレコ交換やフレ戦希望なども受け付けています。
勿論、普通に雑談したいという方も歓迎しますよ。
ちなみにこの映像板では同じものを題材としている作品に、モノクロも合作として参加している『俺と携帯獣のシンカ論』。舞台は違えど世界観を共有している、タクさん著の作品『ポケモンバトルM・EVO』があります。よろしければそちらもご覧ください。
というわけで、自称前置きが長いカキコユーザーのモノクロが、最後に注意書きを残して本編へと移ります。
※注意
・本作における対戦はほぼ“ノンフィクション”です。バトルビデオを見返して文字に起こしています(しんどい)。
・対戦相手の名前は改変して使用しています(物語の都合とプライバシーの問題に配慮)。
・対戦相手への誹謗中傷はおやめください(♂のメガクチートにじゃれつかせます)。
・ポケモンが喋ります(ポケモンしか出ないから仕方ない)。
・擬人化要素(イラストを描いて頂きました。許可を貰えたらそのうち紹介したいです)。
・茶番(前作より増量)。
・メタ発言(特に後語り)。
・にわか発言&下手くそプレイング(モノクロへの批判はOK!)。
・分かりにくい解説と文面(簡潔になるよう努めております)。
・BGMの種類増加(選出画面のURLのリンクからBGMに飛びます。種類はポケモンに限らず)。
・BOH縛り(詳細は冒頭の通り)。
・後語り担当は作者代理(名前はまだない)。
以上のことを留意して、どうぞ、モノクロのポケモンたちによるポケモン対戦を、お楽しみください——
オリキャラ募集的なものをしています。詳細は三戦目以降の後語りにて。投稿条件はこの作品が理解できること、ということで。
目次
零戦目「プロローグ」「を装ったあらすじです」
>>1
一戦目「確率世界」「と呼びたくなるほど理不尽です」
>>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
二戦目「ランダム対戦」「はレートもフリーも魔境です」
>>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19
三戦目「永遠の宿敵」「は旧友にして戦友です」
>>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29
四戦目「ポケモンなしで対戦とは笑止千万」「ポケモンなら拾いました」
>>30 >>31 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38
五戦目「後輩」「私のことですか?」「それは違うよ」
>>39 >>40 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>49
六戦目「先輩」「その中は百合の園でした」
>>52 >>53 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>76 >>77
七戦目「トンベリ君」「の憂鬱です」
>>91 >>94 >>95 >>96 >>97 >>101 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111
バトル・オブ・ホウエンパーティー名簿一覧
>>78
タクさんより『BOHパ対戦記録譚』のタイトルロゴ(または表紙絵)のイラストを頂きました。
>>54
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- 対戦パート2 ( No.26 )
- 日時: 2015/03/21 15:56
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
【カイリューのドラゴンクロー!】
[ラグラージHP:5/207]
「っ……耐えた……!」
「うおぉぉぉぉぉぉ! 行きますよぉぉぉぉぉ!」
【ラグラージの吠える!】
再び、ラグナロクの号砲の如き雄叫びが響き渡る。
その勢いで、カイリューは吹き飛ばされ、代わりの龍が飛び出してくる。
【リザードンは戦闘に引きずり出された!】
「……とりあえず、助かったわね」
「まさか耐えるとは思わなかったぜ」
「流石はラグナロクだ。やはり貴様の耐久力は、評価に値する」
「そんな照れますねぇ、HAHAHA!」
「キモイからちょっと黙れ。さて、出て来たのはリザだが……」
ここでまた積んでくるのか、それともラグナロクを処理するつもりなのか。
相手は先ほど、カイリューで積んできた。ということはこのメガリザードンも、ここを起点にする可能性は十分あり得る。
ならば積まれてもいいように吠えるか。いや、それでは最低限の危機回避にしかならない。こちらがアドバンテージを全く取れていない。
「なら、積み対策、兼こっちが少しでもアドを取るために、ここは欠伸かね」
「欠伸を入れたからといって、アドバンテージが取れるわけではなさそうだが」
「少なくとも、お前が死に出しした時に動きやすくはなる。とはいえ、ここはステロが欲しい場面だな。カイリューを流すんなら、波乗りじゃなくてステロの方が良かったか……」
しかしそんなことは所詮、結果論にすぎない。そもそも積んでくるとは思わなかったからこそ、あの場面は波乗りを選択したのだ。
【リザードンのドラゴンダイブ!】
【ラグラージは倒れた!】
「普通に殴ってきたわね」
「しかしこいつ、全然外さねーな……命中90%を切ってる技を三回すべて当てるとか、運命力の高さを感じるな」
「四回に一回は外れるドラゴンダイブも二回当ててるし、ヤケモン適正はありそう?」
実際、このメガリザードンは採用技がヤケモンっぽい気がする。龍の舞を採用している時点で、ヤケモンなはずはないのだが。
「さて、と。ラグナもぶっ飛ばされたっつーことは……」
「うぅ、すみませんグレンさん、後はお任せしますねぇ」
「あぁ、任せろ。だらしない貴様たちの分まで戦うとしよう」
「一言余計だっつーの」
雷切、ラグナロクとやられてしまっては、もう後はグレンにすべてを委ねるしかない。
ここから、グレンで三タテする。勝利への道はそれだけだ。
「ちっ、まさかここで、全部お前に頼ることになるなんてな……」
「不満か? それとも私が信用ならないか?」
「俺としちゃ不満だらけだ……がお前の力は信用してる。なんとかして来い」
「無茶苦茶な司令塔だが、まあいい。では、私も出るとしようか」
【任せた! バシャーモ!】
『Information
グレン(DM:バシャーモ)
性格:クールで毅然としており、仕事柄こと戦闘においては非常に頼りになる存在。とても男前。
性質:高い攻撃力と広い技範囲、そして加速により際限なく上昇する素早さで相手を蹴散らしていく。
攻撃性能[A] 防御性能[C] 機動性能[A] 多様性[A]
仕事:拳で解決できる依頼は大体引き受けている。
End』
「さて、相手はメガリザードンX。このままではスピードが足りんな。一度守って加速す——」
「待て」
グレンが守りの体勢を取ろうとしたところで、雷切からの制止がかかった。
「なんだ」
「ここでの守るは安直だ。相手としてもそれは読めるだろうぜ」
バシャーモの守るは読みやすい。ほとんどのバシャーモには守るが採用されるため、ここで相手が守る読みの行動をしてきたとしても、なんら不思議はない。
特に、もしここで守るを読んだ龍の舞でもされようものなら、堪ったものではない。
「だが、素の状態ではあちらが速い。先手で攻撃されたらどうする」
「俺の読みでは、あのメガリザXは恐らく、CSベースの両刀だ。地震があるかは分かんねーが、メガシンカしたお前なら一発は耐えられると踏む」
「……根拠はなんだ」
「ラグナへのダメージと、奴が両刀であることだ」
一舞したドラゴンダイブを急所に当ててもなお、相手のメガリザードンはラグナロクを倒せなかった。硬い爪の補正がかかっているのに、だ。
それはつまり、相手はAにあまり努力値を割いていないのだと考えられる。CS振りで特殊火力を上げつつ、物理火力は龍の舞で補う。恐らく、そんな型なのだろう。
なので、ここで相手の攻撃を、グレンが耐える可能性は十分あり得る。
「……いいだろう。貴様を信じよう」
「別に信じるかどうかはお前の勝手だぜ。だが、ここは守る読み龍舞読みの、サブウェポンで殴ることを勧めとくがな」
「やはり、貴様はブレインをしている方が有能だな」
「まるで実戦じゃ無能みてーな言い方だな、おい」
「では、行くぞ!」
雷切の言葉を無視して、飛び出していくグレン。雷切の読みが正しければ、相手は守るを読んだ居座り龍舞。
グレンはそこに攻撃を叩き込み、メガリザードンを撃破する、つもりだった。
しかし、
【龍たちはリザードンを引っ込めた!】
「む、退避した、だと……?」
「こいつぁ……守る読みっつーのは当たってかもしれねーが、舞わずに交代してきたか。どの道、殴って正解かね」
【龍たちはオノノクスを繰り出した!】
【オノノクスの型破り! 相手のオノノクスは型破りだ!】
「出て来たのは、オノノクスですかぁ」
「好都合だ。奴は襷の可能性が高い」
「ここで襷を潰せりゃ、次の攻撃で落とせるだろうしな」
守る読みとは言え、なぜメガリザードンを残したのかは疑問ではあるが、この際そんなことは気にしていられない。
後はこのまま、一気に突き抜けるだけだ。
「さて、まずは……力を解放させてもらおう」
【バシャーモのバシャーモナイトと、メガバングルが反応した!】
グレンのメガストーンと、どこにあるのかが定かではないメガバングルに付けられたキーストーンが激しく輝く。
そしてその輝きの中で、グレンは、さらなる進化の形態へと、昇華する——
【バシャーモはメガバシャーモにメガシンカした!】
「——準備は整った。ここからが本当の、戦闘開始だ!」
【バシャーモの地震!】
[オノノクスHP:4割弱]
グレンは激しく震脚し、地面を揺さぶる。洞窟を崩壊するのではないかという勢いで、傍からすれば内心恐々だ。
「ふむ、確定二発は取れているな。これならば、次も地震で落とせる」
「あぁ……それはいいんだが、グレン」
「なんだ?」
「なんで地震なんだ?」
「跳び膝蹴りは外すリスクがあるからな。あの体力のメガリザードンXであれば、地震で倒せる」
「いや、そうじゃなくてだな……言い方を変える。お前、なんでエッジを撃たねーんだ?」
「採用していないからだ」
【バシャーモの加速! バシャーモの素早さが上がった!】
グレンが加速する中、雷切の中では静寂と沈黙が支配していた。それでも脳みそはフル回転。
先のメガリザードンX対面で、グレンは地震を撃った。それは、つまり、
「今回の私はフレアドライブ、跳び膝蹴り、地震、守るという技構成だ。ストーンエッジは最初から組み込まれていない」
「馬鹿野郎! それだとカイリューに打点ねーだろうが!」
「確かにそうだな……だが、なにか貴様には考えがあるのではないのか?」
「あるわけねーだろ!」
「なんだと!?」
と、ここでグレンが雷切のところまで戻ってきて、その胸倉を掴みあげる。
同時に雷切も同じことをしており、胸倉の掴み合いとなった。
「なんてことだ……ということは、カイリューへの有効打は貴様しかもっていなかったということか!」
「お前がリザに打点があるとか言うからだ! 適当なこと言うな!」
「私はあの時点で相手のリザードンがXだと確信していた! 相手は龍だと何度も言っただろう! それに、私は炎に打点があると言ったのだ! リザードンへの打点があるとは一言も言っていない!」
「紛らわしいんだよ! もっとはっきり言いやがれ!」
「あー、また始まった……お二人とも、今はそんなことしている場合じゃないですよぉ」
諍いとなった雷切とグレンの間に、ラグナロクが仲裁に入る。しかし、ヒートアップした二人はなかなか止まらない。
そんな三人を、外野の二人が呆れた表情で見ていた。
「……カオスになってきたわね」
「なんにしても、これはちょーピンチだね。流石に今回は負け試合かなぁ。せっかくいい対戦だと思ったんだけど、ボツ試合になっちゃった」
「なんの話?」
「メタい話」
それはそれとして。
雪姫の言うように、ここから勝ち筋を拾うのは絶望的だ。というか、ほぼ負けといって差し支えない。
しかし、これがネット対戦なら降参すれば終わりだが、残念ながら今回は討伐の仕事。そういうわけにはいかない。
まあ、また雪姫にならってメタいことを言えば、ランダムマッチでの対戦に脚色を加えているだけなので、降参は可能なのだが。
「——ちっ、しゃーねぇ! もうこの際だ、こうなりゃ最後までやるだけやるっきゃねぇ!」
「早々に倒れた貴様が言える台詞ではないな。いいだろう、私がすべて薙ぎ払ってみせよう」
「ふぅ……お二人とも、なんとか分かってくれたみたいですねぇ」
ラグナロクの頑張りによって、雷切とグレンの喧嘩はとりあえず収ま——ってはいないが、矛先はとりあえず龍へと向いた。
雷切は一度深呼吸をして、思考を切り替える。
「……こうなっちまった以上、もう俺らは正攻法じゃ勝てねぇ」
「だろうな。もはや考えることはあるまい。私が、ひたすら殴るまでだ!」
と言って、グレンはその拳を地面に叩きつける。
【バシャーモの地震!】
【オノノクスは倒れた!】
それと同時に発生した衝撃波でオノノクスが吹っ飛ばされ、戦闘不能。
まずは一体だ。
「……ここ、相手が最速スカーフであることを考慮して、一度守っといたほうが良かったかもな」
「少し浅慮だったか。反省せねばな」
結果的には相手は襷だったのか、なにもせずに倒せたが、こういう細かいミスを潰していかなくては、高みには登れない。
【バシャーモの加速! バシャーモの素早さが上がった!】
グレンはさらに加速する。これで素早さ二倍。たとえスカーフ持ちがいても、もう追いつくことはできない。
しかし、今の問題は素早さではないのだ。
【龍たちはカイリューを繰り出した!】
- 対戦パート3 ( No.27 )
- 日時: 2015/03/21 16:01
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
【龍たちはカイリューを繰り出した!】
「来たか、カイリュー……!」
今回のグレンは、カイリューに有効打を持たない。すべての技が半減以下にされるのだ。
一方、相手は龍舞型。ならば、地震くらいは持っていてもおかしくない。
かなり絶望的な対面だ。
「……勝ち目はあるのか? 非常に遺憾だが、このまま背を向けて走るという手もある。無理に戦い続ける必要はない」
「あ、作中にも降参みたいなコマンドはあるんだ」
「? なんのことだ?」
「ご主人様の代弁?」
「意味が分からんのだが……それはどういうことだ?」
「あー、グレン。あいつの言うことに真面目に取り合うな。馬鹿を見るぞ」
「馬鹿とはなにさー、馬鹿とは」
「分かった分かった。このまま脱線し続けるわけにはいかねーし、話を戻すぞ。確かに俺らの選択肢には逃走もあるが、まだ勝ち目がないわけじゃねぇ」
「本当か?」
グレンが尋ね返すと、雷切は無言で頷く。
そして、そんなグレンへと指示を出した。
「ま、次の行動次第ではあるけどな。俺たちが勝つには三つのタスクをクリアする必要があるが、とりあえずグレン、一発あのマルスケデブを殴れ」
「膝でね!」
「了解だ……む? 殴る、膝で……?」
「ユキ、話がこじれるから、あなたはこっちであたしと見ててなさい」
「膝を撃つってのは合ってんだけどな」
「とりあえず、跳び膝蹴りを当てればいいのだな。了解した!」
一息で飛び上がり、グレンは空中で片足を折り畳むと、そのままカイリュー目掛けて急降下する。
そして、その膝を叩き込んだ。
【バシャーモの跳び膝蹴り! 効果はいまひとつのようだ……】
[カイリューHP:6割弱]
「くっ……!」
「意外と入ったが、半減じゃこんなもんか……」
攻撃特化したグレンの最大火力の跳び膝蹴りだが、流石にタイプが悪い。半分も入らなかった。
「半分入れば、次の膝で落ちてたかもしんねーが……ますますステロを撒かなかったことが悔やまれるな。ステロダメで削ってリャ、乱数次第で落とせてたかもしれねぇ」
「申し訳ないです……」
【カイリューの地震!】
細い勝ち筋がさらに細くなりつつある中、相手のカイリューも、巨体を地面に叩きつけ、衝撃波を放つ。
「やっぱ地震は持ってたか」
「というかライ、この地震は耐えられるの?」
「可能性はある。メガシンカしてグレンの耐久は上がってるからな」
「でも……」
「それだけじゃねぇ。奴は一舞しても、ドラクロで半分削れたラグナを落とせなかった。だから恐らく、あのカイリューはAを削って耐久を多く割いてんだろーぜ。それなら」
耐える見込みはある。
そして、カイリューの放った地を這う衝撃波が、グレンの身体を突き抜ける。
【効果は抜群だ!】
[バシャーモHP:14/158]
「くぅ、流石に効いたが……!」
「おぉ、耐えましたねぇ! グレンさん!」
「とりあえず、第一タスクはクリアだな」
案外バシャーモ、とりわけメガバシャーモの耐久は、ここぞという時に頼りになる。
減り方からして乱数っぽいが、運良く低乱数を引けたのかもしれない。
【バシャーモの加速! バシャーモの素早さが上がった!】
「さて、じゃあ次の問題だな。見た感じ、グレンの膝は奴に確定三発……多く見積もって低乱数二発だ。予想通りっちゃぁ予想通りだがな」
「なんにせよ私にできることは、再び跳び膝蹴りを当てることだけだが」
「そもそも、カイリューってことは……」
「あるよねー、神速」
唯一無二、優先度+2の先制技、神速。
今のグレンは、明らかに神速圏内だ。
「だから第二タスク、神速がないことを祈れ」
「そんな無茶な……」
「神速切りのカイリューなんて、ほとんどいませんよぉ」
龍舞型だろうと、鉢巻型だろうと、カイリューはほぼ確実に神速を持っている。持っていないのはヤイリューくらいなものだろう。
しかし相手の火力的に、ヤイリューであることは考えにくい。
「それでも今はないと考えるしかねーだろうが」
「でもさぁ、仮に神速がないとか、押しミスしちゃったとかあっても、次の膝じゃ落ちないんじゃない?」
「あぁ、そこが第三タスクだ」
相手の残り体力と、先ほどのダメージ量から見て、次の跳び膝蹴りで倒すことは難しいだろう。
なら、どうすればいいか。簡単だ。
「急所に当たることを祈れ」
「また運ゲーなの……」
「しかも相手依存ですよぉ!」
「無茶苦茶にも程があるな」
第一タスクをクリアしても、第二、第三タスクが無茶難題。
相手依存で神速切り、自覚に賭けて急所狙い。確かに正攻法ではないが。
「結局、単純にもう一度私が飛び膝蹴りを当てるということではないか」
「そうなるな。さあ行ってこいや」
「……いざとなれば、貴様を餌に我々は逃走するぞ」
最後の一言そう言い残してから、グレンは飛び出していく。
「神速があれば、ここで撃つ以外にはあり得ねぇ。さーて、どう来る……?」
【バシャーモの跳び膝蹴り!】
グレンが跳ぶ。その瞬間にも、相手のカイリューに動きはなかった。
跳び膝蹴りを放つ刹那の間まで攻撃がないということは、つまり、
「本当に神速を切ってたの……なんなのかしら、このカイリュー」
「役割重視で、残りは炎パンとかだったのかもな」
火力に削ったカイリューであれば、あり得ない話ではないと思う。
なんにせよこれで、第二タスクはクリア。
後は、すべて天運に——グレンの自覚に、委ねるだけだ。
「グレンさーん! ファイトですよぉ! あなたなら大丈夫です! HAHAHA!」
「ここまで来て倒せないとか抜かすんじゃねーぞ脳筋女! きっちり決めてこいや!」
後ろでは、グレンに対する声援が響く。
滞空しながら、そんな旧友の言葉に溜息をつきたくなる。
(相変わらず連中は要求が無茶苦茶だな。だが)
自分たちはいつだってそうだった。
無茶苦茶でも、無理矢理でも、時に計略を用いて、時に強引に攻めて、如何なる障害をも突破してきた。
だから、そんなことは今更だ。
「今更、言われるまでもない——決める!」
今度はいちいち降下して膝を当てたりはしない。空中にいるカイリュー目掛け、地面を蹴った勢いのまま、下から上に膝を突き込む。
上から落下した方が重力による後押し、抵抗のなさがあるため有利だと思われるが、それは打ち合いや鍔迫り合いの時に限る。一撃のインパクトを加えるのであれば、むしろ勢いが乗った状態の方が威力が跳ね上がる。
そしてグレンは、その勢いが最大まで達した瞬間。カイリューの腹に、最大火力の跳び膝蹴りを叩き込む。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
【効果はいまひとつのようだ……】
【急所に当たった!】
【カイリューは倒れた!】
そして。
その一撃で、カイリューは撃沈した。
「……マジで急所に当てやがった」
「当てろって言ったのは雷切君だけどねー」
「いや、本当は倒しきれないと分かったら、あいつを餌に逃げるつもりだったんだ」
「うーわ、サイッテー」
「グレンさんならどこまでも加速して追いかけてきそうなものですけどねぇ」
「すべて聞こえているぞ、貴様ら」
【バシャーモの加速! バシャーモの素早さが上がった!】
なお加速するグレン。第五世代までは御三家最速であった雷切でも追いつけないスピードになったグレンからは逃げることはできない。
つまり、最大の障害であったカイリューがいなくなった今、残るリザードンでは、グレンは止まらないということだ。
【龍たちはリザードンを繰り出した!】
「雷切に制裁を加えたいところではあるが……討伐の任が先決。まずは貴様から、成敗してやろう」
【バシャーモの地震! 効果は抜群だ!】
【リザードンは倒れた!】
三度目の震脚で、メガリザードンXも突破。
これでこの洞窟を巣食うボス、三体の龍はすべて倒したことになる。
「……任務完了。他の龍たちはリーダーを失い、じきに散るだろう」
「だったらここにはもう用はねーなぁ。とっとと帰ろうぜ」
「そうね、あなたたちが暴れて、ここも随分と埃っぽくなったし」
「とゆーか、ぶちゃけ勝てるとは思わなかったよ。今回も随分な運ゲーだったね」
「それを言うな。勝ちゃーいーんだよ、勝ちゃぁ」
「勝てばよかろうなのだぁ! だね!」
「まあ確かにその通りだが……なんだその言い方」
そんなこんなで、一同は倒れた龍たちを放置したまま、洞窟から立ち去るのだった。
【荒ぶる龍たちとの勝負に勝った!】
- 対戦後の茶番 ( No.28 )
- 日時: 2015/03/21 19:09
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
後日。
報酬の分配について、グレンは再び雷切の邸宅を訪れていた。
そして、
「はぁ!? ざけんな! なんでお前の方が取り分が多いんだよ!」
「結局、貴様たちは一体も撃破していないではないか! 当然だ、分け前があるだけでも感謝されるべきだ!」
「指示出してたのは俺じゃねーか! お前単独で戦っても勝ち目がなかったのは明白! 百歩譲っても平等に分配だろ!」
「百歩譲って平等は強欲すぎるだろう! この手の依頼は撃破数が報酬の量と等号で結ばれるものだ! 貴様にはそれが理解できんか!」
「はっ、知らねーなぁ! お前こそ、対戦じゃ前座の働きが重要なことを知らねーんじゃねーの? お前一人でカイリュー突破できたのかよ、あぁ!?」
「あれはラグナロクの働きだろう! 貴様が尊大になる理由にはならん!」
「知ったことか! ラグナの働きは俺の働きだ! イコール! 俺の取り分もそれだけ増えるってことだろ!」
「なんと自己中心的な……! 貴様の腐敗した性根、私が叩き直してくれる!」
「なんだと、やるってか……! 上等だ! かかってきやがれ!」
「ふんっ、威勢だけはいいな。一撃で戦闘不能になってくれるなよ!」
その分配について口論となり、最後には取っ組み合いの喧嘩となった。
「……またやってますねぇ」
「はわわ、と、止めなくていいんですか……?」
「問題ありませんよぉ。いつものことですからぁ」
「そう言えば、前も出会って早々ライが殴りかかってたわね。昔からこうなの?」
「大体、目を合わせるたびに口喧嘩くらいにはなりますかねぇ。学校を卒業した頃には、それなりに分別もついていたんですが……まぁ、久しぶりですし、少し盛り上がってるだけですよぉ」
「……ラグナロクが……大人、に見える……不思議……キモイ……」
「HAHAHA! 僕もう立派な大人ですよぉ!」
「キモイって言われたのは気にしないのね」
外野が二人の戦闘模様を観戦しつつ雑談に興じている。ココロ辺りは止めようか決めあぐねているが、ラグナロクは止めるほどのことでもないと言う。
「お二人とも、嫌い合ってはいますが、お互いの力を認め合ってもいますからねぇ。心の底から嫌ってはいないのですよぉ」
「嫌よ嫌よも好きのうち、みたいな?」
「どちらかというと、喧嘩するほど仲が良い、ですかねぇ。HAHAHA!」
「あたしには都合の良い時に利用し合っているように見えるのだけどね……」
と、その時。
バキィッ! と一際強い音が響いた。見れば、雷切が吹っ飛ばされて壁に叩きつけられているのが見える。
「かふっ……!」
「こうして殴り合うたびに言っているが、貴様では私には勝てん。諦めろ」
「あぁ? うるせーよ。こちとら借金返済がかかってんだ。おら、とっとと金出せや」
「言ってることが小物すぎるわ……理由も理由だし」
「……それに、そんな、ボロ雑巾、みたいな姿……恰好、つかない……」
雷切の、金への執着が凄まじい。
いや、金というより、借金返済という“目的”への執念、とでも言うべきか。
「……幾度も思ったことだが、やはり貴様は、相変わらずか」
「それはお前もだろ、グレン……クールぶっててやっぱ脳筋じゃねーか」
「黙せ」
「そんなんだから男の一人もできねーんだってな、筋肉女」
「女ったらしの貴様には言われたくない!」
【グレンの炎のパンチ! 効果は抜群だ!】
グレンの熱い右ストレートが雷切の顔面に炸裂。
もう戦闘不能になってもいいくらいにボロボロにされた雷切であったが、外野の気にするところはそこではなかった。
「……ん? ちょっと待って」
「どうしましたかぁ、ココロさん」
「ライ、今なんて言った?」
「あ……? 男も近寄らない筋肉女がどうかし——」
「ふんっ!」
【グレンのブレイズキック! 効果は抜群だ!】
雷切の言葉は最後まで紡がれることはなかったが、しかしココロの知りたかった情報は得られたと言える。
「……もしかして」
「グレンさんって、女の人、だったんですか……!?」
「HAHAHA! なにをいまさら! グレンさんは女の子ですよぉ」
「いやいやラグナ、この筋肉野郎を女の子というのは流石に無理が——」
「はぁっ!」
【グレンのフレアドライブ! 効果は抜群だ!】
グレンの全体重を乗せた一撃が雷切に襲い掛かり、そろそろ雷切の生命活動が危うくなってくる。
その命と引き換えに、ココロたちはグレンの性別を知ったのだが、
「ちょいと確認させていただきますねー」
「っ、な、なんだ……!」
雷切をボコボコにしていたグレンに、スゥッと雪姫が近づき、真っ白なその両手をグレンの胸にあてがった。
そして、少し妙な手つきで動かしてから、
「これは……バストじゃない、チェストだ!」
【グレンのブレイズキック!】
【しかし雪姫には当たらなかった!】
「おぉっと危ないなぁ。にしても、凄い胸だった……!」
「余計な世話だ!」
「いやいや、本当に凄いよ。無駄な脂肪が一切なくて、全部筋肉だったもん、ボディビルダーみたいに。すっごいムキムキだった」
「なんでまたそんなことに……」
「仕事柄、荒事が多いからな。鍛えているだけだ」
「その結果、データスキャナーではオスとして認識されるようになって、データ上はオス扱いになったんだよな。ざまーねーぜ」
「ここのシステムがすべて悪いのだ……これはジェンダーとして由々しき問題ではないのか!」
「そりゃお前が脳筋な男女なのが一番の問題——」
【グレンの馬鹿力!】
【雷切は倒れた!】
最後にグレンの渾身の一撃を見舞われて、遂に雷切は立てなくなった。
意識もろとも吹っ飛びかけ、視界が霞む中、雷切は掠れた声を振り絞り、
「やっぱ……脳筋、じゃねーか……がふっ」
「今日は帰らせてもらう。この話はまた後日だ。それまでに、多少は鍛えておくんだな」
踵を返し、玄関へと向かうグレン。
その途中で、ラグナロクが彼——じゃない。彼女を呼びとめた。
「グレンさん」
「どうした、ラグナロク」
「申し訳ないのですが、雷切さんの要求は飲めないでしょうかぁ……」
「…………」
「お願いします、僕らの仲ですし、どうかここは一つ……」
頭を下げて懇願するラグナロク。グレンは少し思案するようにジッと彼を見つめ、そして、
「仕方あるまいな」
「! ということは!」
「貴様はカイリューのマルチスケイルを潰す仕事をした。あれがなければ、急所に当てていても突破できなかった弥もしれん。それに他ならぬラグナロクの頼みだ」
「お、おぉ! ありがとうございます! グレンさん!」
結果、報酬の配分は平等に山分けということになった。
その後、グレンとラグナロクの間で二、三やり取りがあり、グレンはそのまま帰ってしまった。
「……さっきまでの殴り合いはなんだったのかしら」
「殴り合い、というか……雷切が、一方的に、殴られてた……だけ……」
「雷切君は身体張ったのに、ラグナ君が頭下げるだけでこうなっちゃうとは」
「まあ、身体を張ったというか、自分からやられに行ったようなものだったけど」
いつもの雷切らしくないようではあったが、もしかしたら、あれが本来の雷切なのかもしれない。
そんなことを思いつつ、ラグナロクは雷切へとその報告をする。
「HAHAHA! 雷切さん、やりましたよぉ! グレンさんは話が分かってくる人です。報酬は半分ずつ山分けになりましたよぉ!」
「そ、そうか……よくやった、ラグナ……」
「今日は随分とやられましたねぇ」
「はっ、あいつの攻撃なんざ、屁でもねぇ……」
「HAHAHA、そうですねぇ。雷切さんは何度グレンさんに殴られても、復活しますものねぇ」
と、ラグナロクが雷切に肩を貸しながら部屋へと運んでいく。
家主がいなくなり、残った四人は本格的に手持無沙汰になってしまった。
「……らいきりさん、だいじょうぶでしょうか……」
「さぁ。でもラグ曰く、また復活するらしいし、明日また覗いてみましょうか」
「雷切君があれじゃ、もうやることもないしねー」
なので、本日はこれで解散となったのであった。
- 後語り ( No.29 )
- 日時: 2015/03/21 21:44
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
「デジモンストーリー・サイバースルゥースが楽しすぎます。皆さんこんにちは、作者代理です」
「ポケモンもしてください。その後輩です」
「いやー、やっぱりいいねデジモン。色々いい意味で突っ込みどころはあるけど、久し振りのデジモンストーリーが、まさかあんなに高性能になってやって来るとは。キャラデザもいい感じだし……女主人公のゴーグルをシュシュみたいにして巻いてるなんて独創的なファッションもいいよね! 実は最初に公式画見た時、サイドじゃなくてツインテだと思ってたんだけど! でも個人的にはサイドで良かったと思ってるよ」
「確かに独特ですが、知りませんよそんなこと……」
「今はDLC(ダウンロードコンテンツ)で七大魔王の討伐をしてるけど、やっぱりサヨちゃん可愛いね。ドット絵じゃなくてちゃんとした立ち絵ができてるし、ボイス付きっていうのグッド! まあ、思ったよりも声が幼いというか、容姿からしても思った以上に幼かったというか、もっとクールだと思ってたけど、これはこれでなかなか……あ、サヨちゃんの中の人は、初代デジモンのミミちゃんの声らしいです」
「いい加減にしてください。ポケモン小説で長々デジモンの話をしないでくださいよ……後輩さんに、なにやら色々と頼まれたらしいじゃないですか。それはいいんですか?」
「一年間の期限があるからだいじょーぶ! 春にはtriもアニメ化するし、デジモン熱がヒートアップだよ」
「頼みますからポケモン熱も持ってください。いいから後語り、ほら行きますよ」
「むぅ、もっと語りたいんだけどなぁ……仕方ない。今回はいつものBOHパじゃなくて、新しいキャラクターの登場だよ」
「バシャーモのグレンですね。御三家の中では数少ない、トップメタに食い込むレベルの強ポケです。BOHパの皆さんも、何度も葬られています」
「NNの由来はデュエルマスターズのクリーチャー《龍覇 グレンモルト》からだよ」
「確か、御三家は剣に関する名称を付けるとのことでしたが……剣ではなく剣の持ち手の方じゃないですか」
「いいじゃんいいじゃん、別に。あ、それと今後登場する、バトル・オブ・ホウエンに出場していない面子は、個体ごとに少しずつNNを変えているよ。メインキャラクターか、サブキャラクターか区別するためにね」
「まあ、文中では分かるはずもないことですけどね。グレンに関しては他に、『グレンモルト』『ガイグレン』『グレンラガン』などといったNNをつけています。すべて名前にグレンがつきますね」
「なんか面白かったから」
「それと、このグレンさんですが、いくらステータス画面を見ても♂なんですけど」
「そりゃ♂だもん。御三家で♀を粘るのはちょっとねぇ」
「その結果、作中では男女扱いとは、なかなか酷いのですけど」
「僕は男口調の女性キャラも嫌いじゃないけどね。どっちかっていうと後輩ちゃんみたいなキャラの方が好みだけど」
「知りませんよ。それより、後語りしてください」
「うーん、そうだなぁ……あ、そうそう。今回対戦用BGMとして張ったBGMだけど、ここでちょっと紹介しとこうかな」
「BGMについて、ですか。確かにそれは後語りでなければできそうにないことですが……普通に型紹介とかをすればいいのでは」
「どうせテンプレだし、ここでしかできないことをやろうよ。今回のBGMは『セブンスドラゴン2020‐Ⅱ』っていうゲームの戦闘曲『戦場‐駆け抜ける命』だよ」
「セブンスドラゴン……少し前に、作者さんが嵌っていたゲームですね」
「龍を狩るゲームだから、今回の対戦内容的にはピッタリだと思って採用したんだ。でも本当は別の戦闘BGM——『戦場‐ライバルアライバル』の方が好きなんだよね」
「では、なぜそちらを採用しなかったのですか?」
「動画を探したんだけど、短いやつしかなかったんだよ。読むスピードは人それぞれだから、BGMは長めにとって、最低でも15分は欲しいからね」
「はぁ、成程。ちゃんとそういうことも考えていたのですね」
「まあね。だから興味のある人は是非とも聞いてみてください。ようつべで、さっきの曲名を検索すれば出て来ると思うので」
「ここにBGMのリンクを張り付ければいいじゃないですか。検索の手間が省けますよ」
「文字数ギリギリで後から修正しなきゃいけなさそうだから、リンク張れない」
「……まったく、最初に無駄な雑談をするからです」
「む、無駄じゃないよ! 一テイマーとして、デジモンについて語るのは当然だよ!」
「先輩はテイマーではなくトレーナです。はい、ではそろそろ型紹介にいきますよ」
「むぅ……」
バシャーモ(NN:グレン):♂:意地っ張り:加速:AS極振り、残りH
持ち物:バシャーモナイト
技:フレアドライブ、跳び膝蹴り、地震、守る
「今回のバシャーモの型はこんな感じです」
「さっきも言ったけど、ぶっちゃけほぼテンプレだけどね。育成したのもXYの頃だし。思考停止のASぶっぱ、実数値が偶数になるのに余りをHに振っちゃってるんだよね」
「一番最初に育成したバシャーモは、例の後輩さんから頂いた最速個体らしいですが、こちらは意地っ張りですか」
「加速でいくらでも速くなるし、よっぽど明確に仮想敵を決めない限り、火力重視の方がいいじゃないかな? それに今回はメガシンカ型だからね」
「100族以上の最速スカーフなんて、今やガブリアスくらいですしね」
「ま、でもメガバシャ使うなら、守る切って剣舞の方が良かったりするらしいけどね」
「そうなんですか?」
「あくまでらしい、だけどね。実際はどっちもどっちな気がするけど。メガバシャよりも球バシャの方が火力が高いのは知ってるだろう?」
「そうですね。大抵のメガシンカポケモンは、珠を持った方が火力は上ですね」
「だから瞬間火力の高い球バシャの方が、守って上から叩ける方が都合がいいんだ。逆にメガバシャは耐久も上がるし、剣舞と加速を合わせて一気に全抜きする方がいいんだって」
「そうですか。言われてみれば納得できなくもないですね」
「でもメガバシャでも、安全に素早さを確保したい場面はたくさんあるし、守るでも十分強いと思うけどね。本格的にレートパに組み込むようになったら、その辺も少し考えてみようか」
「ですね。技も、今回は地震採用が裏目でしたし」
「でもエッジは命中不安だからなぁ……ORAS発売直前に、ガセというか公式のミスで、バシャが冷パンでフライゴンを葬る画像があったけど、わりと本気で冷パン欲しい時あるし」
「しかし炎タイプが氷技覚えてしまったら色々ダメでしょう」
「だけど、本当に悩むんだよねぇ……だから地震の枠は、エッジにしたりなんだり、試行錯誤してるよ。叩きとかでもいいかもなぁ」
「叩き落とす採用なら、サイクル戦仕様でしょうか。それなら膝は馬鹿力になりそうですけど」
「そうなるともう別の型を作った方がいいかも。確か、ライボアローがバシャナットサンダーの親戚だってどこかで聞いたから、バシャライボとなにかを組み合わせて、BOHパ版バシャナットサンダーを——」
「バシャナットサンダーのバシャーモはすべからくメガバシャです。バシャライボでメガ枠二体消費しますよ」
「しまった……くそ、無理か……エアームドとかと組み合わせたら、案外いける気がしたんだけどなぁ」
「まあ、その辺りの相性補完は後々ゆっくり考えましょう」
「そだね。とりあえず今回登場したグレンは、ちょくちょくBOHパに組み込む予定だよ。どのタイミングで組み込むかは、その時次第だけど」
「作中での流れもありますしね。恐らく、新キャラ登場の時は、なかなか入れにくいと思われます」
「あ、そうだ」
「どうしましたか突然。もうそろそろ終わりですけど」
「ちょっと読者の皆さんに連絡事項が……でも、なんて言おうか」
「どういうことですか」
「大々的に行うものじゃないから、サラッとでいいかな。実はこの作品でも、オリキャラ募集、みたいなものをしようかと思います。かなり特殊な形式ですが」
「え……これ、対戦小説ですよ。流石に無謀では」
「うん、だから特殊な形式って言ったじゃん。オリキャラ募集と言っても、募集するのはキャラクターじゃなくてポケモンだし」
「いまいち、話が読めないのですが……」
「じゃあ、整理して言おうか。まず、募集できるキャラクターですが、これはポケモンに限ります。この作品の性質上、人間は出せないので。加えて、バトル・オブ・ホウエンで出せるポケモン——ホウエン図鑑に登録されているポケモンのみ募集できます」
「……ということは、もしかして、募集したポケモンを、先輩が育成するんですか?」
「僕がというか、作者がね。だから作中で既に出ているポケモンは募集できません。加えて、こちらが既に出そうと思っているポケモン、既にキャラ設定まで考えているポケモンも無理です。さらに言えば、厳選が難しい準伝説、そもそもレーティングに入れない禁止伝説級も無理です」
「ふむ、なにが無理かは、お手数ですが逐次作者さんに尋ねてください、ということになりそうですね。それだと」
「そうなっちゃうね。募集シートは今のところ作る予定はないけど、必要なら申し付けてください。とりあえず、最低でもポケモンの種類さえ言ってくださればあとは丸投げしてもいいですよ。勿論、作中での名前(NN)、性格、擬人化体での容姿、型、その他設定やサンプルボイスなどもあるといいですが、こちらは任意で構いません」
「なかなかに煩雑ですね……これはシートにまとめた方がいいのでは」
「でも、こんな作品にどれだけ人が来るか疑問だし、普通のオリキャラ募集とは勝手が違うから、大々的に募って全然来ないのも嫌だし……需要があったらそうするよ」
「はぁ、とりあえずまとめると、募集できるキャラクターは、ホウエン図鑑に登録されており、かつこちらが認可できるポケモンのみ(どれがOKなのかは、お手数ですが作者さんにお尋ねください)。最低限、ポケモンの種族さえ言えばあとは丸投げでも構わない。作中での名前(NN)、性格、擬人化体での容姿、型、サンプルボイス、各種設定などは自由、と。内容が分かりにくければ、質問も受け付けた方がいいですね」
「だね。あ、先に言っておくけど、ポケモンしか無理だからって、ポケダンみたいに人間からポケモンになったとか無理だからね。擬人化があるから、そっちで我慢してね」
「それと、最強設定なども、作品の都合上止めていただきたいですね。今はまだないですが、今後は当然負け試合も採用するでしょうし、実際に募集したポケモンを育成して対戦させるのは私たち——もとい作者さんです。ポケモンが最強でも使う人の腕が未熟なので」
「そもそもこんな募集を始めたのも、そろそろBOHパで育成したいポケモンがいなくなったから、なんて理由だったりするしね」
「理由は物凄いどうでもいいですね」
「あともう一つ」
「まだあるのですか」
「いや、これはすぐ終わるよ。作中に出て来るポケモンたちや、僕ら、果ては作者に対する質問、疑問などもお受けしているので、気軽にご質問ください」
「あぁ、そういうことですか。そうですね。読者の要望も色々聞きたいですし、そういうことは遠慮なく言ってください」
「さて、言うことも全部終わったし、誰か募集とかに来ることとかを期待しながら、次回も乞うご期待!」
「それではまた次回、お会いしましょう」
- 茶番1 ( No.30 )
- 日時: 2015/03/22 15:36
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
「——うーむ」
「これは、どうかしらね……」
「次の一撃、耐えるんでしょうか……?」
「分かりませんねぇ。かなり微妙です」
「……でも、ラグナロクは……取っておかないと……」
「とりあえず一撃でも耐えられりゃなんとかなるんだがな。ここで落とされたら終わりだ」
「下手すれば、このアローだけで全抜きされかねないしねー」
いつものようにランダムマッチで対戦していた雷切たち。
現在、消耗したラグナロクとファイアローの対面。ここでラグナロクを居座らせるか、退かせるか、悩んでいた。
「ここで落とされるんなら一旦退くが、耐えるなら殴っていいだろうな」
「でも、耐えられるか分かりませんよ……」
「かなり微妙だからな……うし。ココロ、ダメージ計算だ」
「分かったわ」
いつもは経験則という名のフィーリングでなんとなくダメージ量を予測するのだが、このような重要な時は感覚ばかりに頼ってはいられない。
ココロはパソコンに向かい、ダメージ計算ソフトを起動させるが、
「……あ、あれ? ちょ、ちょっと!」
「どうした? なにかあったか?」
「パソコンが動かない……あ、が、画面が真っ暗に……」
「なんだと!? どういうことだ?」
「あたしにもなにがなんだか……フリーズしちゃったのかしら。とりあえず、一旦再起動して——」
「らいきりさん、ココロさん! 時間! 時間なくなっちゃいます!」
「……残り……十秒……」
「どどどどどどうしましょう雷切さん!?」
「落ち着けお前ら! ココロ、PCはまだ立ち上がんねーのか!?」
「ダメ、全然動かない……どういうことかしら……」
「もう時間ないよー?」
「あぁクソッ! しゃーねぇ、ここは居座りだ! 耐えろラグナ!」
「りょ、了解ですよぉ! ふんぬらばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
【ファイアローのブレイブバード!】
【急所に当たった!】
【ラグラージは倒れた!】
——その後、ファイアローに三タテされ、惨敗した雷切たちであった。
■
「——ダメだこりゃ、完全にイカレてやがる」
対戦後。
雷切は唐突に動かなくなったパソコンを分解して弄っていたが、最終的にはそう結論づけた。
「もう直らないんですか?」
「あぁ。言うなれば、こいつはもう“寿命”なんだよ。もう動かせねーな」
まあ仕方ねーか、と。存外、雷切はすっぱり諦めがついていた。
「仕方ないって、どういうこと?」
「そもそもこのパソコンはその辺で拾ったもんだからな。むしろ今までもったのが奇跡だってことだ」
「……そんな、ボロいの……使ってたの……?」
「どうりでやたら汚れたり、へこみがあると思ったわ」
「しかしどうすっかねこれから」
「パソコンがないのは辛いですよねぇ」
この情報社会において、パソコンが使えない——もっと言えば、オンラインになれないというのは由々しき事態だ。
単純に対戦においても、先ほどのようにダメージ計算ができないこともそうだし、最新の環境をリサーチしたり、新たな型を模索するための情報収集もできない。
そして、なにより
「『BOHパ対戦記録譚』が投稿できないよ!」
「……は? なんだそりゃ」
「私たちの対戦記録を綴ったものだよ。ほら、対戦した動画を公開してお金貰ってるでしょ、私たち。それのこと」
「それか……そっちのことについてはお前に任せてるが、そんな名前付けてたのか……」
「ともかく、パソコンがないと私たちの収入減がなくなちゃうよ。早くなんとかしないと! 私も動画とかアニメとか見れないし!」
「俺のパソコンで見てんじゃねーよ!」
「……なんにしても、このままパソコンが使えないっていうのは良くないわね」
ダメージ計算ができなかったり、情報収集ができなかったり、収入減がなくなったりと、悪いことづくめだ。
早急に、新しいパソコンが必要である。
「で、でもパソコンって、高いんじゃないでしょうか……」
「そうでもないわよ。あなたたちの金銭感覚だと、当然高いでしょうけど」
「中古で、安い、ものだと……最近じゃ、数万で、買える……」
「よく知ってんな、トンベリ」
「ん……まぁ……」
「トンベリ君にとってはPCは最大の相棒だもんね!」
「……違う……」
「あ、ごめん間違えた。ちーちゃんだっけ、ベストパートナーは」
「? わたし?」
「……ちーちゃん、こいつの言うこと……真に受けない、方が、いい……」
「おやぁ? お姉さんに向かってこいつとは随分なお言葉だねぇ」
「……事実……」
「はいはいそこまで。トンベリは自分で言っといて熱くならない。ユキも大人げなく煽らない」
「で、どうするんですかぁ、雷切さん」
「うーむ……」
確かにこのご時世、安いパソコンならそれなりに手頃な値段で買える。
しかし今後も長く使うというのなら、多少値が張っても性能の良いパソコンの方がいいだろう。安く買って、またすぐに壊れてしまっては、最終的な収支ではマイナスになりかねない。
だがそもそも、高いパソコンを買えるほど、雷切は金銭的余裕がない。今まで荒稼ぎした金は、ほぼすべて借金返済に充てられ、残りは生活費だ。
「……仕方ねーなぁ」
「新しいパソコンを買うのね」
「いや、新しいパソコンを——拾ってくる」
「……は?」
一瞬、ココロの頭がフリーズした。
先ほどのPC画面のように真っ暗になるが、今度はちゃんと再起動し、
「拾ってくるって……そんな使えるパソコンがほいほい落ちてるわけ……」
「はっ、残念だがアテはあるんだよなー、これが。俺がこのPCを拾ったゴミ捨て場なんだが、明日にでも行ってくるか」
「でも、またボロボロのパソコン拾って、すぐにダメになるんじゃ……」
「そん時はまた新しいのを拾えばいい」
「パソコンをそんな消耗品感覚で使わないでちょうだい……」
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