二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【ポケモン対戦小説】BOHパ対戦記録譚
日時: 2016/12/29 15:48
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: U7ARsfaj)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=cSKjiY3FnrQ

 はじめましての方は初めまして、そうでない方はこんにちは、モノクロです。
 本作品は前作『バトル・オブ・ホウエン対戦記』に続く続編作品です。前作ネタなどもあると思いますが、今作だけでも内容は分かるように努めています。
 前作の続編ということで、基本形式は前作と変わりませんが、今作はポケモン対戦をするにあたって、BOH——バトル・オブ・ホウエン縛りで対戦します。
 バトル・オブ・ホウエン縛りというのは、前作品で題材にしたインターネット大会『Battle of Hoenn〜バトル・オブ・ホウエン』に出場可能なポケモンのみを使用する、という意味です。バトル・オブ・ホウエンに出場できるのは、ホウエン図鑑に登録されているポケモンのみ、作中に出て来るのもそれらのポケモンだけです。

 では、次にこの作品の根本について説明しますと、言うなれば『ポケモン対戦小説』です。
 対戦小説とはなにかと言いますと、『ゲームにおけるポケモン対戦そのもの』を題材とした作品で、動画投稿サイトに投稿される『ポケモン対戦実況動画』を小説風に書き起こしたものです。
 なので本作には、種族値、努力値、個体値といった三値、ABCDSVといった略式記号、ガブ、バナ、クレセドラン、ゴキブロス、ドロポン、月光乱舞といった略称愛称蔑称などなどの、ポケモン廃人が多用する専門用語が多発します。できるだけ初心者の方にも分かるような作品を心掛けたいのですが、基本はある程度その手のことを知っている前提なので、ご了承ください。
 作品の向上には全力を尽くすので、分かりにくい、もっとこうしてほしい、などの要望があればいくらでも申し付けてください。

 そして、もしもこの作品で、対人戦やランダムマッチに興味を持った方がいたら幸いです。雑談板にモノクロの雑談スレ『DM第4相談室』というスレッドがあるので、よろしければお立ち寄りください。フレコ交換やフレ戦希望なども受け付けています。
 勿論、普通に雑談したいという方も歓迎しますよ。

 ちなみにこの映像板では同じものを題材としている作品に、モノクロも合作として参加している『俺と携帯獣のシンカ論』。舞台は違えど世界観を共有している、タクさん著の作品『ポケモンバトルM・EVO』があります。よろしければそちらもご覧ください。

 というわけで、自称前置きが長いカキコユーザーのモノクロが、最後に注意書きを残して本編へと移ります。


※注意
・本作における対戦はほぼ“ノンフィクション”です。バトルビデオを見返して文字に起こしています(しんどい)。
・対戦相手の名前は改変して使用しています(物語の都合とプライバシーの問題に配慮)。
・対戦相手への誹謗中傷はおやめください(♂のメガクチートにじゃれつかせます)。
・ポケモンが喋ります(ポケモンしか出ないから仕方ない)。
・擬人化要素(イラストを描いて頂きました。許可を貰えたらそのうち紹介したいです)。
・茶番(前作より増量)。
・メタ発言(特に後語り)。
・にわか発言&下手くそプレイング(モノクロへの批判はOK!)。
・分かりにくい解説と文面(簡潔になるよう努めております)。
・BGMの種類増加(選出画面のURLのリンクからBGMに飛びます。種類はポケモンに限らず)。
・BOH縛り(詳細は冒頭の通り)。
・後語り担当は作者代理(名前はまだない)。



 以上のことを留意して、どうぞ、モノクロのポケモンたちによるポケモン対戦を、お楽しみください——



 オリキャラ募集的なものをしています。詳細は三戦目以降の後語りにて。投稿条件はこの作品が理解できること、ということで。



目次

零戦目「プロローグ」「を装ったあらすじです」
>>1

一戦目「確率世界」「と呼びたくなるほど理不尽です」
>>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

二戦目「ランダム対戦」「はレートもフリーも魔境です」
>>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19

三戦目「永遠の宿敵」「は旧友にして戦友です」
>>20 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

四戦目「ポケモンなしで対戦とは笑止千万」「ポケモンなら拾いました」
>>30 >>31 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>37 >>38

五戦目「後輩」「私のことですか?」「それは違うよ」
>>39 >>40 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>49

六戦目「先輩」「その中は百合の園でした」
>>52 >>53 >>55 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63 >>76 >>77

七戦目「トンベリ君」「の憂鬱です」
>>91 >>94 >>95 >>96 >>97 >>101 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


バトル・オブ・ホウエンパーティー名簿一覧
>>78



タクさんより『BOHパ対戦記録譚』のタイトルロゴ(または表紙絵)のイラストを頂きました。
>>54

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



対戦パート1 ( No.6 )
日時: 2015/03/01 20:29
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)
参照: https://www.youtube.com/watch?v=SPJ9VQQnUrM

【ギャンブラーの男たちが勝負を仕掛けてきた!】

【行け、サーナイト!】

「対戦開始、だ」
「まったく、今回は付き合ってあげるけど、こういうのはこれっきりにしてほしいわ」
「今後は気を付ける……とりあえず、先発は任せたぜ」
「はいはい、どうせあなたが最初に出ても仕方ないものね」

 というわけで、こちらの先発はココロ。対する相手は、


【男たちはロトムを繰り出した!】


「ふむ、ウォッシュロトム……洗濯機か」
「有利対面……ってほどでもないけど、殴り合いでは勝てるわね。相手がSに補正をかけていたり、スカーフじゃなければボルチェンされる前に一撃見舞えるわ」
「臆病ロトムは少ないでしょうしねぇ。頼みましたよぉ、ココロさん!」
「まあ、相手は水ロトムだし、ライに退くって選択肢もあるけどね」

 ただそうすると、どうしてもボルトチェンジが怖い。相手としては一発耐えてボルチェンが安定の場面なので、雷切に退くと今度は相手に有利対面を取られてしまう。

「有効打あるんだし、無理に俺が出ることもねーだろ。俺は掃除役だ、お前らで適当に削ってから仕事するさ」
「じゃあ、あたしが働かせてもらうわ。悪いわね、あなたの数少ない役割対象を奪っちゃって。ここで水ロトム倒しちゃったら、あなたの出番はペラペラのクッションしかなくなっちゃうかも」
「なんだとコラ」

 随分と脆いクッションである。
 ともあれ、ここは相手の行動がなんであり突っ張って殴るのが最善と判断し、ココロはフィールドへと向かって行く。



『Information
 ココロ(DM:サーナイト)

 性格:パーティーの緩衝材にして、姉貴分のような存在。基本的に物腰柔らかな常識人。

 性質:多彩な技を操り、時に攻め、時に守り、時に味方を支援する。

 攻撃性能[B] 防御性能[C] 機動性能[B] 多様性[S]

 今月の目標:雷切のギャンブルをやめさせる。
                        End』



【サーナイトのトレース。サーナイトはロトムの浮遊をトレースした】


「さて、それじゃあとりあえず攻めようかしら。スカーフじゃないといいけど」

 そう言いながらココロは、手中に力を込める。そして、相手よりも速いことを自覚しながら、その込めた力を解き放った。


【サーナイトのエナジーボール! 効果は抜群だ!】
[ロトムHP:残り3割強ほど]


「スカーフじゃない、か」
「みたいね」
「今回はエナジーボール採用ですかぁ」
「臆病CSだけどチョッキだからね。こういう対面やラグみたいな相手のために、十万ボルトじゃなくてこっちを入れてるの」

 サーナイトは攻撃、補助共に覚える技が豊富なので、初見ではなにをしてくるのか読みにくい。そのうえ、範囲の狭い草技搭載ともなれば、知識としては分かっていても、それがあるとは想定しにくいだろう。


【ロトムはオボンの実で体力を回復した!】
[ロトムHP:約6割]

【ロトムのボルトチェンジ!】
[サーナイトHP:115/143]

【ロトムは男たちのもとへと戻っていく!】


「相手はオボン、そしてボルチェンっと。ま、定石通りだな」
「問題はなにが出て来るのかだけど……」


【男たちはマンムーを繰り出した!】


 ロトムと入れ替わりで出て来たのは、マンモスのようなポケモン、マンムーだ。
 地面、氷の複合タイプで、攻撃性能の高いポケモンである。防御に薄いココロではあまり相手をしたくないところだ。

「今は浮遊をトレースしてるから地震はないでしょうね。となると撃ってくるなら氷柱針……ライへの交換は無理ね」
「そもそも俺の耐久だと、マンムーの地震+氷の礫を受けきれない可能性が高い。だが、ここで無理に突っ張ってココロが落とされるとまずいな」

 いくらエナジーボールがあるとはいえ、ポケモン対戦におけるタイプ不一致技は、弱点を突いても一撃では落とせないことがしばしばだ。マンムーは耐久力もそれなりに高いため、ほぼ確実に耐えられる。仮に致死量ダメージを与えられても、襷の可能性も高い。やはり居座るべきではないだろう。

「そうなると……ラグナ」
「了解です! 僕の出番ですねぇ! HAHAHA!」
「相変わらずキモイけど、まあ、物理受けはあなたよ。よろしくね」
「任されましたよぉ!」



【サーナイト交代! 戻れ!】

対戦パート2 ( No.7 )
日時: 2015/03/01 20:32
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

【行け、ラグラージ!】


 人によっては生理的嫌悪感を覚える掛け声とともに、ココロに代わってラグナロクがフィールドへと飛び出した



『Information
 ラグナロク(DM:ラグラージ)

 性格:キモイ(常識人ではあるが無自覚にウザいことがしばしば)。

 性質:キモイ(起点作りなどのサポートがメインだが、攻撃性能も悪くないためアタッカーにもなれる)。

 攻撃性能[B] 防御性能[A] 機動性能[D] 多様性[S]

 特徴:キモイ。
                        End』



「……で、今回のラグはどういう型なの? あたし、物理受けってことしか知らないんだけど」
「腕白HB、地震、欠伸、ミラコカウンター搭載の、サイクル戦導入タイプの読み型だな」
「なにその型……」

 ラグナロクの特異な型に首を捻っているココロ。まあそうだろう。
 この型はサイクル戦で物理技を受けつつ、相手のサイクル崩壊を目的とする型だ。

「ラグラージっつーポケモンは、器用だが一つの型でなんでもできるわけじゃねぇ。お前がアタッカーしながら補助技を使うのとは別なんだ」

 特化させなければ、案外ラグラージは脆い。サイクル戦で何度も受け出しするなら、HB特化にするくらいがちょうどいいのだ。
 しかしそうすると、今度は火力が足りない。サイクルの中で相手への負担がかけ難くなってしまう。

「だから、それを補うミラコカウンターってわけね。火力に振らなくても、相手の攻撃を耐えれば大ダメージが狙えるものね。欠伸は?」
「起点回避用だな。反射を狙う以上、相手に積まれる可能性もあるし、積まれたらタテられることもある。だから積んできそうな奴には、欠伸で起点にされないようにする」

 ただしその弊害として、まともな攻撃技が地震ワンウェポンになってしまったのだが。
 それについては後で述べるとして、相手の攻撃がラグナロクへと叩き込まれる。


【マンムーの氷柱針!】


 マンムーの周囲に無数の氷柱が浮かび上がる。一本一本は細く頼りないが数が多く、まるで針に囲まれているようだった。
 とりあえず読み通りの攻撃、問題はこの攻撃が何発当たるかだが。
 無数の氷柱が、ラグナロクへ向けて一斉に射出される。

「ぬぅ……!」

 襲い掛かる大量の氷柱針を受けきるラグナロク。そして、そのヒット数は、


【三回当たった!】
[ラグラージHP:145/207]


「三回……ま、こんなもんか」
「最低回数よりも一回多いと聞くと少なそうだけど、大体こんなものよね」
「少なくとも地震を喰らうよりダメージを抑えられた。それだけで十分だ」

 しかし、HB特化したラグラージに、三回の氷柱針でこのダメージ。
 これは相手のマンムーの火力が高いのか、それともラグラージがやはり脆いのか。どちらであろうか。

「では雷切さん、この後はなにをすれば?」
「そうだなぁ……相手の行動次第としか言えねーな」

 相手が突っ張って地震を撃ってくるなら、カウンターで返したい。
 しかし相手も、水技持ちかもしれないラグラージに、倒せもしない地震で突っ張るのは勇気がいるだろう。

「相手としては、安定行動は恐らくウォッシュロトムへの交換だ。そうなると、カウンターも地震も透かされる」
「では欠伸ですねぇ!」
「正直それしか選択肢はねーんだが、そうなると今度は、欠伸を当てたところで洗濯機との読み合いが発生するんだよなぁ……」

 ここで欠伸を撃って相手がロトムに交換して来たら、今度は相手がロトムを交換するかどうかの読み合いになる。ここで滝登りでもあればその読み合いに持ち込ませず後続への負担も微量ながらかかるのだが、生憎持っているのは地震のみ。

「どうせ滝登りでもほとんど効かないんだし、地震を撃てばいいんじゃない?」
「だがそうなると、こっちに水技がないと勘繰られて、それはそれで面倒そうだよなぁ……それに、あんま無意味な行動は取りたくねぇ」

 さてどうしようかと雷切はしばらく悩み、そして、

「……ま、欠伸でいいか。突っ張っても交換しても、それが最善手だろ」

 後の読み合いはその時考えることにして、とりあえず今はこの時点での最善手を打つ。


【男たちはマンムーを引っ込めた!】

【男たちはロトムを繰り出した!】


「相手はやっぱり交換」
「それが安定だからな」
「それでは、欠伸しますねぇ。ふわあぁ……」


【ラグラージは欠伸をした!】

【ラグラージは相手のロトムの眠気を誘った!】


「……なんかキモイわね、やっぱり」
「こんなガタイの野郎が欠伸してっと、果てしないキモさを感じるってのは分かる」
「ふわぁ……なんですかぁ、なにか言いましたかぁ……?」
「なんもねーよ。お前はいつも通りキモイってだけだ」
「なんなんですかぁ、まったく……」

 ともあれ、これで相手のロトムに欠伸が入った。相手はこちらのラグラージをステロ欠伸型とでも考えているのかもしれない。
 ゆえにこれで、読み合いが発生する。

「相手が交換するか、突っ張るか、ね」
「突っ張ってドロポンでも撃ってくれるならミラコで跳ね返して一体突破なんだが、まあ初手は鬼火だろうしな。相手はスカーフでもねーし」

 ロトムのスカーフ鬼火はわりと普通にあるが、しかしこの対面でスカーフなら、鬼火よりもハイドロポンプを撃つだろう。
 そもそも最初のターンでオボンをむしゃむしゃ食べていたので、スカーフはありえないのだが。

「そうなるとこっちの選択肢は、地震か欠伸だな」
「交代はないんですかぁ?」
「ココロに退いて相手もマンムーに退いたらどうすんだよ。不利対面作られてサイクルを崩壊させられるかもしれねーだろうが。ちったー考えろ」
「でも突っ張られるとどっちにしても意味ないじゃない。さっき無意味な行動は取りたくないとか言ってたくせに」
「うるせーな、さっきはさっきだ。とにかく、ここでの俺たちの選択肢は交換読み以外にはない。ここでマンムーが出てくると限らねーが、後続に負担をかけるために地震で行くぞ!」
「了解ですよぉ!」

 まず、交換読み以外の選択肢がないのなら、それは読みでもなんでもないのだが。
 なんにせよここは、マンムーあたりへの交換を願って、ラグナロクは地面を揺さぶる体勢に入るが、


【ロトムの鬼火! ラグラージは火傷を負った!】


 残念。
 相手は突っ張って鬼火。これでラグナロクの火力はますますしょっぱいことに。
 いや、そもそも今回のラグナロクは、ウォッシュロトムには有効打がまったくないのだが。


【ラグラージの地震! しかしロトムには効果がないようだ……】

【ラグラージは火傷のダメージを受けた!】
[ラグラージHP:120/207]


 返しの地震は当然効かず、火傷のダメージでミラコカウンターの機能を怪しくさせる。
 しかし、悪いことばかりではない。相手が突っ張ったということは、


【ロトムは眠ってしまった!】


「ラグナが火傷になる程度の被害で、洗濯機を眠らせることができたな」
「相手は眠りターンは稼ぐために、少なくともここは居座るはず。どうする? ラグじゃなにもできないけど」
「そりゃ、流石にここは交換だろ。だが、相手の体力的に、次のココロのエナボで落ちるかどうか微妙だな……」

 最初のエナジーボールによる相手のロトムへのダメージは7割前後といったところ。そして今の体力はおおよそ6割。
 落とせそうな気はするが、しかし乱数次第では耐えられそうである。
 それなら、

「ラグナ!」
「なんですかぁ?」
「俺に代われ」
「……随分と早い出撃じゃない」
「相手はなかなか草の通りがいい、ここいらで俺が出てもいいはずだぜ」

 確かに、既にウォッシュロトムとマンムーの二体が見えている、どちらも草弱点だ。
 草技は通りが悪いのでなかなか撃ちづらいが、一貫性があると分かれば容赦なく撃てる。火力が足りないものは特に。


【ラグラージ交代! 戻れ!】

【任せた、ジュカイン!】


 ラグナロクが戻って来て、それと入れ替わりに、雷切がフィールドへと飛び出した。



『Information
 らいきり(DM:ジュカイン)

 性格:パーティーの参謀にしてリーダー。粗雑な言動も多いが、頭の回転が速く、指揮力や状況判断力も非常に高い。不遇ゆえに対戦に対する姿勢は人一倍積極的。

 性質:高速紙耐久の速攻アタッカーだが、補助技が少なく、火力もいまひとつ足りていないので、終盤の掃除役になることが多い。

 攻撃性能[C] 防御性能[E] 機動性能[A] 多様性[D]

 ポジション:劣等生系主人公
                        End』



【ロトムはぐうぐう眠っている】


 相手のロトムは当然いまだ夢の中。問題はここで退いてくるかどうかだが、

「退いて来たら三体目が見られるな。下手したら起点にされかねないが……ま、草技の通りも比較的いいわけだし、とりあえずぶっ放すか」

 雷切は標的を定める。ターゲットは眠っているロトム、動きはない。この距離なら外すこともない。
 そして相手がココロのエナジーボールを耐えたウォッシュロトムでも、雷切のこの攻撃を耐えることは不可能だ。

「さぁ……吹き飛べ!」


【ジュカインのリーフストーム! 効果は抜群だ!】


 刹那のうちに、大量の緑葉を含む大嵐を解き放つ雷切。
 嵐はウォッシュロトムを巻き込み、洗濯機のように大回転。洗濯機のボディを持つロトムを切り刻んでいく。


【ジュカインの命が少し削られた】
[ジュカインHP:131/145]

【ジュカインの特攻がガクッと下がった!】


 その間、雷切は大技を使用した弊害を受けるが、微々たる損害だ。
 やがて、大嵐が止む。


【ロトムは倒れた!】


 嵐が去った後に残ったのは、戦闘不能になったウォッシュロトムであった。

「ウォッシュロトム突破、だ」
「とりあえずは一体ね」
「HAHAHA! やりましたよぉ! こちらが先手を取りましたねぇ!」
「いやまだだ。相手には俺やココロだと単独で倒せないマンムーに、まだ見せてねー一体が残っている」

 そして、それは恐らく……
 と、雷切が最後まで言い切る前に、尊大な声が相手側から響いてきた。

「まったくどいつもこいつも使えない連中ばかり……仕方ない! 俺様が直々に出向いてやろう!」

 例の黒スーツの男だ。男もポケモンの姿へと変わり、フィールドへと現れる。

対戦パート3 ( No.8 )
日時: 2015/03/01 20:37
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

【男たちはリザードンを繰り出した!】


「リザードンか……Yだったら岩雪崩で叩き落してやるところだが」

 非常にXの香りがする。
 勿論、相手に晴らすことがデメリットとなるようなポケモンがいるからと言ってYではない確証たりえない。
 だが今までの経験と、今この場における感覚、直感では、目の前のリザードンはXであるように思えるのだ。

「……ま、仮にXとして、地震でも一撃じゃ落とせねーわけだし、ここはXでもYでも通る岩雪崩が安定かね」

 どうせ威力は25しか変わらないのだ、火力不足の雷切にとっては大差ではない。
 そんな自分の火力不足を自分で皮肉りながら技を選択すると、相手のリザードンが光に包まれる。

「見晒せ小僧! これがてめぇと俺様の格の違いだ!」


【リザードンのリザードナイトXと、スーツの男のメガリングが反応した!】

【リザードンはメガリザードンにメガシンカした!】


 黒スーツの男——リザードンは、雷切の予想通りXへとメガシンカ。
 漆黒の体躯、青白く燃える炎。先ほどまでの橙色の龍の姿はどこにもない。

「格の違い、か……」

 確かに格が違う。環境トップ率を誇るリザードン。レートではYが多いとはいえ、Xも龍の舞からの無双性能が高く、強力であることに変わりはない。
 素早さしか取り柄のない雷切では、まず敵わないだろう相手だ。しかし、

「だからどうした?」
「っ……!」

 雷切は凄んでみせる。
 目の前のメガリザードンに臆する素振りなど一切見せずに。

「お前は俺が脆弱で、スピード以外に長所がないんだと思ってんなら大間違いだぜ」
「なんだと……?」
「その油断が命取りにならないといいな。つっても、もう手遅れかもしれねーが」
「ぐ……!」

 雷切の言葉に、相手は唸る。こちらを警戒しているようだが、その警戒は怯えにも見える。 
 盤面の上ではこの対面、雷切が不利に見える。しかし彼の口振りから、なにか秘策を隠し持っているようにも思えた。
 そんな、彼の心中は——

(やべえやべえやべえやべえやべえやべえ! ここでXとか舞われたら終わりじゃねーか!)

 ——非常に焦っていた。

(ハッタリで強がってみたものの、この対面はどう考えても絶望的。メガリザXは岩雪崩程度で落とせる耐久じゃねーし、そもそも今回の俺はほとんどAに振ってねぇ! 半分削ることすらままならねーよ!)

 弱みを見せると一気に突き崩されそうだったのでさっきは強気に言ったが、内心はこんなものだ。
 相手の深読みを誘って、舞われずそのまま殴ってくれればまだ勝機はある。しかし相手もここが全抜きする格好の起点、それを先ほどのハッタリで見逃すかどうか。

(とりあえず、岩雪崩がどのくらい入るかだ……!)


【ジュカインの岩雪崩! 効果は抜群だ!】
[リザードンHP:8割近く]

【ジュカインの命が少し削られた】
[ジュカインHP:117/145]


「……ねぇ、ライ」
「言うな、今必死で勝機を探してんだ」

 確かにほぼAには振っておらず、相手は物理耐久が増すメガリザードンXだ。たかが威力75の不一致弱点程度は余裕で耐えられると思ってはいた。
 しかし、まさかここまで火力が出ないものとは……いや、分かっていた。分かっていたことだ。自分の火力が悲しいくらい足りていないことは。
 だが、火力は足りていなくとも、雷切の行動が無駄だったわけではなかった。


【リザードンは怯んで技が出せない!】


「おぉ……?」

 相手は怯んで行動不能。つまり、これは、

「……やっぱビビってんのか?」
「ぐ、う、うるさい!」
「俺が隠し持ってる“こいつ”がそんなに怖いか?」
「うるさいと言っているだろう!」

 内心は焦ったまま、雷切はまた挑発的にハッタリをかます。
 ちなみに彼が隠し持っているという最後の技は目覚めるパワー。しかしタイプは氷だ。

(強がってはいるが、相当さっきのハッタリが効いたみてーだな。ビビッて怯んでら)

 焦りが募っていく雷切だったが、今の怯みで少しだけその焦りが解消された。
 それでも、こちらが不利であることに変わりはないが。

(さて、ハッタリが効いたとはいえ実際に強がってんのは俺なんだが、状況は全然好転してねーな)

 さきほどの岩雪崩で半分近く削れていれば、次の地震で落とせたかもしれない。
 しかし岩雪崩のダメージがあれでは、地震が急所に当たっても怪しい。

(怯み狙いでもう一発岩雪崩か……? ここで舞われたら誰もあいつの攻撃を耐えられなくなってゲームセットだが、逆鱗を誘ってラグナを捨て、ココロを死に出しからのムンフォなら……いや、それだと裏のマンムーにやられる。ならここは龍舞読みでラグナを投げるべきか……? いや、そもそも逆鱗じゃなくてドラクロ採用かもしれねーし……)

 一度は効いたハッタリも、そう何度も通用するとは思えない。雷切はここからの勝ち筋を必死に模索する。

(それか、フレドラの反動で落とすか? 俺とココロでフレドラを誘って、反動ダメージで落とし、ラストのマンムーはカウンターでなんとか……それもきついか。俺は珠ダメで消耗してるし、ココロもHには振ってねーから、反動で落としきれる気がしねぇ。相手のマンムーの襷だろうし、カウンターしても落としきれない可能性が高い。そもそも地震を耐えられるかどうかも分かんねーし、氷柱針を撃たれたらカウンターも意味をなさない)

 いくつかの勝ちパターンを想定するも、しかしどれも勝率は低そうだ。
 その細い勝ち筋の中から、どの勝ち筋が最も確実であるかを考え、雷切は結論を出した。

(……ここは逆鱗誘いからのラグナ捨て、そしてココロでニタテだ!)

 自分とラグナの二人を捨てて、ココロでタテるプランに決定した雷切。
 マンムーの氷柱針が二発で止まれば、それ+氷の礫を耐えるかもしれないという判断だ。
 なので雷切は、ココロで確実に落とせるよう、ここでメガリザードンを少しでも削っておく。あわよくばフレドラの反動を嫌って逆鱗を撃ってくれるかもしれないという希望的観測込みで。

「ちっ……いきがるなよ、小僧があぁぁぁぁぁっ!」
「……!」

 メガリザードンが吠える。それとほぼ同時に雷切も震脚し、地面を強く踏み揺らした。
 そして——


【ジュカインの地震! 効果は抜群だ!】

【急所に当たった!】


「ぐはぁ!?」


【リザードンは倒れた!】


 ——メガリザードンは、撃墜された。


「…………」

 急所突破。
 ポケモンではよくあることだ。次の一撃を耐えると思ったら急所に当たって耐えられなかった、要塞化したポケモンすらも突き崩す乱数の悪戯。
 非常にポケモンバトルらしいと言えばらしいのだが、あまりにも呆気ない幕引きに雷切は口を開けなかった。


【ジュカインの命が少し削られた】
[ジュカインHP:103/145]


「とりあえず……有効急所頂き、ってことでいいのか?」
「……いいんじゃない、なんでも」
「HAHAHA! 美味しいですねぇ! メガリザードンX突破ですよぉ!」

 正直メガリザXで詰みかけていたのだが、怯みと急所でとりあえず突破できて良かったということにして。
 これで男たちに残っているのは、マンムー一体のみ。


【男たちはマンムーを繰り出した!】


「さて、ここでわざわざ退くこともねーな。俺はリフストでも撃って退場するぜ」
「そうね。後は任せなさいな。本来はあなたの仕事だけど、狩り残しは掃除してあげるわ」

 というわけで。
 雷切はここで捨てる。この体力では、氷の礫でも落とされかねない。それならわざわざ引っ込めて、後ろに負担をかけることもないだろう。やられる覚悟を持ってリーフストームで倒しにかかる。

「ま、どうせ襷だろうし、そもそも特攻下がって実質等倍のリフストだ。たぶん落ちねーだろうな。そらよっ、と!」


【ジュカインのリーフストーム! 効果は抜群だ!】
[マンムーHP:3割くらい]


 雷切の予想通り、二度目のリーフストームで威力は半減しており、抜群でもマンムーを落としきれなかった。
 とはいえ、氷の礫が飛んでこなかっただけマシなのかもしれないが。


【ジュカインの特攻がガクッと下がった!】

【ジュカインの命が少し削られた】
[ジュカインHP:89/145]

【マンムーの氷柱針! 効果は抜群だ!】

【一回当たった! ジュカインは倒れた!】


「一発でKO……なんて脆弱な……」
「言うな、それは俺が一番分かってんだ」

 相手のマンムーは返しの氷柱針で雷切を落とすが、たった一発だけでノックアウトした。これだと氷の礫でも余裕で落とされていただろう。
 恐らく相手は交換読みも兼ねて氷柱針を撃ったのだ。その警戒心がいい具合に働いてくれただけ儲けものだろう。

「さて、これで俺は退場だな。ココロ、ラグナ、後はお前らに任せたぜ」
「ま、任されても残ったのはお零れみたいなマンムーだけだけどね」
「どうしますかぁ? 僕から出てもいいですが」
「いや、ここはあたしから行くわ」


【あと少しだ。行け、サーナイト!】

【サーナイトのトレース。サーナイトはマンムーの厚い脂肪をトレースした】


 どちらから出ても同じだろうが、手っ取り早く終わらせたいので、ココロから先に出る。
 ここでの負け筋は、ココロが同速対決に負けて落とされ、ラグナロクでは削りきれず、地震やら氷柱針で落とされること。
 とはいえ同速対決は完全に運の勝負だ。もしも勝てなければすっぱり諦めるしかないだろう。
 もっとも、このタイミングでココロを出した理由は、他にもないわけではないが。


【マンムーの氷の礫!】
[サーナイトHP:84/143]


「氷の礫、ですかぁ……?」
「こっちのトレースを忘れてるのかなんなのか……ま、ここまでの動きとこのタイミングの登場で、相手はココロをスカーフとでも思ってんだろうな」

 先発に出し、単一の技のみ使用して交代、同速のマンムーに堂々と出してきたことから、スカーフを警戒されても不思議はない。
 まあもっとも、トレースで今のココロは厚い脂肪を得ているので、礫程度では倒せるはずもないのだが。

「それじゃあ……これで、終わりよっ!」

 ココロは手中に凝縮された自然エネルギーを球体として生成し——マンムーへ向けて、放つ。


【サーナイトのエナジーボール! 効果は抜群だ!】

【マンムーは倒れた!】


「……終わったわ」
「あぁ、対戦終了、だな」

 さしものマンムーも雷切のリーフストーム、ココロのエナジーボールによる二連続弱点攻撃は耐えきれず、その巨体は横倒しに倒れ込む。
 これで相手の繰り出すポケモンはすべて倒した。相手にはもう、戦えるメンバーはいない。
 それは、即ち、


【ギャンブラーの男たちとの勝負に勝った!】

対戦後の茶番 ( No.9 )
日時: 2015/03/01 22:35
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

「お、覚えていやがれ!」

 と、そんな三流以下の負け犬丸だしな捨て台詞を吐いて、黒スーツの男たちは雷切の前から姿を消したのだった。

「……覚えるわけねーだろ、お前らみてーな負け犬を」
「そうやって知らず知らずのうちに敵を作っていくのね……」
「それより雷切さん、さっきの方々は雷切さんにどのような恨みが?」
「あん? ほとんど逆恨みだよ。俺がいい感じに稼いでそろそろ帰ろうかっつー時に目ざとく俺の稼ぎを見て寄ってきてな。まあ、あんな連中はカモ以外の何物でもなかったが」
「でもイカサマしたんでしょう?」
「まーな。勝てる勝負じゃなきゃ、誰が好き好んで受けるかってんだ。それに相手も口座一つを餌に自前のカードでイカサマしてたんだ。お互い様だろ」
「口座一つ……? それはそれは、お相手も気の毒ですねぇ、それじゃあ破産じゃないですかぁ」
「馬鹿か。あーいう奴が一つしか口座を持ってないわけねーだろ。どうせいくつにも分散させといて、俺には一番預金の少ない口座番号を教えたんだろーよ」
「あ、成程」
「じゃなきゃ勝負なんて申し込んでこねーよ」

 何事もデメリットを最小限に回避する形でメリットを求めるものだ。
 それはギャンブルでも、そしてポケモンでも。

「ま、だけど俺らは、どこかで絶対に分の悪い勝負を仕掛けなきゃなんねー舞台に立ってるんだけどな」

 絶望的でも、敗色濃厚な試合でも、勝ち筋が残されている限りはその可能性に縋る。
 3割に頼り、十六分の一に賭ける。そんな薄い可能性でも、追い続けていれば、いつかは掴み取れるのだ。
 先の見えない勝利を。

「……ま、今回は完全に運勝ちだったな。雪崩で怯んで地震が急所に当たらなかったら終わってたぜ」
「そういえばライ、随分自信満々だったけど、あの対戦で負けてたらどうするつもりだったの?」
「借金して許しを請い、その借金も稼いで返すしかなかったな」
「要するに今の借金の上乗せね……あなたそのうち闇金とかに手を出さないでしょうね?」
「そこまではしねーよ。ガキどもに迷惑かけらんねーしな」
「とりあえず、そろそろ帰ったらどうですか、雷切さん。明日もちーちゃんさんたち来ますよぉ」
「明日こそ対戦するって、あの子たち張り切ってたわね」
「……そうか。なら帰るかね、あの借金まみれの家に」

 今、自分をこの地に縛り付けているあの家に戻ると思うと足取りは重くなる。
 しかし、

「あいつらとも一緒に戦うとなると……縛られてるのも、悪くねーかもな——」

 そんなことを口走りながら、雷切は我が家を目指す。
 明日、仲間と共に戦う拠点となる、あの家へ——

後語り ( No.10 )
日時: 2015/03/01 23:32
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: RHpGihsX)

「第一回『BOHパ対戦記録譚』如何だったでしょうか? プロローグ擬装のあらすじ紹介も兼ねました、後語り担当の作者代理です」

「その後輩です」

「この後語りでは、対戦の反省、登場したポケモンの型紹介、その他小話なんかをやっていくよ。作者代理だからメタ発言もし放題!」

「基本的に進行役は先輩と私の二人ですが、不定期で登場人物たるポケモンたちをゲストとして招いて、色々なお話を伺おうとも思います」

「で、今回は記念すべき一回目ということで雷切の大活躍回だったんだけども」

「前座のポーカー勝負はポケモンとは全くの無関係ですよね。あれ必要だったんですか?」

「作者は最近ノゲノラに嵌ってしまったんだよ。それにポーカーもポケモンも確率の勝負じゃん? 関係はあるんじゃないかな?」

「確率論も確率の幅も違いますし、ポケモンはすべてが運ではないですよ。選出や読みも絡めた心理戦だってあります」

「ふむ、そう考えるとポーカーではなく麻雀に近いかもね。そのうちポケモンは、マルチバトルじゃなくて四人対戦を実装すべきだと思うんだ」

「第何世代の話ですかそれ……そんなことより、先輩」

「おっとっと、そうだったそうだった。後語りは1レスに収めなきゃいけないから、さくさく進めるよ。さぁ、というわけで早速、型紹介。最初は今作の主人公、雷切から」



ジュカイン(NN:らいきり):♂:無邪気:深緑:A20、C236、S252
持ち物:珠
技:リーフストーム、岩雪崩、地震、目覚めるパワー(氷)



「前作でも登場した、めざ氷ジュカインだよ。昔は気合玉を搭載してたんだけど、当たらないしウルガモスやリザードンと対面することも多いからって技を岩雪崩に変えたよ」

「このジュカインは対ラグマンダ構築……というより、メガボーマンダを狙い撃ちする調整をしています」

「具体的には、珠めざ氷でH4振りメガボーマンダを確定一発にできるような調整をしているね。素早さも最速にすることで、相手が最速メガマンダでも、舞われていなければ同速対決でワンチャン残る」

「ただほぼCSに振り切ってしまっているので、物理技の威力がかなり頼りないです。それは今回のメガリザードンXへのダメージを見てくだされば分かると思います」

「やっぱりジュカインは火力不足だよね。氷四倍のドラゴンを狙い撃てるめざ氷もいいんだけど、Aを削るとシャンデラなんかへのダメージが足りなくなるし、かといってCを削ったら仮想敵の確定数がずれちゃうし」

「仮にも御三家で、種族値配分がそこまで悪いというわけでもないと思うんですけどね……」

「配分が近いのはゲッコウガだけど、あのニンジャスレイヤーは変幻自在で火力を補っているから、実際は種族値以上の火力があるよね」

「ジュカインにはそれがないから火力不足ということですか」

「たぶんね。あと、技の範囲が狭いし威力も低いから、アタッカーとしては生かしづらい面があるかな」

「かといって補助技にも恵まれていませんしね。草単タイプの不遇さも相まって、つくづく扱いの難しいポケモンです」

「ボーマンダがKP12から転落してラグマンダも以前ほど流行らないし、役割が持ちづらいことが環境で活躍できない一番の理由かもね」

「では、ジュカインについてはこのくらいにして」

「次はBOHパの特殊火力の支え、ココロさんだよ」



サーナイト(NN:ココロ):♀:臆病:トレース:CS極振り、残りD
持ち物:突撃チョッキ
技:ムーンフォース、サイコキネシス、シャドーボール、エナジーボール



「臆病CSのチョッキサーナイトですか。普通に見れば妙な型、なんでしょうね」

「うん、チョッキなら普通は耐久にも振るからね。でもこれはこれで、案外使いやすいんだよ?」

「サイクル戦導入型、そしてS種族値80と中速ですが、中速は中速なりに抜きたい相手も多いので、S振りが生きることはしばしばありました」

「今回だとウォッシュロトムにボルチェンされる前にエナボを叩き込んだり、だね」

「勿論、チョッキがあるとはいえ耐久には振っていないので耐久力はそこまで高くありません。何度も何度も受け出せるということはありませんが」

「火力はそれなりに高めだし、スカーフなんかと違って技の小回りも利きやすいから、意外と働いてくれるんだよね」

「まあ、本来は色々と調整して使うのが基本なんでしょうけど。今回は臆病CSのスカーフサーナイトを育成する最中、ふと思いついてチョッキを持たせてみたら予想外に嵌った、のだそうです」

「そんじゃ、次はラグナロクことラグナだね」



ラグラージ(NN:ラグナロク):♂:腕白:激流:HB極振り、残りD
持ち物:
技:地震、欠伸、カウンター、ミラーコート



「……先輩」

「なんだい後輩ちゃん?」

「このラグラージ、使いやすいですか?」

「全然」

「そうでしょうね……」

「ラグラージは器用だけど、この型に関してはもう少し研究が必要かもしれない。とにかく、地震ワンウェポンというのが意外と使いづらいんだ」

「能動的に攻撃できるのが、透かされやすい地震というのが辛いですよね。サイクル戦主流の環境ですから、ミラコカウンターも狙い難い場面は多いでしょうに」

「そうなんだよねぇ……滝登りを採用したいけど、欠伸がないと起点にされてゲームオーバーになる面が多々あるから外せないし。ミラコカウンターで使わない方のどっちかを外すべきなのかもしれないけど、まだどっちを外すべきかは分からないなぁ」

「カウンターを外すとギャラ、ミラコを外すと洗濯機がそれぞれ対処不可能になりますね」

「どっちもまともに相手できるポケモンじゃないから、構わないと言えば構わないんだけど……」

「強いて切るなら、挑発されてなにもできなくなるギャラドスでしょうか。挑発からの竜舞で、欠伸することもでず積まれます」

「かなぁ……っと、この辺で型紹介は終わりにしようか」

「本作品は大体こんな感じで進んでいきます。対戦を茶番で挟んだ後に後語りです」

「なんか朝食のサンドイッチみたいだね」

「バトル・オブ・ホウエンをただひたすら目的としていた前作と違って、今作では茶番成分を多めにしようかと検討中です。ストーリー性のなさは相変わらずになりそうですが」

「今のところは一話完結みたいな感じを予定しているよ。形式としては生徒会の一存に近いかな。だから毎話ストーリーを考える必要があるんだけど」

「わざわざ他作品の名前を引っ張って表現しなくても……」

「目的そのものは借金返済だから、ネタに困ったらランダム対戦実況してればいいか」

「ぶっちゃけすぎです……初っ端なんですから、そういうことは黙ってましょうよ」

「でもランダム対戦も重要な要素だし」

「確かにそうですけど……って、このままでは一生後語りが終わりません。先輩」

「はいはい。それじゃ、ここまでのご愛読ありがとうございました」

「次回は前作で登場した、残りの三人の登場です」

「嫁、過労死担当、この作品の目的を持ってきた元凶と、なんだかんだで重要なキャラが固まっているね。次回もこうご期待!」

「それではまた次回、お会いしましょう」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



この掲示板は過去ログ化されています。