*:..。o○ 恋色CHANGE ○o。..:* 作者/柚(★`o口o*) ◆IHLbs/YhoA

こんなに暖かな気分は初めてだった――。
親ってこんなに優しいんだなって初めておもった――。
自分の親とは全然違う温もり――。
ど う せ な ら も う 元 に 戻 ら な く て い い と 思 っ た ―――。
*story4*
気が付いたらもう夜の8時 純の親は帰ってこない。
とりあえず冷蔵庫を開けさせてもらって 晩御飯を作った。
「ただいま。ごめんね遅くなって!」
純のお母さんの声がした。純のお母さんは美人で優しくて・・・。
有名なニュースキャスター。たまに憧れるときもある。
「あれっ。純何これ?晩御飯作ってくれたの?」
純にお母さんが不思議そうにご飯の匂いを嗅ぎながら聞いてきた。
「うん。作り方おしえてもらったんだ。」
「でも純。料理なんて全然ダメなのにすごいね。」
純のお母さんは笑顔で話してくれる。私のお母さんとは大違い。
私のお母さんは有名なファッションデザイナー。私がよく着てる服も
ほとんどお母さんがデザインした物。
お母さんは仕事で夜遅くまで帰って来ない事が多くて 帰っても部屋にこもって仕事。
全然相手になんかしてくれないし いつも忙しい。
だから 純のお母さんが羨ましかった。
「どうしたの純。ご飯食べよう?」
「あっ うん。食べようか。」
食事中。純のお母さんはいろんな事を話してくれた。
昔の思い出話や友達の事。仕事の事も。
話をしているとあっというまにご飯を食べ終えていた。
気づけばもう寝る時間。パジャマに着替えて部屋に向かおうとしたとき。
「おやすみなさい。」
純のお母さんは笑顔で言った。私とはまったく正反対の純のお母さんが。
自分のお母さんだったらいいと思う瞬間だった。
ほんの少しだけ思った。入れ替わって良かったって。

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