*:..。o○ 恋色CHANGE ○o。..:* 作者/柚(★`o口o*)  ◆IHLbs/YhoA

ねぇ、何で答えてくれないの――?


私の事、好き――?


もしかして、本当は嫌い――?


嫌いじゃないなら答えてよ――。


 私 の 事 「 好 き 」 っ て ―――――― 。

*story12*



「美希!!私、純と付き合う事になったんだ!!」


えっ・・・・・・?


「あんたの彼氏、奪ってごめんね。じゃ!」


嘘・・・・・・!?嫌っ!!


「美希、俺。美紅都と付き合うから・・・・・・。」


なんで・・・・・・!?なんで純まで・・・・・・!?




「嫌ぁぁ!!!!」


私は勢い良くベットから跳ね上がった。


気づくと私はベットの上に座っていた。


外では鳥が鳴き、朝を知らせている。


今はもう、朝の10時。昨日の拓哉が言ったことが気になって、


中々眠れなく、こんな時間まで寝ていた。


「・・・・・・なんだ、夢か・・・・・・。」


嫌な夢だった。でも、夢で良かった。


純と美紅都が付き合うなんて・・・・・・。


「ありえない・・・・・・よね?」


私がそうつぶやいた途端急に大音量でお気に入りの音楽が鳴った。


携帯が自分の机の上で少し揺れている。


私は携帯に手を伸ばした。


電話番号の下にかけてきた人の名前が載っている。「純」と、書いてある。


私は急いで電話に出た。


「もしもし。如月 美希ですが・・・・・・。」


≪あっ、美希?今日。デートしない?12時に家に迎えに行くから!≫


デート・・・・・・?純とデート・・・・・・?


私は知らずに満面の笑みを浮かべて答えていた。


「うん!行く!!じゃ、お昼にね!ばいばい。」


私は電話の電源を切り、急いで洋服タンスに向かった。


「ど、どの服着ていけばいんだろ・・・・・・。」


私はいろんな服を合わせてみた。


いろいろ合わせてるうちに、お気に入りのふくを見つけた。


「これ来て行こう。あっ、化粧した方がいいかな?」


私は少し考えた。自分は化粧が嫌いだった。


あのきつい匂い。私は嫌いだ。


純も嫌がるだろうと思い、化粧は止めた。


次に鞄を選ぶため、何個か鞄をかけているところに向かおうとした時、カレンダーが目に入った。


今日の日にちを見てみると、赤丸をしている下に何かを書いてあった。


「お祭り」


そう言えば今日はお祭りだった。


デートをしてる時。純を誘おうか・・・・・・などと考えたり、準備をしていると


あっと言うまに時間がすぎ、純が迎えに来た。


私は急いで外に出た。純は笑顔で迎えてくれた。


「ごめんね、遅くなって・・・・・・。」


私がそう言うと純は笑顔で


「大丈夫だよ」


と、答えてくれた。純は最近できたばかりの遊園地のチケットを二枚、親から貰ったらしく、


私を誘ってくれた。何故純がそんなチケットをもらったかはすぐにわかった。


純の母親が取材に行っていたニュースを見た時、チケットを二枚貰っていたからだ。


ここからはそう遠くなく、すぐに着いた。


「美希はなにしたい?」


純が笑顔で聞いてきた。「こんなに優しい純が、美紅都と付き合う分けないよね」


私は一瞬そう思った。


色々楽しんでいる内にもう夕暮れになっていた。


お祭りの事を思い出して、純を誘ってみた。


「ねぇ、今日のお祭り、一緒に行かない?」


純はもちろん「いいよ」と答えてくれた。


今日はとても楽しかった。


でもその気持ちはまた不安に変わった。


美紅都の事を思い出してしまった。


私は怖くなって純に聞いた。


「私の事・・・・・・好き?」


「好き」と答えてくれたら私は、少しでも安心できるような気がした。


純は少し顔を赤くしながら口を開いた。


「えっと・・・・・・何ていうか・・・・・・。」


「好き」とは答えてくれなかった。


純は私が聞いたことに答えてくれないまま


話題を変えた・・・・・・。


私の不安は頂点に達した。「もしかしたら・・・・・・、あの夢が正夢になるかもしれない」


私はその思いで頭がいっぱいになった。


あんなに幸せだった気分も、不安に変わった。


そして気が付くと、夜、私は祭りの浴衣を着て、部屋の真ん中で座り込み、


泣いていた・・・・・・。