*:..。o○ 恋色CHANGE ○o。..:* 作者/柚(★`o口o*) ◆IHLbs/YhoA

好きになっちゃったのかな――?
やっぱり好きになってないの――?
どっちなのか自分でもわからない――。
でも本当の気持ちでは決まってるのかもしれない――。
あ の 人 が 好 き だ っ て 事 は ―――――。
*Story8*
好きにはなれない気持ちと、好きなってしまう気持ち。
両方まざってるのかもしれない。でも、純が頭の上に必ず浮かんでしまう。
やっぱり純の方が好きなんだ・・・。
「美希・・・?修平・・・?何しててたんだ?」
その時。純の声が聞こえた。まさか抱き合ってる所・・・見られた??
何か言葉を喋らなきゃ・・・。
「純!!これは違ッ・・・。」
私が「違う」って言いかけた時。純は怒ったような顔で修平を睨んだ。
「修平。何してたんだ・・・?」
純は言った。修平はしばらく黙り込んだ。
「純君。ごめん!トイレが混んでて・・・ん?何してたの?」
突然。愛奈がやって来た。丁度いいタイミングだったかもしれない。
「純君。早く行かないと時間過ぎちゃうよ!さぁさぁ!行くよ!!」
愛奈が純を引っ張って神社に向かった。
助かった・・・。嬉しい気持ちもある半面。悲しい気持ちもあった。
「美希、行こう。」
修平がそう言うと。私達二人は、神社に向かった。
お札を取って、山を出た。愛奈が待ちくたびれたような顔で、私に話しかけてきた。
「遅いよ~!!美希が部屋の鍵持ってるんだから、早く帰ってきてよね。」
愛奈がそう言った時、後ろにいた純と目が合ってしまった。
いつもなら笑顔で返すのに、今日は何故か、目をそらしてしまった。
愛奈に引っ張られて部屋に行った。私は一言も喋らずにベットに入った。
肝試しのときのことが頭をめぐって中々眠れなかった。
愛奈は小さな寝息をたてて、眠っていた。
私はのどが乾いて、ホテルの外にある自動販売機に向かった。
夜風が気持ちよく、頭を冷やしてくれる。
「美希・・・?」
突然、純の声が聞こえた。どう返事すればいいのだろうか・・・。
「純も飲み物買いにきたの?」
「まぁな、美希もか・・・?」
「うん・・・。」
しばらく沈黙が続いた。
すると、純が口を開いた。
「あの時。修平と何はなしてたの?」
とうとうその質問が来た。
私は少し嘘笑いをしながら言った。
「修平に、告白されたんだ、で、抱きしめられたの。」
純はうつむきながらまた質問してきた。
「返事・・・したか??」
私は、嘘を入れてその質問に答えた。
「ううん。まだだけど・・・どうしようか迷ってるんだ。」
嘘をついた。本当は迷ってなんかいなかった。
断るつもりだった。
「じゃぁ、まだ間に合うか・・・?」
純が急に喋った。私はその言葉が理解できなかった。
「どういう事・・・?」
私は聞いた。純は照れくさそうに真剣な顔をして言った。
「好きだ!!」
え・・・?「純には好きな人がいる」って噂があったけど、まさか自分とは
夢にも思わなかった。本当ならここで「私も」って言うはずだった。
「修平はもっとロマンチックに告白してくれたのに、純はそういう言い方?」
すこし意地悪をしてしまった。純は怒ってるかもしれない、でもまた真剣な顔で私に言った。
「そんなのどうだっていい!いいから好きだ!美希が大好きだ!!それしか言えない!!」
嬉しかった・・・。嬉しくて嬉しくて泣いた。
その場に立ち崩れそうなぐらい嬉しくて泣いた。
私は泣きながら笑顔で言った。
「私も大好き。昔から好きだったよ。」
本当は入れ替わってしまった前の日に好きになったんじゃない。
初めて話したときからずっと好きだったんだ。
大好きだったんだ。まだその時。自分はその事に気づいてなかっただけだったんだ。
ずっとずっと、好きだったんだ。

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