*:..。o○ 恋色CHANGE ○o。..:* 作者/柚(★`o口o*) ◆IHLbs/YhoA

もう嫌になってきた――。
悲しい事ばかりじゃ嫌でしょ――?
ずっと悩んで悩んで悩むだけで――。
どうすればいいのかわからなくて――。
でもそんな事で悩んじゃいられなかった――。
ま た 新 し い 悩 み が 増 え て く る か ら ――――― 。
*Story6*
愛奈がうつむいた。愛奈の目から涙が一粒、二粒、三粒と、コンクリートをぬらした。
愛奈は重たそうに口を開いた。
「ごめんね。迷惑だよね・・・。教室帰るね。」
愛奈はそういい残すと勢いよく走って教室に行った。
胸が締め付けられるように苦しかった。痛かった。つらい・・・。
「ありがとう・・・。ごめんな。」
私の声がした。前を向くと純が申し訳なさそうな顔をしてこちらを見ていた。
「謝る事無いよ・・・。純が答えた事なんだから。」
そうは言ったけど苦しかった。心が痛かった。
「美希。いい知らせがあるんだ・・・。」
純がそう言うと、修平が屋上に少し厚い本を抱えてやってきた。
「修平・・・?ねぇ、良い知らせって何??」
私は二人に聞いた、すると純が答えた。
「一週間だけだけど・・・元に戻れる方法が見つかった。」
私はその言葉に驚いた。
「どういう事・・・?」
すると純が真剣な顔で話した。
「明日から三泊四日の修学旅行があるだろ?その期間。自分の体に戻れる。」
そういえば、明日から修学旅行だった。悩みが多くて、今日はその事をすっかり忘れていた。
「つまり、修学旅行が終わっても三日だけなら自分のまま・・・。でも待って、どうやって戻るの?」
私が言うと、修平が自慢げに語り始めた。
「実は俺の先祖が魔法使いらしく、一冊の魔法の本が見つかって、そこに戻る方法が載ってたんだ。」
修平がそう言うと、純がまた話し始めた。
「つまりな、修平は、魔力をもってるんだよ!先祖が魔法使いだったから。」
まるで夢でも見ているようだった。魔法なんてあるわけないと思っていたから。
「まぁ、とりあえず。元に戻してやるから、純と美希、向かい合って座って、目を閉じて。」
修平がそう言うと、私と純は言われた通りに座って、目を閉じた。修平は呪文を唱え始めた。
「心が入れ替わった魂よ、元の居場所に戻りたまえ、自分の居場所に戻るんだ。」
ゆっくりと目を開けると純の姿が見えた、自分も、元の姿に戻っていた。

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