*:..。o○ 恋色CHANGE ○o。..:* 作者/柚(★`o口o*) ◆IHLbs/YhoA

最初から無理な話だったんだよね―――?
あなたと一緒にいる事なんて―――。
ごめんね―――?
私達、少し距離を置いてみよう―――?
友達くらいが丁度良いのかも―――。
最 初 か ら わ か っ て た 事 な の に ―――――― 。
* Story15 *
「純の心も変わるかもしれないし・・・彼氏彼女を決めるのは純の勝手でしょ?」
その言葉は心に重く深く刺さったままだったけど、なぜか遠くまで突き通るように心からぬけた。
純は美紅都のキスに動揺した。けど、止めようとしない。抵抗すらしない。
ただ、じっと長いキスが終わるのを待っているだけだった。
「純・・・・・・?何、してるの?」
私は目にあふれるばかりの涙をためて、かすれた声で言った。
すると美紅都が振り返った。
「あ、ごめぇ~ん。美希の彼氏だっけ?えへへ。」
美紅都は不気味な笑いを浮かべた。
「美希・・・・・・これは!!美紅都がいきなり・・・・・・。」
純はあわてて私に喋りかけた。
「じゃぁ、何で抵抗しないの?何?美紅都の事が好きになったとか?なら正直に言えば良いじゃん!!」
私は大粒の涙をこぼしながら全速力で裏庭から逃げた。
もう純なんて信じたくない。いや、すべてを信じたくない。
なにもかもがまわりから砕け散っていくように、私の心には矢が突き刺さる。
裏庭では純が呆然と私がいた場所を眺めている。
美紅都は気味の悪い笑いを浮かべ、悪魔のような目つきで私を追いかける拓哉を眺めていた。
私は屋上へかけこんだ。このままここから飛び降りたい。消え去りたい。純なんて大嫌い。
「美希!!」
拓哉が屋上に来て私の名前を呼んだ。
「美希、どうしたんや?なんで急にかけだしたんや?」
拓哉が私の顔を覗き込みながら聞いた。
私は止まる事のない涙を流しながら言った。
「純・・・・・・の事、信じてた!!な、なの・・・・・・に、裏・・・・・・切った。私・・・・・・信じたてた!!」
私は叫んだ。もう、どうしようもない怒りと悲しみが、言葉にできなくて心がむずむずする。
「何があったんか知らんけど、大丈夫や。美希なら大丈夫や。」
拓哉が私の背中をさすった。私はその手を払いのけながら言った。
「拓哉・・・・・に何が分かる・・・・・・わけ!?かっこつけないで・・・・・・よ!!!!」
拓哉は心配そうな顔をしながら私を抱きしめた。
「大丈夫や。大丈夫。俺が美希を守ったるから。な?だから思いっきり泣けや。気がすむまで・・・・・・。」
私は拓哉に抱かれながら泣いた。どれだけの時間がたっただろう?
拓哉は私を抱きしめる力をゆるめず、暖かく抱いてくれる。
私は、悲しくて、あふれる涙を流しながら、気づけば眠っていた。
夢の中、私は思った。「純と別れよう」
最初から上手くなんかいくはずなかったんだから――――――。

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