*:..。o○ 恋色CHANGE ○o。..:* 作者/柚(★`o口o*) ◆IHLbs/YhoA

嫌いならそれでいいんだよ――?
無理しなくたっていいんだよ――?
本心で私を好きならちゃんと言葉にして言ってほしいから――。
言えないって事は好きじゃないんだよね――?
もし貴方が私を嫌いならそれでいいから――。
嫌 わ れ て も 私 は 貴 方 が 大 好 き だ か ら ――――――
*Story13*
私は座り込んで泣いていた。
涙が止まらず床をしっとり濡らしていく。
あの時、何故純は答えてくれなかったの?
やっぱり純とは上手くいかないのかな?
それとも私、嫌われるような事・・・・・・した?
「駄目だ・・・・・・泣いてちゃ。お祭り行かないと・・・・・・。」
私は髪を団子結びにして、浴衣の帯を締めなおし、少ししわになった所を手でのばした。
そして家を出て、純が待っているお祭りまで向かった。
「おっ。美希!!」
話しかけてきたのは愛奈と・・・・・・美紅都。二人も浴衣を着ていた。
その後ろには修平と拓哉が居た。
「美希も祭り行くんか?」
拓哉が言った。私は「うん」と答えた。
それから私達は一緒にお祭りに向かった。
お祭りの入り口に純が立っていた。
私は話しかけようとした。すると、
「純君!!こんな所で奇遇だね!!」
美紅都が先に話した。そしてまた・・・・・・。
「ねぇねぇ。純君、一緒に二人でお祭りまわろう?」
純は慌てたように急いで答えた。
「ごめんっ。俺、美希とまわるから・・・・・・。」
そう言うと純はこっちを向いて笑った。
「じゃぁ。私、修平君とまわる約束してたから、またね~。」
愛奈がそう言うと、修平と愛奈はどこかに向かって歩いていった。
「ねぇねぇ。私達四人でまわろうよ!!」
美紅都がそう言うと、拓哉が口を開いた。
「あっ、やばっ!!自分妹を連れてこなあかんのやった!!親に怒られるから行ってくるな!!」
拓哉はそう言うと急いで家に戻った。
「じゃぁ、純。行こっか!!」
美紅都がまるで自分は純の彼女の用に言った。
「だから、俺は美希とまわるって言っただろ?美希、行くぞ。」
なんだか少し安心した。
私は歩いていく純を追いかけた。
美紅都は一人、取り残された。
「ちっ。」
後ろで美紅都が舌打ちするのが聞こえた。
「花火まであと一時間だ、それまで何かするか!!」
純が笑顔で言った。私は純に言った。
「わたあめ・・・・・・食べたい。」
「わたあめ・・・・・・?何か、子供みたい。」
純は少し笑いながら言った。私は少し怒ったふりをした。
なんだか少し、楽しい気分だった。
私達はわたあめ売り場まで向かった。
そこには、愛奈のお母さんが居た。
「あら、美希ちゃんいらっしゃい。愛奈といつも仲良くしてくれてありがとね。」
愛奈のお母さんは、私のお母さんと大の仲良しで、喫茶店を経営している。
「美希ちゃんには少しサービスしてあげる。大きいの作ってあげるね。」
愛奈のお母さんはそう言うと、一瞬にして大きなわたあめを作ってくれた。
「はい、どうぞ!!」
「ありがとうございます。」
私はお金を渡して純と一緒にまた歩き始めた。
「このわたあめおいしい!!」
私は一口わためを食べた。
「えっ、本当?俺も一口もらうぞ。」
純は私が持っているわたあめに顔を近づけて一口わたあめを食べた。
「あっ、本当だ。おいしいな!!」
純は驚いたように言った。
その後、純とお化け屋敷に行き、出ると、偶然愛奈と修平に会った。
「あっ、美希、純君!!」
愛奈がそう言いながら駆け寄ってきた。
「一緒に行こう!!」
私達はいろんな所に行った。金魚すくい、射的、くじ引き・・・・・・。
いろいろしている内に、花火が上がった。
「あっ、もう花火の時間か・・・・・・。」
愛奈が呟いた。
「美希、こっちこっち。」
純が小声でそう言うと、森の方へ私をひっぱった。
「きゃっ!!ちょっと、どうしたの?」
「いいからいいから!!」
純は私をさらに森の奥へとひっぱた。
すると、川の方にたどりついた。
空には花火が綺麗に上がり、川にもそれが移っていた。
「ここ、涼しいし、景色がいいんだ。」
純は私を川の近くにあるベンチに私をひっぱた。
「ここに座ろう。」
純が笑顔で言う。
「ありがとう。」
私は空を見上げたり、川を見たりして、花火を見た。
何分経っただろうか・・・・・・。絶えず花火はまだあがる。
「美希。」
純が私の肩を叩いて私を呼んだ。
私は振り返った。すると、唇に何かがあたった。
暖かくて、優しかった。
目を開けると、純の顔が大きく見えて、目が目の前にあった。
純は目を閉じていた。
これってまさか・・・・・・キス?
私は恥ずかしかったけど嬉しかった。
これって「好き」って言う意味なのかな?
違うよね・・・・・・。でも、そう感じたい。
それでも私はまだ不安だった。
ちゃんと、「好き」って聞いてなかったから。
「ごめんな・・・・・・いきなり。」
純が謝った。
「ううん、いいよ。」
私は、不安を一生懸命忘れようとして、また、花火に目を向けた。

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