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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 167ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン アラビアンナイト オールスター 先にロスヒ推奨
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*12*
たくっちスノー
「ふーん...平民に貴族ねぇ」
リクヤ
「俺達の立場ってさ、普通で中間的な存在って思われてるんだよ貴族や王族からは」
たくっちスノー
「うーん、まぁ庶民だからね...そうでしょ?」
リクヤ
「そうでもない、結構生きづらいんだよ」
たくっちスノー
「そうなの!?」
リクヤ
「うん、何をするのにもお金が必要なんだよ」
リクヤ
「料理の練習にも、仕事の練習にもお金がいる」
リクヤ
「そういうことやってるとお金が足りなくなる、お金がなくなる」
リクヤ
「お金がなくなると、問答無用で奴隷に格落ちさ」
たくっちスノー
「えっ...おかしくない?」
リクヤ
「おかしくないよ、かれこれ数十年はこの階級があるんだから」
サンカイ
「そうそう」
たくっちスノー
「え...」
リクヤ
「あっちの所もさ、お金がなくなって奴隷になったんだよ」
たくっちスノー
「なんでお金がなくなったの?」
リクヤ
「決まってるじゃん、贅沢をしたからだよ」
サンカイ
「そいつ、確か飯作れなくてな...外食でしのいでたそうだ」
たくっちスノー
「そ...それだけで!?」
リクヤ
「だって、料理と食材だったら値段は違うでしょ?」
たくっちスノー
「ま、まぁ確かに自分で作った方が安上がりって聞くけど...君らはどうなの?」
リクヤ
「果物かじっとけば栄養にはなるよ」
たくっちスノー
「果物かじる!?」
サンカイ
「食材買った方が安いからな」
たくっちスノー
「ええ...本当に平民なの、君ら...」
リクヤ
「スラムは俺らより酷いからね、飯を食えるだけまだマシだよ」
たくっちスノー
「.....何のためにお金を稼いでいるの?」
、
リクヤ
「うーん、生きる為?」
たくっちスノー
「生きる?」
リクヤ
「うん、明日も仕事するために生きたい、生きたいからお金がいる、不思議なことは言ってないよ」
たくっちスノー
「何か金のかからない娯楽とか有るだろう!!ほら、そう...恋とか」
サンカイ
「恋ねぇ...若いよ、お前は」
たくっちスノー
「はい?」
サンカイ
「恋愛はな、確かに始めるだけならタダだよ、だが続けるのには金がどうしてもかかる」
サンカイ
「実際俺の嫁も金がなかった結果」
リクヤ
「その話はいいだろ、もう」
サンカイ
「...そうだなぁ」
リクヤ
「.....」
たくっちスノー
「...じゃあ、裕福になりたいの?」
リクヤ
「...どうだろうなぁ、まぁ欲しいかな」
リクヤ
「最近好きになった人がいるからお金が必要なんですよ」
金の語り部
「...金があれば女は寄り付く、金が全てを決める」
金の語り部
「階級としてはありがちだが...はたしてそんな恋愛が上手くいくのかどうか...たくっちスノーはそう考えた」
金の語り部
「そしてリクヤは、どれだけ資金を貯めればあの女と近い立場になれるのか...そう考えながら眠りについたのだった」
第1章 END