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【コラボ】アラビアンナイト外伝「ピースフル」(完結)
作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 167ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン アラビアンナイト オールスター 先にロスヒ推奨 
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リクヤ
「...俺は恋愛出来ないんだよ」

たくっちスノー
「...どうして?」

リクヤ
「見たら、分かるだろ?」

リクヤ
「俺さ、仕事以外は何も出来ないから」

リクヤ
「木を切って組み立てて、家を作ることしか出来ないから」

たくっちスノー
「...」

リクヤ
「父さんだってそうだったからさ」

リクヤ
「父さんはよく言ってたんだ」

リクヤ
「仕事しか出来ないから仕事だけで生きてきたら、なんか女が惚れてくれたからそのまま勢いで結婚したってさ」

リクヤ
「で、そのまま勢いで俺を作った」

たくっちスノー
「勢いに乗りすぎだろ」

リクヤ
「最初は俺もそう思ったよ、でも今では気にしなくなった」

たくっちスノー
「なんで?」

リクヤ
「やっぱりさ、そういうのと恋愛しても上手くいかないし」

たくっちスノー
「え、ああ...死んじゃったんだっけ?」

リクヤ
「ああ、病気でね」

たくっちスノー
「.....」

リクヤ
「父さんは仕事をすればまた女が寄り付くと思ってるから気にしてないみたいだけど」

リクヤ
「...いつまでもこんな調子じゃダメだって、俺でもわかってるんだけどなぁ」

たくっちスノー
「君仕事以外何も出来ないって言うけどどこまでダメなの?」

リクヤ
「殆どだよ...見ての通り料理は出来ない、複雑な計算は出来ない、薬とか道具の目利きも出来ない」

リクヤ
「俺たちに出来るのは家を作ることだけだから」

リクヤ
「それしか出来ないならそれしか考えないようにしたんだよ」

たくっちスノー
「だから君は金稼ぎに拘るのか...」

リクヤ
「そう...別に惚れられた相手が奴隷だろうと姫だろうと、俺にとっては何も変わらない」

リクヤ
「だって接し方は変わらない...というか、接することが出来ないんですから」

たくっちスノー
「...じゃあ、君はソラミ姫の事は?」

リクヤ
「さっきも言ったけど嫌いじゃないし、むしろ好意的に見ている...けど、不思議なんだよな」

たくっちスノー
「不思議?」

リクヤ
「そう、さっきイスナっていう姫の護衛が来てね、軽く話したんだ」

リクヤ
「そしたら、あの時の小屋はわざわざ俺を探しだして指名したっていうんだよ」

リクヤ
「俺ってそこまであの人に好かれる要素あったのかなぁって」

たくっちスノー
「...よし、それなら聞いてくるよ」

リクヤ
「ついでに俺が言ってたこともあの人に伝えておいてくれませんか?」

たくっちスノー
「任せとけ!」

金の語り部
「と、たくっちスノーは黒い液体となってソラミの城へと向かっていった...」

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