コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 日時: 2011/01/04 22:13
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
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- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.36 )
- 日時: 2010/12/11 10:15
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第14話
「はぁ?」
あいさつしてまだ時間もたっていない初対面相手に、それも女王という称号を持っている彼女に、イコールはさもつまらなそうに言った。なお、女王顔は表情を何一つ変えていない。先ほどから同じ顔立ち。まるで、イコールへと向いているが、その視点は別の方向にあるような瞳だった。
「意味が分かりませんか? 常識的に考えて、私に御用があるならば、それくらいの覚悟で来てもらわないと困ります。」
イコールは女王に睨みつける。イコールにとって彼女は、”邪魔”としか思えない。さらに、こんな奴と交渉なんてしてられるかと。その感情は、だれしもが分かるようにオーラが漂っていた。
「困る? てめぇがどんな身分かしらねぇけど、殴るぜ? てめぇ、今までの合ってきた中で、一番、『ムカツク』んだよッッ!」
それは隣にいるミールが一番注意していたことだった。ここに入る前にあれほど忠告をしておいた。感情に飲み込まれるなと。『なんで? ちょっと待ってイコール! 君じゃ女王には勝てない! ううん・・・ここにいる騎士にだって負けるよ!!』と想いをぶつけるために、イコールの右腕を力強く引っ張る。絶対にしてはいけない領域へと入ろうとしているイコールを、怒りの形相で止める。それを見たイコールは、少々荒したという気持ちで、ミールに従った。
「・・・すまねぇ・・・」
「ふぅ〜・・・いいよ。・・・女王様、先ほどのご無礼、申し訳ありませんでした!」
と、ミールは声を震わせ、謝礼を何度もする。それを見かねた女王は一礼し、先ほどのことはどうも思っていないのか、また同じ言葉を繰り返した。
「どうです? 一度だけでいいです。貴方達の能力を見させてくれれば、それだけで交渉に移れるのですが?」
二人にはもう従うしかなかった。ミールにとってはそちらが安心できて、胸を撫で下ろしていたが、イコールは未だに感情が歪んでいる。それはそうであろう。彼は、春山意外に、初めて”命令”に”従った”のだから。力を持つ者として、それは彼のプライドが削られたほどだった。
(くそ・・・面倒くせぇ。こいつら全員あとで殺す!)それこそが、危険と安全の一定を保っていた。
そこで、二人の前に先ほど呼ばれた『ジョセリナ・ラミナ・ラーナ』が立った。満面な笑みを浮かべ、いかにも”弱い者”を見るような瞳で、二人交互に彼女は見詰めた。
「くくくっ・・・ねぇ女王様〜、本気だしちゃダメなの?」
女王はジョセリナのその問いに間を開け「ええ、駄目。」と言った。
「ちぇ〜ざんね〜〜ん☆」
と、ジョセリナは剣を取り出しながら、舌で刃先を前後に舐めあげた。その光景にイコールとミールは気味悪い気持ちになる。まるで侮辱するような目つき、行動・・・そしてなによりも、女王にタメ口をしている事が異常であろう。そこは女王が指摘していないので特に気になっただけだが。
「んじゃ、始めようか? スターット」
と、剣をこちらに構え、前に突進してきた。それを見た二人は、(こっちの間は考えないのか!)と同じ気持ちだった。ジョセリナは突進すると、イコールの目の前で笑みをまたし、そして上空へと飛び上がった。
「まぁ、私の本気出さなくても、君たちは負けると思うけど、ネェぇえぇぇッッ!!」
と、イコールの後ろから剣を上へと振り上げた。ちなみに、そこまでの移動瞬間は、人の目では追い付けない速さだったため、イコールは、ジョセリナが後ろに回ってきてから気配を感じ取った。さて、これが反射的に通用するかどうか。
「ッッッ!!?」と、天使達を背後に強制急性増殖させ、無理やりにでも盾を作り上げる。天使の一つ一つが集合して出来上がった時だ、刃先が盾に突き刺さり、轟音と言っても言い大きな音が、室内で響きあがる。
「ひゅーっ・・・やるねぇ・・・でもそんな盾じゃ、私にはただの木の板一枚としか変わんないよ?」
と、ジョセリナはイコールが作り上げた盾を真っ二つに切りあげる。その隙にイコールはその場から離れ、体制を整える。ちなみに、先ほどの行動文章は、時間で表わすと、10秒とあまり変わらない瞬間にできたものだ。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「なぁにぃ〜? もう息切れ〜? ちょっと馬鹿な事してないでよ、私これじゃ別の意味で肩凝っちゃうんだけど・・・。」
イコールを目の前にして、ジョセリナはあくびをする。今に至って、イコールはやっと緊迫感が伝わってきた。油断すれば、負ける事に。先ほどの威勢はどうしたものかと騎士たちは見ているが、女王のすぐ両サイドにいる、男と女は目を瞑っている。だが、寝てるわけでもないようだ。すると、ジョセリナが言った。
「どこ向いてんの? 君さ、騎士と戦うときはその相手しか見ちゃいけないんだよ? なんだよ日本の武士でもそういう戦い方だったから、期待してたんだけど、君の戦い方、なっちゃいないよ。まるで自分を守るためだけに戦ってきた方法しか、君は知らないんだね。ダッサww」
ジョセリナは誠なことを言っていたが、最後で最後の言葉に、侮辱する。だが彼女は言っていることは、的を当てている。なぜならイコールは本当にそうやって戦って来たにしか過ぎないのだから。本人がそれを一番知っているであろう。だが・・・それを他人に言われる事だけは、許せない。その思いでイコールはジョセリナを睨みつける。
「別に睨んだっていいよ? 私は本当の事言っただけだもの。ひたすら”卵に引き籠ってた”お前と、私を一緒になんかされたくないんだからさ!!」
と、目を大きく開かせ、ジョセリナは剣を前に突き出し、イコールめがけて走る。だがそれは、めがけているイコールも同じ事。彼も目を大きく開かせ、両腕を彼女にかまえて、突進してくるのを待ち構えていたのだ。突進してきたジョセリナに向かって、天使を百体作りあげ、そのうちの五十体を両手に剣へと変換させる。
「はっ! 同じ武器でも、私のとあんたは質が違うの! そのまま消えろやぁぁぁぁああああッッ!!」
その後、ジョセリナの剣は見事にイコールの剣を切断したが、それは罠だった。イコール特有の騙し。百体の内の五十体は、剣として消費させたが、残りの五十体はそのままジョセリナの剣にへと集合し、突然の質量の変形により、剣はもげたのだった。
「っへ・・・てめぇの負けだ」
「お、おまえ・・・・!!」
ジョセリナの言い終わった直後に、腹に一発片手でみぞおちを喰らわせる。当然ジョセリナは倒れ、そのまま床に這いつくばる形で着いた。それは本当の勝利だったのだろうか? いやまず、この戦いは何だったのだろうか? と、ミールは考えていた。
やがて時間が経てば、ジョセリナは修道服を着たシスターに医務室へと運び込まれその場からいなくなり、騎士の者はやがて室内からいなくなり、残るはイコールとミール、そして女王が豪華な黄金の縦細長いテーブル席にと座っていた。
そこからが交渉の始まりだった。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.37 )
- 日時: 2010/12/11 10:18
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第15話「女王の言」
イコールとミールは豪華な黄金のテーブルの前の席に座らせられる。もっとも、ミールはこの事に関して目を輝かせている。生地が柔らかいため、ミールは椅子から降りれば、座っていた生地を撫で、また椅子に座って戻れば同じ事の繰り返しをしている。イコールは呆れるしかなかった。ため息が漏れる。それがミールに届き、
「イコールはこの豪華な椅子に座らせてもらえる事をもっと感謝しなくてはいけないにょん! こんなお姫様みたいなの子供のころからの憧れで〜〜っへっへっ」
イコールはミールををただ遠い目で見るしかなかった。それも先ほど戦っていたのにやけに冷静な事にも不満を抱く。俺が本来しなければいけなかった交渉が始まる事を、目でミールに訴える。『始まんぞ』と。
「あ、ごめん。」と我に帰る彼女は、そのままきちんと椅子に座りなおす。細長いテーブルのため、一番先の向こうにいる女王の顔が見えるかどうかの距離だった。だがやっと準備は整ったのだ。二人の、まなざしはしっかりと女王に向かっている。それを見る女王。
沈黙が続くが、先に話したのは女王が先だった。
「改めまして、最強主教女王、マナリアルジェント・ガルエル・パスナーガです。・・・改めて見ると、貴方達はまだ子供ね。そんな子供相手に戦闘をさせて申し訳なく存ずるわ。それに白髪君・・・あ、ごめんなさいね。どうぞ、そちらのお名前を。」
当然、初めて”白髪君”と言われたイコールは激怒の感情を抑えるだけで必死だった。ミール視点から見れば、彼の両手は、強く握りしめ、今にでも震えを爆発させえるほどの揺れをしている。ミールに至って今回ばかりは、
(イコールってめんどくさいにょん・・・)
の感情ばかりだった。
「あー・・・”イコール”です。」
ミールはその後に続き、「ミール・ラーナです」と、慌てて伝える。
ちなみにこの国は下の名前ということわりがあり、イコールの名前に女王は疑問を抱く。
「あら? イコールさん、下の名前は?」
「ない。 俺は、科学の実験体だから」
「ああ・・・春山さんの。」
やはりこの国にも”春山”という人物を知っているという事は、面識しているという事に決まる。二人はそのまま話を続けた。
「春山 二郎 をご存じで?」
イコールにしては丁寧な口調で話す。やはり、目の前にいる人物の身分がどれほどなのか、理解したからであろう。その瞳は、本当に真剣だった。
「ええ。魔術について、”やさしい口調”で訪ねてきたけど、真後ろから”支配したい”感情がダダ漏れだったわ。 今はどこにいるのかは、分かりませんけど。」
「それって、つまり・・・交渉はどうなったんですか? にょん」
ミールも負けずと尋ねた。
「ええ。あの男には、魔術でなにかをたくらんでいるようにしか思えなかったので。交渉はこちらから決裂させていただきました。 それで、この話はいいとして、貴方達は何が目的でわざわざここに?」
今の話でこの二人の任務は遂行している。”交渉決裂”のためにここにきたのだから、二人の任務は遂行。目的はなくなった。
「いえ、春山と女王様の交渉決裂 が私たちの任務だったんだにょん。 だから、もう目的は無くなりました。」
女王はそれを聞くと、テーブルから離れ、先ほど座っていた王座席に座りなおす。その両側にある扉から騎士たちが現れる、そして座礼態勢に移ると、女王が口を開いた。
「では、私はこれから聖ジョージの会議へ参加させていただきますので、貴方達の目的が現在終了したならば、退席させてもらってもかまいませんか?」
イコールとミールはその話を聞くと、椅子から降りて、出口までシスターと一緒に連れてかれる。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.38 )
- 日時: 2010/12/11 10:19
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
イコールとミールは、先ほどの事がまったくの面影がなくなっている事に疑う。現在、あの大聖堂から出てから、15分。路上の上を歩き、いくつもいくつもの建物が横を過ぎていく。
「これで一応、一段回任務遂行・・・だけど。二段回の任務はどうなるのか分からないから、宿寄らないとにょん・・・」
路上の上を二人は歩いている。その影は、夕影となって伸びていた。その影は、ひとつだけ止まる。その影の持ち主はイコールだった。
「? どうしたにょん」
納得がいかない。それだけじゃない。(こんなことなら、なんでいちいちここまで来たんだよ)の気持ちそのものが正しい。それが抑えられなくて、もう一度イコールはミールに話しかける。その周りには、ロンドンの会社員たちが帰宅として歩いている。
「こんなことなら、来なくてよかったんじゃねぇか?」
ミールはその問いに振り迎える。彼女の瞳はまっすぐだった。
「これは上層部からの任務だったんだよ? こんなことも、これからもっとあるよ。」
だがやはり疑問を抱くイコール。”なぜ俺がその組織に入らなければいけなかったのか?”と。
「未だに思うんだけどよ、なんで俺が入んなきゃいけなかったんだ? 日本まで離して、これから何があるっつうんだよ。その組織の親玉にも合わせてもらえねぇしな」
ミールは黙った。それは彼女も同じだったからだ。面識があっても、”従う”以外の事は言われなかった。でも、それでもそれで食べていけるのだったら、と、今まで従ってきただけなのだから。
「わからない・・・。でも、この組織でしか、私の居場所はないから、従ってきただけだから。だから・・・詳しくは知らない。にょん」
イコールはため息を漏らす。ただの居場所を見つけるだけで、犬になる奴と一緒にいたと感じたからだ。居場所くらい、自分で見つければいい。それが自分の居場所だというのに、・・・。
「お前、馬鹿か? こんな組織に入って、居場所だと? こんなの居場所じゃねぇだろうが!」
イコールは街中で怒号を放った。街中にいたロンドンの人々が、そこから逃げるように去っていく。それでもイコールは怒る。こんなのはありえねぇのと、昔の自分と同じ事をしている奴が目の前にいるからだ。
「てめぇの居場所だぁ? やめろよそういうのは。居場所くらい、自分で決めてから言え。居場所なんてな、自分の居心地が良いって思えばそれでいいんだよ。だがお前の場合、”拾ってくれたから”ここが良い。のようにしか聞こえねぇ・・・。そんなんじゃいつまでたってもガキのままだ。」
ミールは、そのままうつむく。当たり前だが、彼女にも激怒という感情はある。何も知らない奴に否定された事。何も知らない奴に過去を笑われた事
。この二点だけは、感情を抑えきれなかった。彼女は手を強く握り、冷汗をかいた顔を歪ませ、口を開いた。
「なにも・・・分からないくせに!あのドブの生活をした事も、見た事もないくせに! 私の居場所? 居心地が良かったらそこでいいんでしょ? だから私は、この組織が”居場所”! それに女王の騎士に決闘して、それでそのまま返されたから頭に来てるんだろうけどね、そんなんじゃガキだよ! あなたも十分ガキだよ! そこで頭に血が上ってどうすんの? 今ここでキレたのもそれが原因でしょ? 絶対そうだよ。断言できるよわたし。」
押しているのはイコールだと思った。だが押されていたのはイコールだったのだ。彼女は、イコールよりも過酷な人生を生きている。だからなのかもしれない。彼は、ミールの言葉に反論はできなかった。
「だいたいさ、 君だってこれからどうすればいいのか分からなくなったから、事件を起こしたんだよね?怖いから。レベル8という同系列の強者がいる事に怖かったから! それをふまえて、こちらの組織は動いたんだよ! それを仇として返さないでにょん!いい? これからそんなこと、言わないで・・・。」
ミールは泣いてしまった。彼女はまだ少女。その年ごろで怒号を放つというのは、刺激が強すぎたのだろう。
「・・・すまねぇ」
イコールは、ミールの肩に手を乗っけて謝った。その後は、離れる。ミールは涙をぬぐうと、ゆっくりと、頷いた。彼女にとって、必死の訴えだった。
ミールは、そのまま、前へと進むと、イコールへと振り返り、「宿、捜そうにょん。」と伝えた。その顔には、泣いて赤くはれた目があるが、それは彼にとって”罪”の証だ。・・・・ゆっくり頷いた。
「んじゃ、割り勘ね」
それには驚く、なにせイコールには金が少々しかない。
「いや、無理だぞ俺。金が・・・」
「駄目。今日の事にイラついたことを、反省しとくんだにょん! ふふ〜」
「ふざけんなお前、飛行機代どうすんだよ!」
「え・・・? 日本には帰らないよ? だって任務続行中だって言ったじゃん。 まだまだロンドンでやることはいっぱいあるにょん〜」
「・・・・・。」
イコールはそれから化石のように固まった。
つまり、彼も正式に組織の一員となった事だ。ここからがたくさんの事が二人に待ち受けている事だろう。
この二人の旅は、まだまだつづくそうだ。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.39 )
- 日時: 2010/12/11 10:21
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
「牛丼は、しょうがを混ぜてから」
尾崎浩太は強制補習を受けた後、下校をしている。オレンジ色の夕焼けの光が、街全体を、ビルとビルの隙間から照らす。
「はぁ〜、最悪だ」
と、彼はため息交じりに言い放つ。それは誰にも届いていないが、彼は自分に届いていればいいかのように笑顔でいる。
「ちょっと、あんた何笑顔でいんのよ? キモいわね〜」
突然後ろからの暴言に、それもいかにも坂条奈津美の声が聞こえたので、彼は街中の路上をまっすぐ突撃逃避する。
「あ!、・・・・待ちやがれっつってんだろぉがぁッ!」
そんな尾崎浩太に、背後から風が突撃する。おかげで彼の背中は、つってしまい、彼は街中に悲鳴を響かせた。逃げなければいいものを。
「な、・・・なんだよ、この俺になんか用か!」
「大アリよ。この子が迷子になってたから・・ってふぇッ!?」
尾崎が仰向けになりながらも、上を見上げると、奈津美の背中には、ポタコンが(めっちゃ泣きながら)抱きついていた。”お前は猿か”と突っ込みたい彼は、背中の激痛で、それを言えなかった。
「ふぇ〜〜ッ!、浩太が、こうたがいきなりいなくなったから、ど、どういたのかとおもっって、うぅ〜! 前日からちゃんと報告しとけぇ〜!」
「と、まぁ・・・こういう理由な訳よ。あんたも育て親としてちゃんとしっかりしときなさい!」
と、奈津美は言うと、ポタコンを背中から、無理やりはがして、尾崎浩太の腹の上に乗っけて置く。ポタコンはそのまま泣いた。”男なのにだらしねーな”と尾崎は思うと、ポタコンの頭を撫でて、泣き止ませた。
「ほんっと、なんていうか、あんたの育児法は改善すべきよ。今日、ちょっとあんたの家行くから、まずは料理から教えてやるわ」
奈津美は尾崎の手を掴み、ポタコンと同時に立ちあがらせた。
「マジ? それ、すげぇ助かる!」彼ははしゃぎに走ろうとしたが、奈津美の赤面に疑問を抱く。”なんでこいつ赤くなってんだ? まぁ、いつもの事か”と。
逆に奈津美からでは、”なんで私、手伝うような事言っちゃったんだろ!? でも、今からじゃ断れないよね?! これじゃ恋人同士じゃない! あれ? でも子供いるから・・・っ!? 夫婦!?”とまぁ、妄想が膨らんで行くのだった。覚悟をした奈津美は。
「よし、じゃぁお姉ちゃんが腕をあげて、ハンバーグを作るとしましょうか!」
と、袖をまくりあげて言い放った。もちろん尾崎浩太はさらに喜ぶ。ポタコンも、、人の作る食べ物に興味が湧いたようだ。
”もうどうにでもなっちゃえ!”が、奈津美の頭の中だった。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.40 )
- 日時: 2010/12/11 10:22
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
「で、こうしてひき肉を丸めて、真ん中をね・・・って、人の話無視すんなっつのゴラァァッ!!」
「イッテェェ!」
尾崎浩太は、奈津美の隣でDSをやっている。彼女が料理宣言したという事で、尾崎の部屋へ来た彼女は、まず台所を借りて、尾崎に説明しているところだったのだが、ゲームをしている彼に、ゲンコツをしたのだった。
「人様が教えている間に、ゲームするなんてどうかしてんじゃないのかしらぁ!?」
奈津美は尾崎のこめかみをぐりぐりと両手で拳を埋め込む。
「イテッ、ほんとに、痛っ! 痛いッから!」
「だったらちゃんと、人の話聞いときなさいっつの!」右手をグ〜に変えて、尾崎の右頬をぶん殴る。
「ぐほぉッ!!」
尾崎はそのまま横に倒れ、頬を抑え立ち上がると、
「な、殴ったね! 親父にも殴られたことないのに!!」
と、アムロ名言を口にする。奈津美にとっては、呆れさしか残らない。ため息をすると、
「はい、嘘言わない。あんたの親父は根っこからの熱血気合の人だったはずだけど?」
「ははっそうでしたね。おいたがすぎまし—ッ!?」
「ジャーマンスープレックス!!」
「ぎゃァぁアああ!!??」
まだなにも反省していない尾崎をプロレス固めをする。その姿勢は、ポタコン視点では、絶対ツルだろうと思う形だった。通称:原爆固め。 反省のない少年には良いものだろう。
「ぎぎっギブギブ!つかなんで、お前プロレス技知ってんだ!?」
「なによ? 私が知ってちゃなんかいけないのかしらぁ〜?」
「いえいえ、素晴らしいから!・・・ぐおぉッ!!」
奈津美はさらに窮屈に締め上げる。そうしていくと、尾崎の目は、白眼へと変わって行った。それを確認すると、奈津美は尾崎から両手を外した。かれこれ二人は、一旦休憩へと入る。
「ったく!こんなんじゃ全然・・・間に合わないじゃないのよ!」
「俺に言うなよ! つかお前な! 強引にも程があるだろ?」
尾崎はここまで言うが、その後半ば悲鳴を上げる。背中の筋肉が、突然引き締まり、激痛が走ったのだ。
「どうよ?料理、ちゃんと作る? プロレスなら負けないわよ?」
奈津美は両手をコキコキと鳴らす。かねて尾崎はただ料理のお手伝いをするしかなかった。
”なんだよ、お前のお手製じゃないのかよー”と思い続ける少年だった。
彼なりの楽しみが、自分でやらなくてはいけないとは、少しショックでもあった。
かれこれ、坂条奈津美は、尾崎ともどもハンバーグを作り上げたのだった。(省略法キタ—ッ)
「「「いっただっきま〜す!」」」
ポタコン合わせて、三人は皿の上にある、手作りハンバーグと、野菜サラダを交互に食べる。ポタコンに至っては頬張るが正解なのかもしれない。なぜならそれを見かけた奈津美がデレたからだ。
「か、・・・カワイイ・・・」
「・・・・う?」
ポタコンが首を傾げると、奈津美が瞳をキラキラさせる。だがその奥にはなにかたくらんでいる感があった。尾崎はそれを見逃さない。
「おい、奈津美、ポタコンに何考えてんだ? なんかまるっきり、後ろにオーラが」
「あ、あのさ、ポタコン君にケロロ軍曹の着ぐるみ着させていい? たぶん、ブログで出したら人気になると思うんだけど」
と、奈津美が途中まで言うと、その後は、声が震えて聞こえなかった。いや、尾崎は聞きたくなかっただけなのかもしれない。
「僕、って・・・そんなに可愛いの浩太?」
”知らん”が一発めに思う尾崎だ。もともとポタコンは尾崎の能力のために作られたアンドロイドのはずであり、外見など考えた事もなかった。
「へ〜、可愛いのか・・・ウェッへ」
ポタコンが顔に似合わずおやじ言葉で照れあげる。ちなみに、こいつの心理状態は、外見と一緒で子供だ。だから、親(尾崎)が離れると、少し慌ててしまうという要素などがある。
「ねね!いいでしょ!」
「駄目にきまってんだろ!」
普通の女子なら、「なんでよ」と駄々をこねるが、さすがレベル8の女の子。「わかったわよ・・・」と納得したようだった。
尾崎としては、ポタコンのキャラが崩れる寸前でよかったと、ハンバーグを3口食べたところで自分の心と言う胸を撫で、安心する。
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