コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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日時: 2011/01/04 22:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

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Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.51 )
日時: 2010/12/24 12:42
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話

 バスに乗り、時間を掛けて歩き回ると、北武市総合病院前へと着いた。尾崎とポタコンはすぐに中に入り、受付カウンターで面会を申請する。二人は言われたとおりに道をたどって、エレベーターなどを乗り継ぎすると、やがて302号室へと着く。

 尾崎は一拍開けて、扉を開けた。

 「・・・あ、本当に来たんだ・・・」

 真奈美が寝ている側で、奈津美が尾崎にかけて低い声で言う。あまりにも、彼女の顔は疲れ切った表情だった。それにはポタコンでさえ不安に思う。

 「・・・当たり前だろ。容態は?」

 「・・・今は安静に、ってところよ」

 尾崎は「そっか」というと、準備されていた二つの椅子の一つに腰を掛ける。他の一つはポタコンが並んで座った。

 今更のように思うが、よく見ると真奈美の体はほぼ包帯だらけだった。二人とも、その容態が単純なものではないという事が明確に映し出されている。

 「・・・お前の妹は、何があったんだよ」

 「・・・私たちが知った”真実”の関係者にやられたのよ。」

 「それって、春山が・・・?」

 「違うわ・・・私たちと一緒の類よ。春山を抑えるために行動していたらしいのよ。・・・ただ、その”抑え方”が、真奈美に火花を当ててしまった・・・ってね」

 「・・・そんな・・・でも、それにしては怪我が多すぎだろう。・・・ここまでするなんて正気じゃねぇよ」

 奈津美は頭を掻くと、こめかみに手を抑え、ため息をした。

 「・・・そこはウチの馬鹿な妹が悪かったのよ。一回だけならここまでならなかった。けど、この子はもう一度、その関係者に挑んだのよ。・・・病院にも行かずにね・・・だから本当、ぶん殴ろうと今でも思うわ。」

 「そうか・・・」

 やはり、病人がいる室内では、沈黙がつきものなのかもしれない。そこからは静かな音が響き渡る。

 時間はこんなに過ぎて行くものなのだろうかと、尾崎は思う。入室してきて夜7時だった時間が、すでに夜8時になっていた。

 ポタコンも、睡眠したいのか、頭をふらふらしている。

 やがて、そこから真奈美が起きた。

 「・・・ま、なみ!」

 尾崎はそこに入る事は出来ない。無言でポタコンを連れて真奈美へと向かったのだ。

 「・・・おねぇ・・・ちゃん。それに・・・尾崎さんまで・・・本当、ごめんなさい」

 と、真奈美は言うと、涙を流して奈津美に謝った。

 「この馬鹿。本当に大馬鹿野郎!・・・病院にも行かないで、肉弾戦に立ち向かうなんて、馬鹿にも程がある!・・・あんたは、わたしの妹なんだから・・・もう少し考えて行動できたでしょうが!・・・何がポリスの正義よ。・・・聞いてあきれる事しないで。」

 そこからは、尾崎はポタコンを見て、窓辺の夜空を見た。ここから姉妹の話に入ると思うと・・・二人とも・・・居心地が良くなったのだ。理解しあえる事は、こんなにまぶしい事だったのだと、感じた。

 やがて、その1日は、病室の中で終末を終えた。



 翌日のとある工場の内部—————

 「はぁ〜、めんどくさい〜、あのレベル8もうぜぇし・・・その妹もめんどくさかったわ〜」

 「だったらめっちゃそういうのやめてください。めっちゃうちのグロテスク人形、めっちゃ引き裂かれてるんですけど。」

 「この中に爆弾入れちゃうってな訳よ。それが面白いってな訳よw」

 「・・・・さっさとしないと、ボスに怒られる」

 「「「は〜い」」」

 「・・・てめぇら、とうとう明日だ。能力計算、できたかぁ?」

 と、その工場内部では会話が成り立っていた。

 そこには、暗闇がすべてを支配しているような感覚が広がっている。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.52 )
日時: 2010/12/24 12:42
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


 工場内部にいた者は、リーダー:山陀殺雄、副リーダー:殺戮呪朗、グループ:中山樹里、枡中小猫、田名中光・・・約五人のdarkness暴力団が集合していた。それは、明日の攻撃に備えるためだ。

 「いいか・・・? 明日で俺達の”普通の日常”はすべて終わるぜ・・・。その覚悟、刻印を示すものとして、この主人に仕える言葉をもたらせな」

 すると、そこにいた四人は、一礼を構え、こう言った。

 「「「「イエス、マイロード」」」」


















 ここからが・・・戦争の始まりだった。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.53 )
日時: 2010/12/24 12:42
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


——翌日、朝8時に北武市の土手広場で、爆発が起こった。——

 これは、病室の中にいる奈津美と尾崎が見ているニュースだ。テレビの中では、盛んに爆発が起こっている。そこに、防犯軍隊が入ろうとしているが、煙で相手が見えないどころか、その大きな煙から盛んに爆発が起こっているため、損傷者が多数増えてきているとのことだ。ニュースではこれを爆破テロ事件として取り上げられているが・・・。

 「・・・・なんで?・・・真奈美、本当に夜7時なのよね?」

 と、奈津美は、寝そべっている真奈美に問いかける。

 「うん・・・、あいつらが嘘ついたのか・・・分からないけど・・・、行かなきゃ・・・もっと犠牲者が出る!」

 真奈美はそれを言ってから起き上ろうとしたが、奈津美に抑えられ、戻される。それには大きく抵抗した。が、奈津美も負けていない。全力で真奈美をベッドへと戻した。

 「ふー・・・駄目よ。・・・今、あんたを行かせるわけにはいかないわ。」

 「でも、お姉ちゃん!・・・私はまだ行けるよ!ほら、足だって、動ける!・・・これは私が片付けなくてはいけない事なの!・・・お願い!」

 尾崎にとって、このやり取りを考えていれば、奈津美が怒ると考えていたのだが、生憎、奈津美は起こらずに真奈美の肩を触って伝えた。

 「・・・あんただけのことじゃない。それに、言ったでしょ?あんたは巻き込まれただけだって。本当に深くかかわっているのは、私たちなんだし、それに・・・こんな時くらい・・・”レベル8の姉”を頼んなさいよバカ。」

 と、優しく言っただけだった。これには真奈美も驚いて、静かにベッドに座り戻した。涙を目に浮かべて。

 (・・・なんで私は無力なの?・・・いっつもこうじゃない!)

 真奈美はベッドの端っこを怪我をしていない左手でぶん殴った。痛々しい光景でもなかった。ただ、真奈美の気持ちが、かなり心に響く行動だった。

 その光景を尾崎は見ていると、突然 奈津美が、病室のドアを開けた。廊下側は、太陽が照らしている。その日光は奈津美を照らし、尾崎の方向へと向いた途端、その光は逆光となる。

 「さて、・・・と。 尾崎・・・行くわよ!」

 「・・・ああ。・・・行こう!」

 そして真奈美の目の前にいた二人は、戦場へと向かってしまった。真奈美には涙があふれ出る事を止めることは出来ない。悔しい感情、それが多かった。自分の情けなさ・・・そして心配を掛けてしまった馬鹿な自分。

 「・・・お姉ちゃん・・・頑張って・・・!」


 やがて、廊下側に出た奈津美は。

 「ええ。・・・行ってくるわ」

 と言って、尾崎浩太と共に病院の廊下を走って、土手広場へと向かった。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.54 )
日時: 2010/12/24 12:43
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


 爆発の被害は土手広場では済まなかった。その周りのビルや住宅地も巻き添えだった。

 「ぎゃはは! な〜んだ、 通告しなくても軍隊達来るじゃねぇか! こりゃ手っ取り早ぇ〜!」

 と、そこには田名中光の姿があった。手当たり次第にデカイコンクリートの破片などをビルや軍隊の中央にテレポートさせている。そんな事では、ここまでの被害は出るわけがない。だが、その原因は彼女ではなく、彼女の隣にいる中山樹里という女性の”あらゆるものを爆発させる”能力のせいだ。通称、爆弾能力者とも言う。

 「私の能力を甘く見過ぎだったってな訳よ。この言い方が私の心を快楽にするって訳よ〜!」

 中山樹里・・・レベル7。今のここまでの被害が出た多くは、彼女のせいだと言っても過言ではない。このようなビルが破壊し、それが人々の怪我を負わせている事をさも楽しそうに、物を拾っては投げて爆発させる。

 「あ〜あ、めっちゃ壊れてる。ウチらもうめっちゃ後に下がれない状況ですね。そこがめっちゃ面白いんですが。」

 と、中山樹里の隣には、小学生くらいの女の子が、パーカーの頭部分を、顔を隠すぐらいまで深く被っている。名前は、枡中小猫。レベル7. ”あらゆる物体の時間を速めたり遅くする”能力。通称、変速能力者。

 「ささっと・・・全滅させないと・・・殺雄に怒られちゃうな・・・」

 枡中の隣に、身長180㎝以上の、髪を茶髪に染めている男、殺戮呪朗がそう呟いた。服装はまるで、ホステスでもやっているかのようなお洒落なスーツ姿だった。レベル7。”一定の覚醒状態(翼が生えた状態)は、すべてを葬る(両目から直射される光に当たると、石灰となる)”能力。通称、翼体能力者。

 「別にそこまで鬼じゃねぇよぉ・・・」

 そして、この暴力団のリーダー、山陀殺雄。殺戮の言葉に受け答えると、右手で添えるように頭を掻く。レベル8。”左腕に宿いし『神殺しの左腕』は、それに命が有る者を喰らいつくす(接触=寿命中断)”能力。通称、異変能力者。

 やがて、その五人が現れていた時には、周りには二千人を超えるであろう軍兵が、群がっていた。真ん中にいる暴力団へと銃を向けて。

 「君達にはこれ以上、鎮圧することは出来ない!言う事を聞いて、逮捕されるんだ!・・・君たちの負けだ! これで終わりにするんだ!」

 その暴力団の、目の前にいる軍人は言った。だが、その言葉は、五人組には届いていない。だから、もう一度は言わない。これで終わりにしようと。

 「五人に発砲を許可する! 全軍、発砲せよ!!」

 それを合図に、前にいる軍隊は引き金を引いた。

 彼らに心を見ず。顔を見ず。そこにいるだけを考えて。

 その悠長なことが、悪夢へと、たった一秒という時間差で変換する。

 撃たれた弾は、どことなくスローモーションで再生しているかのように遅く、そして、それを見ていた前方にいる軍隊は、中山による、飛び散った弾を爆破させる事で消滅した。


 その瞬間を見ていた尾崎と奈津美は、たまらわず突撃した。

 「「ふっざけんなぁーーーーッッ!!」」

 二人の思った言葉は、一緒だった。

 家族がいるかもしれない、大切な人がいつかもしれない人間を、一秒としないで五十人もの人を殺したこいつらを、ためらってられるかと。



  ——ふざけんじゃねぇよ——と。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.55 )
日時: 2010/12/24 12:43
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


 尾崎と奈津美は、ダークネス暴力団へと立ち塞がる。ここでは、どちらが正解なのかは分からない。どちらが立ち塞がったのかなんて、迷い以外は表現できないだろう。分かるのは、この舞台にいる7人だけなのだから。

 「おめぇら、なんだ?」

 山陀は言うと、奈津美に眼を飛ばす。それ同様に、奈津美も飛ばし返した。

 「あんたたちでしょ?・・・私の妹に手ェ出したのは。」

 「・・・は?」

 山陀には理解ができない。別に彼が指導したわけではないので、理解できるはずもなかった。だから、その横にいた田名中が慌てて言ったのだ。

 「あ、ああ。それは私でしょ? あはは、あの糞ガキの姉さんでしょ? 一回お目当てされましたけど、本当、姉妹揃ってめんどくせーわ。」

 まるでなにも感じていないような反省のない田名中を見た奈津美は、ため息をした後、こめかみを抑えてダークネス暴力団全域を睨みつけた。

 「・・・そう。あんた”だけ”って解釈になってんのね。・・・残念だけど、それはまったく”違う”わ。あんたに関わってんのも加わってるし、ましてや関係のない妹まで手を出したんだから、・・・覚悟は出来てるわよね?・・・それに、・・・・こんなに軍人さんを倒して、あんたたちは何をしたいのか分からないし、どちらにせよ、私は今、目の前にいる五人組にかなり腹が立ってる。・・・一発ずつ殴ってくから、歯ぁ食いしばっとけっつってんだよ!!」

 奈津美は、激怒のあまり、言いきると風を巻き起こし、突撃させた。

 「なんか、めっちゃ怒ってるけど、めっちゃ風起こしてきたけど!」

 「つーか、お前の能力で遅くすればいいってな訳よw」

 枡中は、ひらめくと、変速計算をして、奈津美の風の動きを遅くする。

 結果、風の速さは遅くなり、やがて消える。風は、速さがなくなれば、物体そのままが消えてしまうため、そのような現象が起こるのだ。

 「面倒くさいっていうか・・・どうでもいい能力ね。」

 奈津美は詰まんない物でも見るかのような表情をすると、直径20メートル、縦30メートルの竜巻を巻き起こし、枡中へと突撃させる。

 「げげ! めっちゃつえぇかも! なんてってね!」

 枡中は一回、怯えたような顔をすると、薄気味な顔を作り、風の時間と速さを急速低下させる。

 「・・・だから、メンドイ事してんじゃないわよ!!」



 突如、奈津美は、そのはがゆい能力に腹が立つと、放った竜巻を、直径30メートル、縦40メートルへと、強制変換させ、変速の能力を打ち破る。

 「うわ、こいつめっちゃ強い! めっちゃ嘘じゃないよ!」

 枡中はそこから後ろに逃げ回る。だが、竜巻はしっかりとマークし、枡中へと前進する。

 だが、その竜巻はあっさりと、爆発の衝撃で消えてしまう。

 「っち、爆弾能力者か・・・。やっかいなタイプね」

 「だっから〜、私たちに勝てる訳はないってな訳なのよw」

 奈津美が、視点を変えたところにいたのは、先ほど枡中の隣にいた中山だ。


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