コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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日時: 2011/01/04 22:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

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Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.6 )
日時: 2010/12/10 17:39
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第四話「無の能力」




まずは俺の両親を紹介しておこう。

俺は一人っ子だ。説明すると、俺の両親は二人とも研究員として、研究者として一人だけという事で俺を産んだんだ。

そりゃ科学者の母親とてちゃんと俺を育ててくれた。幼稚園にも行ったし、小学校にも通った。普通の保護者だった。

けど、一昨年から科学技術は絶好調という形で急激な成長を遂げたんだ。それはやはり能力があるからだろう。

国民はみんな裕福と、素晴らしい国家へと変わっていった。だから今どき財布なんてものしゃなくて、お金はマネーカードという(パスワード付きの)もので買い出しが行われている。みんな平和よりももっと科学で創った未来都市を望んでいる。

でも俺は違った。科学者の子として生まれた俺は、もう今となっては両親の足をひっぱているようにしか見えなかったんだ。その頃は俺も小学6年だったし、決心はしていた。

捨てられるという事では無くて、俺は二人にこれからの未来を創ってほしいと思ったんだ。

無論、親にはこんなことは言っていない。

普通にこれから大人となっていくわけだし・・・などいろんな成績の話を持ち込んで、俺は一人暮らしをすると決めたんだ。

つまり、今 俺の目の前にあるアンドロイドは、お父さんとお母さんの贈り物ってことだ。

誕生日はもう過ぎているけれど、それでも覚えてくれていることに嬉しかった。

「んでだ、つまり俺の能力をアップするためにはお前との融合が必要だって事だな」

ポタコンは頷いた。と同時に口を開いて、自分の名前の由来を話し始めた。聞いたわけじゃないが、聞いてほしいのか?

「僕の名前のポタコンは、”サポーター・コンビネーション”と言葉が含まれています。浩太と一緒にレベルを上げていく、それが僕です」

そういうことか・・・なるほどな。

「で、お前これからどうしろって言われてんだ?」

「一度、融合してみましょう」

融合って・・・なにするんだ?

というか仕方が分からねぇ。能力を見てみたいってのもあるけど、まずはこいつの話を聞くか・・。

「融合の仕方は?」

「えっと・・・浩太がさっき言った僕のコード№を言えばいいだけだよ」

コードナンバーって・・・覚えてねぇよ!!

「覚えてるわけないか・・。紙ある?」

テーブルの上にある手紙の束を俺はポタコンに渡した。すぐさま手に持っていたペンでコードを記した。

「はい、これ読めばいいから」

渡された紙に書いてある番号を一つずつ言った。

「109247・・・#・・**・・PQ ?」

ポインターみたいな音がすると急にポタコンの体が粒子で覆われて、それが俺の両手に吸い込まれるように入って行った。

特に・・・何の変化はない。

逆に両手に吸い込まれたのが毒薬だったりして・・・みたいな恐ろしい感覚が背筋を透き通る。

と、頭にポタコンの声が響いた。

(接続完了。・・・良かったですね。成功です)

「ま、マジか? 何も変わってなくね?」

本当に何の変哲もない両手。体中を見るが変化はない。

(当たり前です。それが浩太の能力だから。)

関係あるのかよ・・・。

「なんで俺の能力があるとこうなるんだ?」

(あなたの能力は『無い』からです)

あ、なるほど・・・単純な理屈だ。

(では試してみましょうか? まずは無くなっていいものを探してください。・・・たとえば、缶とか)

俺はゴミ箱へ向かい、缶を手にした。

ちょっと思ったが・・・臭いな。

「この後は?」

(存在を無くすように、消えろとか、無くなれと思ってください。あなたの感情がその一定値に達したとき能力が発動しますから)

・・・・無くなれ・・・。


え・・・・?


手に持っていた缶がいきなり消えた。音も何も聞こえなかった。ただ感触がなくなったのと、掌に映っていた缶がなくなった。だけの現象だった。

「消えた・・・どこに?」

(どこにもないよ。あの缶の存在は、消えたから。これが、君の能力だよ)

これが俺の力・・・・。

「俺、なんっていうか・・・嬉しいって感情がないな」

(んー、それは普通だよ。この能力は使い方次第だと浩太は・・・そこいらの属性より強いと思う)

「あ、でももしかしてこれが限界かも・・・」

すげ・・・疲れてきた。

急激な睡魔が俺を襲う。足がふらついて、立ってられなくなる。

(え? そっか、能力使ったの初めてだったんだっけって、ちょっと待って!僕まだ出てない! )

俺はもう・・・・眠さに耐えきれず、側にあったベッドへと倒れこんだ。

(ちょっと待ってって!浩太、学校だよ!・・・・あれ?)


「すー・・・すー・・・」


(・・・・あれー・・・)

Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.7 )
日時: 2010/12/10 17:40
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第五話「ポリス・スタデント」1/2



今日は土曜日。

一週間に二度しかない休日の一つだ。

俺みたいな学生ならめちゃくちゃ嬉しい一日だが、昨日の無断欠席の事を考えるとそうもできない。

そろそろ成績の付く一学期末。

そんなときに俺は、金曜日の時間割が運悪く五教科すべて欠席したのだ。

神様、あんたどこにいんですかね?

と毎回毎回想うことだが・・・・せっかくの休日が気乗りしないのはテンションが下がる。

昨日俺はあのまま寝て、気づいたのが夜の七時だった。どうやら俺の能力は、力が強い分、体力を一番使うということだ。

だからレベル1で行ったのが悪いと思ったんだが、行わなかったら経験値は上がらないし、まぁしてよかったんだろうと決められて終わった。

さて・・・そろそろ手持ちの金は三ケタだけになってしまった。気乗りはしないが銀行へ行こうと思う。

家賃の返す期日も近くなってるからな。

「それで・・・そのギンコウってなんですか」

アンドロイドに突っ込んでいいのだろうか?

今 俺は玄関先にいるが、出ようとしたところでそう言われた。いきなり言われるとどう反応していいのか・・・。

「えっとな・・・お金が保存されてるとこだよ。だから今それを取りに行くんだよ」

「僕も連れてって」

「なんで?」

興味しんしんで興奮を抑えきれないような顔をしている。そこらへんプログラムしとけよと思うんだが。

「実は、僕、頭の中に入ってない知能を入れるのが好きで、どうしても気になって」

んん・・・・まぁ・・・いいか。

いざとなった時は助けにもなるしな。

「ああ、分かった。じゃ、行こうぜ」


—これが事件に巻き込まれるとは思わなかった。−

——別にポタコンが原因ではなかったたんだが。

というか俺の運がなさすぎただけで——


銀行——


「これが・・・ATM?!」

「そ。金が保存してあんの。あ、勝手にいじんな!」

俺は拳をポタコンの頭に突撃させる。

さすがにこれが壊れたら俺の人生は終わりだ。

そしてマネーカードに2万ほど入れてから、帰ろうとした時だ・・・。


まぁ定番の「手を挙げろ!そこのカードに1億円だ!」

となった。・・・・最悪だ。


Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.8 )
日時: 2010/12/10 17:40
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第五話「ポリス・スタデント」2/2



その定番の言葉が出てきたのは、俺が出て行こうとした時だ。

普通ならこの時点で逃げれば勝ちなのだが、支払い口の前にいる泥棒は先手を打っていたのか、防犯セキュリティーに煙を巻き散らかして、出口というものをすべて塞いだ。

シャッターですべて塞がれた・・・って。

こんなのは能力者には無駄だと思う人もいるだろうが、このシャッターは、能力を無効化するように作られている。

だが、レベル7以上の攻撃に当たる能力にはこのシャッターは敗れる。

一つ言っておこう、これは能力の話で物理的なものは絶対に破れない。

この国はそれほど科学技術が進化しているのだ。

っち・・・こんな感じじゃ、手を出せれるやつはいねぇよな。

ましてやレベル7以上なんて確認しているあたりこの国だと70人しかいないというし・・・。

こんな市民の銀行の近くにいるわけはないだろう。

こりゃ、警察か、防犯軍隊か、同級生だけどポリス・スタデントを待つしかねェな。

「この状況、浩太の能力ならなんとかできるんですけど・・・レベルが1じゃ駄目だね(笑)」

「(笑)じゃねぇよ。この状況で笑うな。」

もう一発 拳をポタコンの上に落とす。

「あてっ・・・。もうやめい! アンドロイドでも痛覚が設定されてるんだから」

「・・・おい てめぇら・・・何この状況でへらへらしてるんだよ? お前先に殺したろうか? ぁあん?!」

すげぇ・・・・銃を構えられるとドキドキするな。

でも安心してる場合じゃない。

あの拳銃はおそらく能力を打ち消すはずだ。

普通ので来る方がバカだが。

「降参降参・・・。すんませんでした!」

勢いよく土下座体制で謝り続ける。
こうでもしないとなにをされるか・・・。

「っふん!」

はぁ・・・・どうここから抜けるか・・・。

いっそのこと俺の能力でシャッターを消すか?

いや駄目だ。俺のレベルがそこまでない。もし成功したとしても逃げようとする人を無差別に撃ちまくるはず。

マイナスばっかりだ。

周りの人も・・・能力は・・・見た感じ無理だな。

ポタコンも、幼い感情システムが入ってるのか、怯えている。

「さぁっさとこのカードに入れろやぁっ!!」

「無、無理なんです! セキュリティーが入っててロックされてるんです!」

男が銃を社員に構えたまま迫る。

「ロックを外せばいいだけだろぉぉ? 」

「わ、分からないんです! 本当です!」

絶対に嘘だ。分からないはずがない!

分からないで銀行を勤められるかよ普通!

「・・・わかった。じゃぁゲームだ。おい!そこの女!」

なっ?!

男は近くにいた、中学生の少女の襟をつかみ上げ、頭蓋骨に銃の先端を押し込む。

「じゃ、スタートな? 10秒でロックを解除しろ。もしできなかった場合、この女の頭蓋骨に銃弾をぶち込むから、よろしくな」

女の子はとにかく抵抗しようとしたが、押し込まれて怖くなったのか、黙って目をつむっている。

十秒・・・無理だ。そんなんでロックを外せるわけがない!こいつ、分かってて言ってんのかよ・・・。

ちくしょう!

こういう時に・・・どうして俺は無力なんだよ。

ふざけんなよ俺! ・・・・ざけんじゃねぇ!!

動け!動けよ!!

「・・・あと五秒。」

「す、すまない・・・」
社員の男は女の子の方を見て、あきらめたような顔をした。

女の子はその男性社員に睨みつける。

4、・・・・3・・・。

くそっ! 今動けば・・・(・・2)間に合っ‐——。(・・・1、!)

「んじゃ、ゲームオーバーだ。じゃぁな、お嬢ッ‐‐」

だれでも終わりだと思った。

俺だって思った。

だが・・・・。







ドガァアアッン!!

と大きな音が鳴り響き、竜巻のようなものが犯人を天井へと突き上げた。

「っふー・・・さすがお姉ちゃん。」

「・・・当ったり前じゃない」

シャッターの空洞の外には、腕をこちら側に構えた、坂条奈津美と、一人の少女が立っていた。


Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.9 )
日時: 2010/12/10 17:41
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第六話「坂条姉妹」


「さて、真奈美 警察に出動令を通信しといて」

「分かった」

二人は目の前にある失神した犯人の両腕を手錠で止めながら言った。

「・・・皆さん、この銀行で起きたことはまだ強盗未遂ですので、速やかに市民の人はここから出て行って下さい。」

坂条は周りの人に伝えると、シャッターのデカイ空洞へと導いた。

坂条の竜巻でできた穴だ。

もう一人の、真奈美と呼ばれた少女が、社員と現状調査を行っている。

ここにいる銀行の中で一般市民は俺だけとなった。

そこでやっと坂条が取り調べをしている間に俺に気づいた。

というか、なぜ坂条がここにいるのか分からない。

「・・・あのさ、坂条が・・・なんで」

次の言葉を言おうとしたときに、坂条が先に話した。

「私、ポリス・スタデントだから」

ええっ?! 

俺は驚きの顔を作った。

「何驚いてんのよ。ポリス・スタデントに入れるのはレベル5以上。当たり前でしょ」

「いや、めんどくさがる性格だろ? なに自分の設定変えてんだこの風女!」

「っ!! あんたねぇ・・・一体わたしをどんな最低野郎と考えたのかなぁ・・・?」

おいおい。怒りマークがついてるって。

あ、二つに増えた。

「あはは・・・・・犯罪者野郎」

「(ぶちっ)」なんかキレる音がしたような・・・。

能力で来るかと思いきや、みぞおち・・・。

・・・・・・。
俺は気を失った。






気がつけば、夜の六時を時計は示していた。

だが、その愛しく可愛らしいくまさんの時計には見覚えがなかった。

ましてやこの・・・なんというか、女の子の部屋みたいな匂い。

「あ、起きました?」

と、いきなり俺の目の前に女の子の顔が・・・///ッ

・・・なんなんだこのハッピータイムは?

「あの〜、起きてるなら反応して下さい」

ムスっとした顔が見えたので、俺は起き上った。

これは夢だろうか・・・?

果たしてあの美少女はいったい・・・?

と、少女がいきなり口を開いた。

「あの、うちのお姉ちゃんがあなたにみぞおちを食らわしちゃったみたいで・・・すみませんほんと」

ああ。

記憶がよみがえっていく。・・・俺はポタコンと一緒に銀行へ行って、強盗の容疑者のハードな緊迫状態で悩み悩み、そして坂条が助けに来た・・・と。

はて、それは置いといて、ここは・・・。

「一応、ここ、わたしとお姉ちゃんの部屋ですけど、あなたは同じマンションだったので部屋の鍵もあいてないしとりあえず、そこの男の子と一緒に私たちの部屋で寝かせておきました。」

確認のため周りを見ると、ポタコンが俺の後ろにいた。びっくりするからやめてほしんだが。

けど待て。・・・私たちの部屋?

っ!鼻血が出るかと思った。

つまりここは・・・女の子の部屋。女の子の匂い!

俺はそんな素晴らしいところで、寝ていたのか・・。
だが・・・いいのか? 上がらせてもらっちゃってるけど。

「でも、いいんですか?俺なんてここにいて」

「大丈夫です。お姉ちゃんの許可も得ました。それにあなたが倒れたのはお姉ちゃんの責任ですし」

坂条に妹がいたのは意外だった。

「坂条って姉妹だったんだな」

「そうですよ。あと私の名前は真奈美です。」

「ああ。知ってるよ。銀行の時に呼んでたからな。なんか姉妹揃ってすげぇな」

「まぁわたしは別にそこまですごくありませんけど。」

ポリス・スタデントに入れるぐらいの能力を持ってるなら別に大丈夫だろう。

なんか台所に移動したが、よく見ると、夏には定番のそうめんがゆでられている。

「いいじゃん、レベル5以上ってことだろ?」

「そうですけど・・・。私はレベル6の火属性です」

お前らエリートか。

ツッコミ処が多すぎだ。レベル6とか言ってる間にそうめんとかゆでちゃってるし。

ほんと、できた奴だ。

「す、すごいですね。浩太なんてレベル1なのに」

「う、うるさい!お前は黙ってろ!」

いきなりポタコンが興味津々で俺の背中に乗りかかる。

レベル1なんて高能力者には笑われちまうと思っていたが、それほど気にしてないのか、はたまた無視しただけなのか分からないが、そうめんをゆでることに執着する真奈美だった。

そうか・・・。こんなのが近所にいたとは。

恐ろしすぎる。

「ちなみにポリス・スタデントは学生の時だけなので、お姉ちゃんと私は、別にこれからも警察として働くわけじゃないです。大人になったらやりたい仕事があるんで。」

少しもったいないような気もするけど、そんなもんなのか。

そう思ってると、湯で終わったそうめんを真奈美が器に盛って持ってきた。

「どうですか? 食べてから帰ってもらったほうがうれしいんですけど。そうめん、かなり残っちゃってて。」

「浩太、僕 味覚があるから食べてみたい。てか腹減りました。」

「お前アンドろ・・・」

言おうとしたがさすがに機密事項だ。

「よし、じゃぁ、ごちそうになります」

俺は素直にそのあと、おいしい美少女の部屋でおいしいそうめんを食べました。

Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.10 )
日時: 2010/12/10 17:42
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第七話「レベル9を生みだす使徒」


「はぁ・・・はぁ・・・ちょっと・・・あんた待ちなさいよ」

奈津美は街中を追いかけて走りぬけ、よく分からない公園へと来てしまった。

奈津美の目の前にいる追いかけていたものは、急にこの公園で止まったのだ。

奈津美が看板を見ると北武市区外第七地区 第3公園と載っていた。

北武市区外ということは、自分の市内から出てきてしまったということだ。

荒い息が収まりかけたところに追いかけていたものは口を開いた。

「おまえさぁ、レベル8だっけぇ?」

それが何なのか分からないが、奈津美は答えた。

「そうだけど・・・。だから何?」

追いかけていたものの影を、公園のライトが照らし、姿が分かった。茶色い髪の毛でワックスが掛かっており、ツンツンと髪の毛を立たせている。服はほとんど黒で覆われたTシャツを着ている。下はジーンズ。

だが、いっぺん普通と思われた服装も、顔によって砕かれた。瞳が血の色の赤。そしてメタルでもやってるかのように眼の下にへんな刺青をしていた。

「おれもさぁ・・・レベル8なんだよねぇ」

奈津美は驚いたというよりかは少し体が反応しただけだった。

「そう。奇遇ね。それともわざと会いに来たの?」

そこにいる男、顔立ちからして奈津美と同じくらいの少年だと分かった。

だが、奈津美の問いには少年は答えなかった。

「レベル8は国内で5人しかいない。だがそれ以上のレベル9は全世界を探しても一人もいない。ましてもともと人口が少ない日本がレベル9を作れないなんて恥ずかしいとは思わないか?」

「それは・・・人の考えにもよるわよ」

少年は奈津美の方へと振り迎えるとテレポートをしたのか分からないが、奈津美の鼻とぶつかりそうなくらいに接近していた。

「おまえは・・・それでもレベル8かよ。言っておくが、レベル8で残ってんのはもう俺とお前しかいねぇぞ? ちょっと面白い実験データが手に入ってさぁ?
レベル8の能力者を殺すと、殺した側には贈呈品があってな? 殺した奴の能力を手に入れちまうってやつなんだがよ」

「・・・訳わかんないこと言ってんじゃないわよ!だったらニュースになってるはずでしょうが!」

少年は奈津美の横を通りながら言った。

「今日一日でお前以外殺しちゃってさ・・・」

奈津美は驚きを隠せぬ表情で振り返るとそこには笑ってくちゃくちゃになった顔があった。

「今日殺そうかなと思ったんだけど、最後の一匹くらい・・・時間を掛けて殺したくてさ。」

少年は笑った顔を真顔に戻すと、

「だから予告しに来たんだよ。お前を殺害すんのはここ。だから、戦いたいってなら明後日、深夜二時に待ってるんだなここで。明日、殺害されたレベル8がニュースになってると思うが、そこで俺のことを思い出して怯えてろよ?」

というと、少年は笑って闇の奥へと消えていった。

「あさって・・・あたしが・・・殺される・・?」


この出来事は、尾崎浩太が妹の部屋でそうめんをいただいている時間だった。


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