コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日時: 2011/01/04 22:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



Re: ざけんじゃねぇ!! お前だって立派な姉の妹じゃねぇかっ!! ( No.82 )
日時: 2010/12/31 17:34
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第24話「エントリースタート」

 ここはスウィート・デパート。
 由来通りのデパートである。で、ここは二階のショッピングルームである。

 そのショッピング店周辺に、ノートを上にかざし持ちあげている尾崎とポタコンがいた。

 「ありえねぇって! おかしいだろこんなの!! なんでノート一冊が280円もすんだよ!」
 「そうだそうだ! なんでこんなに高いのだろう!?」

 チラ。

 二人は一度、周りへと視線を見つめると、もう一度視線を元の位置に戻す。

 眉にシワを寄せると、尾崎はポタコンへ視線を向ける。
 「…もう一度だぞ?」
 「……また? (うっわめんど)」
 周りに聞こえないように小さな声で二人は頷くと(ポタコンはやや微妙に頷くと)、もう一回ノートを上に上げ、見てくださいと言わんばかりな体勢でこう放った。

 「わーわーっ! このノートたった一冊で280円もするんですけどォォオ!! どうなってんだよこれェ! ぼったくりにも程があるとは思いませんか!? どうか意見を聞かせてくださいそこの少年!!」

 「きゃーーっ! なんでこんな高いのぉ!? ありえないと思いますぅ! ここのお店の店長は一体何を考えているのかしらぁ!!」

 「ですよねぇぇ!! ほんと、ぼったくりですよね! 訴えましょう!」

 チラ。

 二人は周りに一度目を通すと、あまり目立っていない事を確実に理解する。

 尾崎とポタコンは目を向かい合わせると、眉を同時に寄せて、力が無くなったようにへ垂れこんだ。

 「………もう……絶対ポタコンがいきなりオネェ語使ったから目立たないんだって。空気読めよ。このままじゃ本当にノートの値切り作戦が出来なくなるだろ?」

 「いや。イヤイヤイヤイヤ、なんだよその屁理屈。少しは手伝ってもらっただけでも有難みを味わうべき場所だよ浩太!」

 呆れさ満開の目つきでポタコンが言い終わると、尾崎はマジで値段が高いノートに目をやる。尾崎もテンションがガタ落ちの状態だ。

 (つーか、たった一冊でなんでこんな高いんだ?)

 逆に疑問が湧き出てくる感情を胸にすると、ある一つの考えが浮かび上がった。



 あれ? これって普通に店員さんと話して値切った方がよくね?

と。

 「なぁポタコン、もうここまで周りの人が冷たいというのを認識するとだな、俺はこう思ったのだよ。”普通に店員と話して値切った方がよくね?”と」

 その話を聞くやいなや、とにかくポタコンは大量のため息を吐くと

 「……———普通に最初からそれやっとけ!」

と、涙交じりで今まで付き合わされた気持ちを右手に構えたパンチに入れ、そのまま尾崎の腹へ殴った。




 ここはスウィート・デパート。
 由来通りのデパートである。で、ここは三階のファッションショッピングルームである。

 そのショッピング店試着室にて、試着を繰り返している高校生の凪野愛奈と中学一年生の坂条真奈美がそこにはいた。


 「う〜ん、試着はもういいけど、やっぱりどれも値段が高いよ〜」

 「なら、これとかどう? あんたなら似合うし、値段もお手柄だけど」

 親指を噛みしめていた真奈美は、凪野から持ってきてくれた服に目を向ける。
 ピンク色の布で出来たワンピースだった。
 それも、後ろは紐で結んで着るタイプだ。

 「…に、似合うのかな?」
 「着てみないとわかんないわよ?」

 そ、そうですね! と、返事をすると、試着室に入り真奈美はそれに着替える。
 紐で結ぶ服は初めてなので、慣れない手つきで鏡の自分の後ろを見つめながら紐を結んでいく。

 結び終わると、じっくりと自分と服を見つめ続ける。結果、意外と似合っているので買う事にする。

 カーテンを開けて凪野に見せようと考えた真奈美なのだが、カーテンを開けた刹那、そこで、大きな爆発の音がショッピングルームに響かせた。


Re: ざけんじゃねぇ!! お前だって立派な姉の妹じゃねぇかっ!! ( No.83 )
日時: 2011/01/01 11:37
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第25話「試作品超能力式機械甲殻動」


 「「!?」」
 この背筋に凍る感覚を味わったのは、三階にいる凪野愛奈と坂条真奈美だけではない。二階にいる尾崎浩太とポタコンにも伝わった感覚だ。

 「な、なんですか? 今の爆発音!」
 「あんたもポリス・スタデントでしょ。紋章バッジ付けなさい。この状況から考えるに爆破テロしかあり得ないわよ」

 即座に愛奈は左腕の袖にポケットから出したバッジを付ける。
 愛奈は手に持っている服を元に戻すと、そのままファッションショッピングルームの店員に呼び掛ける。

 「ポリス・スタデントです! テロ組織がここで行動している可能性が高くあります。すぐにここから離れてください!」

 「え? ……は、はいっ! わ、わかりました!」

 慌てふためく店員。その慌て方に気付いた周りにいる店員や客もこのデパートから出ていく。

 その間、真奈美はまだ買ってない服から私服に着替えて、紋章バッジを左腕の袖に付ける。
 (でで、出遅れてるよ私ぃ!!)
みたいにちょいとあぶなっかしくなっている。

 真奈美の側に寄って来た愛奈は、一度息をゆっくり吐くと真奈美に視線を向けた。

 「真奈美ちゃんは西ホールの一階と二階と三階にいる人に離脱令を出してきて。私は東ホールで離脱令を出してくるから」
 「……え? でもテロ組織はどうするんですか?」

 とぼけたような感じで真奈美が質問すると、愛奈は頭を掻いて、呆れさを感じながらも説明する。

 「いい? 真奈美ちゃん。私達ポリス・スタデントの最優先実行は”民間の保護と安全”よ? 忘れないで」
 「あ、そ、そうだった! ———以後気を付けます!」
 「っよし、それでこそ真奈美ちゃんっ」

 そこで愛奈が掌を真奈美に向ける。
 「……?」
 それに首を傾げると、愛奈は笑って「…ハイタッチ」と言った。
 あ、なるほどと分かった真奈美も掌を愛奈に向ける。

 パシッ、とハイタッチをした音が鳴ったあと、二人は西と東に別れて別行動を行うとする。





 (って言っても、このデパートには東ホールなんてのはないしなぁ…)
 この気持ちを抱いたのは、東ホール(はないのだが、)に向かっていた愛奈だった。

 そもそも彼女がここに来るためにわざわざ嘘をついた理由は単純だ。
 (ただ、あの子にはまだこっちの世界は厳しいからね)

 そう。ただ危ない目に合わさないため、だ。

 そして彼女がなぜここに来たのかの理由も単純だ。
 (たしか、爆発音はここから聞こえたから、もっともあの爆発を起こさせるための機械装置の大きさを考えたら、……一階、か)

 ただ、序列第三位の名を心にし、民間の安全と保護、そしてテロ組織を捕獲するためだ。

 愛奈は一度、紋章のバッジを握ると、一階に繋がっている階段を見つめてこう考える。

 (私にだって恐怖心はある。だけど、私は、もっと強くならなくちゃいけないんだ。そのためだったら私は)

 (今回の事件を自己実力で制覇してみる!)

Re: ざけんじゃねぇ!! お前だって立派な姉の妹じゃねぇかっ!! ( No.84 )
日時: 2011/01/01 23:06
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第25話「超能力式機械甲殻動」

 私の弟、拓也。
 あの子の病名はまだ分かってない。
 そのためなら、私は自分を強くし、病名発見のために必要なマネーを貯めなくちゃいけない。貯金をして、はやくあの子を元の世界に戻してあげなくちゃいけない。

 そうやって、数多くの失敗を繰り返しながら、私はポリス・スタデントになった。
 その時の私の能力はここでは言えないほど低くて、一般の民間人よりも下だったと思う。なんども教官には怒られ、能力の使用の仕方や細かい設定に頭を悩まされていた。

 それでも、私よりはるか年下にいたあの少女。
 そう。幼き頃からすでにレベル8で、序列が第二位の、坂条奈津美。

 あの子を見たとき、そんな悩みはすぐ消えてしまった。
 だって、あの年でそれほどの努力をしたという事なのだから。
 だったら、私はそれ以上の努力を積み上げるしかなかったから。

 けど、結果はこのザマ。あの子を追いぬくとかなんとか言っておいて私には彼女を追い抜くことは出来なかった。
 今までの実績から考えても、頑張ったつもりだったけど、あの子にはどうしても数値が及ばない。

 でも、それでも私は未だ入院している拓也を、救うためにこれからもこのポリス・スタデントとして動く。絶対に、拓也の意識が消える前の世界のままにしたいから。




——————スウィート・デパート一階

 ここはショッピングと言うよりかはおもちゃや、食品が数多く在庫されているところだ。そこに凪野愛奈はいる。

 (さて、一階に来たもののどうしましょうか?)

 長い茶髪のもみあげを指で弄り、考える。
 だが、一通り見たものの、あまりおかしなところはない。まだ潜んでいる確率の方が高かった。ならば、

 (まずは、地下街を探してみるとしますか)
 もみあげを弄るのをやめ、少し離れた柱に貼ってある、このデパートの区切り図を見つけて地下街の入り口を探す。

 (なるほど、エレベータの横にある下行きの階段から、か)

 地図通りに書いてある下行きの階段を探すとする。そこに行くためには防衛セキュリティーで塞がれてしまったシャッターをどうにかしなければいけない。
 だが、……そんなの彼女にはどうってこともない。彼女自身が、それを壊せばいいのだから。

 すぐ正面にある下行きの階段を塞いでいるシャッターに掌を彼女はかざす。

 そして、そこから高圧エネルギーと高熱で出来たビーム、放射原子砲が放たれた。

 轟ッッッ!! ジュァァアアァァッ!! と、破壊される音と、溶ける莫大な音が一階に響いた。

 まだ熱風が充満しているシャッターに大きく開いた穴から愛奈は何も感じる事なく緊迫も何もないような動作で潜って下行き階段へと移行する。

 後に、下行き階段の真下にある真っ暗な暗闇を見つめながら、ゆっくりと足を降ろしていく。もう視界にはなにも映ってはいない。

 そこでふと、前から足靴の先端が平面な物体に当たる。手で触ると壁だ。
 (ってことは、地下街に着いたのね)

 手で触っても当たる感覚がない壁(入口)を探すために、掌で触って行く。
 そしてやはり、心に何度か突き刺さる疑問が抱いていた。
 (それにしても、防衛セキュリティーが働いてるからって、ここまで暗くする必要はある?)

 その必要性がないのならば、彼女の予測は当たる。

 ポリス・スタデントが突入していると言うのに、外部からの電極が送られていない。これは異例だ。
 だったら、それを行わせないでいる犯人がどこかにいる。そう、まさしくこのような真っ暗な暗闇に身を潜んでいる、今回の爆破テロの犯人が。

 そして、今、その予測が当たった。

 なぜならば、彼女の視界の真正面からいきなり、そこらへんに設置してあったのだろう数多くの光電気具が、ライトアップのように凪野愛奈を中心に照らしたからだ。

 そして、真ん中だけ、なぜかライトアップの逆光になっている物体がある。……目を手で覆い隠しながらもそれを見つめる。
 やがて慣れた視界から見えたその物体の正体は、

 (……ロ、ロボット!?)

 鉄のあらゆる電極で結ばれて出来た、鋼の閃光がまぶしく光るそれは、天井と呼べる高さをはるかに超え、まるで大型の人の形に似ている機械だった。

 「……な、んだ?」

 そして、その疑問に答えるように、だが答えてほしくない声で、

 「イエェーーイ! よく見つけましたぁーー☆ そこの巨乳ちゃん☆」

と、その機体からマイク音で明るい声が答えてきた。

Re: ざけんじゃねぇ!! EASYgreat編 ( No.85 )
日時: 2011/01/03 20:27
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第25話「試作品超能力式機械甲殻動」


 「そしてー、さようなら巨乳チャン、かな? あは☆」
 目の前にあるロボットのような機械が動き出す。
 天井を突き破った高さの機械が動き出すのと同時に、周りの壁と呼べる物すべてが崩れ始める。煙幕のように煙が舞い上がる。

 「ゴホッ! ゴホッ!……チッ」
 ここまでの想定が出来ていなかった自分に舌打ちする。
 とにかく、動きだしたあいつを止めなくてはいけない事に変わりはない。
 右手を構え、目の前で挑発するように動き回る機械へと照準を定める。放射原子砲を放つために。

 「あー、あー、ムリムリちゃんかもね。この甲殻動、試作品だけど、それなりの動力あるから」
 グィィンガチャッ!
と、目の前にいる甲殻動と呼ばれた機械が、愛奈と同じように全長2メートルを超えるライフルのような銃を構える。それは甲殻動のために作られた様な武器だった。
 このステージに、二人が同じ体勢で、何かを撃つために構い合う。
 だがそれは、必ずどちらかが負けなければいけない事を示していた。

 愛奈は、構えていた右手に力を込める。
 看破入れずに前にいる甲殻動へと放射原子砲を放った。

 高熱と熱風と圧力が掛かるビームにあらゆる破壊の音となる轟音が響いた。
 激しい熱風に破壊されたコンクリートの煙が流れ、もう視界に映る物はなにもない。灰色の色だけが、目に映るだけだ。

 愛奈でもわかる。こんなたった一撃の攻撃で相手が消えることなどはない、と。
 だからこそ、思考を変える。

 (ここに立ち伏せたって意味がない。まずは放射物質のシールドを作って煙幕を上がらせないとね)

 右手を開き、掌から放射物質を集束させる。形は円形に変化した。
 それを前に構え、シールドを放った。

 見事に、奥に進むほど角度を上げて、煙幕を寄せ付けないようにした。だが、そこにいなければいけないものがなかった。
 甲殻動、と呼ばれる機械がそこにいなかったのだ。
 (———どこかに消えた!?)

 そこで、後ろから耳に痛みが走るような音が響いた。
 そう、機械の関節部分が動かす時になる音だ。

 気付いたって遅い。
 彼女はまっすぐノーバウンドで見えない壁へと薙ぎ払われた。

 壁に激突したときの背骨からあばらの骨がメキメキという音で体中に響く。それは脳にも届いていて、当たった本人でさえも吐き気がするかと思った。

 「ぐっ!? うぇっ!!」
 なんとか吐き気を押さえて、痛みが走る腹を抱える。
 (ちっくしょ! イテぇ!!)
 煙だけが残る視界を見渡す。
 確実にこれでは不利だ。急所を狙われたりでもしたらそれこそ終わりだ。
 (この地下街全域に放射物質シールドを張るには時間が掛かる。けどもしそこでまた同じように攻撃が来たらどうしようもない。でもそうしないとアイツを見つけられない。———どうする!?)

 そして、またあの音が後ろから響いた。
 機械の関節が動くときになる音が。

 思考から戻り、愛奈は後ろからの攻撃を避けるために回避を行う。
 どっちでもいい。今はアイツの攻撃から離れるのが最優先だ。

 「はぁ……はぁっ……!!」
 息が荒れる。たぶん、あばらの骨も何本かはイッただろう。

 (くそ、本当にどうする!? ここは地下街だから煙が晴れるには時間が掛かる! 反撃しようにも相手は見えない!)

 そう考えているうちに、前から光り輝く”何か”が現れる。
 見つけた瞬間に高熱が皮膚に感じる。この攻撃と同じような能力者の愛奈だからこそ、すぐに反射行動で地面に体ごと伏せた。

 そして、頭から顔を覗かせるように上を向くと、高圧力と破壊力に満ちたビームであることを理解する。
 もし避けていなかったら、凪野愛奈は死んでいただろう。

 ビームが前から来た事から、甲殻動が正面にいる事が分かった。
 だが、今は戦っている場合ではない。煙から視界を取られないような場所に移らなければ、愛奈の放射原子砲は的確に当てられない。

 (とにかく、この場から脱出を優先ね)

 両足に力を入れ、放射物質を地面にたたき込む。
 そして爆破を実行する。

 バゴンッッ!!
と、音と共に地面のコンクリートが割れる。
 タイヤ式の甲殻動ならば、これで足場を食い止められた事だろう。
 (これで少しは時間を稼げる!)

 前方へと放射物質シールドを張り、煙幕から取り除かれた鮮明に映る廊下の奥へと、愛奈は走る。

 今、ここでしなければいけないことは煙から離れることだ。そして戦功計画を立てなければならない。

Re: ざけんじゃねぇ!! EASYgreat編 ( No.86 )
日時: 2011/01/03 21:54
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

行間「整理」

 この物語は視点交差の長編である。
 故に、主人公は五人である。

 主人公↓
 尾崎浩太
 坂条奈津美
 坂条真奈美
 凪野愛奈
 イコール

 これは、科学と魔術と神術の物語である。
 故に、主人公五人それぞれは、

 科学へと進む者
 魔術へと進む者
 神術へと進む者

 に別れる。

 そして、それが集束したとき、この物語は完結である。
 故に、この物語は長編である。



 

 この物語についていけてない人用に作りました。面目ないです。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18