コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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日時: 2011/01/04 22:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

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Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.56 )
日時: 2010/12/24 12:44
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


 「勝てるわけがない・・・? 何言ってんのあんた。レベル7如きが、この私を止められるとでも思ってんじゃないでしょうねぇッ?!」
 「威勢だけは良いってな訳よ。けど、結局、ウチらのボスに勝てるわけがないってな訳なのよ!!」

 中山は、その口調で言うと、奈津美へと岩石を投げ、拡散爆発させる。その衝撃は、尾崎の距離まで負わせる。

 「・・・・っ」

 尾崎は、衝撃によりコンクリートの壁に吹き飛ばされる。そのコンクリートに寄りかかり、肺に溜まった血を口から吐き出す。

 「・・・ぐぁ・・・がはっ!!」

 「尾崎?!」

 その光景に奈津美は気を取られる。その隙を狙い、中山は奈津美に石を腹部目がけて投げ、肌との接近が高まったところで、爆発を———実行。

 が・・・・突如、それは奈津美の体から解き放たれ、中山へと移動してから爆破する。

 「・・・だから、あんたには、私を倒すことは出来ないわよ!」

 そこで轟音と、破裂する音が響き渡る。決め言葉のように奈津美は伝えたが、しかし彼女からしてみれば、これは把握範囲だった。爆発する直前に、枡中小猫が、変速の能力を使って、爆破するのを納めたのだから。

 「・・・私ならね。でも、この暴力団率いては、倒せないって訳よw!」

 中山はポケットにしまっておいた飴玉を五個取り出すと、それを奈津美に投げつける。奈津美も風を巻き起こし、爆破物に変わる前に飛ばし返す。

 「どっちにせよ、私はあんたたちを全力で倒す!」

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.57 )
日時: 2010/12/24 12:44
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


 今更のように尾崎は、目の前にいる奈津美と同系の力を持っていない事に気が付く。今まで自分が上だと思っていた。たった・・・一回の戦闘で。

 (なんだ・・・俺は、やっぱ駄目な野郎じゃねぇか。)

 尾崎は、そんな気持ちを胸に押しこむ。歯を噛みしめ、目を瞑り、起き上る。せめてもの攻撃はしたい。だから・・・。

 「できるかどうかなんて・・・関係ねぇよな。やるしかねェよなぁ!?」

 起き上るのと合図に、中山へと識別し、そのまま走り続ける。すでに、ポタコンとの融合は構成されているため、両手には無の能力が宿っている。これを、中山へと接触させれば奈津美の有利条件が揃う。

 「なーんか、こっちに向かって走ってきてるってな訳よ。なんかの罠かもしれないってな訳よ〜!」
 「・・・逃げんなーーー!」

 尾崎の接近に中山は逆の方向へと逃げる。尾崎にとってそれは、墓穴を掘ったとも言えるだろう。だからこそ、奈津美はため息交じりの息を吐く。

 「なにやってんのよ。・・・あんたの能力はまだ使ってほしくないのよね。ったく。・・・それに・・・」

 奈津美は、話を途中で止めると、怒りマークを二個つけて、周りから風を巻き起こす。その風力は、台風の真ん中に近い威力と言っても過言ではない。

 「わたしの能力は・・・自然災害の風よりも強いってことを・・・このイカレポンチ野郎どもに・・・教えてやるんだからッッ!!」
 「ァぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 中山と枡中は、体からの危険信号が伝わるかのように、奈津美の咆哮と、その状況に唖然とする。唖然としている仲間に、田名中はムチを入れようとするが。

 「こら、てめぇら! そんな事で突っ立ってんじゃねぇよ! チキンっかっつーの! 変速を使えば良いだけだろうがッッ! 笑えるぜ! ぎゃはは・・・」

 田名中の笑い声は、さも一秒とたたず止まる。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.58 )
日時: 2010/12/24 12:44
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第20話


・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。


 「・・・じゃあ、最終通告。今からこんな事やめて、いい加減私に捕まりなさい。」

 奈津美は、自分の周りの状況などどうも思っていないのかもしれない。腕の袖に、ポリス・スタデントの紋章バッチを付けている。その光景は、尾崎さえも唖然とする。

 その風は、風とさえ呼んではいけないのかもしれない。あらゆる法則をぶち破った風の摩擦。こんなことはありえないだろう。自然では。だが、人災ならば、ここまで出来てしまうのかもしれない。

 土手広場の真ん中は、風の摩擦により地面は大きな穴を作る。つまり、直径20メールの大きな穴が、風の摩擦により、作りあがれたのだ。その真ん中には奈津美が、風の上に乗っているためか、宙に浮いている。そんな中で、バッチを付けていたのだ。

 ある人間では、こう例えるであろう。・・・化け物と。

 「・・・なによこいつ? ありえねぇってな訳・・・−−ッ!?」

 「・・・撃退数一匹よ。」

 中山が口を開けた、その会話が終わる前に、奈津美は摩擦力がドリルのように高い風を突撃させ、見事、命中させる。無論、中山はその場で意識が途絶え、地面に仰向けになるように倒れる。

 「めちゃくちゃ化け物ですねー・・・めちゃくちゃ法則、壊してるじゃないですか・・・。」
 「ぎゃはは、笑える。・・・甘く見てたなー」

 「・・・いちいち面倒臭いこと言ってないで、あんた達も一発喰らってみたらどう? ・・・特に、そこのコスプレ女。・・・・妹を傷つけた分だけの傷は負わせたあげるから・・・・覚悟しときない」

 奈津美は、右手の人差し指を田名中光へと向けると、風を突撃させる。

 「あんたのせいで、真奈美は傷ついたのよ。プライドもズタズタにしてね。・・・だから、もう一度あんたに挑んだのよきっと。わたしも、絶対そうするから。・・・姉妹揃って大バカ者だわ。・・・でも、それでも、もし妹が関わっていなくても、私はあんたの目の前に立ちふさがるわ。大体、・・・私たちの、人類の真実を知ったところで、それを直すために戦争を起こすなんて、何バカなこと言ってんのよ。・・・真実を知っているなら、その”能力”を使っている時点で、あんた達が行っている事は、”自己欺瞞”!! 世界を治す? 世界を更生させる? ふざけてんじゃないわよ! 何、関係のない、軍兵隊を、殺害してんのよ! この人達は雇われていただけじゃない。・・・もし、あんた達が、こんな事をしなかったら私は、仲間になっていたと思う。・・・けど、もううんざり。こんな奴らの相手さえするのも腹がたつ。 即、牢獄送りしてやるから、全力で私に立ち向かいなさい! 頭の中、綺麗さっぱり、洗ってやるから!!」

 「ぐぁあぁっ!?」

 田名中光は、拡散された風により、沈黙。そして、それを行った、奈津美の形相は、怒りそのものだった。

 (・・・・めちゃ化け物ですよ・・・こんなの。変速はもうめちゃ無意味。・・・ってことは・・・)

 「山陀先輩、・・・一旦引き換えませんか? メンバーがめちゃ減るだけだと考えられるのですが」

 「めんどくせぇ〜・・・ここまでやっちまって結局、戻る羽目だ・・・ギャラの分配、考え直すぞ・・・」

 「めちゃそれに賛成です。・・・殺戮、」
 「・・・・ん、・・・わかった」

 殺戮と呼ばれた、男は、背中から白い光を放つ、翼を広げる。その段階までの光景は、だれしも魅了するものだった。

 「・・・なによ・・・あれ・・・」
 「わか・・・んねぇ・・・」

 尾崎と奈津美は、見詰めることしかできない。白い翼はやがて、徐々に拡大し続ける。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.59 )
日時: 2010/12/24 12:45
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

「・・・はは・・・なんだかどうでもいいわ。これ以上、驚いている必要なんてないし・・・。尾崎、約束して。 こいつらを逃がすわけにはいかない。 全力でこいつらを止めるわよ。・・・口の血を拭いて、一緒に戦おう?」

 尾崎は、口の端に着いている血を、拭いて、穴に落ちないような距離まで近づくと、笑って言った。

 「当たり前だろ。・・・ったく、出番なさすぎだろ俺〜、やっと、見せどころが来たか・・・あぁ〜俺の運が不幸なのかどうかは分からねぇけど、ここで返すわけにもいかねぇしな。」

 「・・・そうよね。あんたが主人公なんだから!」

第20話


 「うぇ〜、殺戮のあの能力を見てもどうも思わないなんてめちゃおかしいです。」
 「気にする事でもねぇだろぉ・・・? あっちが戦うって言ってんだ、俺らもやろうじゃねぇかょぉ!?」

 「めちゃくちゃ賛成!」

 変速能力、拡散利器状態から右隣にいる坂条奈津美へと目標をセット、パーソナルエネルギーメーター残り55%。その間の時間想定二分。セット開始。

 「殺戮先輩、二分であいつの能力をめちゃ“スロー”にします。その間、応戦して下さるとめちゃうれしいのですが」

 「・・・わかった。なんとかがんばってみるよ」

 殺戮は枡中を横眼で見つめながら応える。

 「助かります・・・。」
 「んじゃ、おれぁ観戦とでもいきましょうかねぇ?」
 「そんな事はさせねぇよ」
 山陀が壁に寄り掛かろうとした所に、尾崎は、壁を拳で殴りつけ、その眼光を山陀に向けて言う。山陀は、その眼光を見返す。山陀の目の傍に作られている刺青が、恐怖感を与える。が、それはあくまで尾崎には効かない。むしろ、だらしないと尾崎は感じるだけだ。
(本当、殴りたくなる顔だ。 刺青なんて、自傷行為なだけだろうが!)

 「お前が、リーダー?」
 「だったらなんだぁ・・・?!」

 がんを飛ばし、飛ばし返しの繰り返しが二人の目線では行われている。だが、そんなのはどうにもならない。尾崎がいち早く殴りかかる。

 「———?!」

 殴りかかった腕は、山陀の左手に抑えられる。それまでは異常はなかったのだが、意識が捕まったと分かった時には、尾崎の意識は途絶える。そして、心臓の大きな音が一回した途端、心臓の動きは停止する。・・・尾崎はまっすぐ体を前に倒れ込んだ。

 「・・・・尾崎!?」
 奈津美はすぐに尾崎の危機を感知し、振り向かえながら言うが、手遅れのような状況だった事に見つめてしまう。

 「声掛けてもめちゃ意味ないですよ。山陀先輩の能力はめちゃ危ないですから。左腕に触るだけで、その命はめちゃ帰る事はないんです。通称、寿命中断ってやつですよ」


Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.60 )
日時: 2010/12/24 12:45
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

「寿命中断・・・・?」

 その意味は分かっている。けど信じたくはなかった。尾崎が死ぬなんて信じたくない。こんなあっさりと死んでしまっているなんて考えたくもないし、それで自分のあとの事を考えれば悲しみに落ちる事も目に浮かんでしまう。

 だから、信じたくなかった。だから、彼女の力は一気に脱力する。当然、彼女のいる場所は摩擦で起きた広い穴。・・・つまり、彼女はそこから下に落ちていく。せめてものレベル8を考えて、枡中がスローを行い、ゆっくりと堕ちている場面だった。

 (ごめんね尾崎・・・。)

 奈津美の瞳から、たくさんの涙の一粒が、浮かび上がる。一向、尾崎はそのまま倒れていただけだった。手も動かない。顔をあげてほしい。顔をあげて、(わりぃわりぃ)って言ってほしい。

 「・・・・ごめん、ね・・・尾崎・・・」

 涙は止まらない。瞳を閉じても。彼女から流れる涙は止められない。その彼女は、手を添えて・・・握りしめた。

 「ねぇ、尾崎・・・あの時の事、覚えてる? 人気のない公園で私を追ってきた事。・・・あれはさすがに変態よ。変態じゃないって否定しても・・・無理よ・・・あははは・・・」

 尾崎・・・尾崎・・・尾崎ッ!!

 「うぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!」

 大きな風が、土手を囲んだ。


「っざけんじゃねぇぞ! この、、、やろおおおおおおッッ!!」

 「はは! 結局、・・・・田名中の能力を甘く見てるって訳よ!!」

 「うぁああああああああああああああッッ!!」

 土手の広場が大きな風に包み込まれた直後に、ダークネス暴力団達はテレポートする。彼らには防御系能力と攻撃系能力に編成されている。その為、彼らにはたとえ強力な攻撃が有ろうと、単純なものでは回避で返す。それが、彼らのやり方でもある。

 「糞ガキの姉は、やっぱ糞ガキだな! ぎゃはは!っがああ! くぅっそおぉ!! ちっくしょぉお! イテぇよ! 糞!!」

 テレポートを行った田名中は地面を何度も蹴りつぶす。先ほど喰らった攻撃の衝撃が未だに続いている事に腹が煮えくり上がる。

 「まぁ・・・めちゃオッケーなんじゃないですか?無事、先輩達を助けられましたし」

 「別に俺は助けなくてもよかったんだけどよぉお? てめぇがあせりすぎなんぁだぁろぅが」

 「この! 助けてやった私はどうなんだよ!」

 倍に地面を蹴りつける。田名中には、怒りが増すばかりで、目つきを殺意へと変える。

 「・・・とにかく・・・俺は、あいつを倒して・・・早く寝たいな・・・」

 田名中の隣で、翼を生やした殺戮がゆっくり呟く。彼にとっては、山陀と同様にテレポートされてもされなくてもどうでもよかったように思う。己の能力が勝っている事だけは理解しているからだ。例えレベル7でも、彼の属性は神属性。翼体能力者。

 彼は、右手を掲げると、『十字の天使の剣』を作り上げる。その構成シーンは、粉々の粒が合わさって作られたようになっていく。
 その作りあげた『十字の天使の剣』を掴み振り上げると、目の前で風が巻き起こっている場所へと、勢いよく降り下げる。

 「キャぁあああっ!!」
 奈津美の悲鳴が巻き起こる。『十字の天使の剣』。それは、あらゆる生命体を精神正常値を下げる物。

 「・・・いやぁ! ・・・やめてぇ!!」

 奈津美の精神は、尾崎が意識不能の内に、徐々に壊されて行く。


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