コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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日時: 2011/01/04 22:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

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Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.31 )
日時: 2010/12/11 10:10
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第一話「The Page is Opened」

 聖ジョージ大聖堂。
 大聖堂と名のつくものの、その正体はロンドンの中心街にある、たくさんの教会の一つにすぎない。そこそこ大きな建物なのだが、ウェストミンスター寺院、聖ポール大聖堂など世界的観光地と比べると格段に小さく見える。

無論、イギリス清教始まりの場所といわれるカンタベリー寺院などとは比較にならない。

 そもそもロンドンには『聖ジョージ』と名の付く建物はいくらでもある。教会はもちろん、デパートやレストラン、ブティックに学校などなど。おそらく街の中だけでも数十はあるだろう。それどころか、フルネームの『聖ジョージ大聖堂』でも10以上あるかもしれない。『聖ジョージ』は国旗のデザインにも関わるほど有名なワードなので、無理もないのだが。

 その聖ジョージ大聖堂は、元々『ラーナ女子学院』の本拠地だった。
 これは良い意味ではない。教会の人間のくせに汚れた魔術を使い、(黒魔術)でラーナ女子学院は本拠地を奪われただけだったのだ。


 白い髪の実体実験生命体一号『イコール』は、朝のロンドンを歩きながら、ミール・ラーナという隣にいる女の子の過去を聞かされていた。彼にとっては『それがどうしたというのか』と、想うことしかできない。それと、この少女だけではなく、街の風景にも困惑を抱いている。

 ここの街はイコールにとって平和な街だと思っていた。なぜなら、イコールが日本の国から抜け出す前に、データバンクの端末の情報を頼りに行き先を決めていたからだ。その行き先を決める際に、ロンドンだけは未だに実体実験生命体を量産させていないことが明らかになっていた。そのためロンドンに来たというのに、それは違っていたのだ。

 ロンドンは、『実体実験の量産計画』は実行されていないのだが、魔術の国へと変わっていた事実が証拠としてあったのだ。その証拠というのは、街中を歩いている会社員たちに合った。日頃の日常を異常生活していた結果だ。

 会社員のある人物はカードを取り出し、そのカードの紋章には炎のマークが付く。マークから炎が暴れだし、会社員たちはそこにたばこをつけて吸いだすという行動。これを科学で育ってきたイコールにとってはまた新たな発見として驚いたのであろう。

 彼にとってそれはもう些細なことにも近いことなのだが、ミールとの旅への先が不満で仕方がなくなって行く。『こんなところに俺を連れてきて、この後どうするというのか』と。
 この感情を抑えきれなくなったイコールは、隣に歩いているミールに立ち寄る。

「・・・それで、お前は俺をここに呼んでどうしようってんだよ?」
「だから言ったにょん。ここからが行動開始だって」

 ミールが感情を読み取れない表情でイコールへと向き直ると、この街の人々の形が歪んでいく。砂粉が、消し去る時のように、一人ひとりの粉が、空を舞って、粒子が光って消え、街にはイコールとミールの他にはいなくなった。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.32 )
日時: 2010/12/11 10:11
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)



 「・・・は? 」
 街の人影はすべて消えた。新旧の街の工場で響いていた、金槌を叩く音もなくなる。いきなりの出来事にイコールは後ろに少し後ずさる。
 その状況がミールにとってはくすぐったいくらいのイジリ甲斐があり、クスッと笑ってしまう。今までの威勢のいい男が、少し後ろに下がるというのは、彼女にとって面白かった。
 が、それとはまた逆に、この状況で笑ったミールに対してイコールの感情は不愉快に変わる。
 「お前、なにしやがった?」
 ミールはクスッと又笑うと「魔術結界だよ」と口を押さえながら言い、そのあとは手を離し、しっかりと口を開けて話す。
 「簡単な結界ってこの国だとすぐバレちゃうから、自分たちの目を疑わすぐらいの難易度な術で結界を張るしかなくてね。驚いたのかな? にょん☆」
 と、両手を後ろに組んで、前に進みながらミールはイコールに話した。当然、その説明を聞けば、納得した顔をイコールは示す。

 聖ジョージ大聖堂前まで歩くと、二人は階段を上る前段で止まっていた。なぜ止まるのかと思うイコールも、そのまま従うしかない。まだ入るのは早いのかどうか、彼女次第だが、こうもいきなり止められるというのはイコールにとってあまり良い気持ではない。
 「なんだ・・・?」
 「・・・一応忠告しときますけど、ここから先は、貴族の方々も来客でいらっしゃいますし、女王もいます。そんな場所にその服装で中に入るというのは、眼がつけられることは承知して下さいにょん。」
 それに対し、イコールは頷いた。「わかった」と。
 「それともう一つ。もしこの国と激口論になった場合、即座に日本へと戻ります。今回の作戦は、”女王に『春山』との研究を託すな。”という事です。女王との交戦はさすがに私も負けます。そして今回の作戦を考えた、リーダーも捕まる。・・・絶対、感情に飲み込まれないでね。にょん」

 こんなに長く言われたのは初めてだった。それほどヤバイ作戦なのかもしれない。と、イコールは思う。思った矢先に頷き、ミールと共に階段をゆっくりと扉へと登って行った。

 まずはこの二人の作戦を考えたリーダーの話を次回からしなければいけない。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.33 )
日時: 2010/12/11 10:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第13話

 まず、ミールがなぜイコールを呼び出したのか、これについてだが、ミール自身、深い内容は分からない。ただ、”イコール”という日本人のレベル8能力者を連れていけと命令されただけだった。そのほか、あと二人の少年少女を探せとの命令もされている。その命令は第一〜四段回を終えてからの話だが。

 第一段回の命令は今、彼女が行おうとしている、女王との交渉だ。そこからの作戦はまだ明かされていない。その作戦なのだが、作戦を考えたのも、人種など関係なく最強や強いと言った人員を集める組織がある。”裏ルートから隠ぺいの謎や事件の解決をする”という謎の組織。

 ミールも学院から捨てられ、ドブの生活をしていたところに、組織のリーダー「アンノウン」が現れ、手を貸したのだった。その為なら全力で従う約束をミールはした。その期間内で、今に至るまでの任務が、”イコールと共に行動せよ”というものだった。

 その組織の名前だが、まだ誰にも明かされてはいない。組織のメンバーにもだ。ちなみに組織のメンバーの中には、ミールみたいに貧乏生活から取り入れた者だけではなく、殺人犯や死刑因など脱獄させたとも思われる者がたくさんいるが、そこは今は考えなくてもいいことだろう。いずれか、明かされる時が来る。

 その緊張感を持ちながらもミールはイコールと共に旅を開始したのだった。そう。まずはロンドンの一番の魔術を使う、女王と春山という暗黒者の交渉を決裂させる事。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.34 )
日時: 2010/12/11 10:13
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第13話

 現在、大聖堂前にいる二人は、階段を上りあがると、扉に手を掛け、扉を押し開けた。

 開けた扉の中は、長い通路になっており、その両端には必ず椅子が三つずつ並んでいる。ある程度の間隔をあけ、いつでも人が座れるようになっていた。周りの壁は白く、白いがゆえに、壁の彫刻でのデザインは美しく目立つものだった。 窓辺から太陽の光が現れるが、それではこの全体に電気をつけているようなぐらいの明るさにはならない。その大部分を照らしている天井側へと、二人は首を上にあげ絶句する。天井には円形を描くようにガラスで作られた女神のアートが削られており、そこから太陽そのものの光がこちらを照らしていた。
 「綺麗・・・」
 「・・・・。」
ミールだけが感動を口からこぼしたが、イコールはそのままうつむき、前へと進んで行った。天井のガラスアートに見とれていると、あわててミールが追いかけていく。

 赤いルーンの紋章が刻まれている床を歩いていく。そこに修道服を着た女性が数人現れる。

 顔を確認しようとミールが見詰めるが、彼女たちの顔は包帯で巻かれており、確認することは無理だった。そのうち、数人現れた修道服の女の人たちの目の前まで歩くと、一人が手で包帯の口の所だけ開けて話した。

 「赤いルーンの道を歩いてきても、侵入者として処理起動がされなかったということは、貴方達の体には邪気がないという事です。・・・・どうぞ、お客さま、お越しいただきありがとうございます。」
 と、丁寧に礼までして招くように数人の修道服女性は道を開けた。
 「ど、・・・どうも」
 「・・・。」
ミールとイコールはそのまままっすぐ歩いていく。扉を開け、また奥へと進み、無言の空間が二人を包む。

 大聖堂の中に響く音は、ここにいる人と、イコールとミールの靴音だけだ。長い道を進めば、また扉を開け、奥へと進むの繰り返しを3回ほど進んだところで、通行バスの横の長さ分の大きな扉が二人の目の前に。
 修道服女性たちは、扉に立ちはだかり、両手を表面に添えてルーンの一つずつに手を掛ける。そのまま「open 風と夜は日々の黒き月となり、月と夜は風の白き月を生みだす。融合をせねば汝らの神は祈るであろう」と言い、言い終えた直後に、添えた両手を右へと皆同時に回転させた。二人が黙ってそれを見ていると、扉は内側へと開き、そこには輝かしい光がこちらに大きく、広く照らす。

 「っ・・・?」
 「ま、まぶしぃ!」

 そのうちに後ろから背中を押され、中へと入って行った。

 輝かしく、まぶしいその先には、何人かの影があり、その真ん中には王座のような椅子に座っている女性の影が見える。・・・そして、その方は「お待ちしておりました」と、ゆっくりと口を開けた。

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.35 )
日時: 2010/12/11 10:14
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第14話「交渉」

 目の前に開かれた扉の奥には、きれいな白と黒で作られた衣装を着ている人が、10人そこには並んでいた。
 その真ん中にはイコールとミールの交渉相手であろう、女王が、王座席にて座っていた。きれいなシュミレットでさまざまな花が描かれており、その座っているクッションのような生地は紫色でおしゃれを司通っている。
 ミールはその情景を目に焼きつかせた。「綺麗」と。





イコールとミールはその輝かしい光に眉をひそめていると、やがて瞳は慣れていき、その目の前の光景をしっかりと確認することができる。目を開ければ、周りは白いダイヤでできたような壁、天井、床、その床に一枚の細い赤いじゅうたんが掛かっており、その細い一枚の先の奥にはこちら側に向いて座っている女王。そして、その両サイドには綺麗な衣装を着ている者達が並んでいる。良く見れば、腰の部分には細い剣が装着されていた。総数10人という者が綺麗に片膝を床に着き、もう片方の足でしゃがみ込んでいる体制になっている。

 頭をこちらに向かせると、女王、その名はまだ知らない者がこちら側に立ちあがり、イコールとミールの目の前で、両サイドにいる者と同時に一礼をする。

 「ようこそ、聖ジョージ大聖堂本館へ。」
 と、女王は言うと、もう一度一礼し、
 「・・・では、貴方達二人は、『異能の力』を持っています。その力を拝見させてもらいますが、お話する前ですので申し訳ありませんが、ここの騎士、序列第三位、『ジョセリナ・ラミナ・ラーナ』との一時戦闘をしてもらってもかまいませんか?」

 いきなりの戦闘申し込みにイコールとミールは唖然とする。


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