コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 日時: 2011/01/04 22:13
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
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- Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.16 )
- 日時: 2010/12/10 17:47
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
奈津美には、なぜ笑っていられるのか分からなかった。自分が死ぬというのに、笑えるのか・・・。
だが本当の気持ちは違かった。死んでほしくない気持ちが強かった。
尾崎が奈津美の肩に手を乗せて、「いいじゃん」といった瞬間、奈津美は平手打ちをした。
「いいじゃん」ってなによ・・・。私の・・・気持ちは考えないの? なんでそんなこと言うのよ。
「理不尽じゃない。そんなの。」
尾崎はあまり考えていないのか、言ったことが理解できたいないらしい。
なんだ・・・?理不尽って・・・誰がだ?
「えっと・・・なんのこと?」
・・・・・・・・。
まるで何も感じていない。この状況さえも理解していない尾崎浩太。
私は気付いた。こいつがデリカシーがないことを。
それと、鈍感であることを。ううん気付いたじゃない。忘れていた私が悪かったの。長年一緒だったがために少し気を緩くしてたけど分かったわ。
「やっぱいいわ。」
尾崎がいきなり立ち上がった奈津美に驚く。
それが、怒りの形相を隠しているオーラにも。
「あんた帰って。今ならまだ間に合うかもしれない。」
ボーイフレンドなんて感じた自分が馬鹿だった。そんなこと感じた自分も甘かった。・・・ごめん。
奈津美は、尾崎に向かって風を巻き起こした。飛ばす準備はできている。あとは放つだけ。
「最後に言っとくわ。ありがとう」
「お、・・・おい!お前、後ろ!!」
飛ばそうと思った時、飛ばされたのは、奈津美だった。
- Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.17 )
- 日時: 2010/12/10 17:47
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
「っ?!」
奈津美は、その場から100メートルほど蹴り飛ばされた。激痛が奈津美の体をむさぼる。
激痛に耐えながら、奈津美は腹を抱えて起き上った。足がふらつき、片膝を下し、立ち上がることができない。
「はぁっ・・・・いっ・・・・」
蹴飛ばした少年が、奈津美へと向き直る。
「お前、自分が死ぬかもしれねぇってのに、なにレベル1なんかと交際ごっこしってんだ?」
尾崎にとって、それはプライドを傷つける言葉だった。まずなぜ彼が知っているのか。
少年は、笑い声をあげている。歓喜の声。とはまた違う、奇怪な声だった。
尾崎が不気味なものを見るように見つめ、なぜ俺の事を知っているのか聞いた。
「なんでお前が、俺のこと知ってんだよ?」
少年は、叫び声に近い音量で笑い上げた。
「あははははっ! なんでだって? この国でレベル1なのはお前だけなんだぜ?誰がそんな落ちこぼれの野郎を忘れる事が出来るんだよ?」
尾崎は、崩れた。心が崩れたのだ。生まれて初めてそんなことを言われたのだから。
拳を握りしめ、震え続けた。
少年は、そんな尾崎をどうでもいいかのように話し続けた。
「レベル8、坂条 奈津美、俺の名前知ってるか?」
奈津美は口を噛みしめ、睨みつけた。
こんな最低な野郎に、受け答えなんて吐き気がすると。
「知らねぇか。俺の名前は『イコール』だ。どうだ?数式的な名前で面白いだろ? あはははっ実験体の名前。こんなくだらねぇ世界、俺が征服してやる」
征服・・・なんて、何歳の子供が考えることだろうか?この年でこんなことをほざくなんて、どうかしている。と、奈津美はけがらわしいと感じた。
奈津美の怯えた感情はもはや消えた。
こんな子供に負けたくない。負けてたまるか。
それが、奈津美の心だった。
奈津美は覚悟を決めた形相をすると、立ち上がり、右手を構え、イコールに話しかけた。
「あんた、レベル8は私以外、殺したって言ったよね?・・・でも、ニュースにはなっていなかった。・・・どんなことがあったにせよ、あり得ないことよね」
イコールは、笑いを止め、無表情で向き直った。
「・・・別にいいぜ? 信用しなくても。どちらにせよ、俺がお前よりも強いことは、”確認”ずみだからな」
「あっそう」
奈津美は右手からイナズマを巻き起こし、突撃させた。
「そのセリフは、まじめにてめぇぶっ殺す」
イコールは片手を上げ、そのイナズマを消し止めた。もう片方から、天使を作り上げた。
これには、その場にいた二人とも凍りついた。天使が舞い降りてきたのだ。
「な・・・なんだよあれ・・・」
(おそらくあれは・・・神属性の・・・)
「はぁぁっ!?」
俺はポタコンの通信にも驚いたが、神属性という言葉の方がめっちゃビビった。
神属性・・・・それは・・・・すべての属性で最上位の能力だ。・・・それがレベル8。
俺たちは・・・・こいつを甘く見ていたのかもしれない。奈津美も・・・その表情は隠せなかった。
- Re: ざけんじゃねぇ!! 更新開始! ( No.18 )
- 日時: 2010/12/11 09:44
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
神属性、それは属性の中で最上位の能力。
通称、神の能力。神は天使を呼び出し、天使を操る。それぞれの神(使徒)によって、聖職者が存在する。神は、その唯一、一人だけの聖職者だけに力を託す。それこそが神属性。
つまり、イコールはこの国で一人だけの神属性なのだ。神は、別に一つではない。
非現実的で笑えてしまうかもしれないが、この世界ではそんなことは笑ってはいけない。イギリス聖教や、キリスト教、イスラム教、それぞれの宗教によって神は存在する。だが、仏教で神は存在しない。
ではなぜ日本にイコールのような神属性がいるのだろうか?
尾崎は、驚きの表情を隠せないまま聞いた。
「なんで、・・・神属性が・・・・」
そうすると、イコールはまた笑い声を発し、指をさしてこちらに顔を向けた。
「俺は、実験体なんだよ。・・・・お前らに言う必要はなかったけど、・・・どうでもよくなった。俺は、イスラム宗教の神を、体に納めたんだよ。」
体に・・・納めた・・・?
この疑問に先に口を開いたのは奈津美だった。
「じゃぁ、神属性って言うのは、神を体内に融合させるという事なの!?」
融合・・・・?
謎が謎を呼び、尾崎は何がなんなのか分からなくなった。
「まぁ、教えたところで、お前らはここで死ぬ。これは確実だ。・・・・冥土の土産ってやつだな。じゃぁな。」
イコールは,
両手を構えて、天使に命令を下す。
「天使、使徒よ、神に従い、神に仕えよ、命を下す。この少年少女を、抹消せよ」
天使は奇声を上げると、二人に飛び掛かった。
だが、坂条奈津美は、それをくい止める。
奈津美は、笑っていた。尾崎が振り返ると、奈津美は警戒している顔を見せているが、さも楽しそうに、強風を巻き起こす。・・・台風並みの風力レベル8ぐらいで風を生みだし、天使を喰いとめた。
「忘れてるわけ、ないわよね?どんなに神属性だったとしても、第二位属性は風よ?」
奈津美は、天使を風の摩擦で、抹消した。
両手を払って、警戒態勢に奈津美は移る。
「それに私はレベル8、そんなすぐやられてると思われちゃ、困るのよ!」
尾崎は、その言葉で思い出す、俺も負けてられねェと。
尾崎はコードナンバーを言う。
どんなにレベル8で、神属性で、最強だったとしても、それに唯一勝てるのは同じ人間。
尾崎は気合を入れて、「奈津美、俺も戦う」と
言ってイコールに歩む。
あと一回。能力を使えるのはそれだけだ。一回のミスさえも許されない。
奈津美も、頷き、二人はイコールを目の前にした。
イコールは、二人の決断力を見て、軽く機嫌が悪くなる。
こいつらみたいな、団結力なんてくだらねぇ。パートナー同士なんてくだらねぇ!こんな世界、人類、生物!すべてが!!終わっちまえばいいんだァああああああっ!!
イコールは、激怒の感情を抑えきれず、ましてや身勝手な疑心暗鬼で感情を倍に膨張させる。
そのまま、百体の天使を創りだし、抹消させる命令を下す。
「この数で、やらなきゃいけないなんてね。・・・でも、私は!」
奈津美は、台風並みの力を尾崎も巻き添えで起こす。
「台風をね、窮縮形態にして放つとどうなるか、知ってる?」
周りに起こっていた風が、奈津美の右手に集まる。
やがて、風の球体へと変わる。
そのまま射撃。
撃った風は百体もの天使を、広範囲でイナズマを巻き起こし、風の急激な摩擦で天使のボディーは焼かれていく。
それを奈津美は、見つめ続けた。同様に尾崎もだ。
イコールは珍しいモノを見るように見上げた。
そこで語る。
「へ〜、なるほど。風属性がなぜ第二位なのか分かった気がする。風ってのは、使い方によっちゃ、何でもありなんだな」
奈津美は、イコールを無視し、その場から走って尾崎の手を掴み、「今のうちよ!」と言って前に飛び出す。
尾崎もそのままイコールに向かって走り、右手を構える。
「どりゃぁあああっ」
イコールが尾崎の接近に気付くと、即座に尾崎の後ろへ回り込み、背中を蹴り倒す。
蹴り倒した尾崎のみぞを右足のつま先で押しつぶす。
痛さに耐えきれず、呻き声を上げる。
「ぐぁっ・・・ぁぁあっ」
ちくしょうっ! いってぇぇ!
「おまえさぁ・・・相手考えろって。なぁ?レベル1の落ちこぼれ〜」
もっと奥深くへと押しつぶす。
奈津美はイコールに対抗しようと考えているが、風の操作計算で忙しく、そこまで頭が持たない。
・・・このぉ! さっさと消えろ!!
「おりゃぁあああああああああっ!!」
奈津美は、速度を速め、摩擦力を上昇させる。
そこに天使達の悲鳴が強まる。
少しずつ灰色に天使達は変わっていく。
だがそれでも天使達はもがき続ける。
早く尾崎を助けなくてはいけない。
奈津美が天使の焼消化に時間がかかっている横で、尾崎のみぞを踏み続けるイコール。
「レベル1なんてこの世界にはいらねぇよなぁ? お前を楽にしてやる。このまま貫いてやるよ」
「ぐばぁっ! がぁああぁっ」
足が少しずつ尾崎の胸に沈んでいく。この状況はただの拷問にさえ近い。
くそ! このままやられる? 俺は! また・・・なにもしないまま?!
・・・・ざんねんだが、俺の答えはNOだッ!
尾崎は、苦しみながらも、両手をイコールの胸を突いている右足を掴む。
それを不思議そうに見るイコール。
「まだ、抵抗するほどの力はあるんだな。」
その様子を奈津美が不安している。
まだ天使は消えていない。このままでは間に合わない。
「・・・お願い! さっさと消えろぉぉ!」
摩擦を上昇させていくが、間に合わないのは見え見えだった。
だが、尾崎はあきらめない。
へへっ・・・あとは、能力の存在を“無”にすれば!!
そう思った瞬間、「バキンッ」と割れるような音が、天使達から響く。
その音に、一番驚いたのはもちろん、イコールだ。
「な・・・?」
振り向いた矢先、奈津美の周りに群がっていた天使が消えていた。
その場面を見ていたイコールの視点が右へと大きくずれる。
尾崎が、イコールの振り向いた隙を狙って右頬を力づくで殴ったのだ。
「がぁ!!」
「ざまぁみろ・・・」
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.19 )
- 日時: 2010/12/11 09:57
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
ふざけやがって! なにが落ちこぼれだ。
なにが、レベル1はこの世界にいらねぇだ。
ッッッざけんじゃねぇェェッッ!!!
またすぐに尾崎がイコールの顔に殴りつける。
右、左、と交互に続ける。
もうイコールの意識は途絶えた。
いずれか、尾崎も・・・殴る手を止めていた。
荒い息の音が、公園に響く。疲労した証拠である。
奈津美がイコールの両手に手錠をかけた時、奈津美の右腕には、ポリス・スタデントの紋章がついている。
どうやら、もう今の奈津美は、ポリス・スタデントとして働いたという事だ。
そこまで見ていた尾崎は、能力を使った事による睡魔に襲われ、深い眠りへと落ちた。
翌日からーー
そのあと、この二人は犯人逮捕を行ったとして、賞状が配られた。
どうやらイコールは、この国内での連続レベル8暴動事件として指名手配されていたらしい。
つまり二人は、たたえられたのだった。
だが、尾崎はレベル2として働いたものの、あり得ないと判定され、ちゃんとした祝福を受けたのは坂条 奈津美、一人だけだったという。
尾崎は、影で隠れて、ポタコンと二人で寂しく自分で祝福会をしたという。
最悪だーーー!!
これが、彼の心の叫びだった。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.20 )
- 日時: 2010/12/11 09:58
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第八話「人間が天使の力を借りることはありえない。逆の天使が人間に力を与えることもありえない。ならばイコールとは何なのか」
ここは、どこだろうか?
真っ暗で何も見えない。でも分かるのは、体が水中にある感覚だ。
でも苦しくない。普通に息もできるのだろうか?
口を開けて、息を吸いこもうとしたが、何も吸えなかった。
水中の中だからか?でもなんで苦しくないんだろう。
・・・・わずかに誰かの・・・人の声がする。
よく聞き取れないけど、その人がこちらに歩み寄ってきた靴で、もう目の前にいるのが分かる。
そのおかげか、その人の声は何を言ってるのか、はっきり分かった。
「「試験管の中で育った肉体。それに伴い、細胞組織から天使の形を作り上げる超人の能力。レベルは生まれながらにして8。この世界で、ちょうど最強と呼ばれる単位だ。・・・いやいや、我々は神に近い存在を生みだしたのだな。神と呼ばれるのはすなわち我らに近いのか。」」
「「春山先生、もうその少年、もう意識が正常値に達しています。聞かれてると思いますよ?」」
「「はは。かまわん。どうせ試験管から出せば記憶はリセットされるのだからな。・・・それにこの少年には、ここから誕生した直後に、軍隊と戦ってもらう。あの防衛軍隊は私は嫌いでね。実験の研究に雇ってもらおうと思ったが、あいつらは馬鹿すぎる。危険だとそればかり。科学にはそれがあるからこそ新しい発見があるというのに。」」
「「それって・・・軍隊を自分の支配下に置くという事ですか?」」
「「そうだよ。君は鼻がいいねぇ。良い悪党になれるぞ?・・・・軍がこちら側に働けば、この国は能力という素晴らしい国へと変わっていくだろう。もちろん国民には記憶を初期状態にさせてな。」」
「「新しい国家ですか? いえ、鼻を利かせた他の国の大統領も能力に食らいつくんでしょうね。新しい国家どころではありませんよ。新しい地球ですよ。」」
「「我らこそ・・・神だ」
「「彼の名前、イコールでよろしいですか?」」
「「ああ。かまわん。そいつはオリジナルだからな。世界で唯一始めに作られた人類の拠点。・・・まぁ、大切にしとけ」」
なんだ・・・・それ?
俺の記憶は、そこまでしか残っていなかった。
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