コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 日時: 2011/01/04 22:13
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
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- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.61 )
- 日時: 2010/12/24 12:46
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
お願い・・・やめて! こんなのは思い出したくない! ねぇ、どうして思い出そうとするの!?
−−−−−−−−−−−−
「春山先生・・・イコールは完成タイプなのでしょうか?」
「完成など関係はない。 ただ、我々は量産計画を実行している。 イコールはそのオリジナルなだけだ。スラナスは脳の限界数値をあげるためだけに作られた仮設だからね。・・・彼女には、申し分ないわけだがね」
「それはいいとして・・・次の被験体は・・・『坂条奈津美』です。彼女は実の人間です。 瀕死状態までエネルギーを流すなんて、もうやめませんか?」
「やめる訳にはいかないよ。もう少し、レベル8を生みだす可能性を求めたいんでね」
「・・・・了解しました・・・。」
ここは、実体実験能力生態厳重保管施設。以前に坂条と尾崎が行ってきた施設だ。ちょうど、春山がいるところは研究室。そこは、”人間を隔離し、能力者に入れ替える”場所でもある。
幼少時期の奈津美が、その試験管の中にはいた。そのガラスの前には、春山と、研究生の竹中がいる。
「では・・・実験開始します」
「ふふっ・・・がんばってくれよお嬢ちゃん。君は人間初のレベル8へと変われる”かもしれない”のだからね・・・ふふふっ・・・いいぞ。押せ」
その指示通りに、竹中は実験ボタンを押す。
「・・・・ぁ・・・!!!」
試験管の中にいた彼女が目を見開いて。
「ぁぁあああぁぁ!! ぎゃぁあああああああああああああああああああああああッッ!!!!」
と、泣き叫んだ。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.62 )
- 日時: 2010/12/24 12:46
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第20話
あの時の辛さが伝わってくる。泣き叫んでも叫んでも誰も助けてくれなくて、その目の前にいるのは優越感に浸っている狂ってる研究員、春山。
もう思い出したくないのに・・・なぜ思い出さなければいかないのだろう。なぜ他人に昔の傷を掘り起こさなければいけないのだろう。お前らに何が分かるのだろうか? あの過酷の日々を味わったことのない者に理解できるはずがないのに。それを掘り起こしてこいつらは何をしたいのだろうか?
簡単な意味だ。こいつらが行おうとしているのは、私を陥らせ、その隙に逃亡を図るだけだ。そのためだけに精神汚染される・・・・そんな腐った考えを持っているだけ。そんな事に私は加担しない。強制にも従わない。
・・・・だから言ったでしょ。あんたたちは、”私を舐めすぎている”って。
「・・・やめろ・・・・って言ってんでしょうがぁぁああああッッ!!!」
「!?」
奈津美は、精神汚染を行っている殺戮へと、ドリル形態の風を突撃させる。それを、殺戮は真正面から喰らう。
「ぐぁッッ! 」
「殺戮!? 大丈夫ってな訳よ?!」
突然空中から堕ちた殺戮に中山は寄り添う。
「はぁ・・・はぁ・・・まったく・・・とことん面倒くさい能力者ばかりね・・。言ったでしょ。あんた達に私は倒せない。絶対に、”倒せない”。レベルの差もあれば、実力も違う。私にはまだやるべき事がたくさんあんのよ。隙を作らせるためだけに、腐った能力を喰らってたらたまんないわよ」
「・・・お前・・・おもしれぇ事いってんじゃぁねぇかぁ? 俺だって・・・レベル8だぜぇ?」
「・・・はぁー、本当馬鹿な奴ね。実力が”違う”って言ってんのよ!!」
お構いなしに奈津美は第二破目のドリル形態の風を山陀に突撃させる。それは秒速一秒と言っても良いほどの超人の速さだ。それを山陀は左手を構えると、それを受け止める。
その受け止めた際に発生する轟音の音が耳鳴りを催すように破裂する。
「受け止めた・・・!?」
「驚いてんじゃねぇえよぉ。枡中が説明してただろうがぁ?」
『左腕に触るだけで、その命はめちゃ帰る事はないんです。通称、寿命中断ってやつですよ』
あの時言っていた事か? でも、それなら技は消せないはず。
「付けたしなぁ。技は打ち消せるってなぁ?」
「!?」
法則無視してるとか言ってても、こっちの方がめっちゃ法則無視してんじゃない!
つまり、寿命中断とは、生命体に対する物で、物体での能力発揮が活用させるのは打ち消すという二つへと変わるわけだ。
奈津美は、両手を握りしめると、唾を飲み込んで口を開く。
「別にちょうどいいわよ。 近頃、手ごたえのある奴いなかったしね。・・・あんたの能力を停止させれば尾崎は帰ってくるんだしね。・・・待ってなさいよ尾崎。」
「・・・死人に何言ってんだぁてめぇ?」
「まだ死人じゃない! 私は助けるって決めてんのよ。まだ死んでもらっちゃ困るんだから! ・・・まだ、春山の捜索さえしてないんだから。・・・レベル8だからって舐めてんじゃないわよ糞が!」
「・・・わかったよぉ・・・てめぇを地獄の淵まで落としてやんヨぉ!!」
奈津美のドリル形態の風と、山陀の左腕がまたぶつかり合う。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.63 )
- 日時: 2010/12/24 12:47
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第20話
ここはどこだろうか? すごく暖かい。体中のすべてが心地いい。このまま吸い込まれてしまいそうな感覚。どこか怖い。温かいのに・・・その中心へと移動されて行くのは・・・とても怖い。ここから離れたくないよ。・・・俺、なにがあったんだっけ? 重要な事忘れているような気がする。・・・ごめん、思い出せねぇや。
−−−−−−−−−−−−−−
「はぁ・・・はぁ、! 浩太、どこ!?」
ポタコンは尾崎のいなくなったマンションから、ニュースの場所を頼りに、彷徨いにさまよいながら目的の場所へと目指す。勝手にいなくなったことへの不安もあれば、テレビの画面の一部で尾崎の姿を発見した事にも緊張している。
できれば、あのニュースの事故に関連してなければいい。けど、病室での話で関連しているとなれば、僕は全力で浩太と戦うよ。
ポタコンが思っている事は二つある。あのテレビに載っていた、”テロ”による事件だったのならば、助けたい。が、”ダークネス”関連の事件だったら、一緒に挑もうと言う事だ。
一方その頃、奈津美は、山陀との肉弾戦に一新を経て挑み続ける。
「くそ! 本当、技を消されるってのは私の性には合わないわね!」
「別に合わせる気なんてさらさらねぇよぉ!」
「っち!」
ドリル形態の風を6つも突撃させたというのに、それを並べて打てば、並べた順番に山陀は打ち消す。その行動が、平衡感覚を揺るがす。
(シャレにならないっつの! 近頃まじめに戦った事がないからなまってんのね。こんな時に・・・)
始まったばかりの戦いに、奈津美は疲労する。確かに彼女にしてみれば、久しぶりの戦闘と言っても過言ではないだろう。ましてや今回の敵は技を消してしまうのだから、彼女の中にあるVANエネルギーも消費されて行くだけになる。プラスになる事は何もない。
だが、彼女はそれでも戦う。左手の隙を見つけるまで。かっこいいことだろうか? 全然カッコ良くはない。これは、運命に掛けている事なのだから。
「・・・まぁ、確かに同じ技ばかりじゃ・・・飽きたでしょうし、こっちも先手を打たせてもらうわよ」
「・・・面倒クセぇ事言ってねぇで、しかと戦えぇ!!」
「 一つ確認させなさい。あんたは、能力の技、つまり、力を打ち消せるわよね。 だったら、”この世に存在するもの”だったら、打ち消せないって訳よね。」
「・・・何が言いたい?」
奈津美はその受け答えには応じず、コンクリートのデカイ破片を風で持ち上げると、それを風の反動で解き放った。ものすごい速さで、コンクリートの破片は、山陀へと向かう。
山陀は向かってくる破片の直面に達する矢先に、今度は左手では受け止めず、ましてや体をそれに当たらせないように、勢いよく、横へと体を移動させる。
「・・・・。」
「・・・やっぱり、ね」
奈津美は、弱点を盗ったかのように笑みをし、攻撃態勢へともう一度腰を低くする。
第20話
弱点を見つけた今、彼女のすることは決まっている。ただ、もう一度同じ事をするだけだ。
「やっぱり、異能力で作られた技と、生命体の中断以外は出来ないって事ね。なーんだ、なんでも打ち消せるわけじゃないって分かったら、どーでも良くなったわね。いい? 今からお仕置きしてやるから、歯ぁ食いしばりなさい!!」
「!?」
それを合図に彼女は山陀へと向けて、物体の破片を見つければそれを風で飛びさせ、突撃させる。その繰り返しを何度も何度も仕掛ける。
だが、そのたびに背中を猫背にさせるため激痛が奈津美を襲う。
「はぁ、はぁ、もう一個!!」
「くっ! くそ! めぇんどぉくせぇことぉしてぇんじゃねぇぇよォォ!!」
「っな!?」
奈津美が放った破片を何度も山陀は避け続ける。が、それは彼が余裕を持っていた事も表せる。そのため、奈津美へとこっちが仕掛ける余地を図っていただけだったのだ。疲労している奈津美のその一拍の物を飛ばす時間を開けた事で、・・・それは”隙”となる。
そこを確認した山陀は、即座に奈津美へと突進を掛ける。
(まさか、私を寿命中断させる気?!)
そんな焦りを感じてしまうが、その余裕が何も手を打てなくなってしまう。すでに10㎝前には山陀の左手が掴むような形をして向かっている。
(どう、すれば—————ッッ?!)
せっかく弱点を見つけたのに、意味がなかった。
せっかく尾崎を助けられると思ったのに意味がなかった。
せっかく二人で春山の捜索ができると思っていたのに。
せっかく・・・・ごめんね。せっかくなのに・・・。
奈津美は目の前の直前にある左手を逸らすために、力いっぱい目を瞑る。せめて、命が亡くなると言う感覚だけは感じたくなかったからだ。
それでも、目の前にある左手は存在していることは事実だ。だから、触れると思った瞬間、彼女は思った。
『・・・助けて!』と。
「・・・・・・・・・・・・なぁつみにぃ手ぇ出すなァアアアアッッ!!」
その声に、尾崎の声に奈津美は反応し、目を見開くと、そこには、彼女の横を通ったのであろう尾崎が、真正面から山陀の顔面をぶん殴っていたのだ。
「がぁッ!」
その突拍子のないまさかのあり得ない反撃に、殴られた衝撃と共に、山陀は10メートル先まで殴り飛ばされる。その殴る時の尾崎の眼光は、虎だった。
(・・・なんで?)
「お・・・ざ・・・き・・・?」
奈津美の両手両足、体全体の震えは止まらない。それどころか、彼女の心の中も震えあがる。謎と疑問と感動と歓喜。この四つが彼女の心をデカイ振動で揺るがす。
(どうして? なんで? だって、だって、動けないんじゃなかったの?・・・・命は中断されたんじゃなかったの?)
目の前にいる尾崎の背姿を彼女は見詰めることしかできない。瞬きはできない。
だが、そんな見つめる事は終わりを示す。尾崎はゆっくりと奈津美へと、笑顔で振り返る。とてもゆっくりで、彼女を焦らせるように。意地悪で、それを行ったような笑顔で・・・。
「・・・尾崎・・・?」
「へへっ・・・”空気読めねぇ主人公、窮地にて現る”ってな」
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.64 )
- 日時: 2010/12/24 12:48
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第21話「やっぱ主人公は尾崎でしょ!」
「んじゃぁ」
尾崎は背を低くし、眼光を山陀に向ける。まっすぐすべてを焼き尽くすように。
「いい加減、レベル2だからってなめんのはここまでだ。」
尾崎、彼は両手を組み、合わせあった掌を山陀に向ける。彼の背中は徐々に丸めて、目の前にある山陀の拳が殴りかかろうとしたところで、”何か”を放った。
それは、空砲と例えられるものだ。炭酸のジュースを開けた時の音が響いたと思えば、その放たれた”何か”は山陀の腹に当たっただけで、それ以外の変化は起こらない。そう、3秒経つまでは。
「・・・・ぐェがぁッ!」
その呻き声をあげると、尾崎の目の前にいた山陀の体が、黒い粉を巻き上げ、足からの固体形態を砂粉へと変えていく。
「おまぁぇぇええ! なぁにぃしやがぁったぁッ!?」
「お前ごと抹消せよって、識別しただけだ。」
「ぐぞぉ!! でめぇ! 覚えてろぉよ、チックショ! 殺す殺す! ゼッテェ殺す! 」
「・・・・・・」
尾崎は、憐れみの人間でも見るような目つきをしたあと、一拍一息吐き、眼光を輝かして見つめ、
「お前の頭の中にはそんな言葉ばっかかよ。”死ね”とか、”殺す”とか、相手の事考えないで糞汚ねぇ言葉ばっか使いやがって。 一言いわせてもらうけどな。・・・お前が行動したところで何も変わんネェだろうが。ここでレベル2に抑えられてるんだからな。お前は・・・お前こそが、糞ったれた言葉に埋め尽くされるべきな対象だな」
尾崎はそう言い放つと、山陀に蹴り、殴りをかける。右肘で押し抑え、左足のふくらはぎに力を入れ、レフトキックを腹に打ち込む。
「ぐがぁッッ!」
腹の急な衝撃が、胃を押さえられ、おう吐する。おう吐した物を吐き散らかせ、袖で口を拭う。
「ってんめぇ・・・」
「ほら、どうした? 能力使えないとなにも出来ないチキンなのか? あん?」
「ぶっ殺すッッ!」
奈津美の目の前にある影の持ち主の二人は、真っ向を掛けて激突する。
- Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.65 )
- 日時: 2010/12/24 12:49
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
第21話
「ぶん殴って、ぶん殴って」
尾崎の発した言葉を合図に尾崎は山陀に殴り続ける。顔面、腹、両肩、鎖骨部分、胸、それらをすべて隙を見つければ殴り、空いている片手で殴り返す。
その回数と、共に殴られる山陀の呻き声を何度も発する。足場がふらつき、崩れる事も許されない。
山陀から見ればその足さえも左足だけしか存在はしていない。右足のふくらはぎより下は固体を保てず、黒い砂となってその地面に降り注がれている。
(くそ・・・殴られっぱなしじゃぁいけぇねぇ。・・・俺の時間も・・・あと少し・・・仕方ネェょよぉなぁ?)
尾崎も殴るたびに疲労はしていく。先ほどから無駄に大振りしてから殴るようになってきている。ならば、山陀だったらどう思うだろうか? 簡単な事だ、”その隙間”を見つける事を最優先とするだろう。
「・・・にげってんじゃねぇぞ、この、、、野郎!」
そのアクセント前の発した言葉の間が、山陀の最優先執行のチャンスだ。
尾崎が殴りかかろうとした瞬間に、空振りをする。
「な?! どこに?」
それはあっという間と言っても過言ではないだろう。尾崎が左右前後振り向けても山陀の人影もなければ、姿もない。
「どういう、・・・・?!」
左右前後であっても、斜め視点から探せばどうなのだろうか? その考えが脳にたどり着いたのと一緒で、壁と壁の隙間を見つけるように斜めへ振り向かえると、長く伸びた人影が、その隙間に吸い込まれるように消えていくのを目撃する。
「クソ、逃げんな!」
目撃した方向へと真っ直ぐ走り向く。尾崎は、そこから単独行動に移る。
それを見ていた奈津美も、尾崎を追いかけるように走る。だが、その瞳には、尾崎が帰っていたことへの歓喜の涙を流している。
流したくない気持ちもあるが、今の尾崎なら振り向かえる事はないと承知の上、その間にたくさん流す。もう一度、集中して戦えるように。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
田名中光は、テレポートして隠れた場所に、中山と二人でいる。ここは地下トンネルの非常口の中だ。その場所に、息切れするような息が聞こえたため、警戒心を抱き、入口を見つめ、田名中は近寄る。
歩く音と、息切れする音が合わされ、徐々に非常口に近寄っている事が把握できる。
やがて、扉は開いた。
そこにいたのは・・・。
「な〜んだ、ボスかよぉ・・・あはは、なんでそんなボロボロなのかわっかんねぇけどぉ、まぁ、無事でよかった良かった。」
「・・・・・」
田名中は唖然とする。中に入ってきた山陀の右足がほぼなくなっている事に。その直射したことに気付いたのか、山陀は睨みつくように田名中を見つめる。
「・・・な、なんだよ?」
「・・・お前も見てる通り、俺には・・・・時間がねぇンだぁよぉ。・・・・俺の能力には・・・もうひとつ回復系として持っているスキルがある事を・・・お前はしってるよぉなぁ?」
「・・・っなに、言ってんだよ! もうやめようぜ! 私らには無理なんだよ! 世界を構成するなんてことは!!・・・・こんな———ッ!?」
即座に、山陀の左腕は、田名中を捉えた。
話を終える前に、田名中はコンクリートの地床に倒れる。それはゆっくりで・・・とてもゆっくりで。
「・・・・くくくっ! 結局こうなる羽目になんだよぉなぁ。おめぇら残しておいて助かった。ハハハッ!」
「もう一つのスキル・・・」
中山には、今の光景を差し置いて、スキルの事を考える。もう死んでしまった田名中が倒れているが、今は自分を守らなくてはいけない事に警戒心を強度する。
中山にもそれは理解していた。山陀のもう一つのスキル。能力の中には、一つだけの攻撃タイプと、回復タイプが交える事がある。だから知っていた。その両方を持った、能力者である事を。そして、その回復するために行われる事を。
山陀は死んだ田名中を脇腹を蹴り上げ、仰向けにさせると、口の周りによだれを垂らし、こう言った。
「・・・いただくぜぇ?」
その言葉を合図に、オオカミが肉を喰い破るように、山陀は背を低くし、田名中の体に噛みついた。
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