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- ブラッド・フレイム-Blood Flame- 第三章開炎
- 日時: 2015/07/18 08:39
- 名前: 竜野翔太 (ID: SDJp1hu/)
はじめまして、ドラゴンとか呼ばれたことないけど、ドラゴンこと竜野翔太です。苗字の読みは『たつの』ですよ〜。『りゅうの』じゃありませんからね。
今回は閲覧いただきありがとうございまーす。
この作品、『ブラッド・フレイム』でございますが、主人公は吸血鬼ちゃんでございます。いや、本当は別の掲示板で上げてたヤツに修正加えていって、いいものに昇華させてるやつなんですけどね。
主人公は吸血鬼、敵は悪魔ということで、いかにも中二病な作者が好きそうな題材でございます。あー恥ずかしい。
吸血鬼ちゃん、とちゃん付けで言ったということは、吸血鬼は女子ということです! ここ重要ですよ!
まあ後々男の吸血鬼も出ますが、大体が女子ですよ。
各キャラのプロフィールなどは、一つのストーリーが終わるごとに書いていきますので、それまでは色々と文章を読んで把握してくださいな♪
ではでは、次のレスから始めていきますよー!
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- Re: ブラッド・フレイム-Blood Flame- ( No.1 )
- 日時: 2014/03/18 20:16
- 名前: 竜野翔太 (ID: sLRBYAgN)
ブラッド・フレイム-Blood Flame-
『赤き邂逅篇』
序章
赤い、赤い。
周りは紅とでもいうのだろうか、真紅に煌めく炎に包まれた空間に、俺は横たわっていた。
空も夕暮れ時で、橙色に輝いている。俺を囲むようにゆらゆらと風に靡いて揺らめく炎は、何故かとても温かかった。心が休まるような、身体を癒してくれるような、そんな温かい優しさに溢れる炎だった。
その温度の気持ちよさのせいだろうか、俺はふと気付いた。
仰向けに横たわっている俺の腹に、丁度馬乗りの体勢で誰かがいる。
俺はぎょっとして身体を動かそうとするが、身体が言うことを聞かない。それほど体力が消耗しているわけでも、ましてや大怪我をしているわけでもない。もしかしたら、周りで燃え盛る赤く眩しい炎の温かさにリラックスしていたからなのか。
どう足掻こうとも俺の身体は指ひとつ動いてくれやしない。
俺は自分の上に乗っている人物の容貌を一目見てやろうと、視線をその人物に向けた。
人の上に平然と乗っているような奴だ。どうせロクな奴じゃない。
だが、
その人物の容姿を見て、俺は息が詰まった。
少女だった。
身長は多分一五〇台だろう、そんなに大きいイメージはない。むしろ腕や足が細くて、小柄な印象を与える。顔は小さいが、その顔に宿る真紅に輝く鋭い瞳が、彼女の小柄な体躯に似つかわしくなかった。
炎のように赤く煌めいているのに、その瞳には冷酷や冷徹な色というような言い回しが一番相応しいようだった。
風に靡く赤い髪は、やはり綺麗な色彩を放っていて、まるで炎を帯びているように輝いても見えた。長い真っ赤な髪は少女が直立していると太腿あたりまで伸びているだろう。
鋭い瞳に相応しくない、小柄な体躯にぴったりな細く白い腕と脚。スタイルは悪くはないのだろうが、スレンダーという表現が似合っている。
美少女の要望に、俺は息を詰まらせてしまった。
彼女の髪に、瞳に、顔に、すべてに惹かれて見惚れてしまっていた。
不意に、少女の桜色の唇がかすかに動く。
〝——————、——————〟
聞こえない。
今まで大人しかった炎が、彼女の言葉を遮るように急に轟々と音を立てて燃え盛る。
〝——————。——————〟
聞こえない。
唇が動いているのは分かる。彼女の細い腕が、俺の頬に添えられたのにも気が付いた。
不意に周りから音が消えたような錯覚がした。
彼女は今までの冷徹で冷酷なイメージから一転、聖女のような優しい微笑みを浮かべながら告げる。
「——少しの間だけ、夢を見ていてくれ」
後には見慣れた部屋に、聞き慣れたアラーム音。
正真正銘、俺の部屋へと景色は変わっていた。
- Re: ブラッド・フレイ ( No.2 )
- 日時: 2014/02/07 21:28
- 名前: オレンジ (ID: H/CWJliZ)
こっこれは……_\(°Δ°)/_どはまりやー
の
オレンジです。
序章が凄すぎる
いいなぁ〜文才分けてくださいよぅ〜
更新待ってます!
- Re: ブラッド・フレイム-Blood Flame- ( No.3 )
- 日時: 2014/02/07 23:16
- 名前: 竜野翔太 (ID: sLRBYAgN)
>オレンジさん
コメントありがとうございます^^
ちょ、はまるの早過ぎですよ。まだ序章ですよw
これからどんどん面白くしていく(予定)ですので、楽しみに待っていてください^^
……文才、正直これでいいのかな〜、と思いながら書いた部分は多かれ少なかれありますので、自信があるとは言い切れません……。
僕の僅かな才能を分けたら無くなっちゃうよ!
更新頑張らせていただきます〜♪
- Re: ブラッド・フレイム-Blood Flame- ( No.4 )
- 日時: 2015/07/07 11:42
- 名前: 竜野翔太 (ID: 4/G.K5v4)
第一章 赤き邂逅
1
どうやら変な夢を見てしまったらしい。
少年はそう心に言い聞かせてベッドから起き上がり、まだ寝起きな頭を起こすように、とりあえずは身体を動かすことにした。
部屋のカーテンを開けると、朝の日差しが容赦なく差し込んでくる。彼はその眩しさに目を細め、手で目を覆ってしまう。朝に弱いわけではないが、朝の眩しい日差しは好きじゃない。
ベッドの枕元に置いてある目覚まし時計が示す時刻は七時一〇分。今日もいつもと同じ……いや、いつもよりは一〇分遅く起きている。目覚まし時計もその時刻にセットしてあったので、特に異常はない。
起きる時間を遅らせた理由はごく簡単かつ単純なもので、一〇遅らせた程度で、遅刻する程準備に手間取らないからだ。
明日の授業に必要な教科書やノートは昨晩のうちに鞄に入れてあるし、体育で使う体操服なども出掛ける前に鞄に突っ込めばいい。着替えも数分で済んでしまう。むしろあと三〇分程惰眠を貪っても問題はないのだが、あまりギリギリまで寝ていると、かえって起きるのが辛くなる。朝食の時間も計算に入れると、それほど余裕もないのだ。
少年が制服に着替えようと、パジャマの上を脱いだその時だった。
「おにーちゃーん、起きなよ! 朝だよ! 朝ごはん出来てるよ? トーストに簡易的サラダに目玉焼きだよ!」
唐突に部屋の扉が開かれて、妹がそう呼びかけてくる。
茶色い髪を二つに結い上げ、結ってある髪の先は肩に触れている。小柄な体格で、背の順は小学校の頃から一番前らしく、順調に成長していった少年とは正反対なのだ。そして兄の部屋にノックもせずに入ってきたり、兄がどういう格好でいようと特に気にも留めない。
彼女にとって兄とは、家族であっても異性として認識はしないのだ。極端な話、兄が部屋で全裸でいようとも彼女は容赦なく部屋に踏み入って来るだろう。
現に今も、上半身裸の兄に対して思春期真っ盛りの中学二年生である、桐澤梨王(きりさわりおう)は、頬を赤らめることも、『キャー、おにーちゃんのエッチ!』といって部屋の扉を閉めることなく、真顔で兄を見つめている。
「ほら、早く着替えちゃって! じゃないとトーストも目玉焼きも冷めちゃうよ? サラダは冷めてもおいしい……むしろ冷めた方がおいしいけど、トーストと目玉焼きはそうはいかないよ? 冷めたらあんまりおいしくないよ、オススメしないよ、レンジでチンしなきゃだよ?」
躊躇いなく部屋に踏み入り、兄の目の前まで接近してそう告げる。まるでマシンガンのように途切れることない妹の言葉を聞きながら、彼女の兄・桐澤夏樹(きりさわなつき)は深く溜息をついた。
「……分かった。分かったから、とりあえず部屋から出て行ってくれ。着替えるから」
なんで出なきゃいけないの、という風に首を傾げる梨王。
夏樹は彼女の心の質問を察したのか、あるいは兄妹だから言わなくても分かるのか、再び溜息をつきながら言う。
「お前は気にしないかもしれんが、俺達は家族である以前に男と女なんだよ。俺は、妹でも女子に裸を見られたら恥ずかしいし、お前だって俺に裸見られたら嫌だろ?」
「ううん、あたし別にいいよ? なんなら今ここで——!」
「それだけはやめろ! 俺の気持ちも分かってくれ!」
何の躊躇もなく、自分の制服のボタンに手を掛けようとする妹(りおう)を全力で阻止する兄(なつき)。
妹に憧れる男子ならば、夢のような性格の妹だろうが、実際にいたら大変どころじゃない。男に対して無防備すぎるのだ。
この前も学校から帰ったら制服のままソファーで眠っていた。それ自体は別にいいのだが、せめて着替えてほしかった。スカートの丈がそれなりの短さなので、危うく中の白い布(色は定かではないが)が見えてしまいそうになっていたのだ。他にも風呂上がりにタオル一枚巻いた姿で目の前をうろうろしたり、突然抱きついてきたり、密着してきたり、顔を近づけてきたりと、梨王のことを思うと、将来が心配でならない。
兄妹間の仲が悪いことに比べれば、仲が良いのはいいことなんだろうが、正直自分も年頃の男なので、もうちょっと距離を置いてほしい。
「じゃあ着替えたら早く下りて来てね! おにーちゃんのトーストにジャム塗って待ってるから!」
「マーガリンにしてくれ」
りょーかい、と楽しそうに返事をして妹という朝の台風が通り過ぎた。
夏樹は本日三度目の溜息をついて、着替えを続ける。
耳が隠れる程度の黒髪は、ところどころ跳ねており、寝癖だと思われがちだがこれはクセっ毛なので、櫛で梳いたところでどうにもならないのは確証済みだ。
三分の二程度しか開ききっていない瞳は、どこか気だるげな印象を与えており、時々不機嫌に思われることもある。背は高校一年生の男子の平均身長丁度で、体重も大体平均くらい。
成績も中の中といった、これといって得意な科目も苦手な科目もない。中学の頃は、ある少年とコンビでやんちゃしていたが、高校に上がると同時に喧嘩もきっぱりとやめて、今では中途半端に強い喧嘩だけが、彼の自慢となっている。それ以外はいたって普通の男子高校生だ。
「……朝のあれは、本当に夢だったのか……?」
着替えも終わり、身体が落ち着いてきたところで夢のことを思い出す。
今でも鮮明に思い出せる。目を閉じなくても光景が思い浮かぶほど、あの眩しいほどまでに炎で輝き、赤色で煌めいた空間は脳裏に強く焼き付いていた。
夢の割にはリアルだったなー、と感心してしまう。
今でもあの空間での温かさを覚えているし、彼女が自分の頬に触れた感触だって微かに残っている。光景だって鮮明に思い浮かべることが出来る。
あれが本当に夢だったのか——?
あるいはこれから自分に起こることの予兆——もしくは正夢というやつだろうか。
「……いや、ないな。何考えてんだ俺は」
自分で考えて馬鹿らしくなってくる。
あんな炎に包まれる状況があってたまるか。あれは正夢じゃない。きっと何かの手違いで見てしまった夢だ。ちょうどこの前立ち読みした漫画で、あるキャラクターが炎の能力に目覚めたところなのだ。それを思い出してしまったせいで、あんな夢を見たに違いない。
乾いた笑いを浮かべていると、再び部屋の扉が勢いよく開かれた。
「おにーちゃん、早く来てよー! ホントに全部冷めちゃうよー?」
「分かったって、今行くよ」
二度目の妹ハリケーンの暴走を阻止するべく、夏樹は梨王とともに一回のリビングへと下りて行った。
その道中に夏樹はふと思う。
——夢の少女は一体、俺に何を言っていたんだろうか、と——。
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