コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

こひこひて
日時: 2018/01/29 22:18
名前: いろはうた (ID: hYCoik1d)

恋ひ恋ひて

後も逢はむと

慰もる

心しなくは

生きてあらめやも


万葉集 巻十二 2904 作者未詳






あなたに恋い焦がれ、
またきっと会えると、
強く己を慰める気持ちなしでは、
私はどうして生きていられるだろうか。
そんなことはできない。







綺宮 紫青

綺宮家の若き当主。
金髪青紫の目の超美青年。
鬼の呪いで、どんな女性でも虜にする。
そのため、愛を知らない。
自分の思い通りにならない梢にいらだち
彼女を無理やり婚約者から引き離し、自分と婚約させる。
目的のためには手段を択ばない合理的な思考の持ち主。



水無瀬 梢

綺宮家分家筋にあたる水無瀬家、次期当主の少女。
特殊能力を買われて水無瀬家の養子となる。
婚約者である崇人と相思相愛だったが、
紫青によって無理やり引き離され、無理やり紫青と婚約させられる。
しっかりとした自我をもった少女。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



Re: こひこひて ( No.36 )
日時: 2018/07/22 19:42
名前: いろはうた (ID: hYCoik1d)
参照: https://mypage.syosetu.com/485123/

「……できたぞ。」

囁くような低い声と共に、梢の腕に触れていた指がすっと離れた。
完璧な処置が施されている己の腕を見た後、
梢は素早く袖を下ろした。
未婚の娘はそうそう他人に肌を見せてはならないからだ。

「ありがとう……ございます。」
「ふん……。」

紫青は梢の言葉に、ふいっと横を向いた。
沈黙がその場におちる。
梢は紫青のことを困惑を交えたまなざしで見つめた。
夜に殿方の部屋に長居をすることは非常識だと分かっている。
だが、彼には色々と聞きたいことがあった。

「……何故、私の居場所があれほど早くわかったのですか。」

紫青は横に向いていた顔を梢に向けた。
いや、正確には梢の手元に向けられていた。
その手には、崇人からもらったかんざしがあった。
梢もつられてかんざしに目をやった。
いつもと変わらない花飾りが可愛らしいかんざしだ。
それが、いつもとわずかに様子が違うことに気づいた。
花飾りの中央に小さな青紫の水晶玉がはまっているのだ。

「……かんざしにおれの霊力を結晶化させたものをはめこんだ。
 そこから、おまえの霊力を感知できたというわけだ。」

紫青の顔はどこかばつが悪そうだ。
梢はゆっくりと理解した。
紫青が数珠を池に投げ込んだ後、
なかなかかんざしのことを言い出さなかったのは、
術をかんざしに施していたからでもあるのだ。

「なるほど。
 ……では、あの術は?」
「術?」
「はい。
 あの炎の式術です。
 圧倒的な強さでした。
 ……それこそ、私のような護衛など必要ないほどに。」

護衛役である梢を幾人もの刺客から守り、刺客達を蹴散らした。
梢はわからなくなっていた。
今までは、紫青のことは頭の切れる男だとは思っていたが
まさかここまで戦闘に秀でているとは思わなかったのだ。

「おまえ……まさか護衛役を辞める、などとぬかすのではあるまいな。」

紫青の目が剣呑な色を帯びる。
何故急に、冷たい雰囲気が漂いだしたのかわからないが、
梢は首を横に振った。

「いいえ。
 辞めません。」
「……そうか。
 そうよな。
 おまえは、家のためにここに来た者だ。
 家のためには辞めたくとも、辞められぬだろう。」

嘲るような言い方だったが、どこか力がこもっていない。
梢には大きくて美しいこの男が、幼子のように見えた。
梢は、何といえばいいのかわからず、口を閉ざしてしていた。
やがて、紫青がぽつりと口を開いた。

「おまえの言うとおりだ。
 おれは己が身を守れる程度には式術に秀でている。
 だから、おまえを護衛役にと
 家の者に押し付けられたときはうんざりした。
 護衛など必要ない、と。
 だが少しして、気が変わった。」

梢は会って間もなかった時の紫青のことを想いだした。
たしかにあの時は、ひどく冷たく傲慢な人だと印象を受けた。

「おれの兄が帝だというのは知っているな。
 おれは、もと第三皇子だった。」

こくり、と梢は頷いた。
これは誰もが知っている有名なことだ。
現在の紫青は臣下となって、
陰陽道の道を究め、帝を支えている。

「だが、愚かな者共がおれに帝になれと唆す。
 自分たちが甘い汁を吸いたいだけだと目に見えている。
 だから、おれは必要以上の力は他人に見せぬようにしている。
 おれには帝の器はないのだと周囲に思わせるように。
 帝は、兄上だ。
 だから、護衛としてのお前を利用した。
 おれは、護衛に守られなければならないほど
 非力なのだと周囲の者に見せるために。」

梢はゆっくりとまばたきを繰り返した。
彼のことがよくわからないと思っていた。
寂しい人なのだと知った。
その不器用さも何度も垣間見た。
そのわかりにくい優しさに何度も触れた。
自分の力は隠しておきたかったはずなのに
梢を助けるために危険をおかしてまで式術を使って助けてくれた。
でも。

「帝は兄上だ。
 おれではない。
 おれは、兄上をお支えできればそれでいい。」

でも、この人を誰が守るのか。
鬼の呪いのせいで、皇族の血筋のせいで
この人は、ずっとずっと一人だ。

Re: こひこひて ( No.37 )
日時: 2018/07/25 21:44
名前: いろはうた (ID: hYCoik1d)
参照: https://mypage.syosetu.com/485123/

そこまで考えて梢は目を伏せた。
紫青がずっと一人であろうと、梢には関係のないことだ。
ぐっとかんざしを握り締めた。
紫青はちらりと梢を見やった。

「そういうおまえは、何だ。」
「何がでしょうか。」
「その手だ。」
「手、ですか……?」

梢は自分の手を見下ろした。
先ほどまで氷に覆われていたため冷え切っているが、
既に氷は完全に溶け切ってしまっている。

「おまえ自身が氷化しているわけではないと言ったな。」
「……?
 はい。」
「だが、少なからず、あれほどの冷気と氷にさらされていれば
 いくら冷えに慣れた人間でも限度があろう。
 おまえ、氷を長い時間を操ることはできないな?」

梢は押し黙った。
紫青の言う通りだった。
氷力の弱点を直接口に出され、梢は咄嗟に何も言えなかった。
無言を肯定と受け取ったらしい紫青はふっと息を吐いた。
その目は何かを考え込むように遠くを見つめている。

「おまえの氷の術、魔術でもなんでもない。
 非常に高等な式術の一種だな。」
「え……?」

物心ついたころから自分の氷力は天性のものだと思っていた梢は
驚いて目を丸くした。
そのようなこと、考えたこともなかった。

「一切の詠唱を行わず力を行使するゆえ、
 おれでもすぐには気づけなかったが、間違いないな。
 詠唱も紋様も術式も不要な程、高等な式術だ。
 これほどまでに高等な式術はおれでも使えない。」

梢は、先ほどの紫青の式術を思い出した。
紫青の足元に五芒星の術式が浮かんだり、
詠唱の末に術が発動していた。
紫青の反応から見るにあれが一般的な式術なのだろう。
いや、紫青は上位の式術を扱えると聞いたことがある。
となると、あれも相当簡略化された術式なのだろう。
それに比べても、梢の氷力が式術だとすると
さらに簡略化されたものとなる。
紫青の鋭い視線が梢をまっすぐに射貫いた。

「……おまえ、何者だ?」

梢はすぐには答えられない。
それは、梢自身も分らなかったからだ。
特殊能力を買われて今の家の養子に入ったことまでは覚えている。
それ以前の記憶が完全に抜け落ちている。
その時、己がひどく幼かったせいもある。

「わかり、ません。
 私には血のつながった家族がおらず、
 身寄りのない幼い私を今の家が拾ってくださいました。」

眉根を寄せて、吐き出すように言葉を紡ぐ梢を
紫青はじっと見ている。
まるで真偽を見定めているかのようだ。

Re: こひこひて ( No.38 )
日時: 2018/07/26 00:14
名前: いろはうた (ID: hYCoik1d)
参照: https://mypage.syosetu.com/485123/

梢は、唇をかみしめて視線を伏せた。
自分の出自をあまり深く考えたことはなかった。
平民の出自で、身寄りがなかったのだと
養父と養母に言われていたのを疑ったことがなかったからだ。
だが今思えば、この氷力は
平民の子供に突如現れるような能力だとは考え難かった。

「私は……今まで、己の出自について
 深く考えたことがありませんでした。」
「言われることを言われるがままに
 傀儡のごとく受け入れてきたということか。」
「……返す言葉がありません。
 私にとって、私の家、そして崇人様だけが
 私の世界、私のすべてでしたから……。」

ぴくり、と紫青の眉が動いた。
じりっと紫青が動いて少しだけ距離が詰まった。
気配でそれを感じた梢ははっとして視線を上げた。

「平城家の……崇人だったか。」

どうやら、歌会の時に一度しか会っていないのに、顔と名前、家柄を一致させてしまっているのはさすが大貴族というべきか。
だが、紫青の声には明らかに不機嫌な色が見え隠れしていた。
何故ここで機嫌が悪くなるのかわからず、困惑してしまう。

「許嫁、だとか言っていたな。
 家が決めた許嫁だろう。
 好いているのか?」

突然のことにぽかんとしていたが、
じわじわと意味を悟り、ぶわっと頬が熱を持つのが分かった。
その様子を紫青は目をすがめて見ているが
梢はそれに気づく余裕はなかった。
なんだかいてもたってもいられなくなって、
梢は床に手をついて立ち上がろうとした。

「夜も遅いので、しっ、失礼いたしま……。」

動揺のあまり声が裏返ってしまったが、
それを恥ずかしく思う間もなく、世界がぐるりと回った。
正確には、ぐいっと紫青に手首をつかまれ引き戻された挙句、
肩を強く押されたのだと悟った。
全身に衝撃に走るだろうと体を硬くしたが、
予想していたような衝撃はなく柔らかい何かに体を受け止められた。
布のような感触を背と頭に感じる。
そうだ、もう夜も更けてずいぶん経つ。
既に褥は引かれていたのだ。
さっと梢の顔色が変わった。
ばくばくと心臓が早鐘を打つ。
先ほど、紫青は手を出さないと言った。
だが、彼だって男性だ。
その保証はどこにもない。

「お、お放しください!!」

起き上がろうとしたが、肩をさらに強く押さえつけられた挙句、
紫青はのしかかるようにしてこちらの顔をのぞき込んできた。
梢は唇をかみしめて己の迂闊さを呪った。
こんなにも紫青が男なのだと強く意識したことはなかった。
心臓がますます早く脈打つ。

「質問に答えろ。」

先ほどよりもいっそう機嫌悪そうに青紫の目は細められている。
何故か目の前にある形の良い薄い唇に目が行ってしまい
あわてて視線をそらした。
すると、長い指が顎をとらえて、強引に前を向かせた。
言い逃れは許さない瞳だ。
梢は逡巡していたが、逃れられそうにない。

「おっ、お慕い申し上げております!!」

半ば自棄になった梢は、
真っ赤な顔をして涙目で叫ぶようにして言った。
それを至近距離で見聞きした紫青は、
驚いたように目を見開いて、固まった。
わずかに肩を押さえつける力が緩み、
梢は全力で拘束を振りほどいて、紫青から逃れた。

「しっ、失礼いたします!!」

梢は転がるようにして、紫青の部屋を後にした。
はしたなくも廊下を全力で駆けたが、彼は追ってこなかった。

Re: こひこひて ( No.39 )
日時: 2018/08/08 02:26
名前: いろはうた (ID: hYCoik1d)
参照: https://mypage.syosetu.com/485123/

朝日がまぶしい。
そう感じて、梢の意識は急激に浮上した。
昨夜、短時間に様々なことが起きて、
そのことを考えるあまりなかなか寝付けなかった。
しかし、いつのまにか眠ってしまっていたようだ。
慌てて起き上がると、梢は着替えるために小袖の帯に手をかけた。
しかし、そこでやけに屋敷が騒がしいことに気付いた。
せわしない足音にひそやかに交わされる会話が耳に届く。
いつもは静かな屋敷が、妙に慌ただしい雰囲気に包まれている。
梢は、急いで着替え終わると、
朝餉のために使用人が使う食堂に向かった。
廊下を歩いていると、早足で歩きまわる使用人たちと何度もすれ違った。
やはり、何かあったのだ。
いぶかしく思いながらも、くりやを覗いた。
そこには、いつも通り忙しそうに
朝餉あさげの支度をする下女たちの姿があった。
そのいつも通りの光景を見て少しほっとしてしまう。
しかし、胸騒ぎがしてならない。
梢は自分の分の汁物、煮びたしと麦飯を取ると、
狭い食堂にて手早く朝餉を済ませた。
食堂を出ると、その足でまっすぐ紫青の部屋へ向かう。
この時間だと、紫青はまだ
朝餉に箸を付けようとしている時間帯かもしれない。
昨日の今日で顔を合わせるのは若干気まずかったが、
いつもの傲岸不遜な紫青の顔を無性に見たくてたまらない。
あっという間に、紫青の部屋の前に着いてしまった。
いつもの護衛を始める時間にはまだ早い。
どう声をかけたものかと、襖の前で逡巡していると
誰だ、と襖の向こうから紫青の硬い声が聞こえた。
気配に聡い紫青は
襖の向こうに梢が立っていることにすぐに気づいたようだ。
いや、ここ最近の度重なる襲撃に、
警戒を怠るわけにはいかないのだろう。

「朝早くに申し訳ありません、梢にございます。」

そう言ってから、数泊のちに襖が開いた。
怪訝そうな顔の紫青が顔をのぞかせた。
いつもの紫青だ、と安堵したが、
その身を包む衣が黒一色であることにふと気づいた。
いつもの薄い色の水干とは随分と印象が変わる。

「どうかしたのか?」
「いえ、あの……」

どうかしたのか、と真正面から問われると
何と答えたらいいのかわからない。
少しうろたえたあと、
梢は歯切れ悪く言った。

「その……お顔を、見たくなっただけです。」
「……。」

紫青は何も言わない。
梢はいたたまれなくなって、身をわずかに縮ませた。
顔が見たくなったという理由だけで
主の部屋を訪れる護衛役などそういないだろう。
ちらりと紫青の顔を見上げると、
彼は不思議なものを見るかのように梢を見ていた。
視線が合うとスッと目を細められる。
その視線は、梢の目から梢の頭にあるかんざしのあたりを彷徨った後
ゆっくりとそらされた。

「……まぁ、いい。
 おまえも支度をしろ、梢。」

梢はまばたきを繰り返した。
昨日から、紫青は、梢のことを名前でも呼んでくれるようになった。
胸の内が温かくなるようなくすぐったくなるような
不思議な感覚に襲われる。
少しだけ紫青との心の距離が近くなったかのような錯覚を覚えた。

「はい。
 どちらに向かわれるのですか?」

紫青が朝早くから出かけることと、
屋敷が慌ただしいのは何か関係があるのかもしれない。
そう思って尋ねたのだが、紫青の顔が曇った。
初めて見る紫青の表情に胸騒ぎを覚える。

「……今帝の、兄上の葬儀だ。」

Re: こひこひて ( No.40 )
日時: 2018/08/08 15:02
名前: いろはうた (ID: hYCoik1d)
参照: https://mypage.syosetu.com/485123/

帝の葬儀は、雨の中ひそやかに執り行われた。
梢も紫青の護衛として末席に参列した。
そこでわかったのは、帝が亡くなったのは今日の早朝であること、
しかも病死などではなく暗殺されたのだということ、
陰陽道の第一人者である紫青の術を何重にも施した部屋に
幾人もの警備兵を倒して侵入できるほどの暗殺者であること、
そして、次の帝はおそらく元第二皇子であった左大臣の君が
なるのではないか、ということだった。
梢は、少し遠くにある紫青の背中を見つめた。
雨のそぼ降る中、供の者に傘をささせずに
雨に濡れたまま黙って火葬された帝の煙を見ている。
昨夜の紫青の話を聞く限り、
彼は兄である帝のことを敬愛しているようだった。
己の術で兄たる帝を守り切れなかったことを悔いているのかもしれない。
葬儀はやがて終わりを迎え、
一人、また一人と黒衣に身を包んだ人たちが帰っていく。
その中で、紫青は、ただ煙を見つめ続けている。
梢は、傘を持って紫青に近づいた。
そっと傘をさすと、緩慢な動作で紫青がこちらを見た。
朝よりもより憔悴した表情だった。
葬儀で、兄たる帝が亡くなったと実感してしまったのだろう。
その薄い唇が力なく何かを言おうとしたが、
なんの言葉も紡がないまま、閉じられてしまった。

「久しいな、紫青。」

朗々とよく響く男性の声が聞こえてきて、
梢はそちらを見やった。
見れば、一目で上等なものだと分かる喪服に身を包んだ
若い男が歩いてくるところだった。
紫青とよく似た色素の薄い顔立ちに、同じような長躯、
堂々とした立ち振る舞いに、梢は彼が元第二皇子の左大臣の君
であると悟り、その場で一礼した。
自分よりもはるかに身分の高い人を目前にしたため、
顔は伏せたまま傘を持つ。

「……お久しぶりです、兄上。」

紫青の声にはどこか力が入っていない。
そんな紫青に気付いているのか、
左大臣の君は、フン、と鼻で笑った。

「者どもが噂しているぞ。
 この国一番の術師である紫青が術を破れるとは
 どのような術の使い手なのか。
 ……あれほど高度な術は破れない。
 術者でなければ、とな。」

梢は目を見開いて傘の柄をぎゅっと握りしめた。
指先が冷える。
怒りで氷力が暴走しそうになったのをすんでの所でこらえた。
左大臣の君は、紫青が帝を殺したのだ、と暗に言っているのだ。
そんなはずはない。
帝を敬愛している紫青がそんなことするはずがない。
パキパキと硬質な音を立てて、傘の柄が薄い氷に覆われていく。
そちらこそ、帝の座が欲しくて帝を襲ったのではないのか、と
死に値する不敬な言葉が口から洩れそうになり、
ぎりりと奥歯を噛みしめた。
そんな梢の気配に気づいたのか、
紫青が一瞬こちらを見やったような気がした。

「……帝の御身をお守りすることはあれど、
 その身を害するようなことはありませぬ。
 失礼いたします。
 ……行くぞ、梢。」

一礼するとスタスタと紫青は歩き出した。
慌てて梢も一礼すると、傘を持って紫青を追いかけた。
左大臣の君は追いかけてこなかった。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。