ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ——電脳探偵部——
- 日時: 2010/01/19 18:57
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: 7MCr7M6.)
——電脳探偵部へようこそ……——
……はいっ! なんかねぇー暗い系で始まりましたけど、作者の性格は明るい方ですっどうも、こんにちは、空雲 海です! 宜しくお願いしますっ!
まず最初にご注意。
これを読むに当たって荒らしはやめて下さいね。
それでは、どうぞ電脳探偵部をお楽しみください。
たぶん目次(パート3)
反抗期(あるいはついに人間関係まで足を踏み入れた)
第一部 「電脳」なくてもいいんじゃね?って感じの依頼 >>1-5
第二部 デリート、実行(あるいは子供VS親)>>6-12
第三部 デリート、実行(あるいは前代未聞の連続デリート) >>13>>19>>27>>32-33
第四部 デリート、完了(あるいは負担のかかるデリートでした) >>36
あとがき >>37
秋といえば○○(あるいは文化祭でも部活動)
第一部
瓜杉グループとの最終決戦(あるいはもうこれで終わりっ!?)
第一部 事件は唐突に
番外編 空雷先輩と雨雲先輩が電脳探偵部に入ったワケ
第一部 現在から過去へ
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- Re: ——電脳探偵部—— ( No.32 )
- 日時: 2009/11/15 15:22
- 名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: u7zbXwTu)
「はぁ?」
五人全員の声が揃う。
「意味わかんないしっ! 何で急に出てきて私達の邪魔するのよっ! っていうか、あんた誰っ!」
一色さんの問いに雨雲先輩が答える。
「そうね。まずは自己紹介から。私は桜 雨雲。彼女は柳川 海晴。彼は楠 空雷。私達は朱音ちゃんと助けに来ました」
「助けに?」
「そうです。私が依頼したんです。この電脳——」
来瀬さんが禁断の言葉を言おうとした瞬間に、空雷先輩が口をすばやくふさぐ。
「……まぁ、彼女の言うとおり、依頼っていうか、まぁお願いされただけなんだけど」
雨雲先輩が来瀬さんの言葉をフォローする。
……。こういう時はコンビプレーを発揮する電脳探偵部。それがもっと持続していれば、私はあの重たい扉が軽く思えるのに……。
「はははは。気にしないで、話を続けましょうか、雨雲先輩」
私が最終フォローをする。
「ええ、そうね」
目では「海晴ちゃんナイス!」という目。
そりゃどうもありがとうございます。
「それで、あなた達がこの状況を助けるために、ここに来たと?」
「そうです」
一色さんの問いに声を揃えて言う。
「あらそう……。あなた達は大きな勘違いをされてるようですね……」
一色さんがゆっくりと口を動かして言った。
「はぁ?」
「来瀬さんは何とお願いしたの?」
「『助けて』と」
「バカじゃないの」
氷のように冷たい一言が来瀬さんを包み込む。
「あなたは全然わかってないから、生きる価値もないし、もしかしたら……」
ニヤッと笑い、
「自殺する価値も無いのかもしれないわね」
言った。
「それじゃぁ、あなたは生きる価値も無ければ、人に『自殺する価値もない』と言う価値もないわね」
「…………」
沈黙。
「……今誰が言ったの?」
「私よ」
雨雲先輩が堂々と言う。
「悪いけど、『あんた今なんつった?』から空雷が勝手に突入するところまで、見てたわ。それに朱音ちゃんはこんな言葉言ってたわよね……『そんなの決める権限だって誰にもない。自分もね』って。その通りよ」
「お前……!」
「今あんたが朱音ちゃんの事いっぱい決め付けてたけど、そんな権限誰だってない。あんたが……この教室を牛耳っているけれど、そんな事一体誰が決めたの
?」
「私が決めたんだっ!」
声を張り上げる。
「この教室は私に従っている。誰も文句を言わない。それでいいじゃないっ! 誰も文句を言わないということは、それに賛成しているという事でしょう?」
「それは自分の勘違いだな」
「なにっ!?」
空雷先輩が続ける。
「なぁーにが『誰も文句を言わない。だから従っている』だ。それは、自分の力でみんなを抑えてるだけじゃねぇーかっ! それはな、ただ『怖い』という恐怖心だけで従っているんだ。そんなの真じゃねぇーよ」
「みんなの目を一回よく見てみればいい」
雨雲先輩が目をみんなに走らせる。
そして、五人はみんなを見る。
「わかるでしょう? ……あなた達を怯えた目で見つめるみんなが」
「…………」
沈黙。
その時っ!
『アンタなんか生きる価値なんてないのよっ!』
『消えろっ!』
学校のスピーカーから一色さんと南野さんの声。
これは……!
- Re: ——電脳探偵部—— ( No.33 )
- 日時: 2009/11/15 15:37
- 名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: u7zbXwTu)
『さっさとあんたなんか氏ねばいいのにっ!』
『氏ねっ!』
この声はこの五人の声……。
「こんなことやる人物なんて、一人しかいないわよね……」
「ああ……」
「曇先輩!(だっ!、よっ!)」
私達の声が揃う(最後はバラバラ……)。
「何なのよっ! これっ!」
五人がパニックになってると、プチッと切れる。
『皆さん、この声は一年A組に所属する一色 青、南野 黄、緑葉 速美、水理 乃々、村空 咲。系五名の『いじめ』時の音声です』
うっひぁーっ! 曇先輩、はっきり「いじめ」って言っちゃったよっ!
『被害者は来瀬 朱音。この放送が信じられない方は今すぐに一年A組の教室に行って下さい。尚、この放送が物的証拠となるので、『いじめ』グループはそこに居てください。繰り返します……』
……完全に曇先輩だな。
「さぁーて。どうする? この声が瓜杉 曇だと教師達はすぐにわかるだろう。それで、すぐにここに駆けつけてくる。ここでは瓜杉グループの御曹司、曇の言う事ははっきり言って絶対的だ。逃げ場はねぇー」
「今放送した物的証拠がある限り、逃げられたとしても疑いは晴れない。もっと濃くするだけ。しかも、全校生徒に聞かれたんじゃ……もう終わりかな?」
雨雲先輩と空雷先輩が止めの言葉を言った。
「そ……そんな……」
一色さんの気の抜いた言葉で、五人全員が座り込んでしまった……。
- Re: ——電脳探偵部—— ( No.34 )
- 日時: 2009/11/15 16:16
- 名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: u7zbXwTu)
「今回のデリートは……無事終了しましたね」
曇先輩の言葉で私達はガッツポーズする。
「やったぁー!」
「疲れたぁー!」
「一段落ね」
今、私達は電脳探偵部の部室(あるいは使われなくなった備蓄倉庫)に居ます。
空雷先輩がガラクタ山の上であぐら座り。
雨雲先輩は机でタロットカード。
曇先輩はデスクでカチャカチャ。
私は何もすることが無いから、雨雲先輩の横。
今回は一つの依頼主から二つのバグをデリートするという過酷なデリートでしたが、まぁ無事終了ですっ!
「にしても、今回は頑張ったわ」
雨雲先輩が首を回しながら言う。
「しかもほとんど人権問題の社会系。まったく……手間かかせるぜ、来瀬は」
「そうですよねぇー」
私が空雷先輩と同調すると、
「誰が手間かかせたって?」
……背後に悪寒が。
私達はゆっくりと振り返ってみる。
そこには髪を逆立て、あの重たい扉をちょっと開け、外から覗いている幽霊が……。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
四人全員大絶叫。
「ちょっと! そんなに驚かないで下さいよっ!」
扉を開け、部室に入ってくるその人物は……。
「来瀬さんっ!」
私が言う。
「なんでこんな所にいるんですか?」
聞くと、
「この前のお礼。あの時は本当にありがとう。今は幸せな生活を送っています」
満面な笑みで答える来瀬さん。
その笑みと制服がとても綺麗。
前は、水をぶっ掛けられたりして汚かったから。
「こんな平凡で、何も起こらない生活って、こんなにも幸せで、とても大切なものだったんですね……。改めて感じました」
うん。私もそう思う。
本当は、こうやって電脳探偵部のみんなが居て、友達が居て、親が居て——。
それって、すっごく当たり前のような感じだけど、すっごく大切な事なんだって。
改めて思ったよ。来瀬さんはあの生活に慣れちゃったから、なんとも思わなかった。でも、それが実は駄目なんだ。そんな生活には絶対に慣れちゃ駄目。改善しようって思わなくちゃいけないんだ……。人間、絶対幸せは体感しなくてはならないもの。でも大丈夫。来瀬さんは体感した。これからもっと大切な事を体感する。来瀬さんは、ちょっと遅かっただけなんだ……。
「みなさんに、お礼がしたくて……」
来瀬さんが重たそうなカバンを下ろす。
そういえば、その中には何が入っているんだろう……。
「私、また新刊出したんです。書き下ろしです」
そう言って、出してきたのは——。
「うわぁー! 何これ!」
そこには、来瀬さんのペンネーム「花巻 朱音」で書いている本が。
「あなた本出したの?」
「はい! また『本を出してくれ』という依頼が来ましたので」
「すごいじゃないっ! 朱音ちゃんっ!」
雨雲先輩が来瀬さんの頭をなでる。
「へぇー! また『花巻 朱音』で本出したのかぁー!」
「もう有名小説家だねっ!」
私と空雷先輩が言った。
「ありがとうございますっ! これも皆さんのおかげですっ! これ、実は電脳探偵部をモデルにした物語なんです」
「えっ?」
私達の声が重なる。
「あなた達の姿が書きたかったんです。すっごくかっこよくて、いろんな人を助けて。だけど、名前は誰も知らなくて、誰がやっているのとかも一切知らない。すっごくかっこいいですっ! だから、無断でモデルにさして頂きました、悪かったですか?」
「いいえ。とんでもない」
曇先輩がデスクから突然言い出す。
「こういうようにモデルにさして頂くのは、ありがたいことです。ありがとうございます。花巻 朱音さん」
「本当ですかっ!?」
来瀬さんが目を大きく開けて聞いた。
「はいっ! 大歓迎ですっ!」
「大丈夫だぜ!」
「まぁ、名前とかは偽名使うならいいんじゃない?」
私達が言うと、まるで花を咲かせたように言う来瀬さん。
「ありがとうございますっ! それじゃぁ、どうぞ、差し上げます!」
「貰っていいのか?」
「はいっ!」
「やったぁー!」
私達の声が揃い、部室(あるいは使われなくなった備蓄倉庫)に響いた。
あとは、来瀬さんの満面の笑みと、曇先輩が迷惑そうな顔が残った……。
- Re: ——電脳探偵部—— ( No.35 )
- 日時: 2009/11/15 16:17
- 名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: u7zbXwTu)
行空けて無かったぁー!
- Re: ——電脳探偵部—— ( No.36 )
- 日時: 2009/11/15 16:18
- 名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: u7zbXwTu)
今回のデリートは……無事終了しましたね」
曇先輩の言葉で私達はガッツポーズする。
「やったぁー!」
「疲れたぁー!」
「一段落ね」
今、私達は電脳探偵部の部室(あるいは使われなくなった備蓄倉庫)に居ます。
空雷先輩がガラクタ山の上であぐら座り。
雨雲先輩は机でタロットカード。
曇先輩はデスクでカチャカチャ。
私は何もすることが無いから、雨雲先輩の横。
今回は一つの依頼主から二つのバグをデリートするという過酷なデリートでしたが、まぁ無事終了ですっ!
「にしても、今回は頑張ったわ」
雨雲先輩が首を回しながら言う。
「しかもほとんど人権問題の社会系。まったく……手間かかせるぜ、来瀬は」
「そうですよねぇー」
私が空雷先輩と同調すると、
「誰が手間かかせたって?」
……背後に悪寒が。
私達はゆっくりと振り返ってみる。
そこには髪を逆立て、あの重たい扉をちょっと開け、外から覗いている幽霊が……。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
四人全員大絶叫。
「ちょっと! そんなに驚かないで下さいよっ!」
扉を開け、部室に入ってくるその人物は……。
「来瀬さんっ!」
私が言う。
「なんでこんな所にいるんですか?」
聞くと、
「この前のお礼。あの時は本当にありがとう。今は幸せな生活を送っています」
満面な笑みで答える来瀬さん。
その笑みと制服がとても綺麗。
前は、水をぶっ掛けられたりして汚かったから。
「こんな平凡で、何も起こらない生活って、こんなにも幸せで、とても大切なものだったんですね……。改めて感じました」
うん。私もそう思う。
本当は、こうやって電脳探偵部のみんなが居て、友達が居て、親が居て——。
それって、すっごく当たり前のような感じだけど、すっごく大切な事なんだって。
改めて思ったよ。来瀬さんはあの生活に慣れちゃったから、なんとも思わなかった。でも、それが実は駄目なんだ。そんな生活には絶対に慣れちゃ駄目。改善しようって思わなくちゃいけないんだ……。人間、絶対幸せは体感しなくてはならないもの。でも大丈夫。来瀬さんは体感した。これからもっと大切な事を体感する。来瀬さんは、ちょっと遅かっただけなんだ……。
「みなさんに、お礼がしたくて……」
来瀬さんが重たそうなカバンを下ろす。
そういえば、その中には何が入っているんだろう……。
「私、また新刊出したんです。書き下ろしです」
そう言って、出してきたのは——。
「うわぁー! 何これ!」
そこには、来瀬さんのペンネーム「花巻 朱音」で書いている本が。
「あなた本出したの?」
「はい! また『本を出してくれ』という依頼が来ましたので」
「すごいじゃないっ! 朱音ちゃんっ!」
雨雲先輩が来瀬さんの頭をなでる。
「へぇー! また『花巻 朱音』で本出したのかぁー!」
「もう有名小説家だねっ!」
私と空雷先輩が言った。
「ありがとうございますっ! これも皆さんのおかげですっ! これ、実は電脳探偵部をモデルにした物語なんです」
「えっ?」
私達の声が重なる。
「あなた達の姿が書きたかったんです。すっごくかっこよくて、いろんな人を助けて。だけど、名前は誰も知らなくて、誰がやっているのとかも一切知らない。すっごくかっこいいですっ! だから、無断でモデルにさして頂きました、悪かったですか?」
「いいえ。とんでもない」
曇先輩がデスクから突然言い出す。
「こういうようにモデルにさして頂くのは、ありがたいことです。ありがとうございます。花巻 朱音さん」
「本当ですかっ!?」
来瀬さんが目を大きく開けて聞いた。
「はいっ! 大歓迎ですっ!」
「大丈夫だぜ!」
「まぁ、名前とかは偽名使うならいいんじゃない?」
私達が言うと、まるで花を咲かせたように言う来瀬さん。
「ありがとうございますっ! それじゃぁ、どうぞ、差し上げます!」
「貰っていいのか?」
「はいっ!」
「やったぁー!」
私達の声が揃い、部室(あるいは使われなくなった備蓄倉庫)に響いた。
あとは、来瀬さんの満面の笑みと、曇先輩が迷惑そうな顔が残った……。
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