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——電脳探偵部—— 
日時: 2010/01/19 18:57
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: 7MCr7M6.)

——電脳探偵部へようこそ……——
……はいっ! なんかねぇー暗い系で始まりましたけど、作者の性格は明るい方ですっどうも、こんにちは、空雲 海です! 宜しくお願いしますっ!

まず最初にご注意。
これを読むに当たって荒らしはやめて下さいね。
それでは、どうぞ電脳探偵部をお楽しみください。


たぶん目次(パート3)

反抗期(あるいはついに人間関係まで足を踏み入れた)
第一部 「電脳」なくてもいいんじゃね?って感じの依頼 >>1-5
第二部 デリート、実行(あるいは子供VS親)>>6-12
第三部 デリート、実行(あるいは前代未聞の連続デリート) >>13>>19>>27>>32-33
第四部 デリート、完了(あるいは負担のかかるデリートでした) >>36
あとがき >>37

秋といえば○○(あるいは文化祭でも部活動)
第一部 

瓜杉グループとの最終決戦(あるいはもうこれで終わりっ!?)
第一部 事件は唐突に

番外編 空雷先輩と雨雲先輩が電脳探偵部に入ったワケ
第一部 現在から過去へ

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Re: ——電脳探偵部——  ( No.92 )
日時: 2010/01/27 16:59
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: SLKx/CAW)

「それじゃぁ、まずは事情聴取をする」
大男の雲珠木が今度は口を開いた。
「俺はやってねぇーぞ」
「空雷」
雨雲が空雷をたしなめる。
「お前達は、この店音○にCDを買いに来た。それは監視カメラでわかってる。そして、お前だ」
雲珠木が空雷を指さしながら言った。

「お前が、このカバンに入っていた一枚のCDを買った。それはうちの店員が覚えている。で、問題はここからだ」
息を大きく吸い込み、しずんだように小さい声で話す。
雲珠木が前のめりになる。
「お前達が、やったんだろ?」
「やってません(ない)っ!」

「はいはいはいはいはぁーいっ!」
睦月が手で両方にストップを掛ける。
「三人ともそんなに興奮しないで下さいよ」
睦月がおだやかな声で三人をなだめる。
「俺達はやってない。監視カメラだって不審な行動映してねぇーだろ」
「だったら、なんで万引き防犯システムが作動したんだ」

「それは……」
……沈黙。
「はぁ。また振り出しじゃないですか。一回整理してみましょ。それに雲珠木」
雲珠木の体がビクッと震える。
「お客様に対して言葉使いがおかしいでしょうが。前々から直しなさいつってんでしょ?」
「わかったよ」
「ごめんなさいね。うちの雲珠木が」

そして、睦月が輝くような営業スマイルを見せる。
「それじゃぁ……」
睦月が棚から空雷と雨雲のカバンを置く。
黒い会社員がよく使うような横長のうすいカバン。
雨雲のカバンは詰まっているのに対し、空雷のカバンはまるで風船をしぼませたように重みがない。
真ん中にある交渉が光に当てられ光る。
「君達のカバンはもう返すね。CDを押収しただけだから」

雨雲と空雷はカバンに手を伸ばす。
「それじゃぁ、本題に入るけど——」
睦月が二枚のCDを取り出す。その二枚のCDは万引きした品物だった。
「確かに君達の言うとおり、監視カメラに不審な行動なんてない。だけど、万引き防犯システムが鳴って調べたらカバンの中に未購入のCDが出てきた。それも君達一人ずつのカバンの中にCDが一枚ずつ。はっきり言ってこれは決定的な証拠だし、最近できたばかりの音○だ。機械に不都合はないだろう」

そして、私達の瞳を交互に覗き込む。
「君達がどんなに言い張ってもこんなに決定的な証拠があるんだ。観念しなさい。僕達だって素直に言わせて警察に引き渡した方がいいんだよ」
睦月が静かに言うと、雨雲が言いだす。
「観念もなにも、私達は何もやってないんです。大体私達は初めてここに来てやると思いますか?」

雨雲の問いに雲珠木がしかめっ面で答えた。
「そうは言っても、男の方は双高の三本の指に入る不良じゃないか。そんな男が連れている女もどうかと思うが——」
「雨雲はかんけーねぇーだろ」
「空雷」
ああ雲が空雷をたしなめる。

Re: ——電脳探偵部——  ( No.93 )
日時: 2010/01/27 17:04
名前: 朝倉疾風 (ID: ikrpTGuK)

万引きしてねぇのに「しただろ!」って言われたら
腹立つわー((怒

Re: ——電脳探偵部——  ( No.94 )
日時: 2010/01/27 17:26
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: SLKx/CAW)

だよねぇーっ! 今まさに空雷と雨雲がそう。

Re: ——電脳探偵部——  ( No.95 )
日時: 2010/01/27 18:51
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: SLKx/CAW)

その時、睦月が真剣な目で二人の瞳を覗き込む。
「本当にやってないんですか?」
睦月の瞳に映っているのは、雨雲と空雷。
黒いビー玉のような丸い瞳は、すべてを見通せてしまうようなだった。
そんな瞳を力強く見つめ返す二人。

「はい、やってません」
雨雲が答えた。
……数秒の沈黙の後、睦月が気を緩める。
「わかりました。雲珠木、この件はなかった事にしましょう」
いきなり訳のわからない事を言い出す睦月に、驚く雲珠木。

「おい、どういう言う事だよ睦月」
「彼達の眼は嘘を言っていない目だよ。それに、こんなやってないって言ってるし、いくらカバンの中に入ったって当たった拍子に入ってしまったのかもしれない。はっきり言うと、このCDがあった場所は、監視カメラが見えない死角にあったんだ。つまり、二人の犯行の証拠は、はっきり言ってあいまいなんだ。まぁ、その盲点をついてやったのかも知れないけど、こんなに言っているんだ、もういいんじゃないか?」

睦月の言葉を聞いた雲珠木は困った顔をする。
「睦月……」
「まぁ、いいじゃないか、雲珠木。店長は僕から言っておくから」
睦月はおだやかな眼で二人を見る。
「さぁ、君達も速く帰りなさい。家族が心配してるでしょう」
二人は顔がみるみる輝き、お礼を言ってそのまま店を出て行った……。



雨雲が飛ばす自転車が校門に入る。
ただいまAM8:15。
雨雲が自転車駐輪場に自転車を止めると、カバンの持ち手にぶら下げている腕時計に目を走らせる。
そして、満足そうにうなずくと、速足で生徒が歩く集団にとけこんでいった。

その時、
「よう、雨雲」
聞き慣れた声が雨雲の背中に語りかける。
雨雲が振り向くと、そこには空雷が居た。
「早いのね、今日は。いつもは真昼間に校門を抜けるのに。窓から見てるわよ」
「たまにはな」
二人は並んで歩いて行く。
「そういやー、あの瓜杉 曇とか言う一年ボーズ、どうした?」

カバンを持ちながら頭で手を組んだ空雷が言った。
「「あれ以来、何も言って来ないわねー。もうあっちだって諦めたんじゃない?」
「そうだといいけどよー」
話している間も歩を進めている二人。
廊下には様々な生徒達が行きかい、階段では生徒の話し声が響いている。
二人が丁度階段に差し掛かろうとした時、時間が止まったように静かになった。

二人には訳がわからない。
静かになった事も、そしてなぜみんなの視線は二人の一点に集中しているのか、その瞳に映っているのは、まるで不良集団を見るような——。ホームレスを見るような——。
恐怖と憎悪が入り混じったような目で二人を見ている。

「……行こう」
空雷が雨雲の背中を勇気づけるように、軽く叩いた。
「……うん」
雨雲が空雷の後を追う。
二人が通ると、生徒達はすばやく壁際に寄る。
怪訝そうな目で皆を見る雨雲。
それは教室に着くまで続いた。

Re: ——電脳探偵部——  ( No.96 )
日時: 2010/01/28 18:44
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: SLKx/CAW)

安芸


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