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Crimson Soldier 【完結】
日時: 2010/04/29 18:59
名前: 嵐猫 (ID: kix7MxaA)

こんにちは、嵐猫です。らんまお、と読みます。
なぜか消えてしまったので、たてなおしました!!

Crimson Soldier=深紅の戦士、という意味です。
ちょっとグロあると思います。

では、どうぞ。

お客さま
・朝倉疾風様
・nanasi様

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Re: Crimson Soldier ( No.129 )
日時: 2010/04/28 20:25
名前: ユエ (ID: xjLOmoBs)

◆Episode46

「       ッ」

大きな蒼い剣を振り回し、誰かを殺そうとする。
必死にそれを避ける、ウィンと雪、紅音と闇夜。

そこで、雪が癒しのパワーを使おうと、光を集めた。
だが、闇夜が無理やり止める。

「なッ、何を……」

「ヴィアの狂いは、ヴィアの血はッ。
 そんなのじゃ止められないの───!!」

「じゃ、どうやったら止まるんですか!」

ウィンが遠くから叫ぶ。
雪は一生懸命、自分で自分の傷を治そうとする。
すると、それを見た狂った勇者は笑い、

「神風・蒼風銀刃!!」

叫び、大きな蒼い剣を振り回す!
これは魅叉の必殺技の一つだ。 神風・蒼風銀刃。

剣を振り回した時に、大きな風を生み出す。
その風は刃のよう。 全身に刺さり、死ぬ。

そんな、すっごくすーっごく危ない技。

「「「うッぎゃあああああああああああ!!!」」」

四人は逃げ出す! 全力疾走だ!!
だが風はやって来る。

ぐさぐさ。
ぶすぶす。
ぶすりぶすり。

「右脚ィイイ!」←赤魔導師ちゃん
「左腕ェエエ!」←他国の勇者くん

「ひいいいっ、右手ェエ!」←白魔導師ちゃん
「いッつつつ、左肩アア!」←黒魔導師ちゃん

四人は刺さった場所を押さえながら、逃げる。
チッと魅叉は舌打をする。

「……っだアアア!」

魅叉は思い切り地面を蹴り、雪に迫る。
一瞬で雪の目の前にやってきて───、

笑う。


「死ぬっ」

雪は短く叫び、杖を伸ばす。 
キイン、と剣と杖がぶつかり合う音。
力は勇者である魅叉の方がある。

ぐぐぐ、と力で押し合う。

その瞬間に、

「神の怒り!」

闇夜が杖先を魅叉に向け、叫ぶ!
バチッと音がすると、それは電流となり魅叉の元へ。

「ッ」

電撃は魅叉に直撃、のはずだったが。

バキイイン!!

蒼い剣で跳ね返す。

「なッ、なななな!!」

闇夜はまさかの展開に驚く。
やっぱり狂うと、戦闘に全てが行くのか。

「闇のなかの闇! 漆黒の漆黒!
 終わりを示す漆黒よ、現れよ!」

紅音が円を描き、召喚をする。

「終焉の漆黒!」


ぶわっ、と紅音のまわりから影のようなものが現れる。
それは魅叉に向かっていく。

ギロ、と魅叉は影を睨みつける。
再び剣で跳ね返そうとする。

が。

魅叉は影に包まれてしまったのだ。

「これからどうするか、だよね問題は」

Re: Crimson Soldier ( No.130 )
日時: 2010/04/29 18:08
名前: ユエ (ID: kix7MxaA)

参照が333!
ぞろ目だー^^

Re: Crimson Soldier ( No.131 )
日時: 2010/04/29 18:42
名前: ユエ (ID: kix7MxaA)

◆Episode47

「閉じ込めたはいいけど……」

四人は考えた。 どうしたら普通になるのか、と。
そもそも、狂った人が正常になる、という話を聞いたことがない。
これはヴィアの血だから、どうしようもできない。

「どうす────」

る?
と、雪が言いかけた瞬間、

「神風・蒼風銀刃ッ!!」

影の中から、魅叉の必殺技が出される。
それと共に、影から抜け出す魅叉。

「くっ……!」

四人はギリギリ、それを避ける。
狂ってしまうと厄介だ!

四人はそれぞれ、武器を構えた。
その瞬間、

「随分今日は、城が騒がしいものじゃ」

コツコツ、と誰かがやって来る足音がする。
若い男の声だが、喋り方は老人のよう。

そして、姿を現す。

ブラックホールのような漆黒のローブ。
黒のクリスタル性の黒魔導師の杖。
紫色の獣のように光る瞳。 漆黒の髪。

「この城の主、この帝国の父。
 ヴィア帝国第十代目皇帝、ユーリ・ヴィア、じゃ」

大黒魔導師であり、ヴィア帝国皇帝ユーリ・ヴィア。
きっと何かの術で、見た目を若くしているのだろう。

皇帝は───、
『ああ、儀式だよ。 今、ユーリは儀式の最中で忙しいんだ』

そう言った女帝、ティーニアの声が響く。
ヴィア帝国全員を狂わせる儀式……!

「ぎっ、儀式は……!」

思わず、ウィンが叫んでしまう。
すると見た目は若い皇帝は爽やかに笑い、

「あと少しで、帝国全土に広まるじゃろ。
 ───あと少し」

不気味なほど低い声で言う。
そして、

「ほれ、そこの女勇者がその印じゃ。
 お前たちもそのうち狂い出す───!」

四人はゾウッとした。
自分たちも狂いだす。 儀式は終わった。 あと少し。

今、戦闘中のミリア帝国女帝も、ヴィア帝国女帝も。
錬金術師のジャンヌも、夜冬も、癒慧も……。

皆、みんな、狂い出す───!!

「うッ……。 嘘だああああッ……!」

闇夜が叫び、杖先を皇帝に向ける。
パチパチと電流が音をたてる。

「闇夜の言うとおり、あんたは嘘をついたんだッ」

紅音も召喚の準備をする。
そして、雪とウィンも武器を皇帝に向ける。

その後ろでは、魅叉が呆然と立っていた。
じいっと、皇帝を見つめて。

「嘘じゃない。 これはホントウでありゲンジツである」

皇帝の周りに、黒い円が現れる。

「狂うのが嫌なら、死んでも良い。
 その死体、国民にくれてやろう」

言い終わった瞬間、四人は飛び出した!

「神の怒り、天の怒り、全!」

闇夜の杖先から、とても強い電流が放たれる。

「神を切り裂き、全をも切り裂く!!」

ウィンがすごいスピードで、剣を向けて走る。

「究極召喚! 闇の対となれ、影を消し去る!」

紅音が白銀の剣を振り回し、召喚をする。
円から、聖なる光が召喚される。

「影は癒され、白銀へと戻ります───!」

雪が杖先を向けると、白銀の優しい光が放たれた。

四人の攻撃は、皇帝へと迫る。

「なッ」

皇帝はニッと笑い、四人を殺す呪文を唱える。
だが、

「むがッ」

誰かに口を塞がれ、呪文を唱えられない。
……誰が私の口を塞いでいるのじゃっ?!

振り替えろうとしても、体を誰かに固定され動けない。
そして───、

「あがっがッ??!! ぎゃあああああああああああああああああッ」

まともに四人の攻撃を食らい、倒れてしまった。


「ザマーミロっての」

闇夜は手を払いながら言う。

「ていうかさあ、呪文唱えようとしたけど……」

「誰だれー? 皇帝の口塞いだ人」

すると、

「結構頑張った、と、思わない?」

皇帝の体の下から、一人の少女が顔を出す。

「みみみみ、魅叉?!」

魅叉はニッと笑う。
そして、ピース。 イェイ。

「狂ってたんじゃ?!」

「何か突然吹っ切れてね、気づいたら元に戻ってた」

「何じゃそりゃああっ」

紅音、雪、闇夜は魅叉に駆け寄った。
このやろー、と言いながら。

そしてウィンは、走り出す。
自分の女帝のもとへと。

Re: Crimson Soldier ( No.132 )
日時: 2010/04/29 18:55
名前: ユエ (ID: kix7MxaA)

◆Episode48

「エル様あああ!」

ウィンはエルの場所へと走った。
息を切らし、何とか到着する。

そこには、傷だらけのエルと、倒れているティーニアがいた。

「エル様!」

「へっへー、勝利しちゃったよん☆」

ブイブイ、とピースするエル。
まるで小さな子供みたいだ。 女帝なのに。

「無事、で、良かったです……」 「ん」

それからティーニアが目を覚ますことはなかった。
勿論、ユーリも。

◇   ◇   ◇

それから一ヶ月。
ヴィア帝国を統治する者がいなくなった帝国は静かだった。

狂う者も、何故か前に比べるとすごく減った。

今は、他国の者も自由に出入りしている。
まあまあ平和な国になったわけだ。

「永遠にさよーなら、っと」

女帝と皇帝の墓の前で、勇者である魅叉は笑った。
その後ろには、闇夜と雪、紅音。

いつもの仲間。

「で、どうするわけ?」

闇夜が言った。

「え?」

「脱出する、とか言って。 まあまあ平和なヴィアから、脱出するの?」

雪が笑う。
魅叉も少し笑ってから、

「脱出じゃなくてさ、旅に出ようよ」

蒼い剣をタイヨウに翳しながら、楽しそうな声で言う。

「じゃ、どこ行く?」

ヴィア帝国で、四人の少女たちの笑い声が響く。
もう血は流れない。 平和になっていく。



◇   ◇   ◇


ヴィア帝国歴史。

そう書かれた本を、一人の幼い少女は手にとる。
適当にページをめくり、止める。

「魅叉? 闇夜……雪? 紅音?」

誰だろう。
少女、エバは四人の少女の名前を声に出す。

よく見ると……百年前のことだ。
へえ、百年前にこの人たちが何かしたのね。 ふーん。

そのページの下には、こう書いてあった。


【血を嫌い、人を殺さなかった戦士たち。
 だが人々はこう呼んだ】

Crimson Soldier
深紅の戦士、と。






終わり

Re: Crimson Soldier ( No.133 )
日時: 2010/04/29 18:59
名前: ユエ (ID: kix7MxaA)

あとがき。

こんにちはー^^
作者のユエです。

ついに終わりました。 Crimson Soldier!

すごく長かったですね。
こんな長いの初めて……のはずです。汗

読んで下さった皆さん!
コメントくれた皆さん!

本当にありがとうございました!!!
感謝です、マジで感謝です!!!!

そして、
魅叉、闇夜、雪!

ありがとー(*^^*)
この三人はスペシャルサンクス☆です。

この三人は、私の友達をモデルとしたんです。
紅音は私。笑


と、いうことで!

本当にありがとうございました!!


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