ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 未来が俺たちにくれた物
- 日時: 2011/12/14 22:58
- 名前: ケンチン (ID: r1bsVuJn)
どうも、ケンチンです。
前作で知っている人もいるかと思います。
今回は「未来が俺たちにくれた物」という題名で作っていきたいと思います。題名に特に意味はないんですがね。
よかったら1作目のDifferent Worldsも見てくれるとうれしいです。
といっても、まだ完結してないんですがね。執筆中ですが、ほぼ終わりに近づいています。no=16760だったかな。
さて、本作では3つの架空の国が登場します。
アリビオ
マタン
クルトゥス
スペイン語、フランス語、ラテン語からとりました。
メインはアリビオという国で、この中で主人公や他の登場人物があれこれやります。
位置は南ヨーロッパ、ギリシャあたりだと思ってください。
それではよろしくお願いします。
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- Re: 未来が俺たちにくれた物 ( No.82 )
- 日時: 2013/02/15 23:25
- 名前: ケンチン (ID: lcGOSbxj)
ピノさん、ありがとうございます。
最近、忙しくてあまり更新できていない現状ですが、
ぜひ、最後までよろしくお願いします。
- Re: 未来が俺たちにくれた物 ( No.83 )
- 日時: 2013/02/23 14:40
- 名前: ピノ (ID: NweUlujJ)
撃たれた…!( ;´Д`)
どうなるんだ…
遅くなっても続き待ってます。
- 第56話:虚しさ ( No.84 )
- 日時: 2013/03/06 01:00
- 名前: ケンチン (ID: lcGOSbxj)
一人の敵兵が俺に銃口を向け、さらに複数で俺を取り囲む。
すぐに両手を後ろで縛られ、動けなくされた。
俺は必死に抵抗するが
「おとなしくしろ!」
足で押さえつけられる。
「さんざん俺たちを振り回しやがって!」
敵兵の一人が執拗に蹴りこんでくる。
さらにほかの奴らも腹や脇腹に蹴りを入れてくる。
俺は体を丸め、ただそれに耐えた。
しばらくすると、全員が一斉に蹴るのをやめた。
「大尉!」
みな姿勢を正す。
後ろから階級章をつけた人物が現れた。
おそらくこいつがリーダーだろう。
「大尉、目標を捉えました。ほかの仲間のやつらはまだ
見つかっていません。引き続き捜索を———」
「もういい」
「・・・は?今なんと?」
大尉は俺の前にかがんでナイフを取り出し
「大尉!何をしてるんですか!?」
俺の両手を拘束しているワイヤーを切った。
「いいか、よく聞け。この作戦は現時点をもって中止だ。
引き返すぞ」
「中止って、なぜです!?」
「詳しいことはあとで話す。上からの指示だ。
そいつにはもう価値はない。とにかく帰るぞ」
「そんな!ならせめてこいつを」
そういって敵の一人が銃を俺に向け、引き金を引こうとした
「もう終わりだって言ってるだろ!」
それを大尉が抑える。
「ジャクソン、命令が聞けんのか?」
「はっ!申し訳ございません!」
「全員撤収だ。お前ら先にいけ」
大尉以外は来た道を戻っていく。
そして二人きりとなった。
俺は撃たれた腕を抑えながら立ち上がり
「なぜ俺を助けた・・・」
彼に問いかける。
「助けたわけではない。作戦の中止は本当だ。
上層部が決めた。我々にとってお前はもう価値がない」
中止?じゃあ俺はもう追われることはないってことか?
しかしなぜ・・・
「なぜかは教えられん。だがお前はもう自由だ。さあいけ」
「本当に、いいのか?」
「ああ」
こんな突然と終わっていいのか?なぜ?どうして?
疑問だらけで腑に落ちなかったが、俺はディアナのことを思いだし、
早く彼女と合流しようと、彼に背を向け歩き出す。そのとき
「なあ」
大尉に声をかけられ、立ち止まって振り返る。
「悪かったな。こんな戦争に巻き込んで、めちゃくちゃにして。すまん」
彼はそう言い、軽く頭をさげた。
だがその言葉に俺は、心の奥底から怒りがこみ上げた。
それを抑えられず俺は
「何が悪かったなだ!!そんな言葉で許されると思ってんのか!!!」
俺は彼に詰め寄り胸ぐらを掴んだ。完全に怒りに任せていた。
腕の痛みも忘れるぐらいに。
「どれだけの人が死んだと思ってる!!!ララやウィット、みんな死んだ!!
それを悪かったな一言で済むと思ってるのか!!?」
彼は抵抗せずに、されるがままだった。俺は拳を握り、彼を殴ろうとした。
だが、
「殴らないのか?」
できなかった。いやちがう、殴っても意味がないと思ったのだ。
もう過ぎたこと。彼が謝っても、俺がこいつを殴っても、
何も変わらない。みんな戻ってくるわけでもない。
そう考えたとたん、急に虚しさがこみ上げ、力がでなくなった。
俺は彼を離す。
「もういい・・・」
そう言い残し、俺は先を急いだ。
「つ・・いた・・」
傷口からは出血しており、意識が朦朧とする。
せめて止血してから来ればよかった。
だが、なんとかマタンの国境までたどり着いた。
高圧電流が流れた高い柵があり、監視塔から国境警備隊がこちらを見下ろしている。
そして、「Border No Entry」と書かれた看板の前に一人の女性が立っていた。
その女性はこちらに向かって走り、
「シュタール!!」
ディアナと抱き合った。
「よかった!生きてたのね!」
「絶対に・・行くって・・・言ったろ」
俺は必死に笑おうとした。心配するなと。そう伝えたかったが
「どうしたのこの傷!?」
彼女は被弾した腕に気づいたようだ。
「まって、今押さえるから」
ディアナが布で傷口を押さえる。
「とにかく治療が必要よ」
俺の肩を支えて、一緒に国境まで歩こうとした。
しかし
「シュタール!?」
力が抜け、足から崩れ落ちた。
地面に俯けに倒れる。
「ねえ、ちょっとどうしたの!?大丈夫!?」
ディアナが必死に呼びかけているが、その声もだんだん聞こえなくなる。
答えようとするが声が出ず、俺はそのまま意識を失った。
- 最終話 ( No.85 )
- 日時: 2013/03/15 01:03
- 名前: ケンチン (ID: lcGOSbxj)
俺はベッドに寝かされていた。
白を基調とした部屋は、ひと目で病室だとわかった。
目を覚まして、体を起こそうとしたが、
右腕に痛みを感じたため、諦めてそのまま横になった。
「おはよう、シュタール」
声がした方に目を向ける。
ディアナがすぐそばに座っていた。
「やっと目を覚ましたのね」
「そっか、俺・・・倒れたんだっけ」
国境手前で彼女と合流できたものの、俺はそのまま気を失ったんだ。
「どのぐらい寝てたんだ?」
「まる三日よ。よほど疲れてたのね」
彼女は微笑んで、俺の手を握る
「そういえば、渡したメモリーカード!あれはどうしたんだ?」
俺は思い出して彼女に問いかける
「マタンのアメリカ大使館にメモリーカードを渡そうとしたの。
だけど、その必要はなかったみたい」
「え、必要ないって、どういうことだ?」
「直接、彼に聞いてみるといいわ」
そういってディアナが後ろを振り返る。
すると一人の男性が姿を現した。
「デュラント!!」
紛れもないデュラントの姿がそこあった。
ウィットが殺されたあと、クルトゥス軍の襲撃を受けて
デュラントと別れたんだ。データのコピーをもらって。
「よう、久しぶりだな」
彼は生きていた。
俺たちが国境に到達する前にデュラントも脱出に成功していた。
クルトゥス軍の最初の襲撃をうけたとき、ショーンが足を負傷、
ダニエルとミーナが車のかげに隠れて身動きがとれずにいた。
そして俺はララとディアナを連れてデュラントと別れた。
そのあと、車から出ようとした二人は、銃弾を撃ち込まれて死亡。
ショーンを連れてダニエルがその場を逃げ切ったが、後日ショーンは
出血性ショックで死亡した。
一人になってしまったデュラントは、敵が持っていた識別マーカーを
強奪することに成功。そのままマタンまで逃げ切ったという。
その後、彼は録音したデータなどをアメリカ大使館やマタンに避難していた
アリビオ政府の関係者に公開した。
「そうか、だからあの時俺を逃がしてくれたのか」
飛行機が墜落して、走って国境まで逃げていたとき、
途中で俺は捕まったが、結局逃がしてくれた。
あの時、こういっていた。
”作戦は中止。もうお前に価値はない”と。
デュラントが脱出し、情報が漏れた今では、俺を捕まえても
意味がない。そういうことだったのだろう。
「アメリカはクルトゥス軍に即時撤退、およびUCSの停止を呼びかけているが、
クルトゥス側は動こうとしない」
「なんてやつらだ・・・」
「逆にクルトゥスはアリビオ開放の条件として、経済制裁の無期限解除、
および核保有を国連が正式に認めるように要求している」
「そんな!じゃあアリビオは」
「当分、もどれそうにないな」
とても受け入れられる条件ではない。
そうなると、実力行使。つまり、アリビオでクルトゥス軍と全面戦争だ。
ここまでくると、クルトゥス側も引けない。
「私たちの故郷が、また火の海になるのね・・・」
ディアナの握る手に力が入る。
俺は彼女の頭をそっと撫でた。
「いつか帰れるさ。いつかきっと・・・」
翌年、2021年1月。クルトゥス側との話し合いが行われたが、
どちらも譲らず平行線をたどり、4月になっても話し合いは決着がつかなかった。
その後、国際連合憲章第7章に基づき、アメリカを主導とした多国籍軍の編成が開始される。
5月、最終通告をクルトゥス側が否定。それと同時に連合軍が巡航ミサイルによる
ピンポイント攻撃を開始。UCSを管理しているW&CSや補給用UCS”エクステンダー”を潰していく。
6月、司令塔と補給を絶たれたUCSは次第に弱体化。驚異が薄れたのをきに、連合軍がアリビオに上陸する。
10月、4ヶ月間の激しい戦闘の末、連合軍がアリビオを占拠。
11月にはクルトゥスは無条件で降伏。全面撤退した。
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どうも、ケンチンです。
この小説も投稿してから1年になりますが、
第57話をもって終了となります。
かなり中途半端な終わり方かもしれませんが、ここまで付き合ってくれた皆様、
感想をくれた皆様、ありがとうございました。
今後、また新たに投稿していきたいと思いますので、
その時はまたよろしくお願いします。
- Re: 未来が俺たちにくれた物 ( No.86 )
- 日時: 2013/03/18 23:41
- 名前: ピノ (ID: NweUlujJ)
ケンチンさんお疲れ様でした。
小説が読みやすく、最後までわかりやすかったです。
素敵な作品をありがとうございました‼
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