二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 290章 破砕 ( No.334 )
- 日時: 2011/11/01 22:29
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
すっかり忘れ去られていそうだが、未だにフォレスとミキのバトルは続いていた。
「出て来て、ハンタマ!」
ミキが繰り出すのは、半霊ポケモンのハンタマ。
ハンタマはまっすぐに、アルデッパを見据える。
「行くよハンタマ。氷柱パンチ!」
ハンタマは拳に冷気を纏わせ、氷柱の如く鋭く突き刺すように拳を繰り出す。
「アルデッパ、噛み砕く!」
アルデッパはその攻撃に対して大口を開けて迎撃しようとするが、ハンタマは軽快にアルデッパの攻撃を回避し、氷柱パンチを叩き込む。
「ブレイズキック!」
さらに足に炎を灯し、アルデッパの腹に蹴りつける。
「ちっ、ぶっ飛びやがれ!スプラッシュ!」
アルデッパは水を纏わせた両手を地面に叩きつけ、水飛沫を散らす。
しかしその頃にはハンタマは大きく跳び退っており、スプラッシュを喰らうことはなかった。
「ハンタマ、シャドーパンチ!」
「アルデッパ、サイコパンチ!」
ハンタマは影を、アルデッパは念動力を、それぞれ拳に乗せ、放つ。
二つの拳は激突し合うが、少しするとともに相殺された。
「やっぱ捕まえてこっちに引き込むのが得策だな……アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパは長い触手をさらに伸ばし、ハンタマを捕らえようとするが
「ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
ハンタマは残像が生じるほどのスピードで襲い掛かる触手をかわしていき、アルデッパに接近。炎を灯した足で蹴り飛ばす。
「跳び膝蹴り!」
今度は膝だ。後ろに仰け反ったアルデッパの顔面に、ハンタマは強烈な跳び膝蹴りを喰らわせる。
「今だアルデッパ!パワーウィップで捕らえろ!」
アルデッパは顔面にハンタマの膝がめり込んでもめげることなく、触手をハンタマの足に巻きつける。
「ハンタマ、ブレイズキック!」
だがしかし、ハンタマは足に炎を灯すことでアルデッパの触手を燃やし、そのまま二連蹴りを放ち、アルデッパを攻撃。
「あー畜生!なーんか上手くいかねえな!」
フォレスはそもそも、罠を張って相手をそこに誘導し、自分が有利になった上で戦うのを基本戦術としている。
なのでアウェーになると、どうしても元からあまり強くない強さが、さらに半減してしまうのだ。
「アルデッパ、噛み砕く!」
「遅いよ。ハンタマ、氷柱パンチ!」
アルデッパが大口開けてハンタマに迫るが、ハンタマは軽く跳躍してアルデッパの上を取り、噛み砕くを回避。そしてそのまま氷柱のような冷たく鋭い拳を叩き込む。
「シャドーパンチ!」
さらにハンタマは素早くアルデッパのすぐ下に潜り込み、拳に影を纏わせ、今度は打ち上げるようなアッパーカットをアルデッパに喰らわせる。
「な……アルデッパ!」
アルデッパは宙を舞い、数秒して地面に落下。その目は完全に回っていて、戦闘不能だった。
「くっそ。戻れ、アルデッパ」
フォレスは忌々しげにアルデッパをボールに戻す。
「あー……どうすっかな……そろそろ時間だとは思うんだが、まだ誰も来ねえし——」
とフォレスが愚痴っぽく呟いた次の瞬間、通路からエントランスに向かって何かが飛び込んできた。
それはフライゴン——リベルラに乗ったサーシャだった。
「……なんですか、7Pの一人が待機していると聞いて来てみれば、フォレス様じゃないですか。その様子からすると、そこの年端も行かぬ女の子に負けたようですね」
「なんだよ、お前には関係ないし、そもそも俺はアウェーだと力を半分も引き出せないんだよ」
「言い訳は見苦しいですよ。どんな状況にも対応できてこその幹部ですし、そもそも7Pの一角を担うなら、その程度でごちゃごちゃ言うべきではないのでは?」
「黙ってろ。たかが数多といる部下の一人に過ぎないお前が偉そうなこと言うな」
……フォレスとサーシャは、仲が悪いようだ。
流石は、集団行動が出来ない集団、プラズマ団。
団内で既に、亀裂が走っている。
「おや? 私が最後だと思っていたのですが……そうでもないようですね」
次に現れたのは、ザンバだった。
「——うむ、そうだな。拙者は少々、英雄とで時間を喰ってしまったのでな」
そして間髪入れず、いつの間にか現れたハンゾウ。
しかし、二度三度と来てまだ終わらないのがプラズマクオリティ。
「シャンソン、もっと速く走ってー」
「あ、あのフレイさん……僕、そんなに体力ないんですけど……」
さらに現れたのは、息を切らして走っているシャンソンと、シャンソンに抱えられているフレイだ。
「……なんだよ、丁度いいタイミングで全員戻ってきたみたいだな」
フォレスはそう呟くが、いいことばかりでもなかったりする。
「追いついた!」
「流石にフライゴン相手の徒競走はきついな……」
敵が出てきたところで、今度は味方。通路から飛び出してきたのはリオとアキラだった。
「待ちやがれ!」
さらに、ザキも来た。
「リーテイル、なんとか先回り……出来てないや。というか……全員集合?」
「どうやら、そうみたいだ」
そして最後に現れたのが、リーテイルに乗ったイリスと、キリハ。
「おいおい、お前ら何やってんだよ。普通に追跡されてるじゃねか」
「敵地で敵を撒くというものは、そんなに簡単なものではないのですよ。無知ですね」
「申し訳ありません」
「面目ない」
「しゃーないじゃんさー。メタグロスやられちゃったんだしー。相手リーテイルだしー」
二名は素直に謝るが、二名はやたらと反抗的だった。
「なんでもいいけど……皆の話を聞く限り、君達は何らかの目的があって、ここに集合してるっぽいね。それも、時間的な制約があるらしい」
キリハは敵は誰とも遭遇していないのに、素早く状況を判断してそう言う。
しかしフォレスは、大して隠す気もないようだった。
「ああ、その通り。俺達の目的の物は手に入ったからな。だからそろそろ、迎えが来るはずだ……ほら、噂をすれば」
バゴォン!
という、破砕音が聞こえた。
というか、このPDOヒウン支部のビルに、何かがぶち当たったらしい。
その何かはビルを砕き、破壊し、崩していく。
【行クゾ】
ビルにぶち当たったのは、巨大なドラゴンポケモン、ドラドーン。そしてそれの主は、7Pのドランだった。
……うむ、なんだか今回、結構グダグダになった気がしますね、終わりも微妙ですし。今回はとりあえず全員集合。……え?イリゼ?ああ、あの人はそのうちどうなったか明かします。話を戻して、そしてさらに、ドランのドラドーンがビルに激突し、ビルを大破。特に描写してないですが、ビルは現在、崩壊しつつあります。というわけで次回は……うん、なんだか説明し難いですが、とにかく次回もお楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.335 )
- 日時: 2011/10/17 22:19
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
大光さん
はい、フレイの切り札はストータスです。一応、各切り札ポケモンは、その人物の髪の色と対応させています。紫は毒、赤は炎、緑は草、水色は氷、黄色は電気、藍色はドラゴン、オレンジ色は地面といった具合に。
いやはや、ストータスの防御力は凄いです。ただ、タイプ的に弱点四倍が二つあるのが難点ですか……
おお、伏線に気付いてくれた。なんか感激……そうなんです。僕は結構伏線を散りばめているんですよ。大まかな内容なら結構先まで考えているんで。
戦術の追加はOKです。いや、そうい事ありますよね。最初は思いつかなかったけど後から思いついたり、少し時間がたったら書こうとしてた設定を忘れたり……
- Re: 291章 瓦礫 ( No.336 )
- 日時: 2011/10/17 23:12
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
崩れ行くビルの中、フレイ、フォレスを初めとするプラズマ団達は、ドランのドラードンに乗り込んだ。どうやらあれに乗って逃げるつもりらしい。
「くっ、逃がすか——」
イリスは駆け出す。しかし
【『ドラードン』、『ハリケーン』】
ドラードンは激しい風……もはや災害となんら変わりない威力の暴風を放ち、イリス達を足止めする。
イリス達は踏ん張って、飛ばされないようにするだけで精一杯だ。
風が止むと、ドラードンはまだ見えるも、結構遠くに行ってしまっていた。
「ヤバイ……早く追わないと!」
皆一様に駆け出し、外に出る。
すると、新たな悲劇が待ち構えていた。
「な……」
「凄い数だな……」
「よく今まで気付かなかったね……」
そこには、百人は超えるだろう、夥しい数のプラズマ団がいた。下っ端なのだろうが、これだけの数を全て倒すのは時間が掛かる。しかしだからと言って、野放しにするわけにもいかない。
「ここは、空を飛べるポケモンを持っている者は、飛んでプラズマ団を追おう」
キリハはそう言いつつ、羽馬ポケモンのペガーンを出し、その背に跨る。
「分かった。出て来て、ドラードン!」
そしてリオも、先ほどのドランのドラードンに匹敵するほど巨大なドラードンを出す。
ドラードンはあまりにも大き過ぎるので、まずはキリハのペガーンに乗り、そこからドラードンに乗り込む。
「俺は雑魚処理かよ……まあいい。行ってこい、エレキブル!」
「居残り組みは悲しいね、サンダース」
ザキはエレキブルを出し、アキラもサンダースに構えさせる。
「それじゃ僕も……デンリュウ!」
イリスも下っ端を殲滅すべく、デンリュウを繰り出す。そしていざ戦おう、とその時
「師匠、私も戦います」
ミキがいつの間にかイリスの側にいて、ボールを構えていた。
「いや、ミキちゃんはプラズマ団を追ってくれ。君は確か、飛行タイプのゴルドーがいたはずだ、僕のリーテイルは進化して間もないから長時間は飛べない。あの二人のことだから大事にはならないだろうけど、戦力は大いに越した事はない」
「でもそれを言ったら師匠達だって——」
「向こうは一分一秒が惜しい状況なんだ。こっちは時間さえ掛ければ倒せる。だから行くんだ」
イリスは強く、念を押すように言った。
するとミキも師匠の言葉だからか素直に聞き入れ、ゴルドーを出し、その足に掴まる。
「それじゃあ師匠、頑張ってください」
「ああ、そっちもね」
そしてミキは飛び立ち、離れ、遠くなっていく。
そしてイリスは、まさか本当にミキが遠くへ行くとは、思いもしなかったのである。
「エレキブル、ギガスパーク!」
「サンダース、ランチェーレ!」
「デンリュウ、メガショック!」
エレキブルが巨大な電撃の球を放ち、サンダースが全身の針を鋭く伸ばして突撃し、デンリュウが強力な電撃を流して、敵は全滅した。
「ふぅ……結構逃げられたけど、とりあえずは全員倒しましたか」
「ああ……それにしても、ヒウン支部、滅茶苦茶になったな。もはや瓦礫の山だぜ」
「明日にでも報道されるでしょうね」
イリスとザキが、崩れ去って跡形もなくなったPDOヒウン支部を見ながらそんな会話をしていると、アキラが割り込んできた。
「そういえば、あの小さな可愛い女の子がいないけど」
「小さな可愛い女の子? ……ミキちゃんなら、プラズマ団を追いましたが」
「違う違う。あのこげ茶色の、ポニーテールの子。ちょっと小生意気な」
「こげ茶のポニーテール……あ!」
そこでイリスは思い出した。
まだイリゼが、この場にいないことに。
「父さん!」
イリスは瓦礫の山に向かって走る。すると
ドォン!という爆発音のようなものが聞こえ、瓦礫の山に穴が開く。そしてその穴から、一人の人物が這い出てきた。
「あー……死ぬかと思ったぜ……」
出て来たのは、イリゼだ。
「父さん、無事だったのか!ゴメン、正直今の今まで忘れてた!」
イリスがそういいながらイリゼに駆け寄ると
「この……親不孝者が!」
ベキッ。
イリスは顎に見事なアッパーカットを決められた。
「うぅ……いや、本当にゴメン。……それにしても、よく助かったね」
「まあ、こいつがいたからな」
イリゼがそう言って、穴から何かが出て来た。
それはポケモンのようで、遮光器土偶のような姿をし、頭にはぐるりと一周、赤い目玉が八つ付いている。
土偶ポケモン、ネンドール。地面・エスパータイプのポケモンだ。
「ビルが崩れた時、咄嗟にこいつを出してリフレクターを張ったんだ。なんとかそれで一時は凌いだんだが、そこから脱出するには一旦リフレクターを解かなくちゃならなくてな……まあ、色々大変だったんだ」
本当に、大変だったようだ。最早生きていることが奇跡のようである。
とイリゼの生存を噛み締めていると、空からキリハとペガーン、リオとドラードンが降りてきた。向こうの追跡も終わったらしい。
「キリハさん、リオさん。水晶は?」
「……すまない、取り逃がしてしまった」
キリハの表情は、とても重苦しかった。キリハだけじゃない、リオもだ。
その表情は、ただ失敗しただけには見えない。もっと大きな、とんでもない失態を犯したようだった。
「……あれ? あのピンク髪の可愛い子は?」
アキラが言う。ピンク髪ということは、十中八九ミキのことだろう。
イリスはあたりをざっと見回すが、ミキの姿は見えない。
そしてイリスは、最悪の、絶対に起きて欲しくない事態を、想定してしまう。
「……もう一つ、すまない」
不意に、キリハがそう切り出した。
イリスの嫌な予感はどんどん募っていく。
しかしイリスは意を決し、キリハ達に尋ねる。
「あの、キリハさん、リオさん……ミキちゃんは……?」
二人はしばしの沈黙の後、リオが口を開いた。
「ミキちゃんは奴らに……プラズマ団に——」
そしてその最後の一言だけは、聞きたくなかった。
「攫われたの」
さて、今回は生き埋めになったイリゼが生還、しかしPDOヒウン支部は崩壊、そして……ミキが誘拐されました。確か八幕でエレクトロが少女誘拐犯になろうとしていましたが、まあそんな感じですね。さてその経緯は次回明かします。次回をお楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 ( No.337 )
- 日時: 2011/10/17 23:53
- 名前: 大光 (ID: geEvUTTv)
ソンブラの手持ちのポケモンの戦術を追加しました。ついでに、記事の内容も少し変えたので詳しくは、ソンブラのコモラゴンを見てください。
しかし、プラズマ団は派手にやらかしてしまいましたね。とりあえずこの出来事をPDOヒウン支部襲撃事件及び、PDOヒウン支部倒壊事件と命名しましょう。
……すみません、冗談です。
- Re: 292章 誘拐 ( No.338 )
- 日時: 2011/10/18 00:22
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プラズマ団を追跡しているキリハとリオ、そしてミキ。
彼ら三人はなんとかドランのドラードンに接近するまで至ることができた。
「やっと追いついた……さて、それじゃあ水晶を返してもらおうか」
とキリハが意気込んでいる、その時だった。
「おやおや、これはまた威勢がいいですね」
「しょうがないですよ、こっちにとって大事なものは、向こうにとっても大事ですからね」
キリハ達よりさらに上空から二つの影が下降してきた。
片方はヤシの葉の翼を持つ恐竜のようなポケモン、トロピウスに乗る7P、エレクトロ。
もう片方は黒いカラスの姿にボスのような雰囲気を漂わせるポケモン、ドンカラスに掴まる少年、ソンブラ。
「くっ、最悪なタイミングで援軍か」
「そういうことです。……ソンブラ、私はそこのお二人の相手をします。あなたは、英雄のお弟子さんを」
「了解しました」
ソンブラはドンカラスに掴まったままミキのところへ移動、エレクトロはキリハ達が追えないよう進路を阻む。
「あなた方のお相手は私が務めさせて頂きます。まあ、英雄の弟子を捕獲するまでですが」
その口ぶるから察するに、エレクトロ達は懲りずにミキを攫いにきたようだ。
「そんなことさせないわよ。ドラードン、凍える——」
「待て、リオ!」
リオがドラードンに指示を出すのを、キリハが制する。
「こんな所で君のドラードンが凍える風なんて使ったら、ミキちゃんごと吹っ飛ぶぞ!」
それは確かに、その通りだ。
リオのポケモンは通常よりも相当強化されている。なので凍える風も相当な威力なのだが、今回はそれが裏目に出てしまう。
「ペガーン、僕らが行こう」
キリハはペガーンに指示し、ミキの元へ行こうとするが
「お相手は私と言っているでしょう。トロピウス、ダイヤブラスト」
トロピウスは宝石のように輝く白色の光線を発射し、ペガーンの動きを牽制する。
さらに
「コクジャク、エアスラッシュ!」
後方から空気の刃が飛び、リオのドラードンを切り裂いた。
「そっちばっか目いってたら、すぐに撃墜すんぜ」
後ろには、コクジャクを出したフォレスの姿。
この状況、よく考えたらキリハとリオは敵に挟み撃ちされている状態だ。
「……こうなったら」
「やるしかないね」
キリハとリオは、それぞれの敵と向き合う。
「さて、僕としてはそっちから来てくれるのが好ましいんだけどね。少女誘拐犯なんてレッテルは絶対に貼られたくない」
「私だって誘拐されたいなんて思わないよ。だから自分から出向いたりはしない」
ミキはキッパリとそう言い、ソンブラはやや面倒そうに溜息を吐く。
「……エレクトロ様は、三分だけこのポケモンの使用を認めてたな。正直あんまり長引かせたくないし、使っちゃうか。出て来て、フィニクス」
ソンブラが繰り出したポケモンは、一言で言って火の鳥、もしくは不死鳥。
紫色の体に、轟々と燃える炎の翼。その勇ましい姿は、鳥も龍にも見える。
不死鳥ポケモン、フィニクス。炎・ドラゴンタイプで、ゴルドーの進化系だ。
「フィニクス、エアスラッシュ」
フィニクスは翼を羽ばたかせ、空気の刃を無数に飛ばす。
「ゴルドー、避けて!」
ゴルドーはミキに掴まられながらも、必死で襲い来る刃を回避していく。
「ふーん。まあゴルドーにしては速いけど、僕のフィニクスには及ばないかな。火炎放射」
フィニクスは空に火炎を放ったかと思うと、次の瞬間、上空より火の雨が降り注ぐ。
「熱っ……ゴルドー!」
ゴルドーは降り注ぐ火の雨からミキをなるべく守ろうと、直撃を受け、どんどん降下していく。
「そのゴルドーの特性は炎の体だよね。だったら火炎放射も効く。さてフィニクス、彼女を回収してくれ」
フィニクスは今にも墜落しそうなゴルドーをついばみ、ソンブラの元へと持って来る。
「……あー、あの変態サイエンティストの作った薬とか使うの嫌だけど、しょうがないか——」
そう言いながらソンブラは、暴れるミキの首筋に小瓶の中に入った液体を一滴垂らす。すると瞬く間にミキは昏倒し、動かなくなった。
「さて、これで任務達成。あとは報告だけだな」
そしてソンブラはエレクトロの元へ行き、簡単に報告。その後プラズマ団は、よってたかってキリハとリオに集中攻撃。二人もミキを人質に取られ、何も出来ず帰還した。
回想終了。
キリハはその場にいた全員にありのままを告げた。
すると真っ先に動いたのは他でもない、ミキの実兄、ザキだ。
「おいキリハてめえ!何やってやがったんだ!」
ザキはキリハの胸倉を掴み、怒鳴り散らす。いや、激怒している。
「……本当に、すまない」
「それで済むとでも思ってんのか!」
「…………」
キリハは何も言えず黙りこくってしまい、ザキは放るように手を離し、どこかへと歩き出そうとする。
「おいザキ!どこに行く気だ!」
「決まってんだろ!P2ラボだとかいう、奴らの拠点だ!」
「でもそこは、偽のNが流した情報だ!でたらめかもしれないし、罠かもしれないだろ!」
キリハは叫び、ザキを羽交い絞めにする。
「知ったことか!何もしないよりはマシだろうが!」
「少し落ち着け!下手に動いたら、また何が起こることか……」
「てめえは冷静過ぎんだよ!これが落ち着いてられるわけねえだろ!」
と、ますます二人がヒートアップしていくなか、二人の鼻を、何かがくすぐった。
何か、甘い香り。その香りのせいか、二人の炎は、冷めてしまった。
「二人とも熱くなりすぎ。ザキの気持ちも分かるけど、今はがむしゃらに動いても、傷口が広がるだけでしょ。キリハも落ち着けとか言っておきながら、自分がヒートアップしてるし」
二人を静めたのは、リオ。そしてその傍らにいるポケモン、リーフィスだ。
リーフィスは甘い香りを分泌しており、その香りは戦意を喪失させる効果がある。二人が落ち着いたのも、それのお陰だ。
「……悪かったよ」
「いや、僕もだ。……それにしても、リオに説教されるとは、僕も混乱してたんだな」
とりあえず落ち着いた二人。
この後、とりあえずP2ラボが本当に奴らの拠点なのかを調べるべく、リオとキリハがそこへ向かった。
他の者はその情報がガセだった時のためにそれ以外の場所を探す、という事となった。
この時キリハもザキもリオも、誰もがミキが攫われたことに心を痛めていただろう。
だが最も傷ついていたのは……他でもない、実兄でも上司でもない——師であるイリスだった。
今回は回想シーンがほとんどですね。ミキが誘拐される工程が書かれています。ちなみに変態サイエンティストはアシドのことです。後半はキリハとザキがヒートアップしましたが、リオのリーフィスで沈静化。まさかリーフィスにこんな使い道があったとは……霧火さん、なんかすいません。さて次回はイリスが思い悩みます。鬱っちゃいます。お楽しみに……?
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