二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 薄桜鬼 沖田総司
- 日時: 2011/01/30 17:20
- 名前: さくら (ID: w/qk2kZO)
初めて書きます。
下手ですがどうぞ読んでやってください。
こういう方はお断り。
荒らし目当て
沖田好きな方はぜひどうぞ。
基本的沖田ですが、時々他のメンバーも出てくるかも…?
温かい目で読んでやってください。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.40 )
- 日時: 2011/07/07 16:15
- 名前: さくら (ID: QP4Yy5Wh)
はじめまして
紫苑さん
読んでくださってありがとうございます
最近パソコンが壊れたので更新が難しいと思います
もうしばらく更新はさきになりそうです;
早く書きたいのですが…
また読んであげてください
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.41 )
- 日時: 2011/07/13 17:02
- 名前: さくら (ID: QP4Yy5Wh)
「待ってください、沖田さん!!」
千鶴は振り絞るように声を張り上げた。
部屋に取り残された沖田に近づこうとするが、薫の強力からは逃れられず千鶴は薫を睨み据えた。
「離してください!!沖田さんが———」
「黙って見ておいで。千鶴。面白いものが見れるよ」
そう語る薫の表情は残忍な笑みに彩られていた。
その笑みにぞっと粟立つ。羅刹たちの咆哮に振り返ったときには、沖田の手が瓶のふたをはずしていた。
床にふたを投げつけると、沖田は一瞬躊躇した。
赤い液体を凝視して瞳を閉じ、一気にそれをあおった。
変若水が喉へと滑り落ちる。
ごくり。
変若水を飲み干した瞬間、心臓が大きく跳ねた。
一瞬心臓が止まった気がした。血の気が逆流する感覚に囚われる。
周りの時間がゆっくり進んでいるようだった。向かってくる羅刹の動きはゆっくりゆっくり迫ってくるのを見つめて、沖田は再び動き出した心臓の鼓動に戸惑っていた。
早鐘を打つ鼓動は今まで流れたいた血流ではなく、冷たい血が血管を満たしていく。体中の細胞が騒ぎ出し、暴れまわるようだった。
体中の組織が変化していくのがわかる。全身の震えが止まらない。
だが妙に頭だけは冴えていた。意識ははっきりとして、刃を向ける羅刹の動きはまるで赤子のようにゆっくり見て取れた。
「沖田さんっ!!!」
千鶴の悲鳴によって沖田の意識は生まれ変わったように覚醒した。
ゆっくり進んでいた時間が一瞬にして戻ってきた。
淡い月夜に浮かびあがる白髪がなびく。瞳は羅刹と同じ真紅の色に染まっていたことに、沖田は気づかない。ただ、妙に体が軽く、今まで軋んでいた関節は滑らかに動く。
刀を握りなおすと絶世期だった頃の己が戻ったようで気持ちが高揚した。そうして奇声を上げる羅刹に向かって地を蹴った。
横になぎ払い、振り下ろす一閃の速さは目にも止まらぬものだった。
千鶴は変貌した沖田を呆然と見つめることしかできなかった。
人の道を捨て、鬼に身を変えた大切な人。
今目の前で凄さまじい勢いで羅刹をなぎ倒していく沖田の広い背中がとても切なそうに見えた。
止められなかった。あんな瞳で変若水を口にしていた沖田を、言葉だけでは止められるはずもなかった。
自責の念に駆られ、瞳から温かいしずくが零れ落ちる。そんな千鶴を見て満足そうに笑みを深くした薫は、拘束していた彼女の腕を解いた。
千鶴は力なくその場に崩れ落ち、嗚咽を漏らすことしかできなかった。
「言っただろう?千鶴。面白いものが見れるって」
「……たは…」
「?」
「あなた、どうして…こんな……どうして沖田さんをあそこに一人にしたんですか…」
「まだわからないの?千鶴。お前を守る者が必要なんだよ」
「そんなのっ…こんな形で守ってほしくない!」
「……もっと。もっと苦しめばいいよ」
「………えっ?」
突然薫の語調が低くなる。辺りの空気がさっと冷たくなった。
顔を上げると月を背にした薫は影が差していて、表情は読み取れないが、瞳だけは爛々と、どこか冷酷な色を宿していた。
「もっと、もっと苦しめばいい。お前の苦しむ姿は俺にとっての至福だよ」
「…何を言っているんですか?」
「あの変若水を沖田に渡したのは俺だよ」
「っ…!?どうしてっ……!!」
驚愕の言葉に目を見張る千鶴に顔を近づけ、薫はささやくように唇を動かした。
「お前の大切なものを俺は一つずつ奪っていく。そのためにまずはじめは沖田だ。どうだ?つらいだろう?悲しいだろう?お前はこれからももっと苦しむ。俺と同じ悲しみを味わうんだ」
「同じ苦しみ…!?」
「俺はお前のせいでどんな人生を送ったと思う?南雲家は女鬼を望んでいた。だが、ふたを開けてみればどうだ?男の鬼など子も生めないただの役立たずだ。それから俺がどんな扱いを受けてきたかお前にはわからないだろう。だから俺はお前を貶める。どこまでも、どこまでも」
「何でっ…!!」
「俺だけがつらい思いをするのはおかしいだろう?」
ぞっとするほど優しい、けれど怒りのこもった声音は千鶴の絶望感をさらに深くした。こころがどんどん重くなるようだった。
蒼白に変わる千鶴の表情を見つめて歪んだ笑みを口元にたたえ、満足げに目を細める。
「へぇ?それが君の狙いだったんだ」
全ての羅刹を打ち捨て、庭に降り立った沖田は地を蹴ると千鶴を庇うように間に割り込んだ。刀を構え薫を睨み返す。
血の雨をかぶった沖田の瞳は何の迷いもなかった。まっすぐに、紅蓮には染まっているものの光を宿した視線で薫を凝視する。
「君のためじゃない」
沖田はぽつりと呟いた。無論その呟きは背中越しに千鶴の耳にも届いている。
「君のために羅刹になったわけじゃない。僕自身のためだ。僕が自分で決めて僕の意思で変若水を飲んだ」
そう言わないと君は悲しむだろう。自分を責めるだろう。
だから———
「君のためじゃないよ」
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.42 )
- 日時: 2011/08/09 17:23
- 名前: さくら (ID: QP4Yy5Wh)
総司が目を開けると見知った天井が広がっていた。
それが自分の部屋の天井だと判明するまで数十秒かかった。
ぼんやりと霞んだ視界が元に戻るのを待っていると、己の体が軽いことに気がついた。
輪郭の崩れた視界が完全に戻ると、肘をついて状態を起こす。
頭をひとつ振ってあたりを確認する。昼間に近い時刻なのだろう。障子の隙間から差し込む日差しが眩しい。否、昼間というだけでこれだけ日差しが眩しいわけではない。障子から覗く日差しにはどこか残虐さがこもっているように思えた。柔らかで優しい日差しだが、総司には体を蝕まれるような感覚を覚えた。
日差しから逃れるように横たわっていた布団から這い出た。
改めて周りを見渡して、考え込んだ。
どうして自分は横になっていたのだろう。目を閉じて記憶を手繰るが、はっきりと思い出せない。そのもどかしさに歯噛みしていると総司は顔を上げた。
誰かが近づいてくる足音に身を固くした。
足音は総司の部屋の前で止まると、一拍おいて声をかけた。
「沖田さん。起きていらっしゃいますか?千鶴です」
その名を聞いてほっと息をつくと口元を緩めた。
「起きてるよ。入っておいで」
静かに障子を開けて千鶴は淹れたての茶を盆に乗せ、総司のそばまで歩み寄る。
「お茶を淹れてきたんですけど…」
「ありがとう。いただくよ」
千鶴の手から茶を受け取ると口をつけた。温かく柔らかい茶が全身を癒すようだった。ほっと息を吐くと強張っていた体の力が抜けた。
「沖田さん…その、昨夜のこと覚えていますか?」
「昨夜?」
総司が茶を床に置くのを待ってから、千鶴はおずおずと尋ねた。
昨日の記憶がごっそり抜け落ちている総司は何のことだと首を傾げる。
そんな総司の反応を見て千鶴は瞳に悲しみを浮かべて、畳へと視線を落とす。
「昨夜…風間さん達が屯所に押し入ってきたのは覚えていますか?」
「…あぁ、確かそうだったよね。それで僕も出て行ったよね」
「はい…それで…」
千鶴が言葉を濁したのを見て、総司は先を促すように目元を和ませる。
意を決したように千鶴は小袖から何かを取り出した。
千鶴の手には小さな小瓶が握られていた。
それを目にした瞬間総司の脳裏には走馬灯のように昨夜の記憶がよみがえった。ふたをしていたところからあふれ出すように、鮮明に思い出される。
「……そうか、僕は…飲んだんだね。“これ”を…」
「…はい」
小刻みに震える千鶴の手を庇うように、総司はそっと手を重ねる。
「君のせいじゃない…昨日言ったよね」
「…はい…」
昨夜、風間の騒動に紛れ込み奇襲を仕掛けてきた薫はあっさりと身を引いた。羅刹を斬り伏せて薫と対峙しようとすると。
『今日はここでおいとましようかな。お仲間も来たみたいだしね』
薫は門の方角を見つめてうっそりと微笑んだ。その笑みは満足に満ちて笑みで清々しいほどだった。
そうして煙のように姿を消したのだった。
今回はここまでだ。と言わんばかりの引き際だった。
昨夜の記憶を取り戻した総司は体の違和感を感じていた。目が覚めて体は軽いものの、体が昼の光を拒絶していた理由もようやくわかる。
畳を睨むように千鶴はずっと顔を伏せていた。息をついて総司は子供に諭すような口調で千鶴に向き合う。
「千鶴ちゃん…君が責任を感じることなんてないんだよ。僕が自分で決めたことなんだから責任があるとすれば僕なんだから。君がどうして悲しむのさ?」
総司はゆっくりと語りかける。千鶴は力なく頷くばかりだった。
「僕は力が必要だから…まだ近藤さんの刀として役目を終えてないから…君が悪く思う必要なんてないんだよ」
「…はい」
「君が…家族である薫が僕を貶めたと思って責任を感じているなら、それは見当違いだよ。僕の意志で飲んだんだから」
「…はい、でも」
「君のためじゃない」
君を護りたいと思う気持ちも確かにある。力なくしては近藤の剣になることも、彼女を護ることもかなわない。だから飲んだんだ。
けれどそれを告げると君は責を感じるだろうから。だからこの思いは僕の胸にしまっておこう。君のために。
「沖田さん…」
「大丈夫。僕は大丈夫だから」
今は慰めの言葉をかけるしかない。
「返事は?」
「…はい」
ようやく顔を上げた千鶴は総司の気遣いに気づいたのか、微笑を浮かべた頷いた。
「すみません。昼の時間は起きているのがつらいんですよね。夕方になったらお食事をお持ちしますので、もう少し横になっていてください」
千鶴はそう言うとしずしずと部屋を後にした。
千鶴が出て行った後を見つめながら息嘆する。
「全く…どうしてあぁまで自分を追いやるんだろうね」
今の浮かない表情を見てまだ納得したようには見えなかった総司は軽く息をつくと布団にもぐる。
ぼんやりと天井を見つめながら睡魔がやってくるのを待ちながら、総司は胸に湧く、微かな感情をそっと抱くようにして眠りについた。
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.43 )
- 日時: 2011/10/20 15:51
- 名前: さくら (ID: QP4Yy5Wh)
長い間更新していません;
書きたいのですが、パソコンが壊れていてなかなか…
このパソコンも違う人のものです
一応ここらで一区切り
またいつか新しい話にはいろうかと…
早く直さないと…
- Re: 薄桜鬼 沖田総司 ( No.44 )
- 日時: 2011/11/14 16:35
- 名前: 亜鶴 (ID: JFBEfYhr)
初めまして、さくらさん!
さくらさんの小説読まして頂きました・・・!
すごくおもしろいですし、書き方が上手ですね!
尊敬しています☆
更新楽しみに待っています!
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
この掲示板は過去ログ化されています。