二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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薄桜鬼  沖田総司
日時: 2011/01/30 17:20
名前: さくら (ID: w/qk2kZO)


初めて書きます。
下手ですがどうぞ読んでやってください。


こういう方はお断り。
荒らし目当て


沖田好きな方はぜひどうぞ。
基本的沖田ですが、時々他のメンバーも出てくるかも…?


温かい目で読んでやってください。

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Re: 薄桜鬼  沖田総司 ( No.35 )
日時: 2011/05/13 20:58
名前: さくら (ID: Tzn/2JVm)

ユウさん

そんなことないです!
私もいろんな小説を読んでただいま勉強中です^^;
一緒に頑張りましょうね

またいろんな感想聞かせてください

Re: 薄桜鬼  沖田総司 ( No.36 )
日時: 2011/05/18 16:10
名前: さくら (ID: Tzn/2JVm)

それから数日後。
いつものように薬を服用し、総司は横になっていたときだった。
うつらうつらと夢の世界へと旅立とうとしていた刹那。
鉄と鉄とがぶつかり合う甲高い音が夜半の空に響いた。
続いて怒号や喧騒が起こり、屯所内は騒がしくなる。
跳ね起きて辺りに気を散らすと、いくつもの気配がざわめきだした。

「こんな夜半に…とんだ来客だなぁ」

総司はほくそ笑むと立ち上がって、寝巻きから普段着用している衣へと着替え始めた。
帯を締め終わると、つっと視線を落とした。
懐に手を入れてあるものを取り出す。
燭台の灯っていない闇夜でもはっきりと見て取れる、赤い液体。爛々と光を放つ“変若水”を総司はじっと凝視した。
あれ以来、肌身離さず持っていた。どうしても手放すことができなかった。
何かを決意したのか、その瞳はまっすぐに刀へと向ける。
手を伸ばして刀を手に取る。

「大丈夫。僕はまだ戦える…」

悲鳴や叫び声、辺りは緊迫した空気に包まれる。
背筋をぞくぞくと這ってくる嫌悪にも似た感覚に、総司は身震いした。
同時に口元に笑みを刻む。
きりきりと張り詰められた空気の中、慌しい足音に総司は顔を上げた。
その足音は総司の部屋の前で止まると、勢いよく障子を開け放った。

「沖田さん、大変です!!今、風間さん達がっ…て何ですか!?その格好!!」

飛び込んできた千鶴は目を丸くした。
いつもならとっくに就寝しているはずの病人が、悠然と腰に刀をぶらさげていれば、誰でも驚くことだろう。
千鶴もその例に漏れなかったらしい。総司に駆け寄ると噛み付かんばかりの勢いで問いただした。

「どうして、そんな格好…まさか、沖田さん!」
「誰も呼びに来てくれないから、僕から行こうと思ってたところなんだ」

その言葉に千鶴は言葉を失った。
部屋に飛び込んできたとき以上に顔が蒼白になる。
その間にも戦闘が起こっているらしい玄関からの騒動は、総司の部屋にまで迫ってきているようだった。
みるみる血の気の失せていく少女の顔を見て、総司はいつもの意地悪い笑みを浮かべた。

「大丈夫だよ。僕はまだ———」

その時だった。
重苦しいほどの空気が総司の部屋の障子を蹴破って侵入してきた。
一気に部屋の温度が下がったようだった。
驚いて振り向くとそこには赤い瞳が闇夜に浮かんでいた。
それはまるで悲劇をもたらす“変若水”のように、毒々しい色を放っている。

「ひ、ひひひひひひひっ」

歪な笑みを浮かべて、刀を手に数人の男たちが部屋に踏み入ってくる。
異様に血に塗れた刀。返り血を浴びているのか、袖からは血が滴り落ちた。

「っ…!!」

千鶴は声にならない悲鳴を上げた。
そんな千鶴をかばうように総司は一歩前へ踏み出た。

「どうりで悲鳴の数が多いわけだ。君たち…もしかして仲間とか殺してないよね?」

羅刹と化した、以前は同士であった男たちに、総司は問いかけた。
だが答えは返ってこない。

「まぁ、聞かなくてもその体(てい)でわかるけどね」

総司は薄く笑うと、刀に手を掛けた。

Re: 薄桜鬼  沖田総司 ( No.37 )
日時: 2011/05/18 18:43
名前: さくら (ID: Tzn/2JVm)

緊迫する空気の中、羅刹化した男たちは口元を歪めて刀をそれぞれ構える。構えるといっても脇は締まっておらず、隙だらけだった。
それでも、侮ることはできない。
羅刹は異常な運動神経を与え、その瞬発力と破壊力は想像をぜっするものだ。それを総司は今までの経験で知っている。
じりじりと間を詰めていく。
息を呑む千鶴を背に庇い、総司は地を蹴った。
まずはすばやく一閃する。虚を突かれた羅刹たちが怯んだときに生じる隙を見逃さず、さらに一太刀を浴びせる。
横薙ぎに払った刀は一人の羅刹の胸を裂き、どっと倒れた。
しかし何事もなかったように羅刹はすぐに立ち上がる。

「血、血、血…どこだぁ…」

ぶつぶつと呟きながら羅刹たちは総司を見据えた。

「やっぱり、心臓を突かないとだめか」

刀を握り直そうとしたときだった。
急に手から力が抜け、刀を取りこぼした。

「えっ…」

声を上げたのは千鶴の方で、途端に総司は体を丸めた。
広い背中を何度も揺れ、膝を突いて口元を押さえる。
危機感を覚えた千鶴は沖田に駆け寄り、背をさすった。

「ごほっごほごほっ!!」
「沖田さん!しっかりしてください!!」

しかし一向にせきは収まらず、押さえた手から鮮血が滴り落ちる。
それを見て千鶴は青ざめた。総司が命の炎を燃やし尽くそうとしていると、悟った。

「沖田さん、ここは一旦逃げましょう!山崎さんに伝えれば———」
「僕はまだ戦えるっ!!!」

血とともに吐き出した慟哭は、部屋に大きく響いた。
けれど羅刹の吸血衝動は収まらない。ゆっくりとした足取りで一歩一歩と二人に近づいてくる。
千鶴はたまらず小太刀に手を掛ける。総司の前に一歩踏み出すと、構えをとった。

「っ!?何してるの、千鶴ちゃん…!」
「逃げてください、沖田さん!」

羅刹が一斉に地を蹴り、身を翻した。
小太刀を抜き放とうとした千鶴の手を、誰かが遮った。
ひらりと目の前に現れた影は腕を一振りすると羅刹たちが怯んだ。
目を瞬くと千鶴はその影に目を凝らす。小柄で、華奢な影はゆっくりと振り返った。
かすかな月夜のおかげで突然現れた人物を映し出す。
それは二人がよく知る人。待ちで会ったときは美しい長着をまとい、髪は結い上げられていた。だが、かおはそのまま、髪は肩のところでばっさりと切り下ろされ、マントを羽織った姿はまるで男装だった。

「か、おるさん?」

確かめるように声を上げると、薫はうっそりと微笑んだ。

Re: 薄桜鬼  沖田総司 ( No.38 )
日時: 2011/05/27 19:59
名前: さくら (ID: Tzn/2JVm)

今夜は人手が足りなかった。
幹部連中はほとんど出払っており、いつも指揮を執るはずの土方や近藤は屯所を空けていた。
そのためか虚を突くように鬼が奇襲を仕掛けてくる。
屯所に残っていた山崎や山南では手に負えきれないほどの圧制力だった。
その上夜は羅刹の活動時間だ。
血の匂いが満ちる屯所にいた羅刹たちは、匂いにあてられ正気を失っていしまう者が多発した。
被害が二重に重なり、犠牲者を増やすばかり。
何とか残った者たちで他の幹部連中が帰ってくるのを、刀を振り、待つしかない。
そんな騒然とした屯所内の一角。
総司の部屋には狂った羅刹が数人、千鶴と総司に刃を向けていた。
だが、そんなことよりも千鶴の気は、目の前で佇む少女———否、少年に注がれていた。

「どうして、薫さんがここに———?」

訊ねると薫は口元に笑みを浮かべた。

「お前と話がしたかった。千鶴」

唐突に差し出された手に、千鶴は目を瞬いた。町で会っていたときとは全く違う口調もそうだが、どこか懐かしい響きかがこもっている様にも思えた。
もう一度口を開けようとした刹那、千鶴の脇を総司がすっとすり抜けすぐそばまで迫っていた羅刹を切り伏せる。

「お見事です。沖田総司さん。その体でよく頑張っていますね」
「…無駄口はいいよ。それより、どういうことか説明してくれるよね。南雲薫?」

立っているのもやっとの様子で、総司はふらつく足を叱咤して薫を睨み付ける。刀の構えを解かずに千鶴と薫の間に立つ。
薫は苦笑をして後ろを振り返った。

「そうやら、まだ飲んでいないようですね、沖田さん」
「まだ?」

切り伏せられた羅刹を眼下に見て、薫は笑みを深くする。言葉の意味が理解できなかった千鶴は、顔を背ける総司を見つめた。

「いつまで持つんでしょう?その体。まぁ、そんな話をするためにここに来たわけじゃないんです」

薫は総司の背に庇われた千鶴を見つめ、目を細めた。

「お前の話だよ。千鶴」
「私?」

血の匂いが漂うなか、ゆっくりと語りだされた薫の話。
夜半を過ぎた月は徐々に傾きは閉める。
開け放たれた障子からは冷たい風と、柔らかな月光の光が入り込んできた。
薫の口から放たれる衝撃の事実。
生まれは雪村家ではなく、ここからずっと遠くの鬼の里。静かに暮らしていた一族に人間たちの愚行極まる仕打ち。その悲劇は双子として生まれた薫と千鶴を別々に、引き離されるように引き取られた。
薫はは南雲家へ。千鶴は鋼道に連れられ雪村家へ。
そして、育ててきてくれた鋼道とは血縁関係がないこと。
突きつけられる事実。
どれも信じられない。信じたくない。
千鶴は首を振った。信じたくなかった。ずっと育ててくれた、大好きな父。だが真実は鋼道とは無縁であることが、是という。

「すぐに信じるというのは酷だろう」

薫は困惑する千鶴の肩に手を置く。労わるような瞳で妹を見つめた。
二人を眺めていた総司に向き直ると、薫は切々と語った。

「お願いがあります、沖田さん」
「…何?」
「僕の力じゃ千鶴は守れない。僕は鬼の中でもあまり力がる方じゃありません」
「でも、鬼なんだよね?」
「…それでも、ここに千鶴が居たいと願うのなら、僕は手を出せない」

一瞬千鶴に視線を向けて、総司の様子を伺った。
体が警鐘を打ち鳴らしている。呼吸をするたび胸が痛んだ。間接が悲鳴を上げて、立っていると眩暈がした。
意識が朦朧とするなか、総司は必死に言葉を探した。

「…だから、僕に守らせようって訳?」
「ご明察です。僕じゃぁ、力が及ばない。あの風間たちにかわいい妹を、やっと見つけた妹を奪われるのは嫌なんです」
「でも、僕の命はもう長くないかもしれないし、警護なら他に腕の立つ人が新選組にもいるんじゃない?」

総司は刀を握りなおすと、薫から少し距離をとった。警戒態勢に入った総司を認めて、肩をすくめる。

「貴方にしか頼めないんです。千鶴は貴方のことが気になるようですし」

千鶴に視線を移すと頬を赤らめてそっぽを向くのが、淡い月光の中でもよくわかった。

「だから、僕に?」
「はい。どうかお願いします。こんなことで大切な女鬼を、妹を失いたくないんです」
「……」

総司はしばらく返事をしなかった。
確かに千鶴を守ることは新選組総出、総力をあげて守ってきた。総司もそれに反対ではなく、むしろ悪性の風間に千鶴を渡すのが釈然としなかったからだ。
ただ、理由はそれだけ。守ってほしいと切願されても、返事に窮した。
守れることなら、今の総司でなければ守ろうと言えただろう。だが、もう立つことすら困難な今の自分に何ができるのだろう。
そう自問自答を繰り返していると、薫は薄い唇を吊り上げた。

「“変若水”が、あるじゃないですか」
「えっ…」

千鶴は薫の言葉に弾かれたように総司を凝視する。一方目線を合そうとしない総司は、苦虫を噛み潰したように顔をしかめ、薫を見据える。

「…本当に、病が治るの?」
「沖田さん、待ってください、“変若水”をどうして———」
「はい。以前も言いましたが、病は完全に治ります。俺たち鬼が病を患わないように、羅刹となればそれは同じです」

千鶴の声を遮って薫は詰め寄った。
総司の心が揺れる。瞳が揺らぐ。それを見て千鶴は察した。今、総司は外道の道か、人としての道か。その分岐点にいるのだと。

「沖田さん———っ!?」

いきなり薫が掴んだかと思うと、外へと連れ出された。
それと同時にまたもや発狂しながら羅刹が数人押し寄せてきた。

「薫さん、離してくさい!沖田さんがっ」

動くこともままならない、限界を迎えた総司はうっそりと笑った。
部屋に一人取り残された総司を呼ぼうとしたとき、薫の声が耳元で響く。

「見ていてご覧、千鶴。鬼の誕生だ———」

羅刹たちの咆哮が闇夜に木霊した。

Re: 薄桜鬼  沖田総司 ( No.39 )
日時: 2011/07/01 21:39
名前: 紫苑(シオン) (ID: D6CJex8x)

 さくらさん はじめまして。 

  
   紫苑っていいます。

  はじめて書くので、失礼があれば
   すいません((涙

  敬語が変かもしれないので、
  タメでいいですか?
 えっと…長々とすいません(ペコッ



   薄桜鬼大好きです☆
   沖田さん大好きです☆                
     一方的に読むだけですが、

     更新、楽しみにしてます((笑顔★


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