二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
日時: 2013/02/02 19:35
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330

はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。

※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。

これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。

それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395

番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265

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Re: 第百二十九話 超火力超能力 ( No.314 )
日時: 2012/12/02 00:14
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: PIT.hrJ/)

「私の本気のシビルドンから先手を取るとは、お見事です。こいつは先鋒戦ではなかなか負けないのですがね」
「それは俺のヘルガーも同じだ」
ザントの言葉に、流石です、とマターは言葉を返し、次のモンスターボールを取り出す。
「それでは次です! ビビッドン、逃げ惑う者全て喰らえ!」
マターの二番手は、ポケモンの中でも一際奇形なポケモン、ビビッドン。
「珍しいポケモンだな。ヘルガー、ダークロアー!」
ヘルガーは悪意に満ちた咆哮と共に闇の衝撃波を撃つが、
「ビビッドン、バグノイズ」
対するビビッドンは狂ったような雑音を発し、闇の衝撃波を破壊し、さらに雑音でヘルガーの動きも止めてしまう。
「そこだ! 十万ボルト!」
すかさず、ビビッドンは強烈な電撃をヘルガーに浴びせかける。
シビルドン戦でのダメージも蓄積していたヘルガーは、ここで戦闘不能となって倒れてしまう。
「よくやった。ヘルガー、休んでおけ」
ヘルガーをボールに戻すと、特に何か話すこともなく、ザントは次のボールを取り出す。
「次はお前だ。暴れて来い、ズルズキン!」
ザントの二番手はズルズキン。ビビッドンをギロリと睨み付けると、胡坐をかいてその場に座り込む。
「おやおや、これはまた異色のバトルスタイル。私並みに性格が悪そうなポケモンですねえ」
「自覚があるだけマシだな。まだ救いようはあるってことか」
「つまらん冗談ですな。ビビッドン、気合玉!」
ビビッドンは手に気合を凝縮し、その弾を投げつける。
「ズルズキン、防御!」
対してズルズキンは自分の脱皮した皮を被り、防御の姿勢を取る。
気合玉は正面から命中、ズルズキンは吹っ飛ばされるが、何事もなかったように余裕で立ち上がり、大きく舌打ちし、ガラの悪い目つきでビビッドンを睨み付ける。
「ズルズキン、やり返せ。龍の舞、そして復讐だ!」
ズルズキンは、力強い龍のように舞い、自身の能力を上げる。
そして、二、三歩歩いたかと思うと、先ほどのだらけた態度が嘘だったかのように、いきなり地を蹴って跳び出し、復讐心を込めた拳でビビッドンを殴り飛ばす。
「さらに追い込め! 飛び膝蹴りだ!」
ズルズキンはいったん着地すると、すぐに勢いよく跳び、ビビッドンの顔面に強烈な膝蹴りを叩き込む。
「そこまでです。ビビッドン、十万ボルト!」
やられっぱなしのビビッドンではない。三本の足でしっかりとバランスを取り、すぐにズルズキンに向き直ると、強烈な電撃を放つ。
攻撃直後のズルズキンは反応が追いつかずに、電撃の直撃を喰らってしまう。
「さらにバグノイズ!」
そのままビビッドンは狂ったような雑音でズルズキンの体の内側にもダメージを与え、
「吹っ飛びなさい! 気合玉!」
構えた両手から気合を凝縮した弾を撃ち出す。
「ズルズキン、立て! ドラゴンテールだ!」
ズルズキンはすんでの所で起き上がると、龍の力を込めた尻尾を思い切り振るい、気合玉を弾き飛ばす。
「仕返しだ。復讐!」
ザントはズルズキンと波長が合うのか、先ほどよりもバトルを楽しんでいるように見える。
ズルズキンはガンをとばすと、拳に憎悪の力を込め、ビビッドンに殴りかかるが、
「ビビッドン、サイコキネシス!」
ビビッドンは強い念動力を操作し、あろうことか柱を強引にへし折り、その柱を操ってズルズキンの拳を止めてしまう。
「そのまま叩きつけろ!」
後退したズルズキン目掛けて、ビビッドンはその柱を思い切り叩きつける。
「こいつは…ズルズキン、跳び膝蹴り!」
防御は無意味だと判断し、ザントは攻撃を指示する。
ズルズキンは地を蹴って跳び、強烈な膝蹴りを柱に叩き込む。
柱の軌道はずれ、何とか回避することは出来たが、柱は少しひびが入った程度で、折れることは無かった。
つまり、
「そのビビッドンのサイコキネシスの威力、桁違いだな」
そう。龍の舞を一度積んだズルズキンの跳び膝蹴りでさえ砕けなかった柱を、ビビッドンは容易くへし折っている。
ズルズキンが悪タイプなので直接は喰らわないが、もし悪タイプでなければ、完全に体の動きを支配されていただろう。
「まあ、そうですね。こいつのサイコキネシスは、持ち上げるだけなら500キロほどあるメタグロスまで持ち上げられます」
操るとなるともう少し軽くないと無理ですね、とマターは軽く告げ、
「おしゃべりはここまでですよ。ビビッドン、気合玉!」
「そうだな。ズルズキン、ドラゴンテールからの復讐!」
ビビッドンは構えた両手から気合を凝縮した弾を放つが、ズルズキンは龍の力を込めた尻尾で気合玉を弾き返すと、憎悪を込めた拳を振るい、ビビッドンの横顔を殴り飛ばす。
「やってくれますね! ビビッドン、気合玉!」
それでもビビッドンの体勢自体は崩れない。ビビッドンは気合を凝縮した弾を手掴みし、直接ズルズキンの腹部へ叩き込み、ズルズキンを吹っ飛ばす。
「そろそろ終わらせましょうか。ビビッドン、バグノイズ!」
ビビッドンは狂ったような雑音を発し、ズルズキンの動きを止め、
「サイコキネシス!」
先ほどの倒れた柱を横なぎに振るい、今度こそズルズキンを叩き飛ばす。
「ジ・エンドです。十万ボルト!」
立ち上がろうとするズルズキンに、容赦のない追撃が叩き込まれる。
ズルズキンは電撃をまともに浴び、その場に崩れ落ちた。
「チッ…ズルズキン、よくやった。休んでおけ」
ザントは少々惜しそうにズルズキンを戻す。やはりズルズキンとはどこか波長が合うのだろうか。
「ならば次はこいつだな。先鋒、次鋒の仇を取ってこい、ネクロシア!」
ザントの次のポケモンは、死神ネクロシア。
「ほう。私のビビッドンほどではないにしろ、異形のポケモンですな」
マターのその言葉はスルーし、ザントはビビッドンを見据え、ネクロシアはそっと右手の爪を構える。

Re: 第百三十話 要塞岩石獣 ( No.315 )
日時: 2012/12/04 00:05
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1ZQMbD0m)

「まだやれますよ。ビビッドン、十万ボルト!」
「仕留めろ。ネクロシア、辻斬りだ!」
ビビッドンは強烈な電撃を放つが、ネクロシアは電撃を上手くかわしつつビビッドンに接近し、すれ違いざまにビビッドンを下半身の鎌で切り裂く。
効果抜群の一撃を喰らい、これでビビッドンは戦闘不能となる。
「ま、こんなところか。ビビッドン、戻れ」
マターはビビッドンをボールに戻し、すぐに次のボールを取り出す。
「次はこいつです。ドサイドン、阻む者全て壊せ!」
マターの次なるポケモンは、頑強で大きい体に、プロテクターをまとった、大きな岩の怪物ポケモン、ドサイドン。通常個体より大きく、四メートルほどある。
「ドサイドンか。ガチガチのパワータイプだが、その分戦術は分かりやすいな」
「さあどうでしょう。とは言え、確かにドサイドンというポケモンでやれることは限られてきますが。ドサイドン、ストーンエッジ!」
ドサイドンは大きな雄叫びを上げ、無数の尖った岩を放つ。
「ネクロシア、ギガスパーク!」
ネクロシアは大きな電撃の砲弾を放ち、無数の岩を撃ち落としていく。
体格差は大きいが、この二体の攻撃力はほぼ互角。
「ネクロシア、辻斬り!」
ネクロシアはすっと動くと、次の瞬間にはドサイドンの真ん前まで接近し、下半身の鎌でドサイドンの腹部を切り裂く。
だが、ドサイドンの体勢は崩れないどころか、表情もほとんど変わらない。
「こいつの防御力を舐めないでくださいよ。こいつはそこのトレーナーのリーテイルのリーフブレードを何発喰らっても倒れませんでしたからね」
ま、プロテクターのおかげでもありますがね、とマターはレオを指さし、不敵に笑う。
「ドサイドン、メガホーン!」
ドサイドンは角を構え、巨体には似合わないなかなかのスピードで突貫するが、
「ネクロシア、かわしてスプラッシュ!」
ネクロシアは素早く横に逸れてドサイドンの角を避け、水飛沫を上げながら水をまとった腕をドサイドンに叩きつける。
「辻斬りだ!」
効果抜群の一撃を喰らい体勢を崩したドサイドンへ、ネクロシアはさらに下半身の鎌の追撃を狙う。
狙いを研ぎ澄まし、鎌で的確にプロテクターの隙間を切り裂く。
「構うな。ウッドハンマー!」
しかし、プロテクターの隙間を狙っても、ドサイドンの体勢は崩れない。
そのまま大木のように堅い腕でネクロシアを殴り飛ばす。
「私のドサイドンは非常に高い防御力を持っています。たとえプロテクターで覆われていないところに攻撃を受けようと、効果抜群でない限りはこいつの動きは止まらない。重い一撃を、相手の攻撃を気にせず叩き込めるのですよ。ドサイドン、ストーンエッジ!」
ドサイドンは無数の尖った岩を放ち、さらに追い打ちをかける。
「ネクロシア、ギガスパーク!」
ネクロシアは体勢を崩しながらも、大きな電撃の砲弾を放ち、ストーンエッジを相殺する。
そのネクロシアの目は、怒りに燃えている。
「来たな。ネクロシア、その怒りを解き放て! 怒りの炎!」
このネクロシアは、明確な怒りを宿したとき、超火力の炎を放つことが出来る。
ネクロシアは目を見開き、憤怒の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
その炎はヘルガーの地獄の炎にも引けを取らない威力で、ドサイドンを炎に巻き込み、じわじわとドサイドンを焼いていく。
「突っ込め。ネクロシア、スプラッシュ!」
その炎を掻い潜り、ネクロシアは腕に水をまとい、アッパーのようにドサイドンの下あごに水をまとったパンチを叩き込む。
「ぐぬっ、ドサイドン、炎を打ち払え! 地震だ!」
ドサイドンは地面を踏み鳴らして地震を起こし、炎を薙ぎ払う。
「メガホーン!」
さらにドサイドンは地を蹴って跳び、角を構えてネクロシアへ突っ込む。
「かわして辻斬り!」
対してネクロシアはドサイドンの脇を潜り抜けつつ、辻斬りでドサイドンの脇腹を切り裂く。
「スプラッシュ!」
そのまま素早く向き直り、ちょうど振り返ったドサイドンの脳天に水をまとった腕を叩きつける。
ドサイドンがぐらつく。だがまだ倒れない。ドサイドンの最も弱い水タイプの技を三、四発喰らってもまだ起き上がる防御力を持つ。
「相当硬いな…ネクロシアのスプラッシュを何発受けてると思ってやがる」
「舐めてもらっては困るといったはずですがねえ? ドサイドン、ストーンエッジ!」
ドサイドンは自身を鼓舞するように雄叫びを上げ、無数の尖った岩を放つ。
「無駄だ! ギガスパーク!」
ネクロシアは大きな電撃の砲弾を放ち、岩を撃ち落としてゆくが、
「無駄? それくらい知っていますよ。メガホーン!」
電撃の砲弾を突き破り、ドサイドンは突貫してくる。
その巨体に似合わないスピードで、今度こそドサイドンの角がネクロシアを捕えた。
「終わりです! ウッドハンマー!」
すかさずドサイドンの大木のような鉄拳が叩き込まれる。
ネクロシアの脳天にまともに叩きつけられ、ネクロシアはこれで戦闘不能となる。

Re: 第百三十一話 吼える炎龍 ( No.316 )
日時: 2012/12/06 20:02
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1ZQMbD0m)

マターとザントの勝負を、レオとウェイガは少し離れたところから見ていた。
「あのマターとやら、相当なやり手だな。正直ここまで強いとは思わなかったぞ」
「イビルのボスをやっているだけの実力はありますね。僕も以前五割ほどの力を出したマターと戦いましたけど、あれは五割じゃなかったですね」
チャンピオンを追い詰めたザントと互角に戦うその実力。今の自分では勝てないだろう、レオはそう感じた。
確かにレオはザントに勝利しており、ザントは手加減はしないトレーナーだが、手加減をしないことと本気を出すことは似ているがイコールではない。
今ザントは、世界を救うため、全力で戦っている。そういうバトルへの思いは、ジム戦での手加減しない勝負と同じだということはありえない。
実際、そのような勢いでザントがバトルを仕掛けてこれば、レオは確実に勝てない。
そのザント相手に互角の戦いを見せるマター。彼もまた、屈指の実力者だったのだ。
「とりあえず、ザント殿がバトルを終えた後を考えるぞ。奴はすぐにガタノアを動かすだろう。そうなれば…」
「ええ、僕たちも動かないといけませんね。チヅルやキラたちも、一刻も早く来てくれるといいんですけど…」
その時、レオはあるものに目が付いた。
マターがモンスターボールを取り出す際に、手から外し、横に投げ捨てた物。
すなわち、機械の爪、『ゲート』。


「こいつに任せよう。出て来い、ジバコイル!」
ザントの四番手は、地場ポケモンのジバコイル。
「おや、タイプ相性に圧倒的に不利なジバコイルで来ますか。何か策でもあるのでしょうか?」
「お前は何を言っているんだ?」
マターの挑発を、ザントは軽く返す。
「お前は分からないのか? ジバコイルの鋼技がドサイドンに効果抜群だということに。ジバコイル、磁力線!」
ジバコイルはユニットを回転させ、磁力の波を放つ。
磁力線は技の動きが見えず、相殺するのが難しい。
ドサイドンは磁力線をまともに浴びるが、まだ倒れない。
「ドサイドン、地震だ!」
「させん! ジバコイル、ハイドロポンプ!」
ドサイドンが足を踏み鳴らして地震を起こすより早く、ジバコイルは大量の水を噴射し、遂にドサイドンを吹っ飛ばす。
ドサイドンの特防は防御と比べると低い。それでも普通のドサイドンよりは高いが、今までの蓄積ダメージもあり、ドサイドンは遂に倒れてしまう。
「ま、こんなところでしょうね。ドサイドン、戻れ」
マターはドサイドンをボールに戻し、そして次のボールを取り出す。
「そろそろ終わらせましょうか。リザードン、群がるもの全て燃やせ!」
マターの四番手は、尻尾の先に炎を灯し、オレンジ色の体のドラゴンポケモン。
炎・飛行タイプ、火炎ポケモンのリザードン。
前々からマターが空を飛ぶときに使われていたポケモンが、ついに戦線に現れる。
「リザードンか。お互いに有効打はあるが?」
「そうですね。どちらが勝つかは、戦略次第でしょう。リザードン、火炎放射!」
リザードンは雄叫びを上げ、灼熱の炎を噴き出す。
「ジバコイル、ハイドロポンプ!」
対するジバコイルは大量の水を噴射し、炎を打ち消す。
「十万ボルト!」
さらに強烈な電撃を放ち、リザードンを襲う。
「リザードン、ダイヤブラスト!」
対して、リザードンは周囲に煌めく爆風を放ち、電撃を吹き飛ばす。
「そうくるか。ならばジバコイル、バグノイズ!」
ジバコイルは狂ったような雑音を放ち、リザードンの体の内部からダメージを与える。
バグノイズは効果今一つ、しかしリザードンの動きを止めるには十分。
「追撃せよ。ジバコイル、十万ボルト!」
すかさずジバコイルは強烈な電撃を放ち、リザードンを捕える。
「リザードン、これくらいで怯むな。気合玉!」
効果抜群の技一撃程度では、リザードンはやられない。すぐに立ち上がると、気合を凝縮した弾をジバコイル目掛けて投げつける。
「ジバコイル、磁力線!」
ジバコイルは磁力の波を放ち、気合玉を相殺するが、
「火炎放射!」
追撃の手を緩めず、灼熱の炎が飛んでくる。ジバコイルは避けきれず、炎をまともに浴びる。
「チッ、ジバコイル、立て直せ! ハイドロポンプ!」
炎を喰らったジバコイルは、目を点滅させながらも体勢を立て直すと、大量の水を噴射して反撃する。
「リザードン、かわしてダイヤブラスト!」
「ジバコイル、逃がすな! 十万ボルト!」
リザードンはハイドロポンプをかわして飛び上がり、煌めく爆風を放つ。
対してジバコイルも強烈な電撃を放つ。
電撃は爆風により打ち消されるが、威力が弱まり、爆風も届かない。
「火炎放射!」
「ハイドロポンプ!」
すかさずリザードンは灼熱の炎を放つが、ジバコイルも大量の水を噴射。
「さらにもう一発ハイドロポンプ!」
その隙を逃さず、ジバコイルは大量の水を噴射し、リザードンを吹っ飛ばす。
「なかなかやりますね、そのジバコイル。侮れませんね」
「当たり前だ。八年以上前からの仲間だぞ」
言葉のやり取りはあるが、どちらも表情は崩れない。
リザードンは起き上がり、自身を鼓舞するように大きく咆哮する。
ジバコイルもユニットをフル回転させ、リザードンを威嚇する。

Re: 第百三十二話 もう一人のマター ( No.317 )
日時: 2012/12/07 00:20
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1ZQMbD0m)

「ジバコイル、十万ボルト!」
「リザードン、ダイヤブラスト!」
ジバコイルとリザードンは、実力がほとんど拮抗しており、なかなか試合展開が進まない。
ジバコイルの放った強烈な電撃を、リザードンの煌めく爆風が打ち消す。
「気合玉だ!」
続けてリザードンは気合を凝縮した弾を投げつける。
「ジバコイル、まだだ! バグノイズ!」
ジバコイルは気合玉を喰らい、体勢を崩しながらも、狂ったような雑音を放ち、
「ハイドロポンプ!」
大量の水を放出し、リザードンを捕らえる。
「この程度の技! リザードン、エアスラッシュ!」
対するリザードンは無数の空気の刃でジバコイルの動きを止める。ジバコイルと同じ戦法で来たのだ。
「火炎放射!」
そして灼熱の炎を放ち、ジバコイルの鋼のボディを焼いていく。
「チッ、ジバコイル、磁力線!」
「ダイヤブラスト!」
ジバコイルは軌道の見えない磁力の波を放つが、リザードンは煌めく爆風で強引に磁力の波を相殺してしまう。
だが、
「十万ボルト!」
この後の動きはザントの方が早かった。
ジバコイルは素早く強烈な電撃を撃ち出し、リザードンは電撃をまともに浴びる。
しかし、
「これを待っていました」
マターの自信に満ちた声が聞こえると同時に、リザードンの尻尾の先の炎がより力強く、そして青白く輝き始める。
「リザードンの特性、猛火です。どうです、猛々しく、かつ神々しい姿でしょう?」
「だが、猛火の発動はリザードンがピンチであることの証でもある。次で決めさせてもらおうか」
「上等です」
そして、二人は動く。
「リザードン、憤怒の業火を放て! 火炎放射だ!」
「ジバコイル、これで仕留めろ! 十万ボルト!」
リザードンは轟音を立てて燃える灼熱の業火を放ち、ジバコイルは左右のユニットをフル回転させ、最大電力の電撃を放つ。
お互いに競り合うことなく一直線に標的へと向かい、双方で爆発が起こる。
砂煙が晴れると、双方のポケモンは力を使い果たし、戦闘不能となっていた。
「ジバコイル、上出来だ。これで勝てる」
「リザードン、戻っておけ。これで私の勝ちだ」
そして、お互いに最後のボールを取り出す。
「次のポケモンが、私の最後の一手。私の初めてのポケモンであり、私の暗い過去と今の覚悟の象徴、私の本気。その力、お見せしましょう」
いつの間にか表情から嘲りを失くし、真剣な表情となり、ボールを構えたマターに、ザントは告げる。
嘲笑を浮かべて。
「何が覚悟だ」
その言葉に、マターの動きが止まる。目が細くなり、ザントを睨む。
そして、その鋭い眼光に動じることもなく、ザントは続ける。
「世界を変えるために、自分だけが世界の王となるために、今までの仲間も全て切り捨てると誓っておきながら、自分の最初のポケモンに頼る。そんな矛盾した覚悟で、世界を征服するなどとほざいている時点で、貴様の覚悟など知れたもの——」

「黙れ!!」

ザントの声は、マターの怒声によりかき消される。
普段、常に他者を見下すような男が。常に余裕を持ち、決して取り乱したことのない男が。
我を忘れたかのごとく、声を荒げ、さらに怒声を上げる。
「貴様に私の何が分かる! 私の孤独で暗い過去が! 幼き頃に心の拠り所を全て失った、私の思いが! 貴様などに分かってなるものか!」
目の前にいる男、ザントが、昔どのような立場にあり、その立場に至るまでの過去がどのような物であったかも知らぬまま、マターは激昂する。
「このボールの中のポケモン、こいつは私の唯一の心の拠り所だった! こいつは私の一部! こいつは私と共にある! この私の最後の一手は、ただの仲間といった生ぬるいものではない! こいつはもう一つの私なのだよ!」
マターは止まらない。その歪んだ勢いは、さらに勢いを増していく。
「私の過去など何一つ知らないのに、あたかも私の全てを知ったようにほざきやがって! 貴様だけは絶対に許さぬ! 石化するだけでは足りん、そのあとでその体を粉々に砕いてくれるわ!」
終始、ザントは無言だった。
ザントは、マターと同じか、それよりも暗い過去を歩んできた自信がある。善人面して気取った奴らを潰すために、世界征服の野望を掲げ、グループを作り上げる。ほとんど、昔のザントと同じだった。
だからこそ、ザントは感じたのだ。
この男に、自分と同じ失敗を繰り返させてはならないと。
そして、ザントのそのような思いなど知るはずもなく、マターはついに最後の一手を繰り出す。
もう一人の自分とも称した、マターの最強の切り札を。
「絶望と破壊を与えろ! ブレイドン、抗う者全て絶やせ!」
マターの切り札は、非常に頑強そうな体を持つ、恐竜のような外見のポケモン。大きさは先ほどのドサイドンより少し小さいが、それでも通常サイズよりと比べて三倍ほどある
目は真紅に光り、口は巨大な刃のように鋭く、尻尾も刃のような形をしている。
ブレイドン、切っ先ポケモン。鋼・岩タイプ。
ドサイドンと同じような体つきで、少し小さいにも関わらず、その放つ威圧感は桁違いに大きい。
「こいつは一体で七将軍の全ての手持ちを相手取ることができる。そこに私の今までの手持ち四体を加えても同様! こいつが出た時点で、貴様に勝ち目などないのだ!」
マターの言葉に呼応し、ブレイドンは大地を揺るがすような咆哮を上げる。
その咆哮はネメアの咆哮をも凌駕する力強さを持つが、それを見てもザントは顔色一つ変えない。
「叩き潰されるのはお前の方だ。終焉を告げよ、サザンドラ!」
ザントの最後の一手、サザンドラも、目の前の敵がいかに強いかを感じ取ったはずだ。
しかし、ザント同様、一切動じることもなく、うっすらと笑みを浮かべ、ブレイドンを見据える。
最後にして最強のポケモン同士の戦いの幕が、切って落とされた。

Re: ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 ( No.318 )
日時: 2012/12/07 22:16
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 久々にコメントしに来ました、白黒です。

 遂にイビルとの戦いも大詰めですね。マターとのバトルも着々と進んでいますし、ライラプスとのガニメデとのバトルも、行方が気になります。彼らは伝説のポケモンをどう攻略するんでしょうか。

 レオがゲートに目を付けたのも、気になりますね。まさかレオ君……

 マターも本性を現し、切り札登場ですか。正直ブレイドンというのは意外でした。リザードンなら納得ですけど、ブレイドンっていうと、どっちかっていえば、アンタレスの方があってる気がします。まあ、彼女にはポリゴンZがいますが。キラとのバトルは個人的に一番印象深いです。
 そういえば今更ながら気付きましたが、マターの手持ち、全部最後の二文字に『ドン』って付きますね。


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