二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
日時: 2013/02/02 19:35
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330

はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。

※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。

これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。

それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395

番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80



Re: 第八十九話 最後にして最強のジムリーダー ( No.234 )
日時: 2012/11/17 17:52
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

レオは、船に乗っていた。
フローズンシティの港から船に乗り、今はソルナシティに向かっている。
一日前のこと。
「ザントは、七年前に彗星のように現れた、凄腕のポケモントレーナーだ。当時不在だったソルナのジムリーダーに任され、それ以来、挑戦者に圧倒的な力を見せつけており、そのせいでウチセトの関門とも言われている」
グレースが説明しているのは、ソルナシティのジムリーダー、ザントという男。
「奴は人間不信でな。自分より強い者でないと、人の言葉に耳を貸そうとすらしない。だが実力は本物だ」
どのくらい強いかというとだな、とグレースは続け、
「今まで、初挑戦でザントに勝ったものは一人もいない、と言えば、その強さが分かるか?」
「!?」
レオとチヅルは目を見開く。
スミレとシオンも知らなかったようで、顔を見合わせている。
「明日、私はザントに協力を求めに行く。ソルナシティはここの港から船で行くのが一番だ。レオ君たちも、明日にでも行くといい」
という感じで、現在に至る訳だ。因みに、船の中にはチヅルはいない。
レオは窓から外を眺める。フローズンシティ付近の海で見た氷はもうなくなり、雪も完全にやんでおり、太陽さえ昇っている。
「やっぱり、雪が降ってるのはフローズンシティだけなんだな…」
フローズンシティの住民は大変だろう。
海から、額に角を生やした青い大きな魚のようなポケモンが飛び跳ねる。
オールガ、シャチポケモン。水・悪タイプ。
見ていると、オールガは一匹だけではなかった。群れのオールガが飛び跳ねる。
「オールガは別名水中のハンター、か。この船は大丈夫なのか?」
だが、特に心配はなかった。オールガは飛び跳ねて威嚇しているようだったが、襲っては来なかった。
続いて、海に浮かぶ岩場に、人魚のようなポケモンが二、三匹佇む。
人魚ポケモンのセルディー。シャウラが持っているポケモンだが、レオはそのことを知らない。
「海にもいろんなポケモンがいるんだな…」
呟いている間にも、船はどんどん進んでいく。
もうすぐ、ソルナシティに到着である。


ソルナシティ。
『シティ』とあるものの、見た感じはとても街といえるところではない。
いや、町ですらない。ここに合う表現とすれば、『村』が妥当な表現だと言えるだろう。
一応道は整備されている。公孫樹の木が道路脇に生え、静かな村の雰囲気を醸し出している。
家もそう多くない。フィアタウンよりは多いものの、見える家は木造のものばかりで、近代のコンクリートで作られたような家は見えない。
また、公園もある。この村に住んでいるのであろう小さい子供たちが、公園で遊んでいる。
レオはひとまずポケモンセンターに向かう。
ロビーには、何人かトレーナーであろう人たちがいた。
とりあえず、ちょっと休憩し、その後そのトレーナーたちと雑談を始めるレオ。
しばらく雑談し、大体の情報交換も終わったので、
「さて、ジムに向かいますか」
すると、
「ジムに行くのか?」
雑談していたトレーナーの一人が、レオに声をかける。
「ここのジムリーダーには半端な気持ちで挑むなよ。ソルナのジムリーダーは、ウチセトの関門。そう簡単には勝たせてくれないからな。何しろ、俺もまだ勝ってないんだ」
「オッケー。忠告ありがとう」
レオはお礼を言い、ジムに向かう。


ソルナジムは、他の今までのジムに比べるとずいぶん質素だった。
外見こそジムだが、作りは木造で、ジムの大きさも小さい。
ジムトレーナーも居なさそうな雰囲気だ。その時、
「お、レオ君。ザントに挑戦か?」
ジムから、グレースが出て来た。
「グレースさん! 協力は得られましたか?」
「一応な。あいつは強いぞ。覚悟して挑め」
それでは、とグレースは手を振り、行ってしまう。
レオは深呼吸し、
「お願いします!」
ジムの扉を開ける。
ジムの内部も質素だった。コロシアムがあるだけ。奥にあるはずのジムトレーナー室もない。
コロシアムしかないようで、隅にポケモン回復装置がある。
そして、コロシアムの向こう側に佇む男が一人。
その男の右腕は無かった。
その男の左足は義足だった。
青と黒を基調とした、何かの組織の制服のような服を着ている。年齢はカペラより少し若いくらいか。
「お前は、挑戦者か?」
その男が口を開く。
「はい。ジム戦に来ました」
レオはその男から発せられるオーラに圧倒されそうになりながらも、自我を取り戻し、返答する。
「そうか。似てるな…」
「はい?」
「お前の目だ。昔居た、とある男と目がそっくりだ。自分の世界を失った俺を救った、憎たらしい英雄にそっくりだ」
レオは何を言っているのかが分からなかったが、とりあえず話を聞く。
「俺の名はザント。俺は八年前、ある組織の長を務めていた。だが、俺のたった一つの失敗で組織は壊滅、俺は生まれ故郷のこの地に身を引いた」
ザントは淡々と話す。
「その時、俺に手を差し伸べてくれた男の目と、お前の目がそっくりだと言っているのだよ」
そして、
「俺は、初めて戦いに来る挑戦者には一度も負けたことがない。お前の実力、とくと見せてもらうぞ」
ザントは静かにボールを取り出した。
レオも気合を入れ、ボールを構える。

『ソルナシティジム ジムリーダー ザント 誰よりも悪を知る男』



さあ、遂にザントの登場です! しょっぱなからとんでもない強者設定が加えられていますが、これがザントなのです。有無を言わせないその強さは、俺の前作を読んだ人なら誰でも知っているでしょう。とにかく、彼はもの凄く強いのです。さて、次回は、遂にザント戦。それでは、次回もお楽しみに!

Re: 第九十話 最強のジムリーダーの実力 ( No.235 )
日時: 2012/11/17 17:56
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

「出て来い、サザンドラ!」
先にポケモンを出したのはザントからだった。
青い体に黒い体毛、三つの顔を持ち、背中に六本の翼を生やした、四メートル強のドラゴンポケモン。
レオは図鑑を調べるが、
「? 説明が出てこない…」
画面には『No information』(情報がありません)と表示されている。
「サザンドラはウチセトにはいないポケモンだ。代わりに俺が教えてやる。サザンドラは悪・ドラゴンタイプ。特性は浮遊だ」
ザントの言葉を聞き、レオはボールを別のものに構えなおす。
「一応言っておくが、このサザンドラは俺の切り札だ。ちょっとばかり本気で行かせてもらうぞ」
「臨むところです! まずはお前だ、頼むぞ、フィニクス!」
レオの一番手はフィニクス。向こうのドラゴン技が怖いが、こちらもドラゴン技で効果抜群が取れる。
「行きますよ! フィニクス、まずは大文字!」
フィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「サザンドラ、大文字だ!」
サザンドラも大の字型の炎を撃ち出した。
だが、サザンドラの大文字は、フィニクスのものと少々競り合うが、すぐにフィニクスの大文字を打消し、フィニクスを捕える。
だが、フィニクスの特性は貰い火。炎技ではダメージを受けず、こちらの炎技の威力が上がる。
「よし、フィニクス、ドラゴンダイブ!」
フィニクスはすざましい殺気を放ちながらサザンドラ目掛けて突進。
「貰い火か。ならばサザンドラ、大地の力!」
サザンドラは地面から土砂を噴射させ、逆にフィニクスを捕えた。フィニクスが吹っ飛ばされる。
「くっ、まだまだ。フィニクス、大文字!」
「サザンドラ、龍の波動!」
フィニクスは強大な大の字型の炎を放つが、サザンドラの放った龍の力の込められた波動の弾に押し負け、龍の波動がフィニクスを捕えた。
効果は抜群、フィニクスは吹っ飛ばされ、

それだけで戦闘不能となってしまった。

「え…?」
レオのフィニクスは決して打たれ弱くない。たとえ効果抜群の攻撃でも、もう少し耐えられるはずだった。
「どうした? お前の力はその程度か」
「…い、いいえ。ここからです! 頼む、テペトラー!」
すぐに自我を取り戻し、二番手、テペトラーを繰り出すレオ。
「よし! テペトラー、マグナムパンチ!」
テペトラーはロケットのような勢いで拳を繰り出す。
「サザンドラ、龍の波動!」
対して、サザンドラは龍の力の込められた波動の弾を放つ。
テペトラーの拳と激突するが、少し競り合っただけでテペトラーはすぐに弾き飛ばされてしまう。
「くっ、ここからだ! テペトラー、冷凍パンチ!」
テペトラーは今度は拳に冷気を込め、殴りかかる。
「サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラはもう一度龍の力の込められた波動の弾を放つ。
タイプの相性上、今度は相殺されるが、
「大地の力だ!」
間髪入れずにサザンドラの追撃が来る。
テペトラーの足元から勢いよく土砂が噴出される。テペトラーは思い切り吹っ飛ばされ、壁に激突し、戦闘不能となった。
「くっ…ありがとう、テペトラー…これは…」
レオは薄々感づいていた。
このサザンドラは、強敵なんて生易しいもんじゃない。
「くっそ、まだまだ! 次はお前だ、頼むぞハンタマ!」
レオの三番手はハンタマ。
「スピードで勝負だ! ハンタマ、マッハパンチ!」
ハンタマは一瞬でサザンドラとの距離を詰め、サザンドラの額に拳の一撃を叩き込む。
「よし、やっとだ!」
やっと攻撃が当たった。ハンタマは深追いせず、素早く距離を取る。
「サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラは龍の力の込められた波動の弾を放つ。
「ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
ハンタマは素早い動きで波動をかわすと、足に炎を灯して強烈な蹴りを繰り出す。
「大文字だ!」
対してサザンドラは大の字型に燃え盛る炎を発射。
ハンタマと激突し、やはりハンタマは吹っ飛ばされる。
「大地の力!」
そこにすかさず大地から土砂が勢いよく噴き出し、体勢が整っていなかったハンタマは避けられず、これを喰らって戦闘不能となってしまう。
(実力が違いすぎる…どうしろって…!)
いよいよ後が無くなったレオ。ハンタマをボールに戻す。
「…まだだ。ゼロでなければ、可能性はいくらでも広がる! 任せたぞ、リーテイル!」
レオの最後のポケモンはエースのリーテイル。
「リーテイル、生い茂る!」
リーテイルはコロシアムから植物を生やし、サザンドラに絡みつかせ、動きを止める。
「この程度。サザンドラ、大文字!」
サザンドラはすぐさま大の字型の炎で植物を焼きつくし、難なく脱出。
「リーテイル、ドラゴンビートだ!」
だが、この時間はリーテイルが攻撃を与えるには十分すぎる。
リーテイルは龍の心臓の鼓動のような音波を放ち、サザンドラを攻撃する。
「気にするな。サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラは龍の力の込められた波動の弾を放つ。
「リーテイル、かわしてエアスラッシュだ!」
リーテイルはひらりと龍の波動を避けるが、
「もう一撃だ!」
避けたところにもう一撃波動の弾が飛んできていた。リーテイルは避けられず、波動を喰らって吹っ飛ばされる。
「終わりだ。サザンドラ、クリムゾンエイト!」
サザンドラは、血のように真っ赤な八つの花弁のような光線を放った。
血の花弁のような光線は、吹っ飛んでいくリーテイルに追いつき、体を貫いた。
「リーテイル!」
リーテイルが地面に落ちる。どう見ても戦闘不能だった。
「…僕の…負けです…。実力が違いすぎた…」
ザントの計り知れないその実力の前に、圧倒されたレオだった。



さあ、久しぶりのザント戦闘シーンです。自分で書いてて思いましたが、強すぎますね。アサツキのフシギバナとかリゲルのバンギラスの比じゃないと自分で思いました。あと、クリムゾンエイトは前作で応募した淡幸さんのオリ技です。詳しく知りたい方は、前作をご覧ください。さて、次回は、レオ修行回か、もしかしたら番外編にするかもしれません。どっちにするか悩んでます。それでは、次回もお楽しみに!

Re: 第九十一話 バトルクラブ ( No.236 )
日時: 2012/11/17 17:58
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

レオは、ポケットモンスターのソファに座り込んで、考え事をしていた。
考えていることは勿論、ザントに勝つ方法である。
(戦略云々の問題じゃない。あのサザンドラは単に正面から攻めて来ただけだ)
その通りだった。ザントは、数々の戦術を駆使して勝利をもぎ取るタイプではない。
圧倒的な力で、敵を正面から叩き潰す。典型的なゴリ押しタイプだが、ポケモンの力が非常に高いため、この戦略で十分すぎる結果を手に入れられる。
そして、導き出した結論は一つ。
(あのサザンドラに付け入る隙なんてない。あれを倒すためには、あれより強くなるしかないんだ)
レオはゆっくりと立ち上がった。
各町には、バトルクラブと呼ばれる、ポケモンバトル専門所のようなところがある。


バトルクラブ。
ここには、たくさんのポケモントレーナが強くなるためにやって来る。
パソコンのような機械で、バトル相手を求めているトレーナーを探したり、クラブ内にある様々な機械で修行することもできる。
その時、
「おーっす、レオ。バトルクラブで修行?」
フロントにいたのはチヅル。
「ああ。ジムリーダーのザントさんにボコボコにされた」
「レオも? 私も負けて今から修行中だよ」
どうやらここに来た目的は二人とも同じようだ。
そして、この時の二人の考えも同じだった。
「ここに来た理由は同じ。それなら」
「バトルするしかないでしょ! ね!」
幼馴染の二人は息ピッタリ。二人のバトルが始まる。


ルールはフルバトルとなった。
「よーし、私の力見せつけるぞ! 頼むよ、コーシャン!」
チヅルのポケモンはあのコーシャン。
「お前しかいないよな。出て来い、テペトラー!」
レオの一番手は、相性的には非常に有利なテペトラー。
「やっぱりテペトラーか。でも対策は出来てるよ。コーシャン、まずは瞑想!」
コーシャンは精神を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「物理攻撃で勝負だ! テペトラー、マグナムパンチ!」
テペトラーはミサイルのような勢いで拳を繰り出す。
「コーシャン、悪の波動!」
コーシャンは悪意に満ちたオーラを放って迎撃するが、テペトラーの拳の方が強く、悪の波動は打ち破られ、コーシャンに拳の一撃がヒットする。
悪の波動と競り合って威力は落ちていたが、それでも効果抜群。ダメージは大きい。
「っし! テペトラー、波動弾!」
続けてテペトラーは波動を凝縮した弾を撃ち出す。
「コーシャン、立て直して! 火炎放射!」
コーシャンは素早く体勢を立て直し、燃え盛る灼熱の炎を放つ。
波動弾とぶつかり、威力は互角、お互いに相殺され、消滅する。
「だったらハイドロポンプだ!」
テペトラーは大量の水を噴射する。
「大丈夫よ! コーシャン、サイコキネシス!」
だがコーシャンは念動力を発し、強烈な勢いで飛んできた水を止めてしまう。
「水を逸らして悪の波動!」
そしてコーシャンは念動力を操作して水を明後日の方向へと逸らし、すかさず悪意に満ちた波動を発射する。
「テペトラー、一発耐えて波動弾だ!」
テペトラーは腕を構えて防御の体勢を取り、悪の波動を耐え切り、素早く反撃に出る。
波動の凝縮された弾が放たれ、コーシャンに命中。
瞑想で特殊能力が上がっているため、コーシャンは耐えられたが、それでもダメージは大きい。
「相性が…いや、大丈夫。コーシャン、サイコキネシス!」
コーシャンは念動力を発し、テペトラーに向けて放つ。
一瞬にしてテペトラーを捕え、テペトラーの動きを止めてしまう。
「投げ飛ばして!」
そのまま念動力を操作し、テペトラーを思い切り投げ飛ばす。
テペトラーは壁に激突し、かなりのダメージを負う。
「テペトラー、まだいけるか?」
テペトラーは何とか立ち上がり、頷いた。コーシャンを睨み付ける。
「よし、よく立った! 行くぞテペトラー、マグナムパンチだ!」
テペトラーは拳を構え、地を蹴って飛び出す。一気にコーシャンとの距離を詰めていく。
「同じよ! コーシャン、サイコキネシス!」
コーシャンは再び念動力を発する。
が、
「今だテペトラー! 跳び上がれ!」
テペトラーは思い切りジャンプし、間一髪でサイコキネシスを避けた。
「うそっ!? コーシャン、上よ! 悪の波動!」
コーシャンはすぐに上を向き、悪意に満ちたオーラを放とうとしたが、少し遅かった。
すでにテペトラーとの距離はほとんどなかった。
テペトラーの拳がコーシャンに綺麗に命中し、コーシャンが吹っ飛ばされる。
壁に激突し、戦闘不能となってしまった。
「うん、善戦はしてくれたね。休んでて、コーシャン」
チヅルはコーシャンを労い、ボールに戻す。そして、次のボールを取り出す。
「相性を覆せなかったか。それなら、次はセオリー通り行くよ。お願いね、リーフィス!」
チヅルの二番手は、ガラス瓶から無数の植物を生やし、心地よい香りを分泌している、緑色の爬虫類のようなポケモン。
リーフィス、観葉ポケモン。草・水タイプで、アロフィーの進化形だ。
「強そうなのが現れたな…テペトラー、マグナムパンチ!」
テペトラーはミサイルのような勢いで拳の一撃を繰り出す。リーフィスを正面から捕える。
しかし、
「効いて…ない?」
少々のダメージはあるようだが、リーフィスは平然としている。
「リーフィスは耐久系ポケモン。大体の攻撃は余裕で耐えられるよ」
チヅルは自慢げに言う。
「それでもダメージはゼロじゃないはずだ。冷凍パンチ!」
テペトラーは今度は冷気を込めた拳で殴りかかるが、
「リーフィス、ギガドレイン!」
リーフィスはガラス瓶の下から蔓を出すと、その蔓をテペトラーに巻き付け、動きを止めてしまう。
そして、その蔓を通してテペトラーの体力を吸い取る。
効果は抜群、コーシャン戦でのダメージもあり、テペトラーはこれで戦闘不能となった。
「テペトラー、よくやった。しっかり仕事を果たしてくれたよ」
レオはテペトラーをボールに戻し、次のボールを構える。
レオ対チヅルは始まったばかり。どっちに転ぶかは、まだまだ分からない。



久しぶりの更新。時間がなかなかとれないのです。あと最近文字数が多い話ばかりになっています。ご了承ください。さて、今回は特に話すこともないので、あとがきはこれで終わります。次回はチヅル戦続き。それでは、次回もお楽しみに!

Re: ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 ( No.237 )
日時: 2011/11/22 23:02
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: LMLu5hTj)

シオン(女)21歳
容姿:黒のショートヘアーで、首にヘッドホンをぶら下げ、水色のコートにジーパン着用。
性格:明るく、積極的で、何にでも挑戦したがる。責任感が強く、自分を犠牲にしてでも人やポケモンを守る。スミレの後輩。
ジムリーダー肩書き:『吹雪に舞う氷の姫』

手持ちポケモン

パルシェン(♂)
特性:スキルシンク
技:氷柱落とし ロックブラスト スプラッシュ シグナルビーム

ユキタテハ(♀)
特性:複眼
技:吹雪 虫のさざめき アクアボルト 蝶の舞

フローリア(♀)
特性:クリアボディ
技:ミラーコート アイスバーン サイコパンチ 気合玉

ラプラス(♀)
特性:貯水
技:冷凍ビーム ハイドロポンプ 雷 角ドリル

Re: 第九十二話 観葉植物に要注意 ( No.238 )
日時: 2012/11/17 18:00
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

「リーフィスは草・水か。有効打は…よし、頼むぞ、バフォット!」
レオの二番手はバフォット。メガホーンで弱点を突けるし、相手からの有効打も無さそうだ。
「バフォットかあ…じゃあ草技はあまり効かないのね。よっし、リーフィス、ハイドロポンプ!」
リーフィスはいきなり大量の水を噴射してくる。
「バフォット、突っ切れ! メガホーン!」
バフォットは角を構えて突進し、大量の水と激突する。
リーフィスは耐久系ポケモンであるため、攻撃力はそう高くない。このハイドロポンプも、テペトラーのものより勢いも量も少ない。
バフォットはハイドロポンプを弾き破り、リーフィスに角の一撃を喰らわせる。
しかし、そこは耐久ポケモン。効果抜群であったが、リーフィスはまだまだ余裕といった表情だ。
「えっと、鋼タイプに毒々は効かないから、宿り木の種!」
リーフィスは植物の種を飛ばす。
バフォットに当たると、突如種から蔓が伸び、バフォットに絡みつく。
「宿り木の種は相手の体力を少しずつ吸い取っていく技。持久戦にはもってこいの技なんだよ」
「なるほど、いい作戦だな…バフォット、ぶち壊す!」
バフォットは万物を破壊するような勢いで突進する。
「リーフィス、ギガドレイン!」
リーフィスは光る蔓をバフォットに絡みつかせ、バフォットを止めようとするが、バフォットの勢いの方が強く、蔓を破壊してリーフィスに激突した。
「メタルブラスト!」
さらにバフォットは強大な鋼エネルギーを撃ち出す。
だが、これは効果今一つ。大したダメージにはならない。
「リーフィス、光合成!」
そして光合成で体力回復。全快ではないようだが、それでも結構な回復量だ。
「厄介すぎる…バフォット、攻めるしかない! メガホーン!」
宿り木の種もあるので、一秒も無駄には出来ない。
バフォットは角を突出し猛進、リーフィスに激突する。
(パワーでは圧倒的に勝ってる…。でも相手の耐久が高すぎるんだ)
現に、リーフィスはやはりびくともしていない。ダメージが通っている痕跡はあるが、致命傷とは言い難い。
「リーフィス、ハイドロポンプ!」
リーフィスは大量の水を噴射する。
バフォットに命中するが、ダメージはそうでもない。
「バフォット、ぶち壊す!」
バフォットはもの凄い勢いでリーフィスに激突する。
「大丈夫、リーフィス、ギガドレイン!」
リーフィスは光る蔓をバフォットに絡みつかせ、バフォットの体力を吸い取る。
これも大したダメージではない。
「お互いに決定打が無さすぎるのかよ…バフォット、メタルブラスト!」
しかし、お互いにとはいえ、当然こちらの方が不利だ。
バフォットは強大な鋼エネルギーを撃ち出すが、リーフィスにはダメージはあまり通っていない。
「リーフィス、ハイドロポンプ!」
リーフィスはもう一撃大量の水を放つ。
こちらもそんなにダメージは無い。
(どうすればいい…あれ?)
その時、レオはあるものに目がいった。
リーフィスの入っているガラス瓶に、ひびが入っている。
ぶち壊すとメガホーンをずっと一点に打ち続けていたため、瓶が耐え切れなかったのだろう。
「これだ! よし、バフォット、ぶち壊す!」
バフォットは角を構えて突進。
「効かないよ! リーフィス、ハイドロポンプ!」
リーフィスは大量の水を噴射、しかしバフォットは水を打ち破り、リーフィスに激突。
ついに、ガラス瓶に穴が開いた。しかし、チヅルは気づいていない。
「よし、もらった! バフォット、メガホーン!」
バフォットは角を突出し、リーフィスの急所——ガラス瓶の内部に角を突き刺した。
リーフィスは甲高い悲鳴を上げると、体をぐらつかせる。
「え? 何、どうしたの?」
突然慌てだすチヅル。
「止めだ! もう一撃メガホーン!」
バフォットはもう一発、ガラス瓶の内部に角を突き刺す。
リーフィスは悲鳴を上げ、バタリと地面に落ちた。
「…あー、穴が開いちゃったのか。よく頑張ったよリーフィス、新しいもっと頑丈なガラス瓶、今度買ってあげるよ」
チヅルはリーフィスをボールに戻す。
だが、バフォットも宿り木に体力を吸い尽くされ、戦闘不能となってしまった。
「よし、リーフィスを止めただけでも上出来だぜ」
レオもバフォットを労い、ボールに戻した。
「次はー…この子ね。お願いよ、コクジャク!」
「よっし、次はお前だ、頼んだぞ、ロップル!」
チヅルの次のポケモンは、壺に入ったような体、羽に無数の目を持つ、孔雀のようなポケモン。
コクジャク、惑わしポケモン。エスパー・飛行タイプ。
レオのポケモンは、そのコクジャクにタイプ上有利なロップルだ。
「ロップルか…タイプ上は不利だけど、いくらでも巻き返せるからね」
「そうこなくっちゃな。こっちだって絶対負けないぞ」
コクジャクは無数の目を瞬かせて、威嚇する。
根っこが臆病なロップルは一瞬怯むが、レオの顔を見ると勇気が出たのか、再び向き直り、拳を握りしめる。



レオ対チヅル、二回目です。リーフィスのやられ方は、アニメであったサトシのメタグロス攻略をイメージしました。確かリラのメタグロスだったかな? 覚えている人は覚えているかもしれません。さて、次回も続き。次はロップルとコクジャクです。それでは、次回もお楽しみに!


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