二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
- 日時: 2013/02/02 19:35
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330
はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。
※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。
これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。
それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395
番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265
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- Re: 第九十九話 魂を切り裂く死神 ( No.249 )
- 日時: 2012/11/18 06:46
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: mKkzEdnm)
「次はお前だ。任せたぞ、ハンタマ!」
レオの次のポケモンはハンタマ。もう出し惜しみはしていられない。
「やはりハンタマか。ここでフィニクスは考えにくいからな」
何故その判断に至ったかは不明だが、ザントはレオの手を読んでいた。やはり油断できない。
「行きますよ。ハンタマ、早速だけどお前の新技を見せるぞ!」
ハンタマはぐっと構え、頷く。
「ハンタマ、跳び膝蹴りだ!」
ハンタマは地を蹴って跳び、強烈な膝蹴りを繰り出す。
「ほう。ズルズキン、復讐だ!」
ズルズキンは立ち上がり、
その時点で顔に膝蹴りを喰らって吹っ飛ばされてしまった。
「何? 速いな…」
(珍しく)ザントは少々驚いたような表情を見せる。
ズルズキンは壁に激突し、戦闘不能となってしまった。
「このハンタマはマッハパンチを覚えていました。特訓で、こいつはマッハパンチを忘れた代わりに、そのスピードを技術として身に着けたんです」
「なるほど。どうりであのスピードが出るわけだ。ズルズキン、休んでいろ」
ザントはズルズキンをボールに戻し、次のモンスターボールを取り出す。
「そのスピードからの跳び膝蹴りは少々厄介だな。ならばこいつだ、出て来い、ネクロシア!」
ザントの三番手は、スミレも使用した異形のポケモン。
ゴースト・悪タイプのネクロシアは、弱点を持たない。
「ゴーストタイプか…格闘技が効かないのはちょっと厄介だな」
「それを読んでのチョイスだからな。ネクロシア、辻斬り!」
ネクロシアはすっと動く。
ハンタマへ急接近し、急に一回転して下半身の刃でハンタマを切り裂く。
しかし、間一髪でハンタマは横に飛び退いていた。
「うおっ危ねえ…ハンタマ、ブレイズキック!」
その位置からハンタマは足に炎を灯して蹴りを繰り出す。
「ふん、ネクロシア、スプラッシュ!」
対して、ネクロシアは腕に水をまとい、水飛沫を散らしながらその腕を叩きつける。
スプラッシュは水技、ブレイズキックでは勝てない。ハンタマは押し負け、逆に吹っ飛ばされる。
「ネクロシア、ギガスパーク!」
ネクロシアは腕を構え、超高電圧の電撃の砲弾を放つ。
「今度は電気技かよ! ハンタマ、かわしてシャドーパンチ!」
ハンタマは素早く受け身をとって起き上がり、体を屈めて電撃の砲弾を避けると、拳に影をまとってネクロシアを殴りつけ、吹っ飛ばす。
吹っ飛ばされたネクロシアは、まだ余裕で起き上がる。だがその目には確実に怒りがこもっている。
「来たか」
ザントは短く呟く。
「こいつは非常にキレやすくてな。だが、その時にフルパワーで放てる技を持っている。ネクロシア、怒りの炎!」
ネクロシアは目をカッと見開き、怒りにまかせて燃え盛る炎を撃ち出す。
「炎技まで持ってるのか! ハンタマ、かわしてブレイズキック!」
ハンタマは飛び上がり、炎を避ける。だがその炎の範囲はかなり広く、ハンタマが避けられたのもギリギリだった。
そのままハンタマは足に炎を灯して渾身の蹴りを繰り出す。
「こいつなら打ち消せる。ネクロシア、スプラッシュ!」
ネクロシアは水飛沫を上げながら、水をまとった腕を振るう。
しかし、
「ハンタマ、避けろ!」
すれすれでハンタマはさっと横に避け、ネクロシアの腕を避け、そこから炎の蹴りでネクロシアを吹っ飛ばした。
そしてハンタマはさっと退く。
「隙がないな、そのハンタマ。攻めのパターンを変えるか?」
「こいつと戦った人はほとんどそう言います! ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは地を蹴って跳び、猛スピードで接近し、影をまとった拳を振るう。
「ネクロシア、辻斬り!」
しかしネクロシアは身を屈めて拳を避け、その場で一回転して鎌でハンタマを斬りつける。
ハンタマがその場に倒れこむ。これはかなりのダメージに見える。
「ハンタマ、大丈夫か? その鎌、半端ないな…」
今の辻斬りは、特に急所に当たったようにも見えない。効果抜群でもない。
「こいつの鎌をなめるなよ。ネクロシアというポケモンの一番の強さはこの鎌の鋭さだ。特にこいつは攻撃力を最大まで高めてある。ラビンのジムリーダーのネクロシアにも負けんぞ」
ハンタマは何とか起き上がる。
「そろそろ終わりだ。ネクロシア、ギガスパーク!」
ネクロシアは超高電圧の電撃砲を放つ。しかし、レオは焦らない。
ハンタマは、もう一つの新技を覚えているからだ。
「ハンタマ、サイコバレット!」
ハンタマは銃弾のような念動力をマシンガンのように放つ。
電撃砲に念動力の銃弾が無数に直撃する。しかし、サイコバレットではネクロシアにダメージが与えられない。
だから、ハンタマはサイコバレットをネクロシアの目の前の地面に撃ちこむ。
地面が割れ、その衝撃でネクロシアは吹っ飛ばされる。
「もらった! ハンタマ、ブレイズキック!」
ハンタマは足に炎を灯し、地を蹴ってすかさずネクロシアを追う。
渾身の蹴りで、ネクロシア目掛けて止めを刺そうと一気に迫る。
だが、一つミスがあった。
ネクロシアの鎌が、ハンタマの方向へ向いていたということだった。
「ネクロシア、辻斬りだ!」
吹っ飛ばされながらも、ネクロシアは下半身の鎌を思い切り振り抜き、ハンタマを切り裂いた。
この攻撃で、ハンタマは地面に落ち、戦闘不能となってしまう。
「なっ…!?」
完全に計算外だった。
「バトルは最後まで油断できない。こういう大逆転があるからだ」
「そうですね…ありがとうハンタマ、休んでてくれ」
レオはハンタマをボールに戻す。
「でもまだですよ。まだ十分に勝機はある!」
レオは叫んで、次のボールを取り出す。
- Re: 第百話 暗闇に渦巻く毒霧 ( No.250 )
- 日時: 2012/11/18 16:30
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Yry.8Fde)
「さあ任せたぞ、フィニクス!」
レオの四番手はフィニクス。やはりエースは最後だ。
「やはりフィニクスで来たか。ネクロシア、辻斬り!」
ネクロシアは一瞬でフィニクスとの距離を詰め、一回転して鎌でフィニクスを切り裂く。
「フィニクス、エアスラッシュ!」
だがそれより先にフィニクスが羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばし、逆にネクロシアを切り裂いた。
「大文字!」
そしてすかさず、フィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
ネクロシアは避けられず、大文字に焼かれて戦闘不能となる。
「特訓の成果はしっかり出ているようだな。ネクロシア、休んでいろ」
ザントはネクロシアをボールに戻し、次のボールを取り出す。その表情に焦りは一切見られない。
「次はお前だ。出て来い、モアドガス!」
ザントの四番手は、三つの紫色の顔が連結したようなポケモン。それぞれの顔にいくつか穴があり、ガスが噴き出している。
モアドガス、毒ガスポケモン。毒・悪タイプ。
「俺の手持ちの中で、こいつとヘルガー、そしてサザンドラは八年以上前からのメンバーだ。強いぞ」
「そう来なくっちゃ。相手が強いほど燃え上がりますよ。フィニクス、大文字!」
フィニクスは大の字型の燃え盛る炎を放つ。
「モアドガス、大文字だ!」
モアドガスも大の字型の燃え盛る炎を放つ。しかし、タイプ一致のフィニクスのものの方が強い。フィニクスの炎がモアドガスのを破り、モアドガス本体を焼く。
「ならば雷!」
大文字は大分威力が落ちていたため、モアドガスに大したダメージはない。
モアドガスはすかさず雷に匹敵する高電圧の電撃で反撃する。
フィニクスに命中するが、効果は今一つ。大したダメージではない。
「モアドガス、危険な毒素!」
ザントが名前からしてヤバそうな技を指示する。
モアドガスは見るからに毒々しい物質の塊を放つ。
「あれは…! フィニクス、回避!」
本能的に危険を感じ取ったレオ。
フィニクスはすぐさま後退し、距離を取る。
その予感は正しかった。
毒素が床に落ちた瞬間、ジィワァァァァァァァァァァ! と油が飛び散るような音がし、床が溶けたのだ。
「危ねえ…あんなの喰らってたら終わってたな…フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばし、モアドガスを切り裂く。
「ドラゴンダイブ!」
その隙を突いて、フィニクスはモアドガスの上を取る。
そのまますざましい殺気を放ちながら急降下し、モアドガスを吹っ飛ばす。
モアドガスは床に叩きつけられるが、それでもまだ浮かび上がり、ガスを勢いよく噴射して威嚇する。
「そろそろだな」
ザントの目の光が変わる。(何か…何か来るぞ!)
身構えるレオ。フィニクスもじっと相手を見据える。
「苦しみに落ちろ。モアドガス、ダークリゾルブ!」
モアドガスの体が闇に包まれる。
次の瞬間、その闇のオーラが放たれ、フィニクスに襲い掛かる。
「これか…! フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは羽ばたいて無数の空気の刃を放つが、それでもほとんど削れない。
チヅルのボルトックも使っていたが、威力が桁違いだ。
圧倒的にモアドガスのものの方が強い。
闇のオーラがフィニクスを包み、フィニクスの体力を蝕んでいく。
闇のオーラが消えると、フィニクスはまだ倒れていないようだったが、それでもかなりのダメージを受けているのが分かる。
「フィニクス、まだやれるか?」
それでも、レオの言葉に、フィニクスはしっかりと頷く。
(これ以上喰らうと危ないな…どうする? あれを使うしかないか…)
だが、レオが考えるのを待ってくれるほどジムリーダーは甘くない。
「悪いがそろそろ決めさせてもらおう。モアドガス、決めるぞ。ダークリゾルブ!」
(ここしかない!)
ここまで来たらもうレオは迷わなかった。
モアドガスが闇のオーラに包まれる瞬間、
「フィニクス、流星群!」
フィニクスは龍の力を凝縮した弾を真上に放つ。
モアドガスが闇のオーラを放つと同時、その弾は空中で炸裂し、無数の流星のように地面に降り注ぐ。
「何ッ!? 流星群を覚えたのか…」
ザントはほんの一瞬だけ、驚いた表情を見せた。
龍の力が込められた無数の聖なる流星は、放ち手へと向かう闇のオーラを粉々に破壊し、モアドガスにも流星の雨が襲い掛かる。
流石にこれは耐えきれなかったようだ。
モアドガスは地面に落ち、それでもまだ起き上がろうとしたが、そこで体力を使い果たし、倒れてしまった。
「まさかドラゴンタイプ最強技、流星群を習得したとはな。モアドガス、休んでいろ」
ザントはモアドガスをボールに戻す。
流星群を習得して間もないフィニクスは、これを使うだけでかなりの疲れが出る。もう体力が持たないだろうと判断したレオも、フィニクスを戻した。
「さあ、これで最後の一体」
「絶対に負けません。この一週間、勝つためだけに費やしたんです」
お互いに手の内は分かっている。
「終焉の時だ。出て来い、サザンドラ!」
「お前にかかってる。頼んだ、リーテイル!」
お互いのエースが現れる。
最後の砦にして絶対の強さを誇る、ザントの最後の切り札。
サザンドラ。
遂に、この壁を越えなければならない時が来たのだ。
えーっと、まず、今まで全然更新していなかったことを謝罪します。本当に申し訳ないです。今日からまた時間がとれそうなんで、ちょくちょく更新していこうと思っています。つかザントの手持ち、強すぎません? 特攻隊長ヘルガー、攻守に優れるズルズキン、弱点無しで多彩な技を持つネクロシア、大技しか持ってないモアドガス、そして絶対王者サザンドラ。強すぎでしょ。さて、次回遂に決着です。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百一話 終焉を告げる悪龍 ( No.251 )
- 日時: 2012/11/18 16:32
- 名前: 星屑 ◆HI8wW8o9Hw (ID: 57S6xAsa)
「サザンドラ、大文字!」
四メートル強の怪物、サザンドラは雄叫びを上げると、轟音を上げて燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「当たらなければいい! リーテイル、かわしてリーフブレード!」
リーテイルは大文字の隙間を最小限の動きで掻い潜り、一気にサザンドラとの距離を詰め、尻尾の葉でサザンドラを切り裂く。
「龍の波動だ!」
サザンドラは素早く振り返ると、龍の力が凝縮された波動を放つ。
「リーテイル、来るぞ!」
レオの言葉でリーテイルは急上昇、波動を避け、
「エアスラッシュ!」
羽ばたいて大量の空気の刃を放つ。
「龍の波動!」
しかし、無数の刃に切り裂かれているにも関わらず、サザンドラは龍の波動を放つ。
ここでの反撃は予想できず、リーテイルは波動を喰らって吹っ飛ばされる。
「八年以上前から、俺は何度も何度も強大なトレーナー達を倒してきた。この程度恐れる霊ではない! サザンドラ、大文字!」
ザントの叫びに呼応するようにサザンドラは吼え、大の字型の炎を放つ。
「大文字は当たれないな。リーテイル、かわしてドラゴンビート!」
リーテイルは素早く体勢を立て直し炎をかわすと、龍の心臓の鼓動のような音波を放つ。
「サザンドラ、大地の力!」
だが、サザンドラの真下から大量の土砂が噴き出し、音波を相殺する。
「龍の波動!」
そして間髪入れずに龍の波動を発射。
「リーテイル、もう一度!」
リーテイルはもう一度音波を放つが、やはり龍の波動の方が強く、音波は破られてしまう。
しかし命中した龍の波動はある程度弱められており、大したダメージではない。
「エアスラッシュ!」
そこへすかさずリーテイルは反撃の無数の空気の刃を放つ。
サザンドラを切り裂くが、
「大文字!」
やはりサザンドラは動じない。
大の字型の炎を放って反撃。
リーテイルはすぐさま回避したが、炎がリーテイルを掠めた。
「危ねえ…リーテイル、リーフブレード!」
リーフブレードはサザンドラに急接近。
「大文字三発!」
サザンドラは執拗に大文字を放ってくるが、リーテイルはそれらを上手く潜り抜け、尻尾の葉でサザンドラを切り裂く。
「ドラゴンビート!」
「龍の波動!」
リーテイルは龍の音波を、サザンドラは龍の波動を放つ。
今度はお互いにぶつかることなく通り抜け、それぞれに命中。
「まだまだ。サザンドラ、大文字!」
サザンドラは大の字型の炎を放つが、
「もう大文字は攻略済みです! かわしてリーフブレード!」
リーテイルは炎を上手く掻い潜り、尻尾の葉を振りかざす。
「龍の波動!」
しかし、至近距離からのサザンドラの龍の波動はかわせず、リーフブレードで波動を相殺。
「もう一撃だ!」
サザンドラはその隙を狙って、もう一度波動を放つが、既にリーテイルはそれを読み、サザンドラと距離を取っていた。
龍の波動を、余裕を持って避ける。
(たった一週間で、ここまで成長するとは…)
これまで、ザントは初見の挑戦者は全員倒してきた。
リベンジでは何回も負けているもののい、1ヶ月以上特訓してくる者が大多数。
一週間でここまで成長したトレーナーなど、ザントは見たことがない。
(『あいつ』以上、か)
この挑戦者は、八年前に倒した救世主と同じ目をしている。
だからこそ。
ザントは全力を以てレオと戦う。
「サザンドラ、クリムゾンエイト!」
サザンドラの必殺技が放たれる。
血塗れた真っ赤な八つの花弁のような光線が襲い掛かる。
だが、レオは怯まなかった。
リーテイルの必殺技に賭ける。
「リーテイル、ハードプラント!」
リーテイルの叫びと共に、大地が割れ、太く頑丈な無数の根が飛び出す。
無数の根は一斉に進撃を開始する。
八つの真紅の光線と、無数の強靭な根が激突。
お互いに激しくせめぎ合い、一歩も引かない。
しかし、遂に拮抗が破れる。
光線が根を引き裂いた。無数の根は次第に勢いを失い、八つの光線に貫かれた。
光線はそのまま直進し、リーテイルを捕らえた。
リーテイルがその場に崩れ落ちる。ハードプラントで威力が弱まっていたのが救いで、戦闘不能ではない。ないが、
「だが、この辺りが限界のようだな」
その言葉にレオは歯噛みしたが、確かにザントの言葉通り、リーテイルは満身創痍、立ち上がるのがやっとと言ったところ。
ザントはうっすらと笑った。
たかが一週間の特訓では、やはりザントには勝てない。
特にこのサザンドラは、今までのザントの手持ち全員を相手取ることが出来る。
初手のヘルガーが敗れた時は少々焦ったが、やはりまだこのトレーナーは自分に勝てる器じゃない。
「まあ、一週間の特訓でここまで成長したことは誉めてやる。もう少し特訓を積んでこい。サザンドラ、大文字!」
サザンドラは留めの一撃とばかりに、大の字型の炎を放つ。
リーテイルに向かって一直線に迫り、爆発を起こした。
勝った。
リーテイルの今の状態で、今の攻撃を避けられるはずがない。
この煙が消えれば、リーテイルが倒れているはずだ。
しかし。
それはあくまでも、ザントの考えでしかない。
突如、一陣の緑の風が突き抜け、サザンドラを切り裂いた。
「何ッ!?」
慌ててそれを目で追うザント。
リーテイルは、倒れてなどいなかった。
上空から、静かにサザンドラを睨み付けていた。
「僕のリーテイルは、これくらいで倒れるようなやわなポケモンじゃありませんよ」
自信を持ってレオは言い放つ。今の大文字でリーテイルが倒れたなど、微塵も考えなかった。
サザンドラは不意打ちのリーフブレードを喰らい、しかも急所に当たったようで、明確な痛みを露わにしている。
しかも、今リーテイルは、特性『深緑』が発動している。
「確かに、僕のリーテイルはそのサザンドラのような最強の肩書きは持っていません。僕の手持ち全てを相手できるわけではない」
でもそれは、とレオは続け、
「僕の仲間たち六匹は、全員が強いから!」
ザントはその言葉を聞き、微かに笑う。
理屈にもならない理由。しかし、その言葉には確かな自信があった。
「いいだろう。そうとなれば、こちらも最大の力を持って相手をしよう!」
ザントの叫びに応えるように、サザンドラも盛大に吼えた。
「サザンドラ、最大火力のクリムゾンエイト!」
「リーテイル、最大パワーでハードプラント!」
サザンドラは血のような真紅の八つの花弁のような光線を、リーテイルは大地を揺るがすほどの力を持つ無数の根を放つ。
これだけの状態ならば、サザンドラに軍配が上がる。
しかし今、リーテイルは、特性『深緑』が発動している。
格段に強化された無数の根は、拮抗の末、遂に真紅の光線を弾き飛ばした。
行く手を防ぐものが無くなった根は待ってましたとばかりに進撃し、瞬く間にサザンドラを覆い尽くしてしまった。
「…ここまでか」
根が過ぎ去ると、最強の怪物サザンドラは、遂に戦闘不能となり、目を回していた。
「負けるなどとは微塵も考えていなかったぞ。見事だ」
ザントは素直にレオを賞賛する。
「たった一週間で、人間はここまで成長出来るんだな」
そして、ザントはジムバッジを取り出す。
金色に輝いており、アルファベットのBとSが繋がっているような形だ。
「ソルナジム勝利の証、そしてウチセトのジムを全て制覇した証、アルドラバッジだ」
「ありがとうございます!」
遂に、レオは八つ全てのバッジを手に入れた。
- Re: ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 ( No.252 )
- 日時: 2012/02/07 18:58
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 7mGgpC5l)
↑の星屑はパーセンターです
- Re: 番外編一話 彷徨える人魂 ( No.253 )
- 日時: 2012/11/18 16:33
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Yry.8Fde)
番外編 最強と無敵の紙一重の差
レオがソルナシティに着く、その少し前。
とある男は、ソルナジムを訪れていた。
チャンピオンのグレース。
次第に勢力を拡大しているイビルの討伐の協力を申し出に来たのだ。
「失礼するよ」
グレースがジムの扉を開けると、そこには右腕を無くし、左足を義足にした最強のジムリーダー、ザントがいる。
「…チャンピオンか。俺に何の用だ」
面倒くさそうにザントは言う。
「君に協力してほしいことがあってね。イビル討伐に協力してほしい」
グレースの言葉を聞くと、他のジムリーダーと違ってザントはイビルに関わっていないのかと驚く人もいるかもしれない。
だがそうなのだ。ソルナシティは小さく、何もない町で、ウチセト本土から離れた島であるため、イビルの被害など全く受けていないのだ。
そして、ザントはグレースの言葉を聞くと、
「興味がねえな」
あっさりと切り捨てる。
「この町にイビルなど来ん。仮に来たとしても、俺が全力を以て叩き潰すだけだ」
だが、とザントは続け、
「どうしても協力してほしいと言うのなら、この俺を倒してみろ」
微笑を浮かべ、ザントはモンスターボールを取り出す。
「いいだろう。だが、チャンピオンの私に勝てると思うのか?」
「勿論だ」
最強のジムリーダーと、無敵のチャンピオンとのバトルが始まる。
ルールは四対四の勝ち抜き戦。
「まずは私から。暗闇に仄めく人魂、彷徨える勝利の魂を私へ誘え! 出でよ、ジバクン!」
グレースのポケモンは、奇妙な姿のポケモン。
一頭身の、体は赤紫がベースで、所々紫色と黄色の体。頭からは紫色の触覚が生えている。
ジバクン、人魂ポケモン。ノーマル・ゴーストと、かなり珍しいタイプだ。
そのポケモンを見るなり、ザントは露骨に舌打ちする。
「また面倒くさいポケモンを出して来やがって…出て来い、ヘルガー!」
ザントの一番手は例のヘルガー。
「いくぞ、ヘルガー、放電だ!」
まずはヘルガーが動く。周り全体に電撃を撒き散らす。
だが電撃は、ジバクンの体をあっさりとすり抜けてしまう。
「やはりか」
ザントはもう一度舌打ちする。
「やはり知っているようだね。こいつの特性は不思議な守り。効果抜群の技、つまりは悪タイプの技しか効かん」
そう。
ジバクンはタイプの関係上、弱点は悪タイプのみ。
ザントが悪タイプのエキスパートだったことが幸いだろうか。
「まさかの影踏みかと思ったが、まあ有り得んな」
「そりゃそうだ。では行くとしよう、ジバクン、襲撃!」
ジバクンは一瞬でヘルガーの後ろに回ると、触覚を叩きつけてヘルガーを吹っ飛ばす。
「続けてスプラッシュだ!」
さらにジバクンは触覚に水をまとわせ、ヘルガー目掛けて叩き付ける。
「ヘルガー、来るぞ。回避!」
ヘルガーは咄嗟に横に逸れ、スプラッシュを避ける。
「そこだ、ダークロアー!」
ジバクンの技が尽きた一瞬の隙をザントは見逃さない。
咆哮と共に悪意に満ちた波動を放ち、確実にジバクンにダメージを与える。
しかし。
「それを待っていた」
勝ち誇るようにグレースは言った。
ザントには何を言っているのか理解できないが、何か嫌な予感がする。
そして、ザントが次の指示を出すより速く、グレースはジバクンに指示を出す。
「ジバクン、金縛り!」
ジバクンは赤い瞳でじっとヘルガーを見据える。
たったそれだけ、それも四秒程度の事だったが、
「…ッ!」
歯噛みするザント。それもそのはず、
「まあ知っているわな。金縛りは相手の直前に出した技をしばらく封じる技。これでお前のヘルガーはこちらへのダメージソースはない」
加えて、とグレースは続け、
「ここのジムのルールは交代禁止だったはずだ。これでお前のヘルガーの役割は終了だ」
勝ち誇ったようにグレースは言う。
「さあ、ジバクン、ギガスパーク!」
ジバクンは超電圧の電気の砲弾を作り上げ、ヘルガー目掛けて撃ち放つ。
「くっ、ヘルガー、避けろ!」
ヘルガーは後ろに跳び、電撃弾を避ける。
「だったら金縛りの効果が切れるまで凌げばいい。ジバクンというポケモンは耐久が低い。あと一発撃ち込めば勝てる」
「私のジバクンからは逃げられないさ。ジバクン、襲撃!」
襲撃はヘルガーとの距離を一瞬で詰め、触覚を振るってヘルガーを吹っ飛ばす。
「さらに襲撃!」
吹っ飛ばされたヘルガーより先回りし、再びヘルガーに打撃を喰らわせる。
ヘルガーが地面に叩きつけられる。何とかして起き上がるヘルガーだが、
「とどめだ! ジバクン、スプラッシュ!」
ジバクンは猛スピードでヘルガーに接近、水をまとった触覚を振りかぶる。
しかし。
「引っかかったな。ヘルガー、地獄の炎!」
ヘルガーは顔を上げると、襲い来るジバクン目掛けて、赤黒い地獄の業火を放つ。
悪タイプの技しか効かないはずのジバクンが、地獄の炎に焼かれる。
「ッ!? なぜだ、なぜジバクンがダメージを受けている!?」
たった一瞬で、完全に形勢逆転。
「馬鹿が。地獄の炎は、貰い火や頑丈などの特性を無効化する。不思議な守りも同様。地獄の業火は、すべてを焼き尽くす」
地獄の業火に、小細工など効かない。
炎に焼き尽くされたジバクンは、戦闘不能となって倒れていた。
「よくやったジバクン。休んでいてくれ」
グレースはジバクンをボールに戻し、次のボールを構える。
「これは一本取られたな。ジバクンの特性を過信してはいけないな。勉強になったよ」
グレースの表情に変化は見られない。余裕が浮かんでいる。
「勝負はこれからさ。ここから、私の勝利を見せてやろう」
復かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!さあお待たせしました、3ヶ月ぶりにパーセンター復活です。3ヶ月も待たせてしまい、読者の皆様、本当に申し訳ない。あ、パーセンターのこと知ってる、って人が居たら、是非コメントくださいね。さて、しばらく番外編。最強と無敵の戦いです。それでは、次回もお楽しみに!
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