二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
- 日時: 2013/02/02 19:35
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330
はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。
※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。
これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。
それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395
番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265
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- Re: 第百七十四話 黄色い弾丸 ( No.384 )
- 日時: 2013/01/25 00:44
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: E616B4Au)
「さあ出て来い、ドルマイン!」
シュウヤの二番手は、上半分が紫で、下半分が白い、球体状のポケモン。
上半分には目のような二つのピンクの膜があり、紫と白の体色の境目全体から大きな黄色い棘が生え、頭には稲妻型の角が生えている。
ドルマイン、ボールポケモン。電気タイプ。
「電気タイプか……テペトラー、一旦戻ってくれ」
テペトラーは致命傷をまだ受けておらず、体力的には十分戦える。
レオの作戦は、なるべく多くのポケモンを残し、数と力で押す作戦。
特にガブリアスはシュウヤの手持ちの中でもトップクラスの実力を持っているだろうとレオは判断し、なるべくガブリアスまで戦力を残し、数でガブリアスを叩く作戦だ。
「ここはお前に任せる ぞ、バフォット!」
レオの二番手は、地面技を使えるバフォット。
「へえ、強そうじゃねえか。戦い甲斐があるぜ、なあドルマイン!」
シュウヤの声に応え、ドルマインは気合を高めるように角からバチバチと電気の音を鳴らす。
「ドルマイン、十万ボルト!」
ドルマインは角から、強烈な電撃を発射する。
「バフォット、メタルブラストで相殺だ!」
対してバフォットは強大な鋼エネルギーの砲撃を放ち、電撃を相殺し、
「今度はこっちからだ! バフォット、メガホーン!」
角を思い切り突き出して、ドルマイン目掛けて突撃する。
「ドルマイン、押し戻せ! ハイドロポンプ!」
突っ込んでくるバフォットへと、ドルマインは大量の水を勢いよく噴射し、バフォットを迎撃する。
しかし、その水の威力が思ったよりも強く、吹っ飛びはしなかったもののバフォットは押し戻される。
「磁力線だ!」
その隙を突き、ドルマインは磁力を操作し、磁力の波を放つ。
軌道が見えない磁力線にバフォットは対応が出来ず、バフォットは磁力の波の直撃を喰らう。
「さあさあ攻めるぜ! ドルマイン、岩転がり!」
ドルマインは少し後退し、勢いをつけて転がり出す。
一気にバフォットへと接近し、バフォットに体当たりする。
「バフォット、反撃だ! メガホーン!」
バフォットは勢いよく角を突き出すが、ドルマインはその勢いのままに一気にバフォットから離れ、メガホーンの射程範囲から逃れる。
「さあ、早く止めないと、まずいことになるぜ」
ドルマインは転がりながらUターンし、弧を描いて転がりながら戻ってくる。
そのまま先ほどよりも勢いをつけて転がり、再びバフォットへと激突。
「ちっ、バフォット、メタルブラスト!」
バフォットは鋼エネルギーの砲撃を放ち、向かってくるドルマインへと砲撃を直撃させる。
だが砲撃を喰らってもドルマインは止まらない。砲撃の中を突っ切って転がり続け、バフォットへ激突する。
岩タイプの技がバフォットに効果今一つなのが救いだろう。
「くっそ、止まれ! バフォット、大地の力!」
バフォットは地面を踏み鳴らし、大地の表面を吹き飛ばし、大量の土砂を噴射させる。
ドルマインは空高く打ち上げられ、ようやく突進を止める。
「チャンスだ! バフォット、メガホーン!」
バフォットは地を蹴って大きく跳ぶ。
一気にドルマインまでの距離を詰め、思い切り激突し、ドルマインを吹っ飛ばす。
「おおっ、よく止めたな。だがそれで終わりじゃないぜ、ドルマイン、十万ボルト!」
吹っ飛ばされたドルマインは、素早く体勢を立て直し、強烈な電撃を放って反撃する。
「バフォット、メタルブラスト!」
対してバフォットは強大な鋼エネルギー砲を撃ち出し、電撃を相殺。
「岩転がりだ!」
そしてまたドルマインは回転を始める。
転がりながら一直線にバフォットへと迫り、バフォットへと激突。
「早めに止めるぞ! バフォット、メガホーン!」
Uターンして戻ってくるドルマインを狙い、バフォットは角を構えて突進し、ドルマインへと向かう。
「ドルマイン、躱して後ろからだ!」
だがそんなに簡単に止まるドルマインではない。
ドルマインはバフォットの横をすり抜けて後ろへと回り、さらに勢いをつけて転がり、バフォットへと襲い掛かる。
バフォットがドルマインに向き直るよりも早く、ドルマインは回転しながらバフォットへと激突。
「やっぱりあれしかないか……バフォット、大地の怒り!」
再びバフォットは地面を踏み鳴らし、大地の表面を吹き飛ばし、土砂を噴き出してドルマインを宙へ打ち上げる。
だが先ほどよりも回転の勢いが強かったドルマインはまだ止まっていない。
上空から 回転しつつ、バフォットへと襲い掛かる。
「ぶち壊す!」
それに対し、バフォットは全てを破壊するかの勢いで思い切りドルマインへと激突する。
回転の勢いが相当ついていたとはいえ、物理攻撃力ではバフォットの方が上回り、競り合った末にバフォットはドルマインを吹っ飛ばし、ドルマインは回転を止める。
「ドルマイン、ハイドロポンプだ!」
しかしドルマインはすぐさま体勢を立て直し、大量の水を噴射し、反撃の一撃をバフォットへと浴びせる。
「続いて磁力線!」
さらにドルマインは起動の見えない磁力の波を放ち、バフォットへとさらなる追撃をかける。
「十万ボルト!」
「好き勝手はさせませんよ。メタルブラスト!」
磁力線は効果今一つ故、ダメージは少なく、体勢もさほど崩れない。
ドルマインが放つ強烈な電撃に対し、バフォットは鋼エネルギーの砲撃を放ち、電撃を相殺。
「まだまだ! ドルマイン、ハイドロポンプ!」
ドルマインはそこで攻撃を止めず、大量の水を噴射し、バフォットを狙う。
「メガホーンでは駄目だったけど、これならどうだ! バフォット、ぶち壊す!」
バフォットは全てを破壊するかの如きすざましい勢いで、ドルマインへと突撃する。
今度こそバフォットは水の勢いに打ち勝ち、水を突き破って突撃、ドルマインを吹っ飛ばす。
「だったらこれしかないようだな。ドルマイン、十万ボルトを連撃しろ!」
ドルマインは吹っ飛ばされたが、まだ倒れておらず、今度は額の角からだけでなく、体に生えた棘の先からも次々と電撃を撃ち出していく。
「電気技なら、バフォット、大地の怒り!」
しかしバフォットは地面を揺るがして大量の土砂を地面から噴き出し、無数の電撃を防ぐ。
「もう一発!」
間髪入れずにバフォットは地面を踏み鳴らし、今度はドルマインの真下から土砂が噴き出す。
攻撃直後のドルマインにはこれを避けられず、空中へと大きく吹っ飛ばされる。
「貰った! バフォット、ぶち壊す!」
その隙を逃すはずもなく、バフォットは地を蹴って跳び、全力の力を持ってドルマインへと突撃する。
「ちっ、ドルマイン、岩転がり!」
まだドルマインは何とか耐えていた。空中でドルマインは回転し、バフォットを迎撃するが、転がり始めの威力では相殺など出来るはずもない。
二体が激突したが、競り合うこともなくドルマインは吹っ飛ばされ、壁に激突し、戦闘不能となった。
「くーっ、やるじゃねえか。この俺から二勝を先行するとはな。ドルマイン、よくやったぜ」
ドルマインは倒れたが、シュウヤは焦っていない。むしろこの不利な状況を楽しんでいるような口調だ。
ちなみに、今大会でシュウヤから二勝を先行したのは、レオが初である。
「だが次のポケモンは、そう簡単に倒せるような奴じゃないぜ。覚悟を入れ直した方がいいかもな」
シュウヤは静かに、次のボールを取り出す。
レオ対シュウヤ、パート2。レオはテペトラーを戻し、バフォットでシュウヤの二番手、ドルマインを破り、シュウヤから二勝を先行します。僕は電気タイプはあまり好きではないのですが、ドルマインとジバコイルは別ですね。ドルマインは見た目上(非公式ですし)、ジバコイルはWi-Fiランダムマッチでやたらとお世話になっているポケモンだからです。あとドルマインはどうやらマスターボールを模したポケモンらしいですね。さて、次回はレオ対シュウヤ、パート3。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十五話 天下無双の地龍 ( No.385 )
- 日時: 2013/01/26 07:05
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: E616B4Au)
「さあ出て来い、ガブリアス!」
シュウヤの三番手は、例のガブリアス。
「ッ……もう出してくるのか……!」
まさかレオはこんなに早くガブリアスが出てくるとは思っていなかった。
フウカ戦で出したのは、五体目だったはずだ。
「これ以上先行されるとまずいからな。ここらで逆転させてもらうぜ」
シュウヤは既に二体を失っているのに、表情は全く崩れない。
それだけガブリアスの実力に自信があるのだろう。
「……だけど、どのみち倒さないといけない相手なんだ。ここで倒しておけば後が楽だし。バフォット、やるぞ!」
ドルマイン戦でのダメージもあるが、バフォットの闘志は全く揺るぐことなく、ガブリアスを睨み付ける。
「悪いが、手負いのポケモンに負けるほど俺のガブリアスは弱くないぞ。ガブリアス、地震!」
ガブリアスは咆哮し、地面を揺らして衝撃波を飛ばす。
「バフォット、大地の怒りで相殺!」
バフォットは地面を踏み鳴らし、地面から土砂を
噴き出すより早く、衝撃波がバフォットへと襲い掛かった。
「!? バフォット!」
衝撃波の速さに驚くレオ。バフォットは効果抜群の一撃を喰らい、吹っ飛ばされる。
「こいつの地震はイワパレスとは逆。揺れる時間が少ない分、衝撃波が伝わるスピードが速く、その分威力も高いぜ。ガブリアス、剣の舞!」
自慢げにシュウヤはそう言い、そしてバフォットが体勢を立て直している隙に、ガブリアスは戦いの舞を舞って、自身の攻撃力を上げる。
「バフォット、メタルブラスト!」
バフォットはまだ起き上がる。強大な鋼エネルギー砲を放ち、反撃するが、
「ガブリアス、突っ込め! ドラゴンクロー!」
なんとガブリアスは砲撃へと正面から突っ込む。
蒼く輝く左の爪で砲撃を貫きながら、一気にバフォットまで接近し、右の爪も蒼く輝かせ、バフォットを切り裂く。
バフォットの体が傾く。ドルマイン戦でのダメージもあり、バフォットは戦闘不能となって、地面へと倒れてしまった。
「バフォット、よくやった。戻って休んでてくれ」
レオはバフォットをボールに戻し、次のボールを構える。
「まだダメージは回復しきってないと思うけど……お前しかいない! 頼んだぞ、テペトラー!」
レオの次のポケモンはテペトラー。多少ダメージは残っているものの、十分戦える。
「だから手負いのポケモンじゃ無理だぜ。ガブリアス、地震!」
「テペトラー、躱して波動弾!」
ガブリアスが地面を踏み鳴らした瞬間にテペトラーはジャンプし、衝撃波を避ける。
地震の起こっている時間は少ないので、タイミングが合えば避けるのは簡単。
そこからテペトラーは手を構え、波動を凝縮した弾を撃ち出す。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
対してガブリアスは右爪を蒼白く光らせ、その爪を振るって波動弾を切り裂く。
「さらにドラゴンクローだ!」
そのままガブリアスは地を蹴って跳び、一気にテペトラーとの距離を詰め、まずは左腕を振り上げる。
「テペトラー、後ろに下がって冷凍パンチ!」
テペトラーは素早く後ろに飛び退き、間髪入れずに拳に冷気を込めて跳び出す。
襲い来るガブリアスの右の爪と激突。パワーならガブリアスに分があるが、氷技はドラゴンに対して有効で、結果的に威力は互角。
しばし競り合った後、お互いに離れる。
「ガブリアス、怒りの炎!」
ガブリアスは吼え、怒り狂ったように激しく燃え上がる炎を放つ。
「テペトラー、ハイドロポンプ!」
対してテペトラーは大量の水を噴射する。
燃え盛る炎を一瞬で打消し、勢いを殺さずにそのまま大量の水がガブリアスへと一直線に飛ぶが、
「ガブリアス、防御態勢!」
ガブリアスは右腕の翼をかざし、ハイドロポンプを翼で防ぐ。
勢いはすざましく、ガブリアスは後ろへ押し戻されるが、それでもガブリアスは吹っ飛ばされることなく、しっかりと足を地に着け、水を耐え切る。
「地震だ!」
そしてガブリアスは間髪入れずに地面を勢いよく踏み、地震の衝撃波を飛ばす。
躱すタイミングが遅れ、テペトラーは衝撃波を喰らい、吹っ飛ばされる。
「チャンス! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
その隙を逃さず、ガブリアスは勢いよく飛び出す。
吹っ飛ばされていくテペトラーとの距離を一気に詰め、左右の爪を交差させ、さらにテペトラーを切り裂く。
「テペトラー! 大丈夫か?」
爪の強力な一撃を喰らったテペトラーは、地面へと叩きつけられたが、まだ起き上がり、体勢を立て直す。
「お、まだ立てるのか。見上げた根性してるぜ」
「僕のテペトラーの長所は、馬力と根性ですから! テペトラー、ハイドロポンプ!」
テペトラーは自身を鼓舞するように啼き、大量の水を噴射する。
「ガブリアス、躱してドラゴンクロー!」
ガブリアスは跳び上がってそれを避けると、そのままテペトラーまで一気に接近し、左右の爪を振りかざすが、
「見切った! テペトラー、冷凍パンチ!」
テペトラーは爪が振り下ろされるまでの一瞬のタイミングを狙い、冷気を込めた拳をアッパーカットのように振り上げ、ガブリアスの顔面を殴り、吹っ飛ばす。
「っし! テペトラー、インファイト!」
テペトラーはそのまま地を蹴って跳び出す。
最初の一発目、渾身の拳を突き出すが、
「ガブリアス、迎え撃て! ドラゴンクロー!」
ガブリアスも体勢を取り戻し、蒼く輝く爪を突き出す。
そのままお互いに怒涛の連続攻撃を繰り出す。テペトラーが連続で放つ拳を、ガブリアスも連続で爪を振るい、互角に応戦する。
「そこだ、ガブリアス! ジャンプだ!」
まさにテペトラーが最後の回し蹴りを放つ瞬間、ガブリアスは少し身を退いて大きく跳び、回し蹴りを避ける。
「もらったぜ! ガブリアス、地震だ!」
そこからガブリアスは足を構え、急降下してテペトラーを踏みつけ、地震を起こせるような力をそのままテペトラーへと与える。
当然、テペトラーは大きく吹っ飛ばされ、そして、
「テペトラー!?」
テペトラーは地面に落ち、戦闘不能となっていた。
レオ対シュウヤ、パート3です。早くも三番手で出て来たガブリアスが、二匹とも手負いだったとは言え、バフォットとテペトラーを立て続けに下しました。しかも、まともに攻撃を喰らっていたのは、テペトラーの冷凍パンチ一発だけです。メタルブラストは強引に突っ切り、ハイドロポンプは翼で余裕を持って耐え切りましたからね。さて、次回はレオ対シュウヤ、パート4となります。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十六話 龍は止まらない ( No.386 )
- 日時: 2013/01/26 18:33
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: E616B4Au)
「それなら……頼んだ、ハンタマ!」
レオの三体目のポケモンはハンタマ。何としてもここでガブリアスを止めておきたいところだ。
「へえ、ハンタマか。珍しいポケモンだな」
「こいつは強いですよ。小さいからって、舐めてかからない方がいいですよ」
レオの言葉に、シュウヤは、勿論、と返し、
「じゃあ始めるか! ガブリアス、怒りの炎!」
ガブリアスは憤怒の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「ハンタマ、ブレイズキック!」
対してハンタマは足に炎を灯し、一直線にガブリアス目掛けて跳ぶ。
怒りの炎を吸収して足の炎の力に変え、より強力となった炎の脚をガブリアスに叩き込む。
「やるな! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは後ろへと押し戻されるが、すぐに爪に蒼白い光を纏い、ハンタマへと襲い掛かる。
「ハンタマ、回避だ!」
ハンタマは連続で襲い掛かる爪を、必要最小限の動きで次々と躱していく。
「そこだ! シャドーパンチ!」
爪の攻撃が尽きた瞬間を狙って、ハンタマは影の拳を突き出し、ガブリアスの頬を殴る。
「ハンタマ、サイコバレット!」
「させるか! ガブリアス、怒りの炎!」
ハンタマはさらに無数の念力の銃弾を放つが、ガブリアスは憤怒の如く燃え盛る炎を撒き散らし、念力を相殺する。
「ガブリアス、地震だ!」
ガブリアスは地面を勢いよく踏みつけ、地面を揺らして衝撃を飛ばす。
「ハンタマ、跳び膝蹴り!」
ハンタマは地を蹴って跳び出す。
非常に出が速いガブリアスの地震を躱し、渾身の膝蹴りを叩き込む。
「ガブリアス、防御!」
ガブリアスは右腕の翼を構え、翼で膝蹴りを受ける。
このガブリアスの平たく堅い翼は、衝撃を分散し、衝撃や威力を弱めることが出来るのだ。
跳び膝蹴りの威力は非常に高く、ガブリアスはかなり押されるが、それでも吹っ飛ばされることなく膝蹴りを耐え切り、
「怒りの炎!」
ハンタマの勢いが止まった瞬間に翼を少し退け、憤怒の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「やばい! ハンタマ、後退だ!」
しかし、流石はハンタマ。なんとガブリアスの翼を踏み台にして大きく後ろへ跳び、炎の射程圏内から離れる。
「おお? 今のを避けたとは、何て隙の無さだ」
感心するような声をあげるシュウヤ。
「みんなそう言うんですよ! ハンタマ、サイコバレット!」
シュウヤですらもハンタマの隙の無さは認めるものがあるらしい。
ハンタマはマシンガンのように無数の念力の銃弾を撃ち出す。
「悪いがそれは効かないぜ。ガブリアス、怒りの炎だ!」
対して、ガブリアスは怒りの感情の如く燃え上がる炎を放って炎の壁を作り、銃弾を遮断する。
「シャドーパンチ!」
ハンタマは炎にまぎれ、素早くガブリアスへと忍び寄る。
炎が消えた瞬間を狙い、ハンタマは影を纏った拳を構えて跳び出し、
「おっと、ガブリアス、ドラゴンクロー!」
シュウヤも反応が速かった。ガブリアスは蒼白く輝く爪を振るい、ハンタマの拳とぶつかり合う。
しかし、やはり攻撃力ではガブリアスに分があり、ハンタマは押し負け、吹っ飛ばされる。
「追撃だ! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
すぐさまガブリアスは地を蹴り、猛スピードで追ってくる。
「ハンタマ、落ち着いて回避するぞ!」
吹っ飛ばされたハンタマだが、素早く受け身を取って起き上がる。
間髪入れずにガブリアスの爪の一撃が襲い掛かるが、素早いバックステップで斬撃を避ける。
「跳び膝蹴りだ!」
そこからハンタマは地を蹴って跳ぶ。
強烈な膝蹴りがガブリアスに叩き込まれ、ガブリアスは大きく吹っ飛ばされる。
まともにガブリアスが吹っ飛ばされたのは、まだこれが二度目。このガブリアスは攻撃面だけでなく、打たれ強さも兼ね備えている。
「翻弄できてはいるだろうけど……厳しいかもな」
ハンタマはスピードや手数で勝っている。だが、見方を変えれば、それだけだ。
テペトラーには冷凍パンチがあったが、ハンタマには、ガブリアスに対して一撃で相手に大ダメージを与えられる技が無い。
その点、ガブリアスは剣の舞で攻撃力を上げ、一撃でこちらを致命傷に追い込む攻撃力を手にすることが出来る。
「ガブリアス、地震だ!」
「ハンタマ、躱してサイコバレット!」
ガブリアスが地面を思い切り踏みつけ、地面を揺らして衝撃波を起こすが、ハンタマは素早く跳んで衝撃波を躱し、無数の念力の銃弾を放つ。
「ガブリアス、躱してもう一度地震!」
ガブリアスは大きく跳びあがって銃弾を避けると、上空から脚を構え、すざましい勢いで急降下する。
「ハンタマ、来るぞ! 躱してシャドーパンチ!」
ハンタマは一瞬の動きでさっとガブリアスの激突を避けるが、
「甘いぜ」
シュウヤがそう言い放った刹那、地震の衝撃波がハンタマに襲い掛かる。
ただでさえ速いガブリアスの地震だが、今のはそれよりもさらに速かった。
「普通に放つときと、今のように放つときでは勢いが違うんだ。地震の力が大きくなったって当然だろう? ガブリアス、怒りの炎!」
すかさずガブリアスは憤怒の感情の如く燃え盛る炎を発射する。
「くっそ、ハンタマ、サイコバレット!」
体勢を崩しながらも、ハンタマは何とか念動力の銃弾を炎へと撃ち込み、怒りの炎を相殺する。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
さらにガブリアスは両腕の爪を蒼白く輝かせ、一気にハンタマへと迫ってくる。
「ハンタマ、ガブリアスの後ろへ!」
ハンタマもガブリアス目掛けて駆け出す。
爪が振り下ろされる直前に、ハンタマは身を屈め、素早くガブリアスの両足の間を潜り抜け、ガブリアスの背後を取る。
「もらった! ハンタマ、跳び膝蹴り!」
その勢いを利用し、ハンタマは地を蹴って跳び、渾身の膝蹴りを繰り出す。
この距離では回避は不可能。しかし、
「ガブリアス、防御!」
その一言で、ガブリアスは左腕の翼を構え、ハンタマの膝蹴りを強引に受け切ってしまう。
「ドラゴンクロー!」
そして間髪入れずに、右腕を振るい、青白く輝く爪でハンタマを思い切り切り裂く。
そこではまだ終わらない。さらに左爪も青白く輝き、ハンタマを切り裂いた。
もともと耐久力の低いハンタマが、この二連撃を耐えられるはずもなく、ハンタマは地面へと落ち、戦闘不能となってしまった。
「嘘……だろ……?」
レオは何とか声を絞り出す。バフォット、テペトラーに続き、万全の状態のハンタマまでやられたのだ、それもガブリアス一体に。
「……ハンタマ、よくやった。あとは後続が何とかしてくれる」
レオはハンタマをボールに戻す。震える手で、次のボールを握る。
「今のハンタマの動きは悪くなかったぜ。だけどポケモン自体の相性が良くなかったな」
シュウヤは軽く告げるが、レオにとってこの状況は少々まずい。
(リーテイルは最後まで取っておきたい。ロップルではガブリアスを相手取ることは出来ない。だったら、予選で負けたけど、やっぱりフィニクスだ。ガブリアスも体力はかなり消耗しているはずだ)
冷や汗をかきながら、レオは次のボールを取り出す。
しかし、
「ガブリアス、一旦戻るぞ」
シュウヤはガブリアスをボールへと戻してしまう。
「え……?」
驚いたのはレオだ。ガブリアスを戻せば、せっかく上がった攻撃力は元に戻ってしまうし、何より、シュウヤにとってガブリアスを戻すような状況でもないはずだ。
「流石のガブリアスも、四連戦は厳しいからな。少しでもスタミナを回復しておかないとな」
そして、シュウヤも次のボールを取り出す。
レオ対シュウヤ、パート4。勢いの衰えを知らないガブリアス。万全の状態だったハンタマをも倒してしまい、これで三体抜き。二勝を先行されていた状況から、一気に三勝し、逆転してしまいます。にしても、自分で書いてて思いましたが、ガブリアス、強すぎますね。この化け物をどうやったら倒せるんでしょうか。中途半端な攻撃はおろか、十分な威力のある攻撃でも翼で防がれ、攻撃力も桁外れです。そしてガブリアスは一旦引き、シュウヤの次なるポケモンが出てきます。さて、次回も続きです。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十七話 光速蟲 ( No.387 )
- 日時: 2013/01/26 23:54
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a5DdqbyH)
二人は同時にポケモンを繰り出す。
「頼んだ、フィニクス!」
「行くぜ、テッカニン!」
レオのポケモンはフィニクス。
対するシュウヤのポケモンは、セミのような姿をし、羽を高速で羽ばたかせて飛んでいるポケモン。
忍びポケモンのテッカニン、虫・飛行タイプ。
「初めて見るポケモンだな……まずは相手の動きを見るか。フィニクス、大文字!」
先攻はレオ。
フィニクスは大きく啼き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「テッカニン、高速移動!」
対して、シュウヤの指示は高速移動。
二回戦のこともあり、高速移動には警戒を示すレオ。
しかし、警戒など全く意味がなかった。
次の瞬間、テッカニンはフィニクスの後ろにいたのだ。
「襲撃だ!」
フィニクスの背後から、テッカニンは爪を振りかざし、フィニクスを切り裂く。
「……! フィニクス、エアスラッシュ!」
襲撃は効果今一つで、大きなダメージではない。
素早くフィニクスは振り向き、羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばす。
だが、
「高速移動!」
フィニクスが羽ばたき始めた時点で、既にテッカニンはそこにいなかった。
いつの間にか、シュウヤの元まで戻っている。
つまり、これはどういうことか。
「そのテッカニン、速すぎるだろ……!」
そう。
このテッカニン、素早さが尋常でなく高い。
「こいつの素早さは凄いぜ。トレーナーの俺でさえ、どこにいるのか分からなくなることがあるからな」
ま、高速移動のおかげでもあるがな、とシュウヤは続け、
「次だ! テッカニン、燕返し!」
「迎え撃て! フィニクス、エアスラッシュ!」
テッカニンが目にもとまらぬスピードで動き出すと同時、フィニクスも空気の刃を放つ。
普通のポケモンであれば、この量の刃を全て避けるのは不可能。
しかし、テッカニンには刃が当たらない。
残像すら残るような速さで、テッカニンは刃と刃の間のわずかな隙間を次々と潜り抜け、ことごとく刃を避ける。
全ての刃を避け終えると、一瞬でフィニクスとの距離を詰め、フィニクスを切り裂く。
「くうっ、フィニクス、大文字連発!」
フィニクスは煌々と燃え盛る炎を次々と撃ち出していくが、テッカニンは余裕で炎を全て躱し切り、
「連続切りだ!」
シュウヤの指示と共に、テッカニンは消える。
次の瞬間、フィニクスの腹に切り傷が出来る。
「!?」
レオが驚いている間にも、フィニクスの切り傷はどんどん増えていく。背、足、顔も切り裂かれていき、しかも傷は少しづつ深くなっていく。
テッカニンが音速を超えるスピードでフィニクスの周りを飛び回り、爪で切り裂いている、と分かるまで、レオには数秒が必要だった。
「フィニクス、振り払うんだ!」
フィニクスは大きく羽ばたき、強い風を起こし、何とかテッカニンを引きはがす。
テッカニンの攻撃が相当高いという訳でもなく、少し高い程度だったのが幸いだろうか。
(落ち着け。奴を見た感じ、耐久は低い。一発ぶち込めば勝てる)
「これならどうだ! フィニクス、龍星群!」
フィニクスは上空へと龍の力が込められたエネルギー弾を放つ。
エネルギー弾は空中で破裂し、無数の流星となって、テッカニンを狙って次々と降り注ぐ。
「駄目なんだよなあ。テッカニン、高速移動!」
しかし、テッカニンは羽ばたきをさらに加速させると、その姿を消す。
無数の流星が降り注ぎ、それこそ躱す隙もないはずなのだが、テッカニンに流星が当たったような気配は一切ない。
そして。
「テッカニン、燕返し!」
流星による砂煙の中からテッカニンが音速で飛び出し、フィニクスに爪の一撃を喰らわせる。
「嘘だろ……龍星群も通じないのかよ……!」
龍星群が避けられれば、これはもうフィニクスで勝ち目はない。
(どうすればいいんだ……せめて、一発当てられれば……あ)
その時、レオに一つの考えが浮かんだ。
「よし。フィニクス、一旦戻ってくれ」
ここでレオはボールを取出し、フィニクスをボールに戻す。
「さあ、頼んだぜ、ロップル!」
そしてレオが繰り出すのはロップル。
「へえ、交代して仕切り直しか。いいだろう、テッカニン、襲撃!」
「これならどうだ! ロップル、放電!」
テッカニンが一瞬で後ろに現れるが、爪が振りかざされるよりも早くロップルは周囲へと電撃を撒き散らし、テッカニンの動きを妨害する。
「おっ? テッカニン、高速移動!」
間一髪でテッカニンは高速移動し、一瞬でシュウヤの元へと退く。
「なるほど、上手く考えたな。なら、その手でこいつを倒してみろ! テッカニン、燕返し!」
「臨む所です! ロップル、放電!」
テッカニンが動くと同時、ロップルは周囲へと狙いを定めずに電撃を撒き散らしていく。
しかしテッカニンは、電撃の隙間を巧みに掻い潜り、あろうことか放電をも躱しきってしまう。
そのまま爪を振り抜き、ロップルを切り裂く。
「放電も通じないなんて……!」
ここまで来ると、レオの頭に残る作戦は残り一つ。あと一つだけ、策が残っている。
「ロップル、サイコキネシス!」
ロップルはテッカニンの周囲の念力を操作し、テッカニンの動きを操る——
「効かねえぜ。テッカニン、高速移動!」
よりも早く、テッカニンは一瞬のうちにロップルの背後まで移動し、
「襲撃だ!」
爪の一撃をロップルへと叩き込む。
ロップルは防御すべく帽子を取ったが、間に合わなかった。
「だったら乗り移る!」
ロップルは魂を肉体から切り離し、テッカニンへと憑依するが、テッカニンは音速をも超えるスピードで動き回り、憑依しようとする魂がテッカニンに追いつかない。
「燕返し!」
そしてテッカニンは置き去りになった肉体へと爪の一撃を喰らわせ、魂を肉体へと引き戻す。
「一気に畳み掛けろ! 連続切り!」
調子付いてきたテッカニンは、さらにロップルを追撃する。
テッカニンの姿が消え、その刹那、ロップルに次々と切り傷が生じていく。
しかし、レオは迷わなかった。
決めるなら、ここしかない。
「ロップル、放電だ!」
ロップルは周囲に電撃を撒き散らす。
そして、ついにテッカニンに電撃が命中した。
「おおー、やるじゃねえか。この隙を利用するとはな」
普通に放電を撃てば、テッカニンには避けられる。
だから、レオはテッカニンが長い間ロップルの周囲にとどまり続けるこの瞬間を狙っていたのだ。
基本、テッカニンは相手の攻撃を見てから回避行動に出ている。
だが、この距離で放電を放てば、攻撃を見る間もなく電撃が命中するのは火を見るより明らかだ。
そして、テッカニンは電撃をまともに浴びたようで、体が麻痺し、動きが鈍っている。
「もらった! ロップル、乗り移る!」
この隙を逃さず、ロップルは今度こそ魂をテッカニンに憑依させる。
テッカニンは苦しみにのた打ち回り、羽の羽ばたきが止まり、地面へと落ちる。
テッカニンは素早さにおいて非常に優れているが、対照的に耐久力は絶望的に低い。
地面に落ちたテッカニンは、戦闘不能となっていた。
「なるほど、いい戦い方だったぜ。上手く隙を突かれたよ。テッカニン、休んでてくれ」
シュウヤはレオを賞賛し、テッカニンをボールに戻し、次のボールを取り出す。
レオ対シュウヤ、パート5。シュウヤの新戦力、テッカニンが登場。尋常でないスピードを生かして暴れまわりますが、最終的にはレオの機転によって倒されました。テッカニンは個人的に大好きですね。あのセミそのままにも見える姿がカッコいいと思います。アニメDPのシンジのテッカニンが滅茶苦茶カッコよかったなあ……。さて、次回も続きですね。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十八話 黄金角 ( No.388 )
- 日時: 2016/06/28 14:01
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 6/orvAdG)
「さあ行くぞ、ユニサス!」
シュウヤの五体目のポケモンは、金の角を生やした角馬ポケモンのユニサス。
「ガブリアスはフィニクスでないと倒せない。フィニクスにあまり負担を掛けたくないからな……。ロップル、悪いけどここは頑張ってくれ」
レオの言葉に、ロップルは肩で息をつきながらも、笑顔を作り、頷く。
「へえ、ポケモンに信頼されてるのがよく分かるな。じゃあ始めようかユニサス、メタルブラスト!」
ユニサスは角を輝かせ、そこから強大な鋼エネルギーの砲撃を放つ。
「ロップル、躱して瞑想だ!」
対してロップルは軽やかなステップで砲撃を避けると、精神を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「積んでくるか。ならユニサス、サイコバレット!」
ユニサスは念力を操作し、無数の念動力の銃弾を放つ。
「ロップル、サイコキネシス!」
対して、ロップルも念力を操り、こちらは念力の波を放って、銃弾を相殺。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
「ロップル、受け流せ!」
ユニサスは攻撃の手を緩めず、大量の水を噴射するが、ロップルは帽子を取り外し、その帽子で水を受け流す。
「乗り移る!」
そしてロップルは魂を肉体から離し、少しの間ユニサスへと憑依し、ユニサスの体の内側からダメージを与える。
「ユニサス、メタルブラスト!」
乗り移るから解放されると、ユニサスは頭を振って体勢を整え直し、強大な鋼エネルギーの砲撃を放つ。
「ロップル、躱してサイコキネシス!」
ロップルは大きく跳んで砲撃を避けると、念力の波を放ち、ユニサスへと波をぶつける。
しかし、エスパー技は効果今一つで、大したダメージではない。
「次だ! ユニサス、雷!」
ユニサスは角から電撃を空へと打ち上げる。
数秒後、空が光り、上空からロップルへと雷が落ちる。
「ロップル、躱して放電!」
ギリギリのところでロップルは飛び退き、雷を避けると、すかさず電撃を周囲へと撒き散らす。
「ユニサス、サイコバレット!」
電撃に対して、ユニサスはすぐに体勢を立て直し、無数の念力の銃弾を発射する。
銃弾が電撃を突き破り、ロップルを貫く。効果今一つの割に、ダメージはなかなかの量。
「追撃だ! ユニサス、メタルブラスト!」
続いてユニサスは多量の鋼エネルギーを撃ち出す。
「ロップル、躱して放電だ!」
何とかロップルは体勢を立て直し、素早く横へとステップで砲撃を躱し、素早くユニサスへと接近し、電撃を周囲へ撒き散らす。
今度はユニサスは電撃を浴びる。瞑想で特攻が上がっているので、ダメージはそこそこある。
「乗り移る!」
さらにロップルは魂をユニサスへと憑依させ、内側からダメージを与える。
「ユニサス、負けるなよ。ハイドロポンプ!」
ロップルの魂がユニサスから抜けると、ユニサスは大量の水を噴射する。
「躱すのは無理か……ロップル、防御!」
咄嗟にロップルは帽子を前に構える。
水は何とか耐え切ったが、水飛沫がロップルへとかかり、その体を濡らす。
「よく耐えた! ロップル、サイコキネシス!」
水を受け切ったロップルは帽子を被りなおすと、念力を操作し、念力の波を放つ。
しかし、
「ユニサス、雷だ!」
ユニサスは天空へと電撃を打ち上げる。
雷鳴が轟き、次の瞬間、槍のような雷撃がロップルへと襲い掛かる。
「しまった、ロップル!」
念力を放った直後のロップルは、上からの突然の攻撃に対応できず、雷撃の槍に体を貫かれた。
しかも、ハイドロポンプの水飛沫で濡れていた体は、電気が普通以上に通った。
テッカニン戦でのダメージも重なっており、ロップルはその場に倒れ、戦闘不能となってしまう。
「ロップル、よく頑張った。あとはゆっくり休んでてくれ」
レオはロップルを労い、ボールへと戻す。
「さあ、頼んだぞ、フィニクス!」
レオの次のポケモンはフィニクス。テッカニン戦でのダメージは多少あるが、バトルへの支障はない。
「行くぞ! フィニクス、大文字!」
フィニクスは自身を鼓舞するように大きく啼き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
ユニサスは大量の水を噴射して炎を迎え撃つが、特攻で大きく勝るフィニクスの大文字が水を蒸発させていき、炎はユニサスへと命中する。
水で威力を弱めたため、まだ戦闘不能にはなっていないが、それでも効果抜群、ダメージは大きいだろう。
「ならユニサス、サイコバレット!」
ユニサスは念力を操り、念動力で出来た無数の銃弾を発射する。
「フィニクス、回避だ! 上昇するぞ!」
フィニクスは上空へと大きく飛び、念力を避け、
「ドラゴンダイブ!」
龍の力を纏い、すざましい殺気と共にユニサスを狙って急降下する。
「ユニサス、メタルブラスト!」
対してユニサスは多量の鋼エネルギーの砲撃を放ち、フィニクスを迎撃。
急降下と砲撃がぶつかり合う。
威力は互角で、競り合った後、フィニクスは退くが、砲撃も相殺されて消える。
「いい動きだ。だが空にいるなら気を付けろ。ユニサス、雷!」
ユニサスは上空のフィニクス目掛けて、強烈な電撃を放つ。
フィニクスは横へ飛んで電撃を躱すが、直後に空からの落雷が襲い掛かり、今度はフィニクスを捕えた。
「……! しまった、雷だったな……」
「だから気を付けろって言ったろ。ユニサス、サイコバレット!」
雷の直撃を受け、高度を下げるフィニクスへ、ユニサスは念力の銃弾をマシンガンのように放つ。
「来るぞ! フィニクス、エアスラッシュ!」
対して、フィニクスは何とか体勢を立て直すと、火の粉を散らしながら羽ばたき、空気の刃を飛ばす。
刃は銃弾とぶつかり合い、お互いに次々と相殺されていく。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
「フィニクス、ドラゴンダイブ!」
ユニサスは大量の水を噴射するが、フィニクスは飛び上がって水を躱し、龍の力を纏い、すざましい殺気を纏って急降下、ユニサスに激突する。
「もらった! フィニクス、大文字!」
すかさずフィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を発射する。
体勢が整っていないユニサスへと直撃し、その鋼の体を燃やしていく。
炎が通り過ぎると、ユニサスは体を焦がし、戦闘不能となって倒れていた。
「ユニサス、よく頑張った。休んでな」
シュウヤはユニサスをボールに戻し、そして次のボールを構える。
「さあ、もう一回行くぞ! ガブリアス!」
シュウヤの次の手は、先ほど猛威を振るった、ガブリアス。
その実力は、先ほどだけでなく、この大会で猛威を振るっている、と言った方が正しい。
そしてそれは、レオも十分承知である。
承知した上で、レオはフィニクスでガブリアスへと立ち向かう。
「さあガブリアス、あと二体だ。しかも一体は予選で勝った相手だぜ」
「行くぞフィニクス、あと二体だ。予選の雪辱を果たしてやろうじゃないか」
両者一歩も引かず。
天下無双の地龍と不死の炎龍は、互いの敵をじっと見据える。
終盤になってから一話一話の文字数が増えています。さて、レオ対シュウヤ、パート6。シュウヤの八年前からのポケモン、ユニサスがロップルを倒しますが、フィニクスに敗れ、そして二体の龍が再び対峙します。状況を見ると、お互いに二体が残り、うち一体は両方とも体力を消耗していますから、残っているポケモンのコンディション的には互角ですね。さて、次回はレオ対シュウヤ、パート7。それでは、次回もお楽しみに!
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