二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
- 日時: 2013/02/02 19:35
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330
はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。
※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。
これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。
それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395
番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265
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- Re: 第百六十八話 神龍と不死龍 ( No.374 )
- 日時: 2013/01/21 00:05
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
「さあ行ってこい、フィニクス!」
レオの四番手はフィニクス。特性によりオーバーヒートを無効化出来る。
「フィニクスか……厄介な奴が来たな」
キラは小さく呟き、
「ま、でも攻めるのみか。ファントマ、悪巧み!」
ファントマは脳を活性化させて特攻を上げ、
「シャドーボール!」
更にそこから影で作った弾を連続で放つ。
「フィニクス、大文字!」
対してフィニクスは大の字型の燃え盛る炎を放ち、影の弾をまとめて焼き払い、
「ドラゴンダイブ!」
上空へと飛び上がり、すざましい殺気を放ちながら急降下し、ファントマを吹っ飛ばす。
「とどめだ! エアスラッシュ!」
フィニクスは炎の翼を羽ばたかせ、空気の衝撃波を飛ばす。
ファントマは無数の刃に切り裂かれ、戦闘不能となった。
「ファントマ、よく頑張った。ハンタマを倒したのはでかいぞ」
キラはファントマをボールに戻し、フィニクスを見据える。
「そいつを相手取れるのは……こいつしかいないな! 出て来い、ドラドーン!」
キラが繰り出したのは、五メートルを超える、巨大な黄色いドラゴンポケモン。
神龍ポケモンのドラドーン。ドラゴン・飛行タイプ。
「来たか……!」
レオはある意味、このドラドーンを一番警戒していた。
レオが以前キラと戦ったとき、キラのドラドーンはまだラグーンだった。
ドラドーンに進化したことは知っていたが、バトルを見たことが無いので、何をしてくるかが分からないからだ。
ところでこのドラドーン、巨大な龍とは言ったが、普通のサイズと比べるとかなり小さい。
通常サイズは七メートルほどあるドラドーンだが、この個体は五メートル強。
「タツゴンやラグーンの時もそうだったけど、やっぱり最終進化しても大きさは伸びなかったな、こいつ。ま、小さいなら小さいなりに長所もあるんだけどな」
キラはそう言って、
「じゃあ行くぜ。ドラドーン、アイスバーン!」
ドラドーンは咆哮と共に、周囲へと氷の衝撃波を放つ。
「フィニクス、躱してエアスラッシュ!」
フィニクスは上昇して衝撃波を躱すと、炎の翼を羽ばたかせ、火の粉を撒き散らしながら空気の刃を放つ。
「続けてドラゴンダイブ!」
さらにフィニクスはそこからすざましい殺気を纏い、急降下する。
「こいつは小さいけど、能力は通常のドラドーンと何ら変わりないぜ。ドラドーン、龍の波動!」
ドラドーンは空気の刃の直撃を受けるが、びくともせずにフィニクスを見据えると、龍の力を溜め込んだ波動の弾を放つ。
フィニクスの急降下の一撃と、ドラドーンの放つ龍の波動が激突する。
威力は互角。フィニクスは引き下がるが、波動も消滅する。
「なかなかやるじゃねえか。ドラドーン、ハイドロポンプ!」
ドラドーンは口を構えると、大量の水を噴き出す。
「大文字じゃ無理かな。フィニクス、躱してドラゴンダイブ!」
フィニクスは上空へと飛び上がってドラドーンの上を取り、そこから殺気と共に急降下し、ドラドーンを吹っ飛ばす。
効果は抜群、先ほどのエアスラッシュとは違い、ドラドーンもまともにダメージが入ったような表情を見せる。
「こいつの役割は二つ。一つ目は、ファントマが駄目だったときのハンタマ対策の二体目。そしてもう一つは」
キラはいったん言葉を切り、
「ドラゴンタイプ対策だ! ドラドーン、アイスバーン!」
ドラドーンはすぐに体勢を立て直すと、氷の衝撃波を放つ。
「フィニクス、大文字!」
対してフィニクスは大の字型の炎を撃ち出し、アイスバーンを打ち破り、さらにその炎はドラドーンへと襲い掛かる。
しかし、
「ドラドーン、ぶち抜け! 龍の波動だ!」
ドラドーンはその巨体を生かして、強引に大文字を打ち破って一気にフィニクスへと迫り、龍の力を溜め込んだ波動を放つ。
この近距離からの波動では、フィニクスは避けられない。フィニクスは波動の直撃を喰らい、吹っ飛ばされる。
「まだまだ! ドラドーン、ハイドロポンプ!」
さらにドラドーンは大量の水を噴射し、フィニクスへの追撃の一撃を放つ。
「まずい! フィニクス、回避だ! 立て直せ!」
フィニクスは何とか体勢を立て直すが、躱しきることは出来なかった。直撃はしなかったものの、大量の水はフィニクスの足元に命中する。
「畳み掛けるぞ! ドラドーン、龍の波動!」
「そろそろ止めるぞ! フィニクス、大文字!」
勢いに乗るドラドーンはさらに龍の力を溜め込んだ波動の弾を放つ。
体勢を立て直したフィニクスは大の字型の炎を放ち、襲い来る波動を相殺する。
「だったらハイドロポンプ!」
ドラドーンは攻撃の手を緩めず、大量の水を噴射する。
「これだけは相殺できないから……フィニクス、躱して上昇だ!」
フィニクスはハイドロポンプを飛びながら避け、一気に上昇する。
「ドラゴンダイブだな! ドラドーン、奴を近づけるな! ハイドロポンプだ!」
「フィニクス、一気に決めるぞ! ドラゴンダイブ!」
ドラドーンは執拗に大量の水を放ってくるが、フィニクスは回避しつつも確実に急降下し、ドラドーンの脳天へと激突する。
ドラドーンは呻き、体勢を崩す。
「チャンス! 大文字だ!」
そこにフィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を放ち、ドラドーンの体を焼き焦がす。
だがドラドーンはまだ倒れない。光の灯った眼でフィニクスを見据え、体勢を立て直す。
「どうも今日のドラドーンは調子が優れないな……仕方ねえ、もう少しとっておきたかったが、あれを使うぞ!」
キラの言葉に応えるように、ドラドーンも吼える。
そして、
「ドラドーン、ハリケーン!」
突如、ドラドーンの周りに風の渦が出来る。
その風の渦が激しく回転し、自然災害にも引けを取らないほどの暴風を巻き起こす。
一回戦の、カンタロウのドンカラスの使うハリケーンの比ではない。それこそ尋常ではない威力の暴風が巻き起こり、フィニクスはまともに吹っ飛ばされる。
観客席で観戦しているチヅルやシアンは、ガニメデのハリケーンを思い浮かべたことだろう。
「ば……馬鹿な。何て威力だ……!」
幸いフィニクスは飛んでいたため、下に飛ばされて壁や地面に激突することはなかったものの、それでもダメージは大きい。
ハリケーンは撃った後に連発すると威力が下がるが、この威力が下がったところで相殺できるほど弱くなるはずがない。
「悪いが、これで決めるぜ。ドラドーン、もう一度だ!」
そして、ドラドーンの咆哮と共に、再び風の渦が現れる。
まるでレオとフィニクスを敗北へと吹き飛ばすかのように、再び暴風が襲い掛かる。
レオ対キラ、パート4です。キラのドラドーンの初のバトルシーンです。最終章で初っていうのもどうなんだろうっていう気もしますが。あと、本当に今更なことを言いますが、パーセンターは小説を書いている途中、よくポケモンの名前を書き間違えます。具体的には、今作で言うと、フィニクスを書くべきところを普通にドラドーンと書いてたりします。気づかないことも多いので、間違いに気づいたらご指摘ください。さて、次回も続き。キラ戦も終盤に差し掛かりますね。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百六十九話 隠し玉 ( No.375 )
- 日時: 2013/01/22 00:27
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
ドラドーンの放つ暴風が、フィニクスへと襲い掛かる。
「こうなったら、フィニクス、やるしかないぞ!」
フィニクスも覚悟を決め、大きく啼く。
「フィニクス、龍星群!」
フィニクスは、真上ではなく、向かってくる暴風目掛けて、龍の力が溜め込まれたエネルギー弾を放つ。
エネルギー弾はすぐに破裂し、無数の流星となり、ずざましい勢いでドラドーンへと流れていく。
そして、まさに危機一髪のところで、ドラドーンの放った暴風が止んだ。
流星が降り注ぎ、渦巻く空気の渦が壊されてしまったのだ。
そして、さらに流星は風を貫き、ドラドーンにも無数の流星が降り注ぐ。
「馬鹿な!? ハリケーンを破ったのか!?」
絶対に破られない、と自負していたハリケーンを突破され、呆然とするキラ。
ドラドーンも、無数の流星の直撃を受け、体勢は大きく崩れる。
「ここで決めるしかない! フィニクス、ドラゴンダイブ!」
その隙を逃すはずもなく、フィニクスは上空に舞い上がり、ドラドーンへと急降下し、ドラドーンを吹っ飛ばす。
「ッ、ドラドーン!」
ドラドーンの巨体が地に落ち、地響きが鳴る。戦闘不能となり、目を回していた。
「ドラドーン、よく頑張ったぜ。それにしても、まさかお前が負けちまうとはな」
キラは少し悔しそうな表情を浮かべてドラドーンを戻すが、すぐに余裕を取り戻し、次のボールを取り出す。
「さて、レオ。お前は俺の次のポケモンを、メタゲラスだと思っているだろう」
「ああ。タテボーシは最後に来るだろうからな」
その言葉を聞くと、キラはフッと笑い、
「残念だったな。俺の五体目は、メタゲラスじゃあない。こんな時のために、隠し玉を用意していたのさ」
「……は?」
「見ればわかるよ」
そして、キラは五体目のポケモンを繰り出す。
「出て来い、俺のとっておき、フローリア!」
予想もつかなかったキラの五番手は、水色の美しい雪女のようなポケモン、氷タイプのフローリアだ。
「こいつを入れるときには迷ったぜ。誰を外すか迷った結果。泣く泣くメタゲラスを外し、フローリアを入れたんだ。メタゲラスの分まで頑張らないとな、フローリア」
キラの言葉に、フローリアは微笑みを浮かべ、そしてフィニクスを見据える。
「だけど、炎技を持つこっちに分があるぜ。フィニクス、まだやれるか?」
フィニクスは大きく啼いて、レオに答える。
「よし! フィニクス、大文字!」
フィニクスは気合を入れなおすようにもう一度啼き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。しかし、
「フローリア、躱してアクアボルト!」
フローリアは軽やかな動きで炎を避けると、電気を含んだ水流を放つ。
水をまともに被ったフィニクスは、麻痺してしまったようで、動きが鈍る。
そして。
「フローリア、絶対零度!」
フィニクスの周囲の大気が、ガチガチと音を立てて凍り始める。
「!? フィニクス、脱出だ!」
だが、フィニクスは麻痺を喰らっており、思うように動けなかった。
そして、三十秒もしないうちに、フィニクスは極寒の絶対零度の中で凍りついてしまう。
「絶対零度は一撃必殺、ってこれは知ってるよな。フローズンでクルサのフリーザーが使ってきたからな」
凍りついたフィニクスは、完全に戦闘不能だった。
「くっ……よく頑張ったな。休んでてくれ、フィニクス」
レオはフィニクスを労い、ボールに戻す。
(リーテイルは当然最後だ。タテボーシに勝てるのはこいつだけだし、何よりフローリアとは相性が悪すぎる。少し不安だけど、ロップルに頑張ってもらうしかないな)
「よし、ロップル、ここは頼んだぞ!」
レオの次のポケモンはロップル。絶対零度にさえ気を付ければ、勝機は十分にある。
「わざわざこの俺が隠し玉と称するポケモンなんだ。そう簡単に倒せると思うなよ。フローリア、冷凍ビーム!」
フローリアは片手をかざし、冷気の光線を発射する。
「ロップル、躱して瞑想だ!」
対し、ロップルは軽やかなステップで冷気を避け、精神力を研ぎ澄ませて特殊能力を上げる。
「そう言えば積み型だったなそいつ。フローリア、シグナルビーム!」
冷凍ビームは避けられたが、フローリアは構えの体勢を崩さず、そこから今度は鮮やかでカラフルな光線を撃ち出す。
「ロップル、放電!」
ロップルは周囲に電撃を撒き散らして、シグナルビームを相殺し、
「サイコキネシス!」
すかさず念力の波を放ち、フローリアを吹っ飛ばす。
「なかなかの威力だな。フローリア、冷凍ビーム!」
今度はフローリアは両手をかざし、両手の掌から冷気の光線を放つ。
「これは躱しきれないな……ロップル、受け流せ!」
ロップルは帽子を取り外して、襲い来る冷気に合わせて帽子を振り、冷気の光線を後方へと受け流し、
「ロップル、乗り移る!」
魂を体から離反させ、フローリアへと憑依させる。
「甘いぜ! フローリア、シグナルビーム!」
しかし、魂に憑依されるよりも早く、フローリアは置き去りになったロップルの体へとカラフルに光る光線を放ち、ロップルの体を吹っ飛ばす。
すると、魂も動きを止め、元のロップルの体へと戻ってしまう。
「魂が離れるって言ったって、その体はロップルの体なんだ。それを攻撃すれば、たとえ魂が離れていても、本体はダメージを受けるに決まってるよな」
ロップルはビームの直撃を喰らうが、何とか起き上がり、体勢を整える。
「へっ、流石は隠し玉なだけあるな……」
どうやらこのフローリアは、レオが思っていたよりも難敵のようだ。
レオ対キラ、パート……5?ですね。キラの隠し玉であるフローリアが登場、レオにかなりの実力を見せつけています。そう言えば、冬の小説大会の結果(一位のみ)が発表されてましたね。またしても一位にはなれませんでしたが、ですが一位の作品が何かを見れば、納得しましたね。あの小説は、負けても仕方がない小説ですよ(決してその他の小説は下手と言っているわけではありません)。さて、夏の大会では、一位を取りたいところですね。次回はパート6、あと二話くらいでキラとのバトルは決着。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十話 全てを封じる絶対零度 ( No.376 )
- 日時: 2013/01/23 15:58
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
「フローリア、冷凍ビームだ!」
フローリアのかざした右手から、冷気の光線が放たれる。
「ロップル、躱してサイコキネシス!」
対して、ロップルは横に跳んで冷気の光線を避け、すかさず念力の波を放って反撃する。
攻撃直後の反撃にフローリアは対応しきれず、念力の直撃を喰らう。
「続けて放電だ!」
さらにロップルは特に狙いを定めず、周囲へと撒き散らす形で電撃を放つ。
狙いを定めない放電は、非常に躱し辛く、フローリアは電撃もまともに浴びてしまう。
「見かけによらず、なかなかやるな。フローリア、アクアボルトだ!」
フローリアは特防を鍛えてあるのか、すぐに体勢を立て直し、電流を含んだ水流を放つ。
「ロップル、防御!」
ロップルは帽子を構えて、降りかかる水を防御するが、
「シグナルビーム!」
ロップルが帽子をどけたところへとカラフルに光る光線が一直線に飛び、ロップルに直撃。
ロップルの小さい体が吹っ飛ぶ。
「フローリア、隙を逃すな! 冷凍ビーム!」
吹っ飛ばされるロップルを狙って、フローリアは冷気の光線を放つ。
「まずい、ロップル、サイコキネシス!」
体勢を崩しつつも、何とかロップルは念力を操作し、冷凍ビームをギリギリで止める。
「危ねえ危ねえ……ロップル、放電だ!」
地面へと着地したロップルは、フローリアへと一気に接近し、電撃を周囲へと撒き散らす。
「躱せないんだよなあ……フローリア、シグナルビーム!」
狙いを定めない技はこういう時に便利である。
フローリアは鮮やかに光るカラフルな光線を放ち、襲い来る電撃を相殺する。
「チャンスだ! 乗り移る!」
そこにロップルが自らの魂をフローリアへと憑依させ、フローリアの体の内側からダメージを与える。
「フローリア! 大丈夫か?」
ロップルの魂が離れると、フローリアは苦しそうに呼吸するが、それでも体勢を整えなおす。
「よし、フローリア、冷凍ビーム!」
フローリアは両手をかざし、二つの冷気の光線を放つ。
「ロップル、サイコキネシス!」
対してロップルは強い念力を操り、片方の冷凍ビームは止める。
だがもう一つの冷気の光線を相殺することが出来ず、冷気の直撃を受け、下半身が凍りついてしまい、地面へと縫い留められる。
「もらったぜ! フローリア、絶対零度!」
ロップルが動けなくなった隙をキラが見逃すはずがない。
フローリアが手を構えると共に、ロップルの周囲の大気がガチガチと凍り始める。
「やばい! ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは足元の氷へと強い念力を撃ち込み、強引に氷を割り、間一髪で一撃必殺の冷気の中から脱出する。
「ちっ、惜しかったな……まあいい。フローリア、アクアボルト!」
フローリアはすぐに体勢を切り替えると、電流を含んだ水流を放ち、ロップルへと浴びせかける。
水をまともに被ったロップルだが、運よく麻痺にはならなかった。
「ロップル、反撃だ! 放電!」
ロップルは周囲に電撃を撒き散らして、すぐに反撃を開始する。
電撃がフローリアを撃ち抜き、フローリアの動きを止め、
「サイコキネシス!」
そこから念動力の波を放ち、フローリアを吹っ飛ばす。
「畳み掛けるぞ! ロップル、乗り移る!」
吹っ飛ばされたフローリアは起き上がり、体勢を整えようとするが、そこにロップルの魂が襲い掛かり、フローリアへと憑依し、フローリアを苦しめる。
しかし。
「舐めるなよ! フローリア、絶対零度!」
体の内側から体力を蝕むロップルの魂に耐えながら、フローリアはロップルの本体の周りの大気を凍りつかせ始める。
「何ッ!? ロップル!」
慌ててロップルは魂を引き離し、自分の体に戻す。
だが、遅かった。
既に絶対零度はロップルをほとんど包み込んでいた。
「あ……しまッ……!」
極寒の絶対零度に包み込まれ、ロップルは完全に氷漬けとなる。
すなわち、それは戦闘不能を意味していた。
「くっ、今のは油断したな……ロップル、ありがとう。よく頑張ったな」
レオはロップルを労い、ボールに戻す。これでレオの手持ちは残り一体。
「よし、最後はお前だ! 全てを任せるぞ、リーテイル!」
レオの六体のトリを務めるは、レオの不動のエース、リーテイル。
「出て来たなリーテイル。そいつを倒して、次に駒を進めるのは俺だ! フローリア、冷凍ビーム!」
「残念だけど、それは僕がすることだ。勝つのは僕だ! リーテイル、リーフブレード!」
フローリアが両手をかざし、冷気の光線を放つと同時、リーテイルも地を蹴り、大きく飛ぶ。
二つの冷気の光線を最小限の動きで躱しつつ、一気にフローリアとの距離を詰め、一瞬でフローリアの横を通り過ぎ、瞬時に尻尾の葉でフローリアを切り裂く。
しかも、急所を的確に。
「フローリア!」
ロップルの攻撃を何度も受けていたフローリアは、切れ味の鋭い葉に急所を切り裂かれ、戦闘不能となってしまう。
「よくやったな、フローリア。しっかり仕事を果たしたぜ」
キラはフローリアをボールに戻し、最後のボールを構える。
「勿論お前しかいないよな。全部任せた、タテボーシ!」
キラの不動のエース、海坊主ポケモンのタテボーシが、ゆっくりと現れる。
「さあリーテイル、前回惜しくも負けたのは覚えてるよな。この舞台で、リベンジを果たしてやろうぜ」
「タテボーシ、お前は一回あれに勝ってる。いつも通り行けば、必ず勝てるぞ」
お互いの最高のエースが対峙し、静かにお互いをじっと見据える。
フローリアの急所(意味深)……ごめんなさい、出来心です。削除申請は出さないでくださいお願いします。さて、レオ対キラ、パート6です。フローリア、キラの隠し玉だけあって強いですね。技の威力だけでなく、乗り移るに耐えつつ一撃必殺を放てるその精神力が強いと思います。そして、三度目となるこの最後の二体の対決、結果は如何に? さて、次回はレオ対キラ、遂に決着です。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十一話 緑と青の交錯 ( No.377 )
- 日時: 2013/01/23 13:07
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
先に動いたのはレオとリーテイルだった。
「リーテイル、エアスラッシュ!」
リーテイルは空中へと大きく飛び上がり、背中の葉を羽ばたかせ、無数の空気の刃を飛ばす。
「タテボーシ、ヘドロウェーブ!」
対して、タテボーシは大量のヘドロを波状に放ち、空気の刃にぶつけて相殺、さらに、
「ハイドロポンプ!」
口から大量の水を噴き出す。
「リーテイル、リーフブレード!」
リーテイルは急降下して襲い来る水を避けると、低空飛行で一気にタテボーシとの距離を詰め、尻尾の葉でタテボーシを切り裂く。
「タテボーシ、ダイヤブラスト!」
斬撃に怯むことなく、タテボーシはすぐさま周囲へと青白く輝く爆風を放ち、まだ近くにいたリーテイルを吹っ飛ばす。
「リーテイル、立て直すぞ! エアスラッシュ!」
宙に吹っ飛ぶリーテイルだが、すぐにバランスをとって体勢を立て直し、無数の空気の刃を放つ。
「そいつは効かないぜ。ヘドロウェーブ!」
タテボーシは再びヘドロの波を放ち、刃を相殺する。
「もう一度だ!」
そのままの勢いで、タテボーシはさらにヘドロの波を発射する。
「攻撃範囲が広い……! リーテイル、ドラゴンビート!」
自分の周りへとヘドロの波を撃ち出すヘドロウェーブの長所は、とにかく攻撃範囲が広いこと。
回避が難しいと判断し、リーテイルは龍の鼓動を模した音波を放ち、ヘドロを打ち消す。
「ハイドロポンプ!」
だが、音波が尽きたところを狙って、タテボーシは大量の水を噴射。
リーテイルは直撃を喰らう。効果今一つの割に、なかなかの威力だ。
「こっちも行くぞ! リーテイル、リーフブレード!」
リーテイルは体勢を立て直すと、タテボーシ目掛けて一直線に飛ぶ。
尻尾の刃でタテボーシの胴体を切り裂き、
「ドラゴンビート!」
さらに近距離から龍の心臓の鼓動の如き音波を放つ。タテボーシの液体状の体から、水飛沫が飛び散る。
「まだまだ! タテボーシ、ダイヤブラスト!」
「させるかよ! リーテイル、もう一発ドラゴンビート!」
タテボーシが体勢を崩しつつも放った煌めく爆風を、リーテイルは龍の心臓を模した音波で相殺し、リーテイルは素早く距離を取る。
「ヘドロウェーブだ!」
タテボーシは大量のヘドロの波を放つ。
「リーテイル、急上昇!」
リーテイルは大きく飛び上がり、ヘドロの波の攻撃範囲から逃れる。
「リーフブレード!」
「ハイドロポンプ!」
ヘドロの波が消えた瞬間を狙い、リーテイルは急降下して尻尾の葉を振りかざす。
対して、タテボーシは大量の水を噴射し、リーテイルを迎撃する。
回避は不可能、リーテイルは咄嗟に尻尾の葉を振り、ハイドロポンプを斬る。
「ダイヤブラスト!」
そこを狙ってタテボーシはダイヤのように煌めく爆風を放ち、リーテイルを吹っ飛ばす。
ダイヤブラストは岩タイプの技なので、飛行タイプも持つリーテイルにはダメージが大きい。
「次だ! ハイドロポンプ!」
タテボーシが大量の水を噴射し、追撃する。リーテイルは素早く飛び上がり、水を回避。
「よっし、リーテイル、エアスラッシュ!」
すかさずリーテイルは無数の空気の刃を放ち、反撃。
「タテボーシ、ヘドロウェーブだ!」
ハイドロポンプを放った直後のタテボーシは、すぐにヘドロの波を放つことは出来なかった。
タテボーシは少し遅れて大量のヘドロの波を撃ち出す。全ての刃の相殺は出来ず、半分ほどの空気の刃はタテボーシの体を切り裂く。
「ここからだ! タテボーシ、ヘドロウェーブ!」
液体状の体は、ダメージを軽減することは出来ずとも、その攻撃による衝撃を緩和することが出来る。
空気の刃にも体勢を崩すことなく、タテボーシは大量のヘドロの波を放つ。
咄嗟にリーテイルはヘドロを躱そうとするが、ヘドロの範囲が広く、リーテイルは躱しきることが出来ず、ヘドロの波をまともに浴びる。
「畳み掛けるぞ! タテボーシ、ダイヤブラスト!」
その隙を逃さず、タテボーシはさらに煌めく爆風を放ち、リーテイルを吹っ飛ばす。
「決めるぜ! タテボーシ、ハイドロポンプ!」
タテボーシは大量の水を噴射し、リーテイルにまともに命中させる。
リーテイルは地面へと激突し、砂煙が上がる。
「リーテイル!」
砂煙が晴れると、リーテイルは倒れていなかった。
とは言うものの、体力は残りわずか、まだ体勢も整っていない。次の一撃を喰らえば、やられてしまうだろう。
「深緑もあるからな、リーテイルが動けるようになる前に決めてやるぜ。タテボーシ、ハイドロポンプ!」
躊躇なくタテボーシは大量の水を噴射する。動けないリーテイルへと一直線に迫り、大きな砂煙が巻き起こる。
(……勝った!)
小さくキラは拳を握りしめる。
だが。
一陣の緑の風が、タテボーシの横を吹き抜け、その液体状の体を切り裂いた。
「はあッ!?」
驚いた声を上げ、風の正体を目で追うキラ。
対照的に、レオの表情は全く変わっていなかった。
レオには、こうなる自信があったからだ。
そう。
ザントのサザンドラの時と、同じように。
「残念だけど、まだ終わってないぜ」
リーテイルは傷だらけの体だが、その目はまだ明確な光を灯し、上空から静かにタテボーシを睨み付ける。
タテボーシは深緑の発動したリーフブレードをまともに喰らったようで、相当大きなダメージを受けているようだ。
「リーテイル、リーフブレード!」
リーテイルは一瞬でタテボーシとの間合いを詰め、背中と尻尾の葉でタテボーシを切り裂く。
「タテボーシ!」
タテボーシの体から水飛沫が上がり、タテボーシは悲鳴にも聞こえる雄叫びを上げる。
タテボーシも、体力は残りわずかのようだ。
「なあ、キラ」
「言わなくても分かってるぜ」
そして、二人はいったん言葉を切り、
「「あの技で、この勝負を決めるしかないよなあ!」」
そして、二人は最後の大技を指示する。
「リーテイル、ハードプラント!」
「タテボーシ、ハイドロカノン!」
リーテイルが咆哮すると同時、地面や壁を突き破り、巨大な根、無数の蔦、木の幹が大地から突き出される。まるで、リーテイルが植物で出来た怪物を召喚するように。
その幾多の植物は、意志を持った緑の怪物のように、タテボーシへと一直線に襲い掛かる。
対して、タテボーシも咆哮する。それと同時、タテボーシの口に、巨大な水の砲弾が出来上がる。まるで、タテボーシの口が巨大な砲口であるかのように。
その巨大な砲弾が、地面を削りつつ、全てをぶち抜き、粉砕する勢いで、リーテイルへと一直線に襲い掛かる。
お互いの必殺技が、真正面から激突する。
深緑と激流の効果で、威力が高められた双方の一撃は、一歩も引くことなく互いに競り合う。
そして、ついに動きがあった。
数多の植物が、巨大な水の砲弾を少しずつ押し戻しているのだ。
ついに水の砲弾が打ち破られる。
行く手を遮るものが無くなった植物の群れは、今度こそタテボーシに襲い掛かり、その液体の体を呑み込んでしまう。
「……負けたか」
小さくキラは呟く。
植物が通り過ぎると、タテボーシの目の光は消え、戦闘不能となって倒れていた。
「よくやったぜ、タテボーシ。お前のその技で負けたんなら、悔いはない」
そして、キラはタテボーシを戻し、レオへと近づく。
「レオ、俺の負けだよ。お前のポケモンが、俺のポケモンたちより強かった。それだけさ」
「キラのポケモンだって相当強かったさ。どっちが勝ってもおかしくなかった」
レオの言葉を聞くと、キラは首を横に振り、さらに言葉を続ける。
「そんな言葉はいらねえぜ。俺は負けたんだ。俺がお前に言えることは一つだけだ」
一旦キラは言葉を切る。そして、
「俺に勝ったんだ。絶対に優勝しろよ」
「おう。任せとけって」
レオとキラが握手を交わすと同時、観客から大声援が巻き起こる。
激闘を見せた二人を称えているのだ。
そして、最高のライバル、キラに勝ち、レオはいよいよ準決勝へと駒を進めた。
レオ対キラ、決着です。学校が二限目で終わったので、この時間に更新しています。さて、ついにリーテイルがタテボーシを破りましたね。レオの準決勝の相手は、シュウヤとフウカの勝った方。どちらも予選を六勝で勝ち進んだ強敵です。相当な実力を持った彼らに、レオはどのように立ち向かうのか。さて、次回は、準決勝は……まだです。次の次くらいに準決勝が始まります。それでは、次回もお楽しみに!
- Re: 第百七十二話 一位と三位 ( No.378 )
- 日時: 2013/01/23 18:37
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
昼休憩を挟み、最後の準々決勝。
レオが観戦している試合は、シュウヤとフウカの試合で、日差しが強い。
今戦っているのは、フウカのポケモンは五体目のセラーナ、シュウヤのポケモンは四体目のユニサス。
先ほどまでフウカの四番手、テイルーンと戦っていたユニサスの体力は、残り少し。
「ユニサス、メタルブラスト!」
「セラーナ、ソーラービーム!」
ユニサスは強大な鋼エネルギーの砲撃を放つが、セラーナは神速の動きで一瞬にして砲撃を躱すと、太陽光線の如きエネルギーを放ち、ユニサスを吹っ飛ばす。
これでユニサスは戦闘不能。状況はほぼ五分。
「ユニサス、よくやってくれた。休んでな」
シュウヤはユニサスを戻し、次のボールを構える。
「流石は予選三位、そう簡単には勝たせてくれないな。それでこそ戦い甲斐があるってもんだ。頼んだぜ、ガブリアス!」
シュウヤの五番手は、今大会で知名度ナンバーワンの、例のガブリアス。
「とうとう来ましたね、ガブリアス。ですが、今の私のセラーナは伝説のポケモンにも劣らないスピードを持っています。そのセラーナにどう攻撃を与えるつもりですか?」
「いいや、分かんないな。頑張って上手く隙を見つける。それがバトルの面白さだろう?」
そして、
「ガブリアス、まずは剣の舞!」
真っ先にガブリアスは戦いの舞を舞って、攻撃力を一気に高める。
「セラーナ、ソーラービーム!」
対して、セラーナは頭の果実から、太陽光線の如きエネルギー波を発射する。
「怒りの炎!」
ガブリアスは憤怒の如く燃え盛る炎を放つ。
日差しの効果により怒りの炎は強化され、ソーラービームに打ち勝ち、セラーナへと襲い掛かる。
「セラーナ、躱して大成長!」
しかし、セラーナは一瞬で炎の軌道から大きく逸れ、そこから大量の蔦を出現させる。
現れた無数の蔦は、一直線にガブリアスへと襲い掛かる。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは地を蹴って跳ぶ。
右手の爪の一振りで蔦を切り裂き、さらにセラーナとの距離を一気に詰め、左手の爪を振りかざす。
「後ろに回ってソーラービーム!」
またもセラーナは一瞬でガブリアスの背後へと回り込み、そこから太陽光線の如きエネルギー波を放ち、ガブリアスを吹っ飛ばす。
「やるじゃねえか。ガブリアス、動きを止めるぞ。地震だ!」
ガブリアスはすぐに起き上がり、地面を揺らして地震を起こす。
「セラーナ、大成長!」
対して、セラーナは無数の蔦を防壁のように自分の正面に出現させ、自身の衝撃をシャットアウトし、
「地球投げ!」
一瞬でガブリアスの後ろへと回り、ガブリアスの胴体をがっちりと掴む。
自分の大きさの三倍弱はあるガブリアスを、セラーナは軽々と持ち上げ、天高く飛び上がる。
「おおっ、見かけによらず、すごいパワー持ってるな」
感心したように声を上げるシュウヤ。
「これがセラーナの力です! セラーナ、そのまま地面に叩きつけて!」
ガブリアスを掴んだまま、地球が回るように回転し、地面へと叩きつけようとするが、
「だけどちょっと甘いな。ガブリアス、怒りの炎!」
セラーナに動きを封じられながらも、ガブリアスは憤怒の如く燃え盛る炎を放つ。
回転しているため、炎は当然ガブリアスの背中側にいるセラーナにも届く。
「まずいっ……セラーナ、投げつけて!」
咄嗟にセラーナは急降下を止め、上空からガブリアスを地面へと投げつける。
「ガブリアス、怒りの炎だ!」
再びガブリアスは炎を地面へと放ち、落下の衝撃を緩め、安全に着地。
「さあ、ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは地を蹴って飛び出す。両腕の爪をかざして一気に接近し、まずは右腕を振ってセラーナを切り裂く。
「セラーナ、躱してソーラービーム!」
「おおっと! ガブリアス、後ろだ!」
セラーナは一瞬で後ろに移動し、太陽光線の如きエネルギー波を放つが、それよりも早くガブリアスは後ろを振り向き、左腕の爪を振り下ろす。
今度はセラーナへと命中し、セラーナは吹っ飛ばされる。
「ガブリアス、攻撃の手を緩めるな。怒りの炎!」
ガブリアスは容赦なく追撃する。怒りの感情の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「セラーナ、来るよ! 躱して大成長!」
セラーナは何とか地に足を付けると、一瞬で横に飛び退き、炎を避ける。
そしてそこから大量の蔦を出現させ、その大量の蔦がガブリアスへと襲い掛かる。
「燃やせ! ガブリアス、怒りの炎!」
対してガブリアスは憤怒の如き燃え盛る炎を放ち、蔦をまとめて焼き払う。
その時、シュウヤは空を見上げ、強い日差しを放つ太陽を見る。
そして、シュウヤはフウカを見据えて、こう言い放った。
「悪いな。ちょっと姑息な手かもしれんが、決めさせてもらうぜ」
そして。
「ガブリアス、地震だ!」
ガブリアスは思い切り地面を蹴り、空高く飛び上がる。
そして、足を構えて、そこから急降下する。
眩しい光を放つ、太陽を背にして。
「え……? あ……!」
ガブリアスを見据えたセラーナの目に、太陽の光が入り込んでくる。
日光の眩しさに、セラーナは目を覆ってしまう。
その一瞬ののち、ガブリアスの烈脚がセラーナを捕らえ、大きく吹っ飛ばす。
「怒りの炎だ!」
そして、ガブリアスは怒りの如く激しく燃える炎を放つ。
「ああっ、セラーナ!」
セラーナは灼熱の炎に焼かれ、体を焦がし、戦闘不能となっていた。
「そのセラーナを倒すには、この手を使うしかなかったからな。少々姑息な手を使っちまった」
「いいえ、晴れを利用した、上手い戦法でした。セラーナ、ありがとう。休んでてください」
フウカはセラーナを戻し、最後のボールを取り出す。
「お願いします、ロップル!」
フウカは最後のポケモン、最高のエース、ロップルを繰り出す。
そして、観客席にいるレオも動く。
「そろそろ、時間だな」
どちらかの最後のポケモンが出て来たら、控室に来てください、と言われていたレオは、観客席を立つ。
控室に入って十数分。スタジアムから大きな声援が上がった。決着が付いたようだ。
さあ、レオを待ち受ける相手は、一位か、それとも三位か。
シュウヤ対フウカ、一位対三位の対戦(の一部)です。うーん、どうも後書きの話題が思い浮かびませんね。そう言えば、この前あった冬の小説大会についてなのですが、あれは金賞しか発表されないのですかね?今までは三位まで発表されていたはずなのですが、どこを探しても載っていませんでした。もしかしたら、これから発表されるのかもしれませんけどね。さて、次回は、遂に準決勝です。今日中にもう一話更新するかもしれません。それでは、次回もお楽しみに!
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