二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
日時: 2013/02/02 19:35
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330

はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。

※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。

これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。

それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395

番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80



Re: 第四十一話 謎の男 ( No.129 )
日時: 2012/11/11 17:01
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

ジムを出たレオは、ふと誰かに声をかけられる。
「失礼。ジムから出てきたのだから、まあそうだろうけど、君はポケモントレーナーかい?」
尋ねてきたのは、三十代前半の男性。シナイよりは若く見える。
服はなかなか派手、赤紫色で、黄色の不可思議な模様の入った服を着ており、袖はぶかぶかで羽のような形になっている。
青紫色の長ズボンもベルトはしておるものの、かなりぶかぶかであり、水色の不可思議な模様が入っている。
そして、耳にはスペード型のピアスをつけ、羽のついた帽子を被っている。
「はい、そうですけど…あなたは?」
「そうか。アサツキには勝ったか?」
その男性はレオの質問を完全に無視した。
「はい、ギリギリで勝ちました。ところで、あなたは?」
すると、その男性はやっと自分の名前を答えた。
「うむ。私はグレース。アサツキは私の弟子だ」
男性は自分の名をグレースと名乗り、少し考え込む。
「あの、どうしたんですか?」
レオが訊くと、グレースは、決めた、と呟き、顔を上げ、レオの方を見て言った。
「うむ。ちょっと、君に手伝って欲しい事がある。アサツキに勝つ実力を持っているのなら、信頼できる」
その男性の目は鋭い。何だか逆らえない感じだ。
「…何をですか?」
再びレオが訊くと、その男性は頷き、
「この町のはずれには、破れの洋館と呼ばれる建物がある。無人の屋敷で、外装にはコケが生え、ボロボロの建物だ」
レオは心の館を思い出した。あそこもボロボロな建物だった。
「で、そこがどうしたんですか?」
「実はな、近頃その屋敷で何かの声や物音がするとの噂があってな。そこにはゴーストポケモンが生息しているから、そいつらの仕業と言う者たちが多い。だが、私が何を考えているかは——分かるか?」
レオは心当たりがあった。と言うかその心当たりしかなかった。
「まさか…イビルですか?」
「そのまさかだ。だが、ただイビルだけならいいのだが、今回はそう簡単な話ではないのだよ」
「え、どういうことですか?」
レオが訊くと、グレースは僅かに顔をしかめる。そして、

「この洋館に、イビルのボス格がいるらしい」

レオの顔が驚愕の表情に変わる。
「それって、相当やばいんじゃ…ジムリーダーのアサツキさんに頼んだ方がいいのでは?」
「勿論アサツキにも頼む。だが、イビルのボス格の力を私たちはまだ知らない。君はアサツキに勝った、つまり戦力になってくれる」
その時、ジムの扉が開いた。
中から出てきたのは、アサツキ。
「あれ、師匠!?」
アサツキは驚いた調子でグレースの近くに駆け寄る。
「おおアサツキ。今日は君に話があって来た。このレオ君と、私と、君の三人で、イビルを撃退したい」
そう言って、グレースはアサツキにことの事情を話す。
アサツキも途中で顔色を変えたが、頷き、やがてグレースはアサツキへの話を終える。
そして、三人は歩き出す。


破れの洋館。
蔓が絡みつき、コケに覆われ、壁も所々破れた屋敷だ。
まだ正午くらいなので怖くないが、夜に来たら絶対に入りたくない屋敷だ。
「さて、レオ君、アサツキ、準備はいいな」
「はい、大丈夫です」
「師匠、あたしはいつでも大丈夫ですよ」
レオたちは、破れの洋館に入り込んでいく。
中はタイメイシティの心の館以上にボロボロのガタガタで、床も所々腐っており、足場に注意しなければならない。
天井がところどころ破れているため、暗くは無いのだが。
その時、
「何者だ!」
「何しにここにやってきた!」
次々と現れる黒い服を着た者たち。イビルの下っ端だ。
あっと言う間に、レオたち三人は下っ端軍に囲まれてしまった。
しかし、レオやアサツキの力を持ってすれば、下っ端など恐れるに至らず。
「やるか。出て来い、リーティン!」
「しょうがないね。出ておいで、アルデッパ!」
前にいたレオと後ろにいたアサツキがそれぞれのポケモンを出す。
下っ端はそれを見て、それぞれの手持ちを繰り出す。が、
「リーティン、グラスミキサー!」
「アルデッパ、ハイドロポンプ!」
リーティンやアルデッパの猛攻により、下っ端のポケモンたちは簡単に一掃。
さらに下っ端の何人かはその技に巻き込まれ、気絶。残った下っ端たちは、それに怯え、逃げ去ってしまった。
「油断するな。相手はどこから来るか分からんぞ」
グレースが注意を促す。二人はポケモンを戻さず、身長に進む。
しばらく進むと、階段に着いた。レオたちは顔を見合わせ、頷き、階段を登ろうとする。
その時、上から音がした。
コツッ、コツッ、と、階段を一歩ずつ誰かが下りてくる。その音は、三人にどんどん近づく。
そして…

「…む、懐かしい顔だ。おまけにジムリーダーすら引き連れてきやがって」

手入れをしていないと一目で分かる、ぼさぼさの長い紫色の髪が片目を覆い、服もつぎはぎだらけのぼろぼろ。
「お前は…!」
レオはこの人物に見覚えがある。心の館にもいた女。
イビル七将軍のシャウラ。
「下っ端が逃げ帰ってきたから、何事かと思えば、ふん、私に歯の立たなかった雑魚か。ふ、あの方の手を煩わせるまでも無い」
そう言って、シャウラはボールを取り出す。
「出て来い、チェキラス」
シャウラの出したポケモンは、紫色のネコ型かつ人型の体に、体の半分をピンクの模様で覆ったような姿のポケモン。
チェキラス、デビルポケモン。悪・エスパータイプ。
だが、ここでアサツキが前に出る。
「師匠、レオ君、先に行ってください。ここはあたしが食い止めます」
「で、でも——」
レオが止めようとしたが、グレースがそれを制した。
「分かった。アサツキ、ここは君に任せる。必ず追いついて来い」
アサツキが頷いたのを見て、グレースは微笑を浮かべる。そしてレオと共に階段を登っていく。
「むう、チェキラス、逃がすな!」
チェキラスが動こうとするが、突如大量の水が飛び、チェキラスの動きを止める。
「間違えないで。貴方の相手はあたし。悪いけど、速攻で決めるから」
シャウラは大きく舌打ちし、すぐさまアサツキに向き直た。
「ふふ、いいだろう。まずは貴様を絶望に叩き落す」
シャウラは口を大きく歪め、引き裂くような笑みを作った。



新キャラ登場、アサツキの師匠、グレース。そしてシャウラ再登場です。シャウラはこういうところにばっかり現れますね。さて、本編が長いので、次回予告行きます。次回は破れの館探索&アサツキVSシャウラもするかも。それでは、次回もお楽しみに!

Re: 第四十二話 根暗と美人 ( No.130 )
日時: 2012/11/11 17:02
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

「行くぞ。チェキラス、悪の波動!」
「お手柔らかにね! アルデッパ、ハイドロポンプ!」
チェキラスは悪意に満ちた黒い波動を発射し、アルデッパは大量の水を噴射する。
二つの技がぶつかるが、ハイドロポンプが徐々に押し、ついに悪の波動を破る。
「くう、チェキラス、光の壁」
チェキラスは光り輝く透明な壁を作り上げ、ハイドロポンプを防御する。
「まだまだよ。アルデッパ、パワーウィップ!」
アルデッパは手の葉を伸ばし、鞭のように叩きつける。
「甘い。チェキラス、サイコキネシス」
だが、チェキラスは念動力を発し、アルデッパの動きを止めてしまう。
アルデッパは鞭を叩きつけようとしているが、どうしても進まない。
「そのまま地面に叩き落とせ」
チェキラスは念動力を下に向け、アルデッパを床に叩きつけた。
「アルデッパ、立って! ハイドロポンプ!」
アルデッパは起き上がると、大量の水を噴射する。
「効かん。チェキラス、光の壁」
再びチェキラスは光の壁を作り上げ、ハイドロポンプを防御するが、
「アルデッパ、噛み砕く!」
チェキラスが壁を作る瞬間、アルデッパは飛び出し、口を大きく開いてチェキラスに襲い掛かる。
光の壁は特殊技にのみ効果がある技。アルデッパは光の壁をすり抜け、チェキラスに噛み付いた。
「チェキラス、慌てるな。サイコキネシスだ」
「させない! アルデッパ、パワーウィップ!」
チェキラスが念動力を発するより早く、アルデッパは歯を放し、葉を伸ばしてチェキラスに叩きつけた。
チェキラスは吹っ飛び、壁に叩きつけられるが、まだ起き上がる。
「ええい、面倒くさい! チェキラス、あれを決めるぞ!」
シャウラは腹ただしげに叫び、チェキラスに技を指示した。
「チェキラス、サイコバレット!」
チェキラスは念動力を銃弾のように連続で放った。
猛スピードで飛ぶ念動力の弾丸は、まともにアルデッパを捕える。
アルデッパは壁に叩きつけられ、先頭不能となってしまう。
「何て威力…ありがとう、アルデッパ」
アサツキはアルデッパをボールに戻し、次のモンスターボールを取り出す。
「本当はここでこの子を出したくはなかったけど、出すしかないね。出ておいで、フシギバナ!」
アサツキの二番手は、エースのフシギバナだ。
「ふん、そんな雑魚で私のチェキラスに勝てると思うのか? チェキラス、サイコバレット」
チェキラスは念動力を銃弾の如く放つが、
「フシギバナ、破壊光線!」
フシギバナの花から、赤黒い光線が放たれる。
必殺の光線は念動力の弾丸を難なく粉砕し、チェキラスに命中。
チェキラスは数メートル吹っ飛ばされ、壁を突き破って向こうの部屋へ飛んで行った。
「…は?」
呆然とするシャウラ。だが、すぐに自我を取り戻し、指を鳴らして下っ端を呼ぶ。
下っ端はシャウラの言葉を聞くと、敬礼し、どこかへ言ってしまった。チェキラスを回収させに行ったのだ。
「ふん、驚かせてくれやがって。だが、私の次のポケモンには勝てまい」
再び引き裂くような笑みを作り上げ、シャウラはボールを構える。


レオとグレースは二階を進んでいる。
先程のレオたちの力にびびったのか、人影は一人も見当たらない。
「奴ら、どこにいるんでしょう? さっきあんなに人数がいたのに、一人も見当たりませんよ」
「うむ…隠し部屋でもあるのかもしれないな」
とにかく気を付けるに越したことはない、とグレースは付け加える。
そして、レオとグレースが再び進みだそうとした、その時。

「あら。侵入者って、貴方だったのね」

突如、後ろからした声。
「誰だ!」
レオが振り返ると、そこにいたのは、またしてもレオの見覚えのある者。
腰くらいより長いつややかなオレンジ色の髪に、ド派手なドレス風のイビルの制服を着た、超美人の女。
イビル七将軍のメイサ。レオと直接対戦はしていない。
「またしても貴方なの? シャウラはもうやられたの?」
「あいつはアサツキさんが相手してる」
「そう。全く、貴方も無謀者ね」
メイサは相変わらず歌うような滑らかな口調で話す。彼女がイビルの者でなければ、あっさり虜にされてしまいそうな声だ。
そのメイサは、無言でモンスターボールを取り出す。
「やっぱりバトルか。グレースさん、ここは僕が行きます」
「すまないな。ここは君に任せるよ」
レオはボールを構え、前に出る。
「僕が行きます、って、シャウラにも勝てなかった雑魚が、言ってくれるじゃない」
「僕はあの時から成長してる。お前らの同胞の二人にも勝った」
「へーえ。ま、退屈な勝負だけはよしてよね。ご指名ですよ、アリンセス」
メイサの出したポケモンは、ピンク色と黄色を基調とした、二足歩行の女王アリのような姿のポケモン。
アリンセス、アリポケモン。虫・エスパータイプ。
「エスパータイプか…よし、出て来い、ゴートン!」
レオのポケモンはゴートン。虫技、エスパー技のダメージを半減できる。
こちらも、バトル開始だ。



シャウラVSアサツキ、そしてレオのバトルフラグです。そしてフシギバナ大暴れです。自分で書いてて思いましたけど、ここで大地の怒り使うと間違いなく屋敷が崩壊しますよね。ま、どうでもいいことですけど。アリンセスは個人的に好きです。可愛いし。ま、どうでもいいことですけど。さて、次回はアサツキの戦いとレオの戦いです。それでは、次回もお楽しみに!

Re: 第四十三話 洋館の静寂を破る者たち ( No.131 )
日時: 2012/11/11 17:03
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

「こいつに勝てるか? 出て来い、トコヤミ!」
シャウラのポケモンは、あのトコヤミ。かつてのレオを完封寸前まで追い詰めた強敵だ。
「まずはトコヤミ、シャドーボール」
トコヤミは口から影の弾を放つ。
フシギバナの顔面に命中するが、フシギバナは少し目を瞑っただけで、とてもダメージが通っているようには見えない。
「む、ならば連続だ。シャドーボール連発」
トコヤミはさらに複数の影の弾を放つ。
フシギバナの額に命中するが、結果は変わらなかった。フシギバナは平然とその場に立っている。
「その程度? もしそうならまだまだね。フシギバナ、ソーラービーム!」
フシギバナは花に光を吸収する。
「ふん、随分と余裕なこと。トコヤミ、ダイヤブラスト!」
トコヤミは目の宝石から青白く光る光線を放つ。
フシギバナの肩付近に命中し、爆発を起こすが、フシギバナが体勢を崩した様子は無い。
「発射!」
フシギバナの花から白き太陽光線が放たれる。もの凄い勢いでトコヤミに襲い掛かる。
「トコヤミ、地面に潜れ」
トコヤミは素早く地面の下に潜ってしまう。穴はすぐに塞がれる。
「フシギバナ、大地の——はまずいか」
大地の怒りを指示しようとしたアサツキだが、屋敷が破壊されそうなので思いとどまる。
「トコヤミ、思念の頭突き!」
フシギバナの後ろから現れたトコヤミは、思念の力を額に集め、フシギバナの背後から頭突きを喰らわせる。
効果は抜群だが、それでもフシギバナの行動は、とても大きなダメージが通っているようには見えない。
「フシギバナ、ヘドロ爆弾!」
フシシバナは振り向き、ヘドロの塊を発射する。
トコヤミは攻撃直後で動けず、ヘドロの塊の直撃を受ける。
「むう、なかなかやるな。雑魚だと思って少々油断していたようだ」
「悪いけど、勝てない言い訳にしか聞こえないんだよね」
アサツキの言葉に、シャウラは大きく舌打ちする。そして、

「絶望に落ちろ。トコヤミ、ダークリゾルブ!」

トコヤミの体が闇のオーラに覆われる。
次の瞬間、そのオーラは一斉にフシギバナに向けて放たれる。
「フシギバナ、迎撃するよ! 破壊光線!」
フシギバナは花から赤黒い光線を放つが、その破壊光線も闇のオーラに飲み込まれる。
「無駄無駄無駄。全てを喰らい尽くせ!」
闇のオーラがフシギバナに襲い掛かる。フシギバナの体力を、蝕んでいく。


「まずは私から。アリンセス、十万ボルト」
アリンセスはいきなり大技で来る。強烈な電撃を放って、ゴートンを攻撃する。
「ゴートン、かわしてアイアンヘッド!」
ゴートンは襲い来る電撃を避けつつ、頭を硬化させ突進、アリンセスを吹っ飛ばした。
「アリンセス、落ち着いて。サイコカッターよ」
アリンセスは素早く起き上がり、腕に念動力の刃を作ると、ゴートンに切りかかる。
「ゴートン、鉄壁だ!」
ゴートンは体を鋼鉄の如く硬化させる。アリンセスの刃を正面からガードだ。
「ゴートン、思念の頭突き!」
すかさずゴートンは反撃に出る。思念の力を額に込め、頭突きで再びアリンセスを吹っ飛ばした。
だが効果は今一つなので、ダメージはそこまで無い。
「大丈夫よアリンセス。回復指令」
アリンセスが甲高い声で叫ぶと、屋敷の隙間から無数のアリが出て来た。
集団のアリはアリンセスにまとわりつき、蜜か何かをアリンセスに与える。
一見おぞましい光景に見えるが、これは回復技だ。十秒もすれば、アリはアリンセスの体から離れ、どこかへ消えてしまった。
「…変わった回復技だな。ゴートン、騙し討ちだ!」
ゴートンは猛スピードで突進、一気にアリンセスとの距離を詰め、頭突きを喰らわせる。
「アリンセス、サイコカッター」
アリンセスは腕に念動力の刃を作り、ゴートンを迎撃する。
しかし、ゴートンはさっとアリンセスの横に動き、横からアリンセスを吹っ飛ばした。
「騙し討ちは必中技だ。そう簡単に跳ね返せるもんじゃない」
アリンセスはまだ起き上がる。華奢な外見に似合わず、そこそこの耐久力はあるようだ。
「なら、アリンセス、十万ボルト」
アリンセスは強烈な電撃を放つ。
「ゴートン、かわしてアイアンヘッド!」
ゴートンは電撃を避け、額を硬化し、走り出す。
しかし、

「アリンセス、バグノイズ」

アリンセスは狂ったような騒音を発し、ゴートンの動きを止めてしまう。
「が…ッ!?」
その音はレオの耳にもダメージを与える。慌てて耳をふさぐレオ。
「アリンセス、サイコカッター」
その騒音にもメイサは耳をふさいでいない。苦痛の表情すら浮かべない。
アリンセスは腕に念動力の刃を作り、ゴートンを切り裂く。
「止めの十万ボルト」
間髪入れずにアリンセスは電撃を発射、その電撃はゴートンに命中。
強力な技を連続で受けたゴートンは、戦闘不能となって、倒れてしまった。
「くっ、強いな…。ゴートン、ありがとう」
レオはゴートンをボールに戻す。
「やっぱ弱いわね。手ごたえが無い。言っておくけど私の力はシャウラと同程度。つまり何にも成長して無いってことかしら?」
思い切り挑発するメイサ。しかし、この言葉でレオの心に火がつく。
「…へっ、言ってくれるじゃんかよ」
レオはまだ諦めていない。諦める理由が無い。一体でも戦えるポケモンがいれば、可能性は無限に広がる。
「じゃあ見せてやるよ。僕の力は、まだまだこんなもんじゃないさ」
レオは、次のボールを構える。



前回の続きですね。そして特にあとがきで書くことも無い。ということで、もう次回予告行きます。次回は、アサツキの戦いは決着、レオの戦いはもうちょい続きます。それでは、次回もお楽しみに!

Re: 第四十四話 絶対零度の氷結晶 ( No.132 )
日時: 2012/11/11 17:15
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

「まずい…フシギバナ、ソーラービーム!」
フシギバナを覆う闇のオーラの中に、光が吸い込まれていく。
しかし、何の変化もない。
「ふふ、無駄だ。今頃闇が貴様のフシギバナの体力を蝕んでいることだろう。闇が晴れれば、そこにあるのは貴様のポケモンの倒れた姿だよ」
シャウラはそう言って、一息つくと、
「さて、可哀想だから一思いに倒してやるか。トコヤミ、ダイヤブラスト」
トコヤミは目の宝石から青白く輝く光線を放つ。
シャウラは勝ちを確信していた。
ダークリゾルブを耐えきられるはずがない。いかにフシギバナの耐久力が優れていようと、闇のオーラは相手の体の内部から体力を吸い取っていく。
だが。
勝負とは、そう簡単に決まらないものである。

刹那、闇が弾け飛び、そこから白い太陽光線が放出された。

「…は?」
太陽光線は、ダイヤブラストをも難なく突き破り、トコヤミを捕らえた。
「ば、馬鹿な…。ダークリゾルブを耐えきった挙げ句、闇を破壊しただと!?」
シャウラがフシギバナの方を見ると、フシギバナは怒りの形相でシャウラとトコヤミを睨みつけている。
「くぅ、トコヤミ、立て! ダイヤブラスト!」
何とかソーラービームを耐えきったトコヤミは、起き上がり、目から青白く輝く光線を放つ。
「フシギバナ、ソーラービーム!」
フシギバナは花に光を吸収する。
ダイヤブラストを難なく耐え抜き、反撃の太陽光線を放つ。
トコヤミは慌てて地面に潜ろうとしたが、それよりも早く太陽光線がトコヤミを捕らえていた。
トコヤミがその場に崩れ落ちる。戦闘不能だった。
「ちっ、トコヤミ、戻れ」
シャウラはトコヤミをボールに戻すと、もう一度大きく舌打ちし、道を開けた。


「頼むぞ、ハンタマ!」
レオの二番手はハンタマ。タイプ上相性がよい。
「行くぞ。ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは拳に影をまとい、アリンセスに突っ込んでいく。
「アリンセス、サイコカッター」
アリンセスは腕に念動力の刃を作り、ハンタマを迎撃する。
しかし、ハンタマは双方が激突する寸前、素早く横に逸れ、横から拳をアリンセスに叩き込んだ。
「そこからブレイズキック!」
普段はすぐに退くハンタマが、珍しく追撃に出る。
足に炎をまとい、渾身のキックでアリンセスを吹っ飛ばした。
アリンセスは壁に叩きつけられ、戦闘不能となる。
「戻って、アリンセス」
メイサはそっけなくアリンセスをボールに戻す。感情が読めない。
「ご指名ですよ、フリージオ」
メイサの二番手は、氷に身を包み、口元から二本の氷の鎖を伸ばしているポケモン。
名はフリージオ。氷タイプだ。
「ハンタマ相手に氷タイプ…なめやがって」
「タイプ相性など関係ないわ。私はそれをひっくり返す力を持っている。フリージオ、冷凍ビーム」
フリージオは冷気を光線のように発射。
「ハンタマ、ブレイズキック!」
ハンタマは足に炎をまとい、キックを繰り出す。
冷気を溶かしつつ、ハンタマは一気にフリージオとの距離を詰めていくが、
「フリージオ、溶ける」
フリージオは一瞬で液体と化し、地面に落ちて水溜まりのようになってしまう。
ハンタマは水溜まりにブレイズキックを喰らわせるが、全く手応えはない。
「フリージオ、辻斬り」
フリージオは一瞬で体を元に戻し、すぐ近くにいるハンタマを鎖で切り裂いた。
「だったらハンタマ、マッハパンチ!」
フリージオは攻撃力はそうでもないため、ハンタマのダメージはそんなに多くない。
ハンタマは拳を構えると、一瞬でフリージオの正面に移動し、顔面に拳を叩き込んだ。
効果は抜群、フリージオが吹っ飛ばされる。
「くっ、フリージオ、ラスターカノン」
フリージオは素早く体勢を立て直し、光を溜め、鋼の砲撃を放つ。
「ハンタマ、かわしてシャドーパンチ!」
ハンタマは軽い身のこなしで砲撃をかわすと、拳に影をまとい、フリージオに突進、拳を叩き込む。
「無駄。フリージオ、溶ける」
フリージオはまたしても液体となり、地面に落ちてしまう。
「そこから辻斬り」
ハンタマの拳をかわしたフリージオは、素早く元の姿に戻り、鎖でハンタマを切りつける。
しかし今度はレオも油断していなかった。
「ハンタマ、ビルドアップ!」
回避の余裕はなかったため、ハンタマは筋肉を増強させて防御力を上げ、鎖を防御した。
「よし、そこからマッハパンチ!」
ハンタマは素早くフリージオに接近、その拳を叩き込む。
が、

「フリージオ、冷凍ビーム」

フリージオがそれより早く冷気の光線を放つ。
ハンタマは避けられず、冷凍ビームを喰らって、氷漬けになってしまった。
「しまった、ハンタマ、脱出だ!」
しかし氷は分厚く、ハンタマもぴくりとも動かない。
「チェックメイト。フリージオ、ラスターカノン」
フリージオは光を溜め込む。
先程より長く溜めているのは、この一撃で確実に仕留めるためだろう。
ハンタマ、絶体絶命のピンチ。



俺は今日、テンションが高いです。何故なら、色違いヒトモシをゲットしたからです。しかも良個体! 早速育成にかかろうかと。ちなみにこれでシャンデラを育成するのは三度目になります。何で三匹もシャンデラ育ててるんだろう。次回はレオの戦い決着、そして、大変なことが起こります。それでは、次回もお楽しみに!

Re: 第四十五話 闇に蠢くイビルの頭領 ( No.133 )
日時: 2012/11/11 17:25
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

フリージオはどんどんラスターカノンを溜めていく。
「フリージオ、あと十秒で発射よ」
そう言って、メイサは小さくカウントダウンを始める。
(くっそ、何か無いか…? 動けずとも、氷を割る…内部から力を入れる…)
時間が無い。残り七秒。
(内部から力を入れる…内部から…そうだ!)
咄嗟に、レオは考え付いた。
一か八か、この技にかける。

「ハンタマ、ビルドアップ!」

ハンタマは体こそ動かさなかったが、目つきがキッと変わった。
体の筋肉を増強させる事によって、氷に圧力をかける。
「無駄よ。あと四秒」
メイサが言った、その時だった。
氷にひびが入った。内部からの圧力に耐え切れないのだ。
「ハンタマ、もう一度だ!」
ハンタマはさらに筋肉を増強、さらに力をかける。
「三、二…」
フリージオが最大火力の鋼の砲撃を放った。

まさにその瞬間、氷が割れ、中のハンタマが飛び出す。

「何…ッ!? まあいいわ。ゼロ、発射!」
メイサは驚きをあらわにしたが、すぐに平静を取り戻し、フリージオに砲撃を支持する。
フリージオは最大火力並みの鋼の砲撃を発射。まさに絶大な威力だ。
だが、
「ハンタマ、ブレイズキック!」
あろうことかハンタマは足に炎をまとい、砲撃に突っ込む。
だが、その蹴りの威力が尋常ではない。ビルドアップを三度使ったハンタマの今の攻撃力は、計り知れない程なのだ。
ハンタマの炎のキックは、フリージオの砲撃を突き破り、進んでいく。
ついに砲撃が途切れた。だが、ハンタマの炎のキックはまだ解けていない。
ハンタマの渾身のブレイズキックが、フリージオの顔面を捕らえた。
フリージオは壁に激突するが、体を震わせ、まだ起き上がろうとする。
「止めのマッハパンチ!」
しかし、次の瞬間、フリージオの正面にハンタマが現れる。
そのまま、握り締めた拳をフリージオの顔面に叩き込んだ。
グシャ、と木製の壁を潰した音が響く。フリージオは壁に埋もれ、戦闘不能となっていた。
「戻って、フリージオ」
メイサはフリージオをボールに戻す。その時、
「師匠! レオ君!」
シャウラを下したアサツキも到着。メイサは苦い表情を浮かべると、
「この廊下の突き当たりの部屋に、私たちの元締めがいらっしゃるわ。元締めに会いに来たんでしょ? 行きたけりゃどうぞ」
そう言って、メイサは不機嫌そうに廊下の向こうへ歩き、闇の奥に去っていった。
「うむ。レオ君、今のバトル、なかなかの腕前だった」
グレースがレオに賞賛を送る。
「いえ、僕もまだまだですよ。それより、早く進みましょう。さっきのメイサの言葉が正しければ、この奥にイビルのボスがいるはずです」
「そうだったな。各自、準備はいいな?」
三人は廊下を奥へ突き進む。


廊下の突き当たりのドアが、バタン! と勢いよく開かれた。
「観念しろ、イビルのボス!」
レオが怒声と共に一歩踏み込む。グレースとアサツキも後に続く。
部屋の中には何も無かった。男が一人しかいなかった。
後ろでくくられている髪は黒く、所々髪の先が赤くなっている。
目は青く、猛獣のように鋭い。青い服を着ており、胸にはイビルの紋章がある。
右手には、金属の長い爪をつけている。何かのための機械なのだろう。
その男が、口を開いた。
「これはこれは。要注意ポケモントレ−ナーにジムリーダー、そしてチャンピオンとは、なかなかいい面子ですな」
相手を見下すような、軽い声だ。だが、レオは無視できないキーワードを確かに聞いていた。
そう、
「チャンピオン!?」
レオは思わずグレースを見る。
グレースは、仕方無さそうに首を振り。
「そうだ。私はウチセト地方のチャンピオンだ。隠しきっておきたかったが、バレてしまったらしょうがない」
チャンピオンをこの目で見られて感激のレオだが、状況を思い出し、すぐに体勢を構えなおす。
「さて、何の用でしょうか? 基本私たちイビルの者たちは貴方達のような者とは関わりを持つ事を拒んでおります。よければこのままお引取り頂きたい」
「貴様が、イビルのボスか?」
グレースはその男の言葉を無視し、質問する。
「こちらの質問は無視ですか。まあいいでしょう。いかにも、私はイビルのリーダー、マターと申します」
その男——マターは、意外にあっさり正体をばらした。
「で、イビルはここで何をしている」
グレースは厳しい口調で尋ねる。聞くだけで逆らえない雰囲気を感じ取るような鋭い言葉なのだが、
「テストですよ」
マターは軽い口調で、一瞬にしてその雰囲気を消し去った。
「テストだと?」
「ええ。この『ゲート』のテストです」
そう言って、マターは右手に付けた爪を指差す。『ゲート』という機械らしい。
「それは何の機械だ」
グレースが更に問い詰めるが、
「ここから先は教えられません。教える事も出来ますが、その場合、貴方達の身の安全は保障されなくなります」
マターは口調を変えた。鋭い口調となる。
「私としては、必要の無い血は流したくありません。ここでお引取り頂きたい。それを拒む場合、これより、貴方達の身の安全が保障できなくなります」
「構わん。話せ」
グレースは、マターの言葉に動じず、続きを要求する。
マターはため息をつき、
「よろしい。これより、私は貴方達の身の安全の保障を捨てます」
そして、右手の爪、『ゲート』を構える。
「この『ゲート』は、裏の世界や異次元空間と、この世界のゲートを作り出す機械でしてね」
それで『ゲート』。
「これを使って、こんなことも出来るんですよ」
その瞬間、マターはギラリと目を光らせ、不敵に笑う。
『ゲート』を起動させ、爪で虚空を引っかく。
すると、空間に亀裂が入り、その亀裂が穴を作る。
その穴から見えるのは、訳の分からない世界。これが裏の世界なのだろうか。
だが、その時。
そのゲートから何かが出てきた。
長大な胴体に3対、尾に2対の円錐状の突起を持ち、その部分に黒と赤の横縞を持つポケモン。先端に棘の生えた、六本の黒い羽。顔の金色の装飾部分は三日月状の鋭い形状。
「これは…!」
レオはこのポケモンを知っている。神話の本で見た事がある。
破れた世界の王とされる、神と崇められしポケモン。
グレースやアサツキもこのポケモンを知っているのだろう、驚愕をあらわにしている。

そう。
目の前にいるこのポケモンは、どう見ても伝説のポケモン、ギラティナだったのだ。



さてイビルのボスが登場、グレースがチャンピオンであることが発覚。そしてまさかのギラティナ(オリジンフォルム)登場です。何か凄い急展開ですね。何か書くこと無いので、もう次回予告行きます。次回はマター戦(というかギラティナ戦)。それでは、次回もお楽しみに!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80



この掲示板は過去ログ化されています。