二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 無事完結!
日時: 2013/02/02 19:35
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: .FDTdicQ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3a/index.cgi?mode=view&no=10330

はい、どうもご無沙汰しております、パーセンターです
俺の小説もついに二作目(三作目だろ)となりまして、大分ここのシステムにも慣れてきた所です。
今回は、一作目で挫折した、ゲームのような冒険者のリベンジをしたいと思い、この小説を立てました。
まだまだ未熟で、文才も無いですが、読んでくだされば光栄です。

※注意!
・今までで一番のノープランです。7月3日現在、まだ登場人物をちょっとと町の名前しか考えてませんので。
・それ+高校が忙しいので、更新はかなりの低頻度になる事が予想されます。あしからず。
・荒らし…まあ常識のある人はしないでしょう。
・今作は、公式ではないポケモン(ユニサスやドラドーン等)が更に追加されています。URLを>>0に貼っておきますので、ご活用下さい。
・『一応』、前作から七・八年後のストーリーです。
俺の酉は◆sC9ueof0V6と◆AeB9sjffNs の二つです。これ以外は偽者でしょう。

これくらいですね。
後、今回の舞台はオリジナルのウチセト地方です。
ストーリーもほぼオリジナルで進めていきます。

それでは、宜しくお願いします。
登場人物 >>1 プロローグ >>2
ナデシタウン&ミサゴシティ編
>>7 >>12 >>15 >>18前半
アロンジシティ編
>>18後半 >>21 >>23 >>26 >>29
タイメイシティ編
>>30 >>33 >>36 >>37 >>38
ラビリンシティ編
>>41 >>42 >>45 >>46 >>55 >>60
アメジスジティ編
>>65 >>68 >>71 >>74 >>75 >>80 >>85 >>92 >>93 >>94 >>97 >>102 >>105
ブルムシティ編
>>111 >>115 >>118 >>119 >>120 >>123 >>124 >>125 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>136 >>139 >>140 >>143
ラビンタウン編
>>146 >>148 >>149 >>152 >>153 >>158 >>160 >>161 >>162 >>163 >>164 >>167 >>168 >>169 >>174 >>179 >>182 >>185 >>186 >>189 >>196 >>197 >>200
フローズンシティ編
>>201 >>204 >>205 >>206 >>209 >>210 >>213 >>216 >>217 >>218 >>219 >>222 >>224 >>227 >>230 >>233
ソルナシティ編
>>234 >>235 >>236 >>238 >>241 >>242 >>243 >>244 >>245 >>246 >>249 >>250 >>251 >>268 >>269 >>271 >>272 >>273 >>276 >>277 >>278 >>279 >>282 >>283 >>285 >>287 >>288 >>289 >>290 >>293 >>294 >>295 >>298 >>299 >>302 >>305 >>307 >>309 >>312 >>313 >>314 >>315 >>316 >>317 >>320 >>322 >>324 >>326 >>327 >>328 >>329
ポケモンリーグ編
>>330 >>331 >>334 >>335 >>340 >>342 >>344 >>345 >>346 >>347 >>350 >>353 >>354 >>355 >>357 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>365 >>366 >>367 >>370 >>371 >>372 >>373 >>374 >>375 >>376 >>377 >>378 >>381 >>384 >>385 >>386 >>387 >>388 >>389 >>392 >>393
エピローグ >>394
あとがき >>395

番外編 最強と無敵の紙一重の差
>>253 >>257 >>259 >>262 >>265

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Re: 第百七十九話 最強の蒼龍を超えろ ( No.389 )
日時: 2013/01/28 00:04
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a5DdqbyH)

「行くぞ! フィニクス、大文字!」
まずはフィニクスが動き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「上等! ガブリアス、怒りの炎!」
対して、ガブリアスも憤怒の感情の如く燃え盛る炎を放つ。
双方の炎がぶつかり合い、大きな爆発を起こす。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
「フィニクス、ドラゴンダイブ!」
しかし、爆発による爆風や砂煙などものともせず、ガブリアスは龍の力を込めた、蒼白く輝く爪でフィニクスに斬りかかる。
対してフィニクスはそれを躱して大きく飛び上がり、そのまま龍の力を纏い、すざましい殺気を放ちながら急降下する。
「ガブリアス、迎え撃て! ドラゴンクロー!」
急降下してくるフィニクスを見上げ、ガブリアスは爪を構えて地を蹴り、地面から垂直にフィニクス目掛けて跳ぶ。
フィニクスとガブリアスが正面から激突する。一歩も引かず競り合うが、流石に上からの攻撃と下からの攻撃では上からの方が威力が上回る。
ガブリアスは剣の舞を積んでいないため、フィニクスに押し負け、地面へと叩きつけられる。
さらにフィニクスはガブリアス目掛けて急降下してくる。
「させるか! ガブリアス、防御!」
地面に倒れながらも、ガブリアスは両翼を交差させて、フィニクスの急降下を正面から受け切る。
「ドラゴンクロー!」
フィニクスの勢いが衰えたところを狙って、ガブリアスは蒼白く輝かせた右の爪を振るい、フィニクスを吹っ飛ばす。
「こうなったら手段は選ばねえ! ガブリアス、剣の舞!」
ここに来てついにガブリアスが必殺技を使う。
戦いの激しい舞を踊り、攻撃力を底上げする。
「ついに来たか……フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは空中へと飛び、火の粉を散らしながら羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばす。
「ガブリアス、構うな! 剣の舞!」
無数の刃に体を切り裂かれるガブリアス。だが傷口を全く気にせず、ガブリアスはさらに戦いの舞を舞って攻撃力をどんどん上げていく。
「もう一度!」
ガブリアスは舞うことを止めない。さらに戦いの舞を舞い続け、ついに攻撃力を最大まで上げる。
しかし予選のように龍星群は通じない。
「さあ決めるぞ! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
攻撃力が最大になったガブリアスが、一撃必殺の蒼白い爪を構え、突撃してくる。
「これは喰らう訳にいかねえ。フィニクス、回避!」
フィニクスは素早く飛び上がり、ガブリアスの爪の一撃を躱す。
「怒りの炎が通じないんだよな。だったら地震だ!」
ガブリアスは地を思い切り蹴って、フィニクスよりも高く飛び上がる。
そこから地震を起こせるような力で、フィニクスへと急降下しながら脚の一撃を向ける。
「危ねえ! フィニクス、飛び退け!」
咄嗟にフィニクスは横に飛び退き、ガブリアスの脚の一撃を避ける。
ガブリアスが地面へと激突すると同時に、大きな地震が起こる。
そして、その刹那。
(分かった……!)
レオは、ついにこの怪物、ガブリアスの攻略法を見つけた。
「フィニクス、思い切り飛び上がるんだ!」
フィニクスは上空へと舞い上がる。
ガブリアスを、上空へと誘い出すように。
「残念だが届くぜ! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは地面を思い切り蹴り、蒼白い爪を構えて一直線に跳び、一気にフィニクスとの距離を詰めて斬りかかる。
対して、フィニクスは何とか横へ飛び、ガブリアスの爪の一撃を避ける。
勢い余ってガブリアスはフィニクスよりも高く跳んでいき、
「地震だ!」
近距離から脚を構え、地震を起こす勢いで蹴りの一撃を向ける。
(来た!)
レオは思い切り目を見開く。そして、

「フィニクス、流星群!」

急降下してくるガブリアスに向けて、フィニクスは龍の力を溜め込んだエネルギー弾を放つ。
急降下してきたガブリアスは、エネルギー弾に包まれ、空高く打ち上げられる。
打ち上げられた弾は上空で破裂し、ガブリアスは直接的な爆発をまともに喰らう。
地面へと落ちていくガブリアスへ、無数の流星が襲い掛かる。
直接的に爆発を喰らい、体勢が整わないガブリアスへと次々に流星が激突していく。
「ガブリアス!」
地面へと撃墜されるガブリアス。
猛威を振るった蒼い地龍は、遂に戦闘不能となり、倒れていた。
そして、ガブリアスを上空から見下ろし、フィニクスは甲高く啼く。
「よくやった、ガブリアス。お前がMVPだぜ」
シュウヤはガブリアスを戻し、そして、最後のボールをその手に取る。
「俺に先に最後の一体を出させたのは、この大会ではお前が初めてだ。褒めてやるぜ」
だが、とシュウヤは続け、
「ここまでだ。こいつはガブリアスをも上回る実力を持つ、最後の俺の切り札。俺の一番初めのポケモンだぜ」
そして、シュウヤがそのボールを投げる。

「さあこれで最後だ、ラグラージ!」

シュウヤの最後のポケモンは、大きな山椒魚のようなポケモン。
青い体に青白い腹、がっしりとした体つきに、見るからにパワーを持っていると一目で分かる、頑丈そうな四肢。
目の上からは立派な鰭が立ち、尾鰭も立派な大きい扇の形をしている。
ウチセト地方には載っていない、シュウヤの最後の切り札。
「こいつはホウエン地方でだけ見つかるポケモンだ。名前はラグラージ、水・地面タイプだ。俺の最強の相棒だぜ」
ラグラージはどっしりと構え、フィニクスを見据える。
「こいつがシュウヤさんの最後のエース……見るからに強そうだぜ」
でも、とレオは続け、
「僕だって負けませんよ! フィニクス、大文字!」
フィニクスは大きく啼き、煌々と燃え盛る灼熱の炎を放つ。
「ラグラージ、ハイドロポンプ!」
対して、ラグラージは口から大量の水を噴射する。
しかし、その量が通常のポケモンの比ではない。
レオのテペトラーや、キラのタテボーシのものよりもさらに強力な、水の砲撃とも見て取れる大量の水は、大文字を難なく貫き、容赦なくフィニクスを捕え、吹っ飛ばす。
ガブリアスとのバトルで、体力をかなり消耗していたフィニクスは、遂に戦闘不能となる。
「フィニクス、よくやった。ガブリアスを倒せるのは、やっぱりお前だけだぜ」
ガブリアスにしっかりとリベンジを果たしたフィニクスを労い、ボールに戻すレオ。
そして、エースのリーテイルが入っている、最後のボールを取り出す。
誰に見せても恥ずかしくない、最高のエースだ。負けるはずはない。
「さあ、思いっきり暴れようぜ! リーテイル!」
ボールの中から、勢いよくリーテイルが飛び出す。
目の前の最強の敵を見据え、大きく咆哮する。
「へえ、それが君のエースか。見ただけでその実力が分かるぜ」
「それはそのラグラージも同じですよ。相当な実力者ですね」
でも、と二人は同時に言った。そして、
「「真のエースは、こいつしかいない!」」
シュウヤとレオは、同時に同じ言葉を叫ぶ。
そして、その言葉と共に、双方の最高のエースが戦闘態勢へと入る。
レオ対シュウヤの、最終楽章が始まった。




レオ対シュウヤ、パート7です。フィニクスが遂にガブリアスを破り、シュウヤの最高のエース、ラグラージが満を持しての登場です。そして、レオもエースのリーテイルを繰り出し、最後の一体でのバトルが始まります。やはりシュウヤの相棒は、前作同様、ラグラージです。さて、次回は、レオ対シュウヤ、パート8にして、ついに決着です。それでは、次回もお楽しみに!

Re: ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 ( No.390 )
日時: 2013/01/28 00:54
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 最近天候を変えることにはまっている白黒です。

 新しくガブリアスやイワパレスといったポケモンを見せてくれたシュウヤですが、まさかここで出て来るのがドルマインやテッカニンだとは思いませんでした。
 ドルマインとテッカニンは僕も好きです。マルマインの時は自爆がうざいとひたすら思っていただけでしたが、ドルマインのあのデザインには惹かれますね。テッカニンも、あのスピード特化が最高です。白黒は能力が突出したポケモンが好きだったりするので。
 さて、難敵ガブリアスを破り、遂にシュウヤの切り札、ラグラージの登場ですか。やっぱりシュウヤといえばラグラージですよね。前作のラストはちょっと残念ですが……
 ところで、ラグラージってシュウヤの最初のポケモンなんですね。いや、エースならそれで当然なのですが、言及されたのってこれが初めてですかね?

 これでシュウヤの手持ちは全て明かされましたか。イワパレス、ドルマイン、テッカニン、ユニサス、ガブリアス、ラグラージ……こうして見るとやっぱりバランスのいい構成ですね。弱点もばらついてて、能力の尖り具合も上手く分散されてますし。
 それにしても、ユニサスやラグラージがいるのに、ライボルトやランクルス、ジャローダはどこに……

 ちなみに白黒は大体3700文字前後書いています。僕が投稿する時はこの文字数が限界ですかね。確か上限は4000文字だった気がするんですが、試してみると3750くらいが限界でした。
 それはともかく、遂にエース対決。タイプ相性ではリーテイルが圧倒的に有利ですが、さてどうなるのか……? どのように決着がつくのかが楽しみです。

Re: ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇 ( No.391 )
日時: 2013/01/30 23:09
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a5DdqbyH)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/98.html

>>白黒さん
ドルマインの初期のデザインは、実は黄色い体に緑の目、棘だらけのデザインだったんですよ(URLのページの下の方参照)
テッカニンの、素早さを生かしたバトルの描写は書いてて楽しいですね。
ラグラージは、あれだけの猛威を振るったガブリアスの力を上回りますからね。相当な強敵です。
特に言及されていませんが、シュウヤの最初のポケモンはミズゴロウという設定です。

ジャローダたちはシュウヤの実家でお留守番してますw

基本僕は2000文字ちょいで書いていましたが、最近文字数が増えています。
熱いバトルになるとどんどんキーボードを打つ手が進んでいきます。
完結まであと少しです、最後までどうぞお楽しみください。

Re: 第百八十話 最高のエース ( No.392 )
日時: 2013/01/31 00:19
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a5DdqbyH)

「行くぞ、ラグラージ! ハイドロポンプ!」
まずはラグラージが動く。テペトラーのものをも上回る、大量の水を噴き出し、一直線にリーテイルを狙う。
「リーテイル、躱して上空へ!」
対して、リーテイルは素早く飛び上がり、水を躱してラグラージの上を取る。
「リーフブレード!」
そのままリーテイルは一気に急降下し、ラグラージの横を高速で通り抜ける。
さらにすれ違いざま、尻尾の葉でラグラージを切り裂く。
ラグラージには草タイプの技は二段階の効果抜群。当たればいくらラグラージでも致命傷は避けられない。
だが。

尻尾の葉に切り裂かれる寸前。
ラグラージは、強引にその尻尾を掴み、リーテイルの動きを止める。

「!?」
予想外の事態に驚くレオ。
リーテイルの動きは非常に速い。避けることは出来るかもしれないが、まさかそのスピードを見切り、受け止めるとは。
「俺の手持ちには、今は故郷に預けてあるが、素早さに自信のある草タイプのポケモンがいてな。そいつと一緒に鍛えたから、それくらいこいつにとっては速くもなんともないのさ。ラグラージ、投げ飛ばせ!」
ラグラージは思い切り腕を振り、リーテイルを投げ飛ばし、壁に叩きつける。
「追撃だ! 冷凍パンチ!」
ラグラージは意外に速い動きでリーテイルへと迫り、冷気を込めた拳を振るう。
「やばっ……リーテイル、ドラゴンビート!」
咄嗟にリーテイルは体勢を崩しつつも、龍の鼓動のような音波を放ち、ラグラージの動きを数秒だが止める。
その間にリーテイルは何とか空へと飛び上がり、ラグラージの拳から逃れる。
「やるな。ラグラージ、撃ち落とせ! ハイドロポンプ!」
ラグラージは上空を見上げ、大量の水を噴射する。
「当たりませんよ! リーテイル、エアスラッシュ!」
こちらを狙ってくる水柱を躱しつつ、リーテイルは羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばす。
「だったらラグラージ、ストーンエッジ!」
空気の刃にラグラージは切り裂かれるが、それを気にも留めず、ラグラージは無数の尖った岩を撃ち出す。
リーテイルは次々と避けていくが、何発かはリーテイルへと命中する。
「リーテイル、ドラゴンビート!」
リーテイルはラグラージへと急接近し、同時に龍の鼓動のような音波を発射。
ラグラージは吹っ飛びこそしないものの、体勢を崩し、大きく後退する。
「リーフブレード!」
その隙を逃さず、リーテイルは尻尾の葉でラグラージへと切りかかる。
「これは躱せねえな。ラグラージ!」
シュウヤの言葉に、ラグラージは両腕を構え、腕についているオレンジの鰭が退化したような部分で、リーフブレードを受け切る。
効果は抜群で、ダメージは勿論大きいが、腹などに喰らい、致命傷を避けるには十分。
「ストーンエッジ!」
返す刀で、ラグラージは尖った岩を無数に飛ばし、リーテイルに効果抜群の一撃を与え、リーテイルを大きく吹っ飛ばす。
「ハイドロポンプ!」
「リーフブレード!」
すかさずラグラージは大量の水を噴射するが、リーテイルは何とか体勢を立て直し、尻尾の刃で水を真っ二つに切り裂く。
「エアスラッシュ!」
そこからリーテイルは羽ばたいて無数の刃を飛ばし、ラグラージを切り裂く。
「効かねえぞ! ラグラージ、ストーンエッジ!」
刃をものともせず、ラグラージは無数の尖った岩を発射する。
「リーテイル、躱してリーフブレード!」
リーテイルは岩を次々と避けつつ、一気にラグラージへと接近し、尻尾の葉を振りかざすが、
「ラグラージ、叩き落せ!」
今度はラグラージは右腕でリーテイルの背中へと打撃を加え、リーテイルを地面へと叩きつける。
「冷凍パンチ!」
すかさずラグラージの左手の拳に冷気が宿り、リーテイルに叩き込まれ、吹っ飛ばされる。
利き腕は右腕だったようで、元の威力はそうでもなかったようだが、それでも大ダメージに変わりはない。
「くっ、リーテイル、やれるか?」
吹っ飛ばされたリーテイルだが、何とかリーテイルは立ち上がる。
「ラグラージ、ハイドロポンプ!」
すぐにラグラージからの追撃が飛んでくる。
「ッ、リーテイル、躱せ!」
リーテイルは空へと飛び上がり、噴射される水を避ける。
「エアスラッシュ!」
そこからリーテイルは羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばし、ラグラージの体を切り裂いていく。
「ドラゴンビート!」
さらにリーテイルは龍の鼓動の如き音波を放ち、ラグラージを押し戻す。
「こっちも行くぞ! ラグラージ、ハイドロポンプ!」
それでもラグラージは大量の水を噴射して反撃、リーテイルに正面から水柱をぶつけ、リーテイルを吹っ飛ばす。
「ラグラージ、ストーンエッジ!」
「リーテイル、エアスラッシュ!」
ラグラージがさらに放った無数の尖った岩を、リーテイルは羽ばたき、大量の空気の刃を放って破壊する。
「ハイドロポンプ!」
「躱してドラゴンビート!」
さらにラグラージは大量の水を噴射するが、リーテイルは飛び上がって水を避けると、龍の鼓動のような音波を放ち、体勢を大きく崩させる。
「ここだ! リーテイル、リーフブレード!」
その隙を逃さず、リーテイルは一気にラグラージとの距離を詰める。
そしてすれ違いざまに、尻尾の刃を振るい、今度こそラグラージをまともに切り裂く。
二段階の効果抜群。間違いなく致命傷。しかし、
「響かねえぞ! ラグラージ、冷凍パンチ!」
あろうことか、ラグラージは体勢を崩さなかった。
気力と執念で素早く後ろを振り向き、冷気を込めた拳を思い切り振るい、まともにリーテイルを殴り飛ばした。
「何ッ!? リーテイル!」
こちらも二段階の効果抜群。大ダメージを受け、リーテイルは地面へと落ちる。
「リーテイル、まだだ。まだだよな!」
レオは必死に呼びかける。
その呼びかけに応じ、リーテイルはカッと目を見開く。
ゆっくりと立ち上がるそのリーテイルの体に、緑色のオーラが現れる。
リーテイルの力の象徴、深緑の特性。ピンチに追いやられたとき、草タイプの技を最高の威力で出すことができる。
そして。
それに呼応するように、ラグラージの体にも青いオーラが現れた。
今のリーフブレードで、すでにラグラージの体力も限界近くまで削られていたのだろう。
水技の威力が跳ね上がる、ラグラージの激流の特性が発動したのだ。
「リーテイル、ここで決めるしかないよな」
レオの言葉に、リーテイルは自信を持って頷く。
そのリーテイルの反応を見届けると、レオは叫ぶ。
「リーテイル、ハードプラント!」
それと同時、地揺れと共に、地面や壁から、大量の巨大な根、無数の蔦、木の幹が現れる。
その緑の怪物は、ラグラージ目掛けて、すざましい勢いで襲い掛かる。
対して。
シュウヤとラグラージも、逃げも隠れもしない。
「ラグラージ、ここで決めるぞ。文句はねえよな」
シュウヤの言葉に、ラグラージは頷き、襲い来る緑の怪物を正面から見据える。
「ラグラージ、ハイドロカノン!」
ラグラージが両手をかざすと、そこに巨大な水の砲弾が現れる。
ラグラージの両手が砲口であるかのように出現した、キラのタテボーシのものをも上回るその水の砲弾は、次の瞬間、轟音を上げて発射される。
暴れる緑の植物の怪物と、全てを貫き、一直線に突き進む水の砲弾が激突する。
両者一歩も譲らず、激しく音を立てて競り合う。
だが、その時。
「悪いな」
こんな声が、レオの耳に入った。
バトルフィールドの向こう側で、シュウヤが勝ち誇った笑みを浮かべて放った言葉だった。

「俺のラグラージの激流でのハイドロカノンは、他のあらゆるポケモンの水技の追随を許さねえんだわ」

バキバキバリ! と嫌な音が、無数の植物から響く。
その刹那。
植物の怪物は、水の砲弾に打ち破られる。
「……リーテイ——」
レオの言葉は、最後まで聞こえなかった。
レオの言葉が最後まで紡がれる前に、水の砲弾が、リーテイルを捕らえたからだった。
体力が既に限界だったリーテイルに、この一撃が耐えられるはずもなかった。
「リーテイル、よくやったよ。お前は力の全てを出しきってくれた。これで負けたんなら、僕は悔いないよ」
リーテイルは、持てるすべての力を使い果たし、戦闘不能となって倒れていた。




レオ対シュウヤ、遂に決着です。惜しくも、本当に惜しいところで、レオは負けてしまいました。しかし、前作のシュウヤの負け方とは違い、負けはしたものの、後味は悪くない終わり方に出来たんじゃないかな? と自負しております。読者の皆さんも、レオとシュウヤに、盛大な拍手をお願いします。さて、次回は、『ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇』、堂々の最終回です。それでは、次回もお楽しみに!

Re:最終話 後夜祭 ( No.393 )
日時: 2013/02/01 00:06
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a5DdqbyH)

観客席から、スタジアムが揺れるほどの大声援が巻き起こる。
最高の戦いに見事勝利したシュウヤ、そのシュウヤをもう少しのところまで追い詰めたレオ。
激戦を繰り広げた二人を、観客たちが褒め称える。
シュウヤが、レオの元へと近寄ってくる。
「最後まで勝敗の分からなかった、いいバトルだった。今までのバトルの中で、一番楽しませてもらったぜ」
シュウヤは笑顔で手を差し出す。
「僕の全力を以てしても、シュウヤさんには敵いませんでした。いい経験をさせていただきました。ありがとうございました」
シュウヤのその手を、レオは握る。
「絶対に優勝してくださいね。シュウヤさんなら、出来ますよ」
「勿論だぜ。お前たちの優勝への思い、俺が受け継いだ」
そして、レオは最後にもう一度シュウヤに向かって礼をし、スタジアムを去っていく。
その表情に、悔しさは無かった。あったのは、激戦を終えた爽快感。


そして決勝戦。
予選第二位と予選第一位が激突した、ポケモンリーグウチセト大会最後の試合は、もつれあった末、最後はラグラージのハイドロカノンでシュウヤが勝利を決めた。
『決まったああああああ! ウチセトポケモンリーグ大会、並み居る強者たちを撃破し、見事優勝に輝いたのは、シュウヤ選手だあああああ!』
実況の叫びとともに、観客席のボルテージも最高に達する。
レオは三位。悔しさも無いと言えば嘘になるが、初出場で三位というのは十分な結果だ。
「レオ、この後は表彰式だぜ。行ってこいよ」
「緊張しちゃだめだよ。インタビューとかされても、いつものレオでね」
キラやチヅルに見送られ、レオは観客席を出る。
その途中。
「よう、レオ」
「三位入賞、おめでとう」
レオの前に現れたのは、ザントとグレース。
「このチャンピオン様がしつこく俺を誘ってくるから、わざわざ来たんだ。テレビで見れたのに、面倒くせえ」
「ハハッ、そういうなザント。現地に来たことで、学べることもあるだろう?」
グレースの言葉に、ザントは舌打ちする。なんだかんだで、この二人も仲は良いのだろう。
「でも、三位ですよ。優勝は出来ませ——」
「何言ってんだ、バカタレ」
レオが言葉を言い終わる前に、ザントが告げる。
暴言ではあるが、その言葉は友達に対しての冗談のようなニュアンスだった。
「お前、まだトレーナーを初めて、まだ一年も経ってねえだろうが。あのシュウヤは、十年以上トレーナーやってんだぞ」
珍しく、ザントが冗談を言った。続けて、グレースも口を開く。
「初出場で三位は、とても優秀な成績だ。自信を持って表彰されて来い」
「そうだ。十分威張って帰れるぞ」
ザントがにやりと笑う。ザントがバトル以外で笑ったのを、レオは初めて見た。
その時、
『これより、表彰式を行います。入賞した方は、中央スタジアムまで来てください』
アナウンスが鳴った。
「それじゃ、行ってきます。ありがとうございました!」
レオはザントとグレースに礼を言い、スタジアムへと向かう。


表彰式。
賞賛の音楽が流れ、チャンピオンのグレースから、一人づつに賞状とメダル、一位のシュウヤには勝旗も授与される。
ポケモンリーグ一位になると、ジムリーダーや四天王、チャンピオン公式的に挑戦し、勝利すればその地位に立つことが出来るそうだ。
レオの首にかかったのは、美しく輝く、銅のメダル。
そして、入賞者及び、健闘を見せた選手たちへと、たくさんの花火が上がる。
ポケモンリーグ・ウチセト大会は、たくさんの名勝負を生み出し、全日程を終えた。


「お疲れ様でした」
三人でいたレオとチヅル、キラのところへ、フウカがやってきた。
手には五つのヒウンアイスを抱えている。
「どうぞ、貰ってください」
フウカは三人に、アイスを一つずつ渡していく。
「残りの一つは?」
「シアンさんにあげようと思って。先に貴方たちを見つけたので、渡しに来たんですよ」
キラの言葉に、フウカは微笑む。
「フウカは、この後どうするんだ?」
「まずは、昔に飛び出した屋敷に、久しぶりに帰ってみようかと思います。両親にも元気な姿を見せてあげないと」
レオの言葉に、フウカは笑顔で答える。そして、
「アイスが溶けちゃうので、シアンさんを探してきます。それじゃ、さようなら! また会いましょう!」
フウカは笑顔で手を振り、人ごみの奥へと走り去っていった。
「さて、俺達もそろそろ帰ろうか」
「ミサゴシティ行きの船も、もう少しで出発するみたいだよ」
レオたち三人も、港へと歩き出す。


人で混雑している波止場で、三人はシアンに会った。
右手にはヒウンアイス。フウカは無事シアンにも会えたようだ。
「皆、お疲れ様」
無表情だが、シアンの口調には優しさがこもっていた。
レオたちもシアンへと労いの言葉を掛け、
「シアン、このあとどうするの?」
「ポケモンたちは強くなったけど、トレーナーの自分がまだまだ弱いまま。だからまた別の地方で旅を続けるよ」
よく見ると、シアンの持っている船のチケットには、『アサギシティ行き』と書かれていた。
ウチセト地方ではない、別の地方の町の名前なのだろう。
「そろそろ船が出るから行くよ。元気でね」
そして、シアンは三人に手を振り、船へと乗り込んでいった。
また、レオたちも、ミサゴシティ行きの船へと乗り込んでいく。

ここまで来るまで、いろんなことがあった。
自分の家で、初めてのポケモンをもらった。
その次の道路では、初めてモンスターボールを投げ、その手でポケモンをゲットした。
戦ったジムリーダー達は、全員がかなりの強敵だった。
特に五人目のアサツキ、八人目のザントは、あり得ないほどの実力を持っており、一度は敗れたこともあったが、最後には勝利を手にすることができた。
さらに、悪組織『イビル』との戦い。
リゲルを始めとする七将軍と次々と戦ったし、イビルの総大将、マターはザントやグレースにも並ぶ、怪物だった。
恐怖の象徴、ガタノアがこの世界へと呼び出され、もう少しで世界が破滅の危機に晒されたが、レオたちは奮戦し、世界を救った。
さらに、キラやチヅルだけでなく、たくさんの仲間と出会うことができた。
フウカやシアンはよきライバルだったし、ナシカも強かった。ウェイガは知識に富み、困ったときにいつでも頼れる人だった。
そして、ポケモンリーグでは、数々の名勝負を見、みずからも刻むことができた。
シュウヤを始めとする、数々の強者たちと戦った。
この旅を通し、レオは、最高の思い出を手にすることができた。

ミサゴシティ。
ここからもう少し歩けば、故郷ナデシタウンに到着する。
「しっかし、旅っていうのは思ったよりもすごい楽しいものだったな」
「ああ。俺も最高の思い出を作ることができたぜ」
「私のポケモンや、それを支えてくれたお父さんやお母さんたちのおかげだよね」
そして、ついに三人はナデシタウンへと帰ってきた。
「それじゃ、また明日会おうぜ」
「おうよ。今日はゆっくり休むとすっか」
「皆、お疲れ様だね」
三人は、それぞれの家へと帰っていく。
(やっと帰って来たぞ、僕の家!)
家の中からは、夕食のいい匂いが漂ってくる。
心を躍らせながら、レオは扉を開いた。
「ただいま!」




これにて、『ポケットモンスター 平和の光と恐怖の闇』、堂々の完結です。いやー、長かったですね。第一作目で挫折したゲームのような冒険物を最後まで書くことが出来て、僕は満足です。読者のみなさん、ここまで読んで下さり、ありがとうございました。あとはエピローグです。それでは、お疲れ様でした!


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