二次創作小説(紙ほか)
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- Ⅰ want to be happy.
- 日時: 2015/09/15 20:56
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
はじめまして。
少年・青年マンガをこよなく愛する爛と申します。
今回は、初投稿ということで私の好きな作品から、「終わりのセラフ」に挑戦させて頂こうと思います。
拙い文章ですが、どうぞ最後までお付き合いしていただけると光栄です。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.35 )
- 日時: 2015/09/26 23:15
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
助けに行こう・・・とは思うが下手に動くとおかしなことになりかねない。物陰に隠れ様子を窺ってみる。
よく見ると、三葉ちゃんが首を絞められている。
今だ!、そう思って私が飛び出そうとすると、突然優が、
「うるせえぇえええ!!!」
と叫んだ。
みんなの様子を見ていると、どうやら私の出る幕はないらしく、戦闘が終わるまでひたすら待機していた。
優たちが地上へ上がるときになって声をかける。
「やぁみんな、大変だったね。」
笑いかけると、返ってきたのは、
「お前っ、いつからいたんだよ。」
「やっと出てきましたか、待ってたんですよ、藍さん?」
「えっ、いつからいらしてたんですか、少佐。」
「「あっ、どうも・・・。」」
という十人十色の答えたち。
適当に謝っておくと、みんなで地上に上がる。
たったった。
小さな女の子がこちらに駆けってくるのがみえた。
説明を求めるように、早乙女君を見ると、情報提供してくれた子どもだということがわかった。
優が、女の子に謝るな、といった時、女の子の父親であろう人物が喚きだした。
「てめぇら なんてことしてくれたんだ。」
どうやら、自分たちの安心して暮らせる場所をもつ私たち軍人に対しての不平不満があるらしい。
私が話すと余計に話がこじれる。
そう思って黙っていると、優が自分の過去について話し出した。
あの優が・・・。
少し意外だ。
父親の方も、自分が家族を守れなかったことを負い目に感じ、私たちに、強く当たってしまったのだろう。
シノアの説明を聞き、渋谷で受け入れてもらえると知った彼らは大喜びして、家族で抱き合い、喜びを分かち合っているようだった。
ただ、三葉ちゃんは素直になれないようで、優に「ありがとう」が言えないみたいだ。
ひとまず、グレンからの指令である、優たちとの合流、そして、吸血鬼の集落を潰す、というミッションは達成ということで・・・。
次は、新宿へ向かおうか。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.36 )
- 日時: 2016/08/10 16:27
- 名前: 爛 (ID: KpEq4Y5k)
新宿に行く前に腹ごしらえをしていた私たち。
そして車が動くようにしていた君月君。
その邪魔をする優。
君月君が私たちを呼びに来た。
「すごい君月君車運転できるんだぁ。」
普段から、あまり車に乗ったり運転したりする機会が無いため、こんなことができる人を純粋に凄いと思う。
君月君は、私が褒めると少し照れたように、
「え、いや、まぁ。」
と答えてくれた。そして、
「少将は運転されないんですか?」
と聞いてきた。私が答えようとすると、すかさずシノアが
「君月さん知らないんですかぁ?
藍さんは今こんなところに居ますが、良家のご子息ですよぉ。
あぁ、もしこれまでの失礼がばれたら・・・・。」
「シノアちゃーん?
ふざけるのも大概にしとこうね?
あと、 勝手にご子息にしないでくれる?
私はご息女のほうだから。」
にっこりと笑いかけると、シノアは少しやりすぎた、という顔できちんと頷いてくれました。
良かった、良かった。
「みっちゃん、今の見ました?
藍さん確実にあの顔で罪のない人を何人か殺してますよ。
絶対。」
「やめろ。
少将に聞こえるぞ。」
この会話は、聞かなかったことにしよう。
うん、そうしよう。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.37 )
- 日時: 2015/09/28 23:06
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
まぁ、何か問題はあったけど(優の我儘とかシノアの失敗とか)無事なのか知らないけど、新宿へ向かいだした私たち。
新宿へ向かっていると、ある場所を境に空気が、がらりと変わった。
「とりあえず みなさん 臨戦態勢で。」
緊張感から静寂に包まれた車内にシノアの声が響く。
車が角を曲がり、新宿に入る。
私たちに見えたのは、おそらく吸血鬼に襲われ、濛々と炎を上げる新宿の姿だった。
優が何かに気づく。
「あの服・・・
吸血鬼の・・・
貴族だ!!」
止まらず轢こうとする。
吸血鬼に衝突する直前、車から飛び降りる。
驚いたことに、吸血鬼は片手で車を止めてしまった。
早乙女君が咄嗟の判断で弓を引く。
「剣よ 私の血を吸いなさい。」
吸血鬼はなんのダメージも受けずに一振りで攻撃を無力化してしまった。さらに、もう一振りで私たちに攻撃してきた。
シノアたちは陣形を整え、戦おうとする。
吸血鬼はその間にも攻撃を仕掛けてくる。
「みなさん 独断で動かないで!!!」
シノアがみんなに注意している。
その背後、吸血鬼がいた。認知できないスピードで後ろを取られたシノア。
このままじゃ、ここで新人が全滅してしまう。
そう思った私は剣を抜こうとする。
刹那、吸血鬼の片腕が吹っ飛んだ。
盤上が動く。
そう思った。
しかし、有利に動いたのは、吸血鬼の方だった。
新しい、しかも一級武装したのがもう二体。
「ぎりぎりの全力で———しかし・・・
それでもおそらく・・・
死者がでる。」
シノアの言葉で覚悟を決めたであろう新人たち。
しかし、そんな彼らをおいて、吸血鬼は離れていった。
助かった。
そんな安堵感とは裏腹に、彼らは己の弱さを思い知ったらしい。
そして、仲間の大切さと、強くなる必要性を————。
「新宿を守るんだ。」
彼らの意志が決まったらしい。
私はどうする?
そう考えたとき、私の心は案外素直に答えを出してくれた。
「みんな、私は先に行くね。」
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.38 )
- 日時: 2016/08/10 16:32
- 名前: 爛 (ID: KpEq4Y5k)
私がここにいるよりも、前線で少しでも敵を減らした方が合理的だ。
「そうですか・・。
その方が良いですしね。私たちも藍さんの足を引っ張るわけにはいきませんし。」
納得してくれたもよう。
彼らのことは心配だが、私が立ち止まる理由にはならない。
「柊 シノア隊のみなさん、日本帝鬼軍少佐 八瀬川 藍として命じます。
私はこの場を離れますが、みなさんは一刻も早く一瀬 グレン中佐のところへ合流してください。
そして、また生きて会いましょう。」
そう言って場を離れる。
少し後ろを振り返ると、彼らは、当たり前のように笑っていた。
どうか最後まで、その笑顔が守られますように。
私が死ぬわけにはいかない。
何としてでも、生きて、本部に戻ろう。
そう決意して、私は、走り出した。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.39 )
- 日時: 2016/08/10 16:30
- 名前: 爛 (ID: KpEq4Y5k)
走り出した・・・。
けど、少しかっこつけずぎた・・・。
今更だけど恥ずかしい。
自己嫌悪に陥ってる私になんと数週間ぶりに猩々緋が話しかけてくれました。
「藍、僕を使ってくれるんだろ?」
もちろん。
使えるものは使わせてもらうよ。
みんなを守れるように。
そう答えながら、走る。
そう願いながら、奔る。
大きな戦闘音を轟かせる場所に足を踏み入れたのは、走り出してからそう遠くない場所だった。
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