二次創作小説(紙ほか)

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Ⅰ want to be happy.
日時: 2015/09/15 20:56
名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)

はじめまして。
少年・青年マンガをこよなく愛する爛と申します。

今回は、初投稿ということで私の好きな作品から、「終わりのセラフ」に挑戦させて頂こうと思います。


拙い文章ですが、どうぞ最後までお付き合いしていただけると光栄です。

Re: Ⅰ want to be happy. ( No.80 )
日時: 2016/08/10 16:48
名前: 爛 (ID: KpEq4Y5k)

《鬼呪装備グレードアップ編》


 屋上での話し合いが終わって数日、新人たちが鬼呪装備のグレードアップ的なものをしているであろうこの時間、私も塀の外に来ていた。

 上司だったグレンとともに。

 上司だった、といえば私が彼を殺し、もう動くことは無い屍になったと思う方も大勢いらっしゃると思われるが、あいにくそんな事実は無く、先日あったように私の階級が上がっただけだ。
 残念ながら。
 そう、残念ながら。


 「さて、やるか。」

 壁から十分に距離取れたのかは知らないが、こちらを振り向くグレン。

 「にしても、お前はなんでチーム組んでねーんだよ。
  しょうがないから俺にこんな役が回ってきちまっただろ。」


 振り向いた瞬間に不平不満をぶつけてくるってどうなの、人間的に。
 そんな批判を込めて熱い視線を送ったのだが、グレンは呆れたような顔をしてこちらを見返してきた。


 「早くしよーよグレン。
  時間なくなっちゃうよ〜。」

 おどけたようにそう言う私に、呆れたような顔をしかめっ面に変え、

 「階級が上がったからって急に・・。」

 と毒を吐く。

 「まぁお前にこんなこと言っても無駄だよな。
  じゃあ始めるか。
  面倒だし。」

 最後の最後で本性現しやがったな魔王・グレン 一瀬。

 「やり方はわかってるだろう?」

 半眼で聞いてくる魔王。

 「早く終わらせて帰るぞ。」




 自分の鞘から刀を抜き、刀身のところを握る。

 「剣よ、血を吸え。」

 刀身に吸い込まれていく私の血液。
 急に目の前が真っ暗になったかと思うと、意識が飛ぶ。



 飛び飛びの意識の中だったから珍しく、私がグレンの中で殺されなかったことにも気づかなかったし、私が倒れた瞬間の、人が変わってしまったかのような表情にも、気づかなかった。
 まるで、鬼が乗り移ったかのような。 

Re: Ⅰ want to be happy. ( No.81 )
日時: 2016/03/09 18:08
名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)


 目を覚ます。
 何も無い真っ白な空間。
 何故だろう、ここに来ると冷静になってしまう。
 そして、この真っ白な空間に色をさすのは見慣れた日本刀と、不自然なまでに美しい鬼が一匹。
 ただ、その一匹でさえも、頬を上気させ、

 「ねぇ、藍。
  君の血をおくれよ。」

 理性を保っていない。
 もともと理性なんてもの存在していないのだろうか。

 「もっとだ、もっと。
  もっとおくれよ。
  あれだけじゃ足りない。




  ————君のすべてを寄越せよ。」


 驚くほどのスピードで迫ってくる。
 結局ここで喉を食いちぎられて終わりかな

Re: Ⅰ want to be happy. ( No.82 )
日時: 2016/03/12 00:23
名前: ナッツ  (ID: 5SQt.OF5)

こんにちは、ナッツです。

爛さんコメントありがとうございます!とっても嬉しいですo(^-^)o更新頑張ります!

私も四天宝寺&立海好きです!仁王もカッコイイですね〜(〃▽〃)

爛さんの『I want to be happy.』読ませていただきました。主人公の気持ちが伝わってきてとっても読みやすかったです!

今度は赤也視点の立海の卒業を書こうかな〜と考えています!

Re: Ⅰ want to be happy. ( No.83 )
日時: 2016/03/24 21:05
名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)


 TO,ナッツさん
 コメントに気づかなくて申し訳ありません。
 終わりのセラフ、ご存知かどうかはわかりませんが、これからも頑張っていきます。

 ナッツさんの作品も楽しみにしています。

Re: Ⅰ want to be happy. ( No.84 )
日時: 2016/03/29 17:57
名前: 爛   (ID: BB67RT0Y)


 ずっと昔、芥川龍之介という人物が書いた、「蜘蛛の糸」という話を知っているだろうか。


 釈迦はある日の朝、極楽を散歩中に蓮池を通して下の地獄を覗き見た。
 地獄では罪人が苦しんでいる中、釈迦は、カンダタ(犍陀多)という男を見つけた。
 カンダタは多くの罪を犯していながらも、たった一度だけ林の中にいた蜘蛛を踏み殺すことを止ねる、という善行を行っていた。
 それを思い出した釈迦は、彼を地獄から救い出してやろうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。

 暗い地獄で天から垂れて来た蜘蛛の糸を見たカンダタは「この糸を登れば地獄から出られる」と考え、糸につかまって昇り始めた。
 ところが途中で疲れてふと下を見下ろすと、数多の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは重みで糸が切れるだろう。
 カンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだ。下りろ。」と喚いた。
 すると蜘蛛の糸がカンダタの所から切れ、彼は再び地獄の底に堕ちてしまった。


 私も、今まで多くの罪を犯してきた。
 ただ、一度たりとも蜘蛛なんて助けたことは無い。
 だから、私に蜘蛛の糸なんて降りてこない。

 そう思っていたけど、

 ガシャン

 そんな音とともに鬼は鎖に巻き取られ、地面に転がった。
 なんだ、助かってしまったのか。
 そう思った。

 鬼は、立っている私を見上げながら、

 「ははは、その顔だよ、君の本性は。
  最初に会った頃は、
  死にたがりの癖に生にも貪欲な奴かと思っていたけど、
  実際は、もっと・・・・


  真顔で蹴らないでよ。」

 そんなことを言ってくるかと思えば、

 「君には説明いらないんだろ?
  さっさとやろうよ〜。」

 と地面をゴロゴロ転がる。
 自分勝手な鬼に呆れそうになるが、自分勝手な奴はたくさん相手にしてきたからどうってことない。
 ただ、気になるのは、徐々に剥がれ落ちていく鎖だけ。




 「蜘蛛の糸」引用はウィキペディア様から


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