二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Ⅰ want to be happy.
- 日時: 2015/09/15 20:56
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
はじめまして。
少年・青年マンガをこよなく愛する爛と申します。
今回は、初投稿ということで私の好きな作品から、「終わりのセラフ」に挑戦させて頂こうと思います。
拙い文章ですが、どうぞ最後までお付き合いしていただけると光栄です。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.70 )
- 日時: 2016/01/25 23:15
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
放送がかかって、第一号執務室に出頭する私。
どうも、この執務室にいい思い出がないと思っているんだけど・・・私だけなのだろうか。
コンコンコン
いつも通り、前に呼び出しされた時と同じ自分であるかのように振舞う。
グレンのことで、優のことで、何も思っても、考えてないかのような、いつものバカな私で振舞え。
自分にそう言い聞かせる。
中将にバレたらめんどくさいぞ・・・。
扉を開ける。
するとそこに居たのは、
「血だ・・・血を寄こせ・・・。
お前を殺して・・・・。
死ね、人間。」
吸血鬼。
だいぶ血の摂取量の減った、いや故意に減らされた吸血鬼がいた。
「悪趣味。」
誰かに聞いて欲しいわけじゃないけど、呟いてしまう。
ズドン、
重い銃声が響く。
すると、影となっていた場所から声がした。
「意地でも黒鬼は使わないんだな。」
「いやぁ、鬼になんてなりたくもないじゃないですか。」
一歩間違えれば命が危ない軽口だが、どうも直らない。
「今回呼ばれたのは、どのような用件でしょうか?」
話の方向を無理矢理変える。
さっきの軽口を忘れてもらえればいいのだが・・・・。
「お前の昇進だ。」
簡潔に答えが返ってくる。
「葵、紙を。」
そう言って、私の昇進内容が書かれているであろう紙を手元に引き寄せる中将。
「聞け。
本日づけで、日本帝鬼軍少佐、八瀬川藍を中佐へと昇進させる。
以上。」
意外だった。
それ以外になにかありそうな予感がしていたんだけど・・。
「今度、手合わせしよーよ。」
見えない振りしていた銀髪が話しかけてきた。
無視。
「失礼しました。」
そう言って部屋を出る。
「八瀬川少佐!!」
三葉ちゃんが居た。
どうやら呼び出されたらしい。
「頑張って。」
他に何を言えばいいのか分からなかったから、そう一言告げて、私は執務室から離れていった。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.71 )
- 日時: 2016/01/26 22:19
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
グレンの研究室を訪ねてから数日が経った。
今日は、というよりも、今日と明日をまたいである会議に出席させられた私。
残りは私しかいないといっても、一応八瀬川の当主なので、出席しないといけないとか何とかかんとか。
深夜、時計の針が1時を指したときには、ほぼ寝ていたけど。
会議が終わって席を立とうとすると、
「藍ちゃん。」
そう言って、深夜に呼ばれた。
無視したいが、お偉いさんなので無視できない。
「なんでしょうか。」
努めて敬語を使う。
流石にグレンのように敬語を使わないわけにはいかない。
「あのね・・・・「おい、深夜!」
深夜の話を聞こうとすれば、横から柊征志郎が割って入ってきた。
「ごめんね。また今度。」
そう言って離れていく深夜。
話の内容が非常に気になる。
一人悩んでいると、廊下に出てすぐ、今度はグレンに呼び止められた。
「今日の昼前、屋上に来い。」
呼び止められた、じゃなく、一方的に言われただけじゃないよ。
そんなこんなで私の予定は決められてしまった。
てか、昼前、ってことは、寝れないじゃん。
まだ仕事あるし。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.72 )
- 日時: 2016/01/29 20:54
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
・・・。
眠い。
眠い以外何者でもない。
そんなことを思いながら階段を登る。
の、だが前を行くグレンの背中は遠のく一方だ。
くそぉ、眠い。
これはあれだ。
会議のせいだ。
そうに違いない。
恨み言を吐きながら階段を登る私。
グレンにだいぶ話されてしまったが、やっとのことで登りきり、最上階の踊り場で息を整える。
そして、扉に手をかけたとき、
「柊真昼を・・・・・
私の姉を殺した罪滅ぼしですか?」
シノアの声でそう聞こえた。
「その刀の中には私の姉が入っているのでしょう?
さっき姉の名を呼んでるの聞こえちゃいました。」
《真昼ノ夜》
それがグレンの刀の銘だ。
そして、柊真昼。
シノアの姉。
数年前、世界を救った鬼才。
「真昼はもういない・・・
あいつは《鬼》になり《鬼呪装備》を完成させて世界を救ったんだ。」
「あはは。
冗談言わないでください。
姉は世界なんかに興味のある人じゃなかった。」
「ただ ただ あなたに恋をしていただけ。
決して結ばれない運命のあなたを欲しがって
鬼に取り憑かれてしまった。」
酷く懐かしい気がする。
真昼様、そう呼ばれていた彼女はもうこの世にいない。
入学式で見た、麗しの女神様のような彼女も。
グレンに恋をしていた乙女のような彼女も。
そして、鬼に成り果ててしまった彼女も。
「中佐は姉に取り憑かれている。」
黙ったままのグレン。
私は、ドアにもたれたまま話を聞く。
遠くから足音が聞こえる。
「血が繋がってるわけでもない家族にあんなに必死になってるのを見せられちゃうとちょっと・・・
友達や仲間をもう少し大切にしてみてもいいかなぁとか思いまして・・・。」
足音が近づいてくる。
「生まれて初めて必要とされましたのでそれには応えてみようかと思いまして。」
優が来た。
「えっ、藍?
って、んなことより、やっと戻ったああああああ!!!
外壁に刀刺して戻ろうとと思ったら壁に傷つけんなって衛兵にすげぇ怒られたんだけど!!」
優が戻ってきたことにより、さっきまでの殺伐とした空気がおさまる。
ふとグレンのほうを見ると、刀を鞘に戻してこちらを向いていた。
「ったく、来んのがおせぇ。」
そう一言文句。
おまえらのせいだよ。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.73 )
- 日時: 2016/01/29 20:55
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
加筆しました。
- Re: Ⅰ want to be happy. ( No.74 )
- 日時: 2016/02/10 23:33
- 名前: 爛 (ID: BB67RT0Y)
また新たに喧嘩が始まりそうな雰囲気の中救いの手が・・・というのは冗談で、柊シノア隊の残りのメンバーがやって来た。
「あれ? もう中佐がいる。少佐も。」
「ん?」
「あ、ほんとだ。」
三者三様に驚きながらも、三葉ちゃんがグレンに聞く。
「グレン中佐・・・早いですね。
確か集合時間までまだ30分以上あるはずですが、あたしたちの思い違いでしたでしょうか?」
まぁ、心配になるのも無理は無い。
上官との待ち合わせに遅れるって、相手が悪かったら殺されちゃうしね・・・・私か。
「・・・あれぇ 私や優さんが聞いていた集合時間と違いますねぇ。
まさかこれ、私に姉のことを伝える会だったとか?」
グレンのやりたかったことがわかった。
そんな顔をして話しかけるシノアだったが、
「文句がありそうな奴の不満を聞いてやる会だよ。」
とうまくかわされてしまう。
更に、
「まずシノア、おまえの姉は死んだ。
もう戻らない。
鬼になって刀の中にいるが制御できている。
俺はあいつに取り憑かれてない。」
答えが出てしまった。
「信じないといったら?」
「知るか。
次に優。
お前はもっと強くなれる。」
優には事実を告げてしまう。
調子に乗ったら困るから言わなきゃいいのに。
でも、きっと優は強くなるだろう。
守りたい仲間ができたから。
そして、一緒にいたいと思い続けた家族が見つかったから。
私はどうだろう。
自問自答が始まりかけたとき、
「じゃ、話は終わりだ。
帰って寝る。」
話が終わった。
そのとき、
「ちょっと待て。
帰る前に一つ教えてくれよ。」
優が止めた。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20