二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ちびっこ城主 *戦国BASARA*【完結!感謝!】
- 日時: 2012/08/10 10:29
- 名前: ☆Milk☆ (ID: DqYpyOBj)
どうもです、☆Milk☆ですっ!
毎度毎度、言うこともないのですが、一応のため注意書きをしておきます。
壱・荒らし?もちろんダメです。
弐・チェンメ?それもダメです。
参・バサラ嫌い?何で来たんですか?
四・☆Milk☆が嫌い?いや、だから何で来たんですか?
伍・キャラ崩壊は苦手?・・・頑張りますけど・・・多分、壊れます。
六・できれば・・・できればでいいです。コメントお願いします。
七・腐コメはお控えください。自爆します。
以上のことを守れる方、レッツパ−リィ!
*今回のお話*
三方ヶ原の後から始まります。
小十郎が松永から部下を取り戻して、そのあと、なんと政宗が・・・!?
続きは小説でどうぞ☆彡
オリキャラなしです。
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- Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.12 )
- 日時: 2012/02/25 14:28
- 名前: ☆Milk☆ (ID: zx5jjBXL)
<キンッ…ガキンッ>
激しく刃が混じり合う。しかし信玄は全力は出せない。
「どうしました信玄公…。もっと遊ばせてください。…あぁ、そうか…貴方がここで全力を出したら、この堤防が崩れてしまいますねぇ…!しかも、気を付けないとこの子にも当たってしまいますよ…!!」
光秀は態とらしく言い、政宗の頬に刃を当てた。政宗の体は俄に震える。脳が全力で逃げろというが、それは叶わない。只怯えて信玄を見た。信玄も大名、非常な心は持っているものの、小さな子供を…それも仲間を見殺しには出来ない。その時、馬を走らせる音が聞こえた。
「お館様ぁ!木材を持って参りました!」
崖の上から幸村の姿が見えた。幸村は驚きの表情を見せる。
「お、お館様…!明智光秀、政宗殿!」
幸村は急いで下に降り、加勢すると言ったが、信玄はそれを認めず、堤防の修理を手伝わせた。幸村はしたかなく修理を始め、光秀と信玄は再び戦いを始めた。
「ふっ!」
光秀が大風を起こし、堤防は一気に崩れていった。水が流れ込む。幸村や信玄、農民は水に巻き込まれ、溺れていった。光秀に抱えられていた政宗は巻き込まれなかった。一度陸に政宗は下ろされた。脱力したように膝をつく。見ると、自分の軍の人間もいた。幸村は木の骨組みの上にいたため、水に巻き込めれなかった。信玄も同様。幸村の所に、光秀は行った。そして、幸村を切ろうとする─しかし、そこで信玄が幸村の盾になった。そして、水の中に落ちていく。幸村は信玄を助けようと、水に飛び込んだ。戻ってきた光秀も刃には、赤黒い地がこびり着いていた。政宗はその一連の情景を怯えて見るしか出来なかった。
- Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.13 )
- 日時: 2012/02/27 18:14
- 名前: ☆Milk☆ (ID: 7ZyC4zhZ)
政宗は俯いて安土に帰った。結局、自分は何も出来なかった。足ばかり引っ張って、力にはなれなかった。
(俺のせいでオッサンは…。)
自分の無力さが嫌になる。何が、『独眼竜』だ。只の子供じゃねぇか。後ろの光秀を見た。無表情だった。馬の毛をぎゅっと掴んだ。何処にぶつけたら良いのか分からない怒り、悲しみ、痛み。涙は落ちなかった。何となく、光秀が自分を連れてきた理由を理解した。あの光景を見せたかったのか。それとも、任務を支障なく遂行するためか。いずれにしろ、自分が行った事による無駄な事はなかったのだろう。分からない男だ。良い人なのか、悪い人なのか、分からない。只分かることは、主人に忠実—それだけだ。
「クシュッ。」
「風邪でもひきましたか?」
「…。」
何も言いたくなかった。感じ悪いと思うが、構うものか。今は、何も答えたくない。
少し、寒さを感じた。身体の表面は熱いが、身体の芯が冷えてる感じだ。
(…風邪だな。)
彼は、ボーッとする頭で考えた。
___
「全く…無理しないで下さい。あなたの面倒を看るのは私なんですから。」
「わ…悪い…。」
ぶつぶつ言っているが、実際はそんなに困っていないようだ。
政宗は息が詰まりそうだった。身体的にも、精神的にも、疲労が溜まる。苦しい。それだけ感じた。何とかして欲しい。
「ゲホッゲホッ」
光秀が布を替えたのを感じ取れた。冷たい水が額を伝う。
(よく絞ってない…?)
政宗はゆっくり目を開けた。光秀も眠そうだった。船を漕いでいる。本当に、分からなくなった。
(こいつは良い人…?悪い人…?)
- Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.14 )
- 日時: 2012/03/03 20:27
- 名前: ☆Milk☆ (ID: fCAUmeG6)
昼過ぎ、軽く戸を叩く音が聞こえた。政宗は不思議に思った。光秀はさっき信長に呼ばれて出ていった。森蘭丸や濃姫なら、勝手に入って来る。なら、他の家臣?いや、そんな人が自分に用があるとは思えない。
「誰?」
政宗は尋ねた。すると、小さく返答が返って来た。
「入って…良い?」
(魔王の…妹?)
「…あ、あぁ。」
戸惑いながら政宗は答えた。すると、襖が開いて、黒い髪を揺らしながら、綺麗な服を着たお市が現れた。その手には、小さな鍋が握られていた。
「その…風邪ひいたって聞いて…。」
(あいつ…話しやがったな…。)
「あ…まぁ。」
「これ作ったから…良かったら食べて。」
お市が持っていたのは、お粥だった。湯気が立ち上り、良い臭いがする。
政宗は息を少し吹き掛けて、口にお粥を運ぶ。口に入れた瞬間、あまりの熱さに噴き出してしまった。お市が慌て、大丈夫?と尋ねる。政宗は咳き込みながら、頭を縦に振る。熱いが、味は良かった。
口の中が冷め、政宗は、お市に話した。
「旨いな。」
「本当?」
「あぁ。」
「良かった…。」
お市は笑った。その笑顔は、初めて政宗がお市を見たときの顔とは、全く異なる物だった。そんな事を考えながら、引き続き政宗はお粥を食べた。お市はじっと政宗を見ている。それは、『観察』ではない、違うもの—だが名前は知らない。でも、昔感じたことがあるような…そんな感じだ。
だがそんな状況で普通に飯が食べられる筈がない。政宗は思いきって聞いてみた。
「…な…んだよ?」
「独眼竜、可愛いのね。」
「はぁ!?」
政宗は顔を真っ赤にして怒鳴った。お市はフフ、と笑って政宗の頭を撫でる。
「…市、長政様との間に、子供が欲しかった…。」
政宗は黙ってお市の話を聞いた。明智の軍が放つ鉄砲、倒れる浅井長政、泣くお市…。
「…ねぇ、お願い聞いて?」
「お願い?」
「一回で良いの。…市を、『母上』って呼んで。」
政宗は驚いてお市を見た。でも、断る気にはなれなかった。政宗は演技派だ。笑って頷いた。
「…『母上』。」
お市も微笑む。有り難うと、口を動かした。声はあまり聞こえなかった。
お市は政宗を抱いた。そして耳元で囁いた。
「…決めた。」
「え?」
「市…兄様を止める。」
「アンタ…!」
「殺してでも、止めるの。」
政宗の心臓は激しく波を打つ。お市の声からは、覚悟が感じられた。
- Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.15 )
- 日時: 2012/03/04 19:49
- 名前: ☆Milk☆ (ID: A5wqWgTb)
5月下旬、織田信長は安土城から本能寺へ移動を始めた。お供するものは森蘭丸、濃姫、お市、その他兵100人程の少人数。そして政宗も連れていかれた。明智、柴田、丹羽等の重臣は安土城の留守番や、中国の征伐に向かった。中国征伐を任せられた柴田を援助するため、明智光秀はもうじき中国に行くらしい。政宗は安土を出る前、光秀から話を聞いた。
「中国?」
「はい。なので暫く世話は出来ませんが…。」
「…Hum、困るコタぁねぇよ。」
(…だが、中国に行くってこたぁ、軍神も潰れたか。うちは俺がここにいる限り何もないだろう…。あるとすれば狙われるのは小十郎か成実…そうでもなければ…。)
(小次郎か…。)
本能寺に向かう途中、馬に乗れない蘭丸と政宗は同じ籠の中で揺られていた。
「濃姫様が言ってたんだけど、信長様はお前を気に入ってるって。」
「魔王のおっさんが?」
「うん。」
「何で…。」
「オイラにはちゃんとした理由は知らない。…でも、なんとなく分かる気がする。ほら、信長様は勇気あるって言うか…兎に角、気が強いだろ?だから気に入ったんだと思う。」
「気が強いから?関係あるか?」
「だってお前、ここに来てから一度も弱音吐いてないだろ?」
そう言えばそうだ。政宗は考えた。
(…あんな泣き虫だった俺がな…よくここまで成長したもんだぜ。)
___
「ククク…信長公、貴方は今頃京に向かっているでしょうねぇ…少ない人数でね。あぁ、もう少し沢山いないと直ぐに殺られてしまいますよ…!クク…さぁ、宴と参りましょう…!」
- Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.16 )
- 日時: 2012/03/05 16:24
- 名前: ☆Milk☆ (ID: lquHsOOW)
「何か…胸騒ぎがする…。」
夜、蘭丸が呟いた。政宗も、なんとなく感じていた。何かが起こりそうな…。だが、子供の身体ではもう脳が眠り始めており、あまり深く考えられなかった。お市はあの日から政宗を可愛がるようになっていた。今日も政宗を膝に乗せて、頭を撫でていた。蘭丸は、金平糖を食べている。信長は本を読んでいる。濃姫は、髪をとかしている。一見、普通の夜だ。
しかし、そんな夜が一変した。
お市の膝の上でうとうとしながら、政宗は変な臭いを感じた。
(何処かで何か燃やしてる…?いや、それにしては近いような…。)
政宗が思っていた事は、その場にいた全員が思っていた。その時、一人の兵が慌ただしく部屋に入って来た。
「信長様ぁ!!」
「何事じゃ。」
「む、謀反です!大軍が、こちらに向かって来ます!家紋は…桔梗でございました!!」
(明智…!?)
「光秀!あの野郎…!」
一同が混乱しているとき、寺の中が急に暑くなってきた。さらに煙も入ってきてしまい、政宗と蘭丸は咳き込んだ。信長は何かを思っている様な目で、二人を見て、言った。
「市。」
「は、はい…兄様。」
「梵天と蘭丸を連れ、裏から逃げよ。」
「え?」
「上総介様…!」
「蘭丸も梵天も、満足に動けんだろう。…裏にも光秀の兵はおろう。だが市と蘭丸がいれば抜けられるじゃろう。」
「兄様…!」
「はよう!」
お市は目を伏せ、分かりましたと呟いた。政宗は喘ぎながら言った。
「おい…アンタは…おっさんはどうすんだよ…!?」
「余はお濃と運命を共にする。はよう逃げよ!」
「行きましょう、二人とも。」
政宗、蘭丸、お市は、寺に残った二人を後にして、寺から逃げた。
___
外に出ると、生暖かい湿った風が三人を包み込んだ。後ろを見ると、本能寺が炎々と燃えていた。赤い火が高くまで立ち上り、夜空を赤く染めていた。三人が逃げた裏口に、明智軍はいなかった。
政宗が横を見ると、お市が静かに泣いていた。何だかんだ言っても、大事な親族には変わりない。だが、泣いている訳にもいかない。三人は、これからの事を考えなければいけない。政宗としては当然甲斐に帰りたいのだが、ここは甲斐から遠く離れた京。どう考えても無理だ。暫くはこの三人と行動を共にするしかない。
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