二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ちびっこ城主 *戦国BASARA*【完結!感謝!】
日時: 2012/08/10 10:29
名前: ☆Milk☆ (ID: DqYpyOBj)

どうもです、☆Milk☆ですっ!

毎度毎度、言うこともないのですが、一応のため注意書きをしておきます。

壱・荒らし?もちろんダメです。
弐・チェンメ?それもダメです。
参・バサラ嫌い?何で来たんですか?
四・☆Milk☆が嫌い?いや、だから何で来たんですか?
伍・キャラ崩壊は苦手?・・・頑張りますけど・・・多分、壊れます。
六・できれば・・・できればでいいです。コメントお願いします。
七・腐コメはお控えください。自爆します。


以上のことを守れる方、レッツパ−リィ!

*今回のお話*
 三方ヶ原の後から始まります。
 小十郎が松永から部下を取り戻して、そのあと、なんと政宗が・・・!?
 続きは小説でどうぞ☆彡
 オリキャラなしです。

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Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.67 )
日時: 2012/07/08 08:44
名前: ナル姫 (ID: fCAUmeG6)

政宗が朝食を済ませると、直ぐに発つことになった。

「主人、世話になったな」
「いえいえ。又是非にお寄りください」

宿の主人は機嫌が良さそうに言った。政宗の方も見る。

「そちらの御子様も」
「うん」

子供らしい元気な高い声。相変わらず演技派だ。政宗の反応にハラハラしていた小十郎だが、溜息と共に胸を撫で下ろした。

「所でお侍様…貴殿方は何処へ行かれるのですか?」
「安土だ」

小十郎がなんの躊躇いもなく答える。途端、主人の顔色が変わった。

「安土だなんて…!そんな滅多なことがなければ行きませんよ!止めた方が良いです!」

幸村が理由を訊ねた。佐助が言っていた噂は村人たちの間でなんと言われているのか確かめたいのだろう。

「亡霊ですよ!彼処には霊がいるのです!」

興奮気味に話す主人の言葉が政宗の心を重くした。それを感じ取った小十郎が政宗の頭を少し撫でた。

「人を殺すと噂です!気味が悪い…」

『気味が悪い』?

「そんな事ないッ!!」

思わず叫んだ政宗に、主人や小十郎、幸村、更にはその場にいた客や従業員の視線が、一斉に集中する。ハッとした政宗は回りを見渡して、戸惑いつつも言った。

「えっと…その、あの…お、お化けでも、仲良くなれるお化けもいるかなー…って…」

ヘラ、と力なく笑った瞬間、その場がドッと笑いに包まれた。

「あっはははは!成程、これはなんとも可愛らしい!」
「ふふふ、本当」
「この子なら仲良くなれてしまうかもしれんなぁ!」

ひとまず安心した政宗。

「まあ…儂ら村人に止める筋合いはありませんなぁ」
「主人…」
「行ってきなさいな、お侍様。帰ったときは、どうぞ又ここに」

貴方も、と向けられた視線に、政宗は笑顔で頷いた。


安土城は、もうそこまで来ている。

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.68 )
日時: 2012/07/10 15:01
名前: ナル姫 (ID: zi/NirI0)

誰とも会わない、鳥の声さえ聞こえないその道はあまりにも殺風景で、三人を不安にさせた。更に、確信させる。本当にお市が、亡霊の如くさ迷っているという事を。

「見え申したな」

幸村が唐突に呟いた。政宗からは見えなかったが、幸村と小十郎の目には朽ち果てた安土城の天守閣が写っていた。

「着いたようですね」
「Ah…」

政宗が固唾を飲む。此処に、あいつはいる…。

「如何なさいましょう?ここに馬をおいておきましょうか」
「もう一寸進んでくれねぇか?」
「御意に」

小十郎が、再び馬を進ませる。幸村もそれについて来た。

「ここで良いだろ」
「えぇ」

三人は馬から降りた。尤も、政宗は降ろして貰ったのだが。

「行こうぜ」

声を合図に、歩き出した。
その時。

「まッ待ってェ!!」
「「「!!?」」」

前方から聞こえた声に三人は唖然とする。鍋らしきものを背負った小さな武将と思われる人が彼らの前に立ち塞がる。

「ぼ、僕は小早川秀秋だよ!こ、ここから先は通さないよ!」

偉そうなことをいってはいるものの、完全にがくがく震えているその足を見て、三人は深く溜息をついた。

「特に!君なんて子供だよねぇ!?」
「体はな。俺は伊達政宗だ」
「!?き、君が噂のぉ!?」

政宗は頷く。呆然とする秀秋に、政宗が訊ねた。

「アンタは何でここにいるんだ?亡霊とやらが出るんだろ?」
「て…天海さんに言われて…」
「天海?」

こくこくと頷く秀秋は、不安そうに安土の方をチラチラ見ていた。

「名前からして、そいつ僧だな?断れば良いだろう?」

呆れながらも言う小十郎に、秀秋は頭を振った。そして言う。

「僕だって逆らいたいけど、怖いんだよ…見た目とか、何から何まで」

それを聞いた政宗が顔を上げた。大方、天海って奴は魔王の妹の力を借りて良からぬ事企んでんだろ?と左目を瞑りながら言う。秀秋は何で分かったの?と言う顔をして、政宗を見詰めた。

「俺がお市に会ってくる」
「!?政宗殿、まさかお一人で…」
「俺のせいなんだから、俺しかいねぇだろ?」

言った瞬間、政宗の後ろから待ってましたとばかりに出てくる黒い腕。それは政宗を掴んで、地面に引き摺り込もうとする。

「政宗様ッ!!」
「政宗殿ッ!!」

政宗は何も言わずに、されるが儘に、地面の中へと入っていった。

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.69 )
日時: 2012/07/11 13:23
名前: ナル姫 (ID: CN./FYLZ)

真っ暗な闇の中。冷たい風が肌を伝う。

(此処は…何処だ?)

ゆっくり目を開ければ、そこには一転の光も見つからず、虚しさだけがただ募る。

「さて…何処にいきゃあ良いんだか」

前も後も、右も左も分からない。取敢えず足を前に出してみる。確り踏めることを確認して、政宗は闇の中を進み出した。


___



「政宗殿…大丈夫でござろうか…」
「…祈るしかないだろう。無事に戻ってくる事を」

小十郎は今になって、今まで主が生きていたことが奇跡なのだと実感した。人質に盗られ、船旅をして、戦に巻き込まれて…。
でも、ちゃんと生きていてくれた。

「きっと生きていてくださる」


___



暫く歩いた。まだまだ終わりの見えない闇の中をどれ程歩けと言うのだろうか。

(早くあいつを探さなきゃな)

フゥ、と一息ついた瞬間気がついたのだが、体が戻っている。ただの夢か、現実世界で戻っているのかは分からないが。

「よし、行くか」

再び足を出した時、泣き声が聞こえた。僅かだが、近くで聞いているようにハッキリと。でも、どこから聞こえるのかは分からない。

(もっと…大きな声で呼んでくれよ…!)

彼は心の中で念じた。それに答えるかのように、段々方向がわかるようになった。

(左…いや、もう少し右寄りか?後ろ側だな…)

考えている間にも、声は大きくなっている。
そして、背筋が凍った。

声は、泣いているのではない。



自分の真後で



笑っている。

政宗は急いで後ろを向いた。ずっと先、さっき自分があるいてきた道の上で、その人は笑っていた。狂ったように笑っていた。
政宗は少し躊躇いながら進んだ。


『…梵ちゃん…あなたの心も真っ暗なのね…フフ、市とおんなじ』
「…違うだろ…此処はアンタの心の中だ」
『?市の、心…?あなたは…独眼竜…?』
「帰ろうぜ、向こうに。魔王もいねぇし、アンタの軍のやつらは殆ど死んじまったけど…アンタはまだ生きてるだろ?」
『市、生きてる…』
「な、早く行こうぜ」
『…嫌なの。市は明智様の好きなさせればいい』
「?明智…?」
『天海は、明智様なの』
「何でそれを知ってて…」
『死んでもいいから』

あまりにも呆気なく答えられたその言葉に、政宗は黙るしかなかった。どうすれば良いか分からなかった。



でも。



『独眼、竜…?』

取敢えず抱き締めて。

「死んでいい何て言うなよ…」
『どうして…』
「アンタは、一時的だったけど、俺の母上だった。抱いて貰った時とか、感じたんだ。アンタは俺の家族だって」
『市が家族…?』
「あぁ」
『…そう…
有り難う、梵ちゃん…』

瞬間、周りが光に包まれた。眩しすぎて思わず目を瞑る。そのまま彼は気を失った…。

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.70 )
日時: 2012/07/12 16:54
名前: ナル姫 (ID: evp0hpRa)

「…ま……ね様」
「殿………宗殿」
「う…」

瞼の裏が暗くなった。誰かに呼ばれて、目を開ければ、一番最初に目に入ったのは黒っぽい土と雑草で、自分が横たわっている事を自覚する。
顔を上に向ければ次に目に入るのは自分の右目と好敵手。体は子供のままのようだ。

「こ…じゅうろ…真田…」
「良かった…無事でありもうしたか」
「全く、無理なさって…」

体を起こすと、小指が何かに触った。見てみると、それはお市の服で。

「あ…」
「政宗様、それは…」

小十郎の声に素早く反応出来ず、政宗はお市の頬に触れた。

冷たかった。

二、三回揺さぶった。
起きなかった。

幸村と小十郎に背を向けている政宗の肩が、次第に震える。左目から大粒の雫が溢れ、頬を伝い、軈て袴の上に落ちた。

「ッ…ヒック、う…」
「政宗様…」
「うわあーん…うッうぇッ…」

小十郎が、政宗の頭を静かに撫でた。
幸村は苦しそうに顔を反らして。


「戻りましょう」

静かに言った小十郎に、政宗が涙を拭いながら頷いた。その時。

「ヒッヒィ!!」
「邪魔が入ったようですね…」

聞いたことがある。

『天海は、明智様なの』

「明智…」
「お久し振りですね、梵天丸…あぁ、皆さんお揃いでしたか。貴方がお市様に何をしたのかは知りませんが、私の計画…第六天魔王の復活を見事に台無しにしてくれましたね…!!」

「第六天魔王…復活!?」

「お市様はその為に生かしておいたというのに…貴方は私の計画を滅茶苦茶にしました。その罪は重いですよ!」

政宗は何も言わずに、真っ直ぐ光秀を見つめた。お市の肌を少し撫でて、軈て立ち上がる。

「…アンタは…良い奴だと思うこともあったが…撤回だ」
「?」
「アンタは欲望にまみれたろくでなしってことか!!」

体中から殺気を立ち上らせ、拳を強く握った。

「政宗様ッ!!なりませぬ!」
「政宗殿!」
「俺は出来なかったッ!!」

二人の声を、政宗は遮った。

「助けるって…言ったのに…」

アイツは生きる気力をなくして、死んでしまった。


だから…。


顔を上げた時、何か大きな鳥が飛んできた。人がいる。

「旦那ー!」
「佐助!」

佐助は地面に着陸し、光秀を見た。アンタ…明智かい?と怪訝そうな顔をする。

「武田の忍ですね…久しゅうございますね」
「やっぱりアンタか」

睨むように凝視する。そのあと政宗を見て言った。

「魔王さんの妹は…」

政宗は首を振った。そっか、と言って頭を撫でる佐助は、いつもより優しい気がした。

「右目の旦那、明智と戦うならアンタが相手してあげられない?」
「俺は構わねぇが…」
「お、おい猿ッ」
「旦那と竜の旦那は違う用がある」
「え?」

佐助は真剣な眼差しで言った。


「北条が落ちた」

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.71 )
日時: 2012/07/13 14:17
名前: ナル姫 (ID: 0inH87yX)

「北条が落ちた!?」
「あぁ、豊臣は今度は奥州に入ろうとしてる」

政宗の顔が一気に青ざめた。

「政宗様、お急ぎください!」

聞き慣れた声に振り返れば、小十郎が強い目で政宗を見つめていた。

「小田原へ、お行き下さい。この場は小十郎にお任せくだされば」

まだ泣きそうな目をしながら、政宗は深く頷いた。微笑む小十郎。政宗と幸村は佐助を見た。

「行くぞ、佐助!小田原へ!」
「頼むぜ、猿!」
「お任せってね」

政宗を脇に抱えて、幸村は自力で鳥に掴まった。鳥はその大きな羽を広げ大空へ羽ばたいた。



「…さて、テメェを殺らなきゃなんねぇようだな」
「返り討ちにして差し上げますよ。さぁ、宴と参りましょう!」

稲妻と闇が交わった。


___



暫く灰色に染まる空を飛んだ。鳥だと早いもので、もうそろそろ小田原に着く。

「ところで独眼竜」
「Ah?」
「戦えるの?」
「戦え…ねぇけど、戦うだけが止める方法じゃねぇだろ」
「政宗殿…」
「話すことだって出来るだろ。人なんだから」

人ねぇ、と小さく呟いた佐助を見ると、難しそうな顔をしていた。純粋だねぇ、とまた呟けば、政宗は顔を下にして。
もう下は小田原城。

「彼奴だって人だから」

反論するように言った。

瞬間。


「「!?」」

いきなり眩しく光る目の前。収まったかと思えば、いつの間にか見慣れた小さな体はもうそこにはない。あるのは懐かしいあの姿で、御丁寧に武装してあった。


「「「…え?」」」


驚きの余り思わず佐助は政宗を離してしまった。

「うわああああああ!!!?」
「政宗殿ッ!!」

幸村は自ら手を離し政宗と同じように地面に落ちていった。

「ちょ…どうなってんの?」

空の上の忍は一人呟いた。




物凄い音を立てて、二人は着陸に失敗する。豊臣軍全員の視線がそこに集まった。

「いってぇ…かっこわりぃ…」
「う、うむ…」

もくもくと立ち上る煙の中から段々見えてくる若虎と蒼竜。

「まぁ…良いか」
「気にすることもござらんな」
「partyと行こうぜ、真田幸村」
「心得申した、政宗殿!」


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