二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ちびっこ城主 *戦国BASARA*【完結!感謝!】
日時: 2012/08/10 10:29
名前: ☆Milk☆ (ID: DqYpyOBj)

どうもです、☆Milk☆ですっ!

毎度毎度、言うこともないのですが、一応のため注意書きをしておきます。

壱・荒らし?もちろんダメです。
弐・チェンメ?それもダメです。
参・バサラ嫌い?何で来たんですか?
四・☆Milk☆が嫌い?いや、だから何で来たんですか?
伍・キャラ崩壊は苦手?・・・頑張りますけど・・・多分、壊れます。
六・できれば・・・できればでいいです。コメントお願いします。
七・腐コメはお控えください。自爆します。


以上のことを守れる方、レッツパ−リィ!

*今回のお話*
 三方ヶ原の後から始まります。
 小十郎が松永から部下を取り戻して、そのあと、なんと政宗が・・・!?
 続きは小説でどうぞ☆彡
 オリキャラなしです。

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Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.77 )
日時: 2012/07/27 15:11
名前: ナル姫 (ID: Wl8kRSYB)

「では、始めましょう、母上」
「うむ。…この日まで、どれ程待ったか」

さぁ、今こそ。
伊達家に新たな当主を。

「成実が刀を持っていない時間は、ないといったな?」
「は、確かに」
「分かった」

青年の目が、光る三日月に向けられる。
黄色のはずの三日月が、今日は不気味に蒼く光る。

「なら、暗殺するまで。普通に立ち向かうなど意味がない」

僕は今回のことで、伊達を指揮する力を手に入れた。

「兄上の自由にはさせない」

残念でしたね、父上。

(でもなぜだ?何か…嫌な予感がするのは)

より一層光る三日月。
愚かな家族を嗤う蒼。

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.78 )
日時: 2012/07/29 15:08
名前: ナル姫 (ID: xJq/HYyx)

「急いでくれよ小十郎…」
「御意に」

小十郎は馬の速度を上げた。出来るだけ早く奥州へ。彼らが動き出す前に。

(成実…!)


___



「…早くしろよ梵〜」

成実は一人部屋の中で一応仕事をしていた。夕暮れの光が部屋に差し込んで眩しい。ふぅ、と息を吐き出して、筆を止めた彼の目は、目の前の書物を捉えたままだ。

「…で、そこに居るの何?俺を監視でもしてるワケ?」

流石は竜の血縁というべきか、成実は完全に、屋根裏に潜んでいた刺客の気配を察知していた。政宗とよく似ている不敵な笑顔を向ければ、刺客が動揺したのだろう、ガタ、と天井が音を立てた。成実はそれを見逃さない。忍ばせていた短刀を抜き出して、その方向へ投げた。段々、担当が刺さったところから赤い血が垂れてくる。そのうち、べきっと音を立て、屋根の一部が崩れた。黒脛巾の一人が落ちてきた。

「アンタさ、誰?俺に何したいの?」
「クッ…」

何も言おうとしない忍を、ニッコリと笑顔で見て、自身の腰に刺してある刀を抜いた。忍の首元に当てる。

「梵は優しいからこんな事しないでさっさと許しちゃうだろうけどさ」

唐突に真顔になり、冷たい目で見下ろした。


「俺は優しくねぇから、さっさと言わねぇと殺す」




→成実豹変事件。いいのかこれ

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.79 )
日時: 2012/07/31 14:15
名前: ナル姫 (ID: s6GrqIoq)

「ッ…!!」
「どうなんだよ?え?」

ペシペシと忍の首を刀で叩く。『死んでも口を割るな』が掟の忍だ。これ以上は無意味、そう判断した成実は、小さくgood-byeと呟き、首を落とした。

その瞬間。

「覚悟!!」
「っ!!」

廊下から、屋根裏から、床下から、縁側から、次々と出てきた忍達。全てをよけるのは到底不可能だ。正身はがむしゃらに刀を振りなんとか攻撃を防いだが…。

<ドッ>
「グッ…!」

クナイが一本、肩に刺さった。膝をついたのと同時に、一斉に襲いかかる。その時。

「月光!!」

廊下から聞こえた声と、一気に沢山の忍びを吹き飛ばした水色の雷。雷が消えると、随分前に見たような子供と、同僚の姿が見えた。

「成実!しっかりしろ!」
「ヨォ梵…何だその体…久しぶりに見た…な…」
「小十郎!」
「承知!」

小十郎は急いで医者を呼びに向かった。


___



「もう安心です。今は落ち着いて寝ていらっしゃいます」
「感謝する」

廊下の方で小十郎の声がする。政宗はずっと成実のそばにいた。そこに小十郎が入ってきた。政宗の小さな手が、ギュッと握り締められた。

「…間に合わなかった…な…少し」
「えぇ。しかし、命はここにあります故、心配はいりません」

そうだ。俺の従兄はたかがクナイの一本で死ぬようなタマじゃない。
その筈だろ。


___



「失敗しただと!?愚か者共め!」
「も、申し訳ございません義姫様!!」
「何卒御慈悲を…ッ」
「黙れ!!」
「母上、許してあげてください」
「小次郎…如何したのじゃ?」
「失敗の理由がつかめました」
「?」
「兄上たちが帰ってきたようです」
「!なんと…」
「もう少しで殺されそうだったところを、助けてもらったようです」
「っ…!おのれ…!おのれ伊達政宗…!!」

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.80 )
日時: 2012/08/04 11:16
名前: ナル姫 (ID: 1wSGUlCd)

寝息を立てる成実の前を、政宗は動かなかった。もちろん主がそんな事をしているのだから、小十郎だって動くわけにはいかない。傍迷惑な話だが、政宗が成実を大切に思っていることを考えれば、普通のことだ。

「…やっぱり」
「?政宗様?」
「……何でもない」

どうしたのだろうか。そう思い、何ですか、ともう一度訊いてみた。政宗は意外とあっさり、答えた。

「決着、着けねぇとな」

親兄弟との決別。もう、こんなことが起こったからには、仕方がない。

「小十郎、俺が餓鬼の頃使ってた刀、まだあるか?」
「はい」
「…お前のことだから心配要らねぇだろうが…手入れはしてあるな?」
「無論」
「なら上等だ」

政宗は鋭い隻眼を光らせる。可愛い顔付き。だが、この頃からこんなに鋭い目が出来るものなのか。…いや違うな。どちらかと言えば、この頃の面影が大人になっても残っていると言うべきか。

「あんな老人の医者を付けてても、安心はできねぇ。康安でも付けとけ」
「は」
「明日…戌の刻くらいに」
「…御意」

敵さえ、斬れなかった繊細な主だぞ。


それなのに




家族を、斬れるものなのか。

Re: ちびっこ城主 *戦国BASARA* ( No.81 )
日時: 2012/08/06 19:26
名前: ナル姫 (ID: MK64GlZa)

薄い雲が、空の上の月の明かりを透かして、不気味な色を造り出していた。風はない。木の葉の一枚も動きはしない。
部屋の中で弟を待つ政宗の心は意外にも落ち着いている。弟が来なければ、家臣が殺しにいくと決まっていた。
どちらを望むのかは、彼にもわからないが。
彼は包帯の上から右目に触れた。

(…やっぱり)

当時のままだ。切り取った筈の右目がここにある。

『戦いの際、その右目を捕まれたら如何なさるのです?』
『そッ…そんな事絶対ないようにする!』

頭の中で、昔の映像が流れた。
丁度、その時。

「お呼びですか兄上?」

音も立てず襖が開き、弟が現れた。嗚呼、相変わらず母上にそっくりだ。…取敢えず、何て言っておこうか。

「…驚いたか?」
「いえ…別に」
「…そうか」
「えぇ…それより、それは何の為にあるのでしょう?」

小次郎は表情を崩さずに政宗の横の刀を見た。政宗は答えずに刀をその手に持つ。

「…成実を殺そうとしたな」

下から睨むように小次郎を見た。小次郎は狼狽えずに、それが何か?と首を傾げる。

「遂に俺を当主から降ろすために、本格的にやり始めたみたいだな」

皮肉っぽい笑顔を小次郎に見せれば、小次郎は黙ったまま。


「僕も母上も兄上が嫌いですから」


「テメェッ!!」
「傷付いちゃいました?これは失礼」

政宗の隻眼が鋭く光る。小次郎は焦る様子もなく、溜息をついた。

「…と言うのが、母上が書いた筋書きです」
「は…?」
「そう言えと、言われたことです」
「…」
「僕は兄上を嫌ってない」
「…それを今言っちゃァ…不味いんじゃねぇの?」
「いいえ」

きっぱりと答える小次郎に、政宗は狼狽えた。何を考えているのか、まるで分からなかったのだ。

「このまま引いたら、僕は兄上の家臣に殺される。ここで戦っても、子供とはいえ、兄上を斬ることは僕にはできない」

淡々と語る小次郎を見上げて、政宗は段々、言いたいことが分かってきた。

「…嘘だろ」
「嘘?何がです?」
「…俺に、殺せって言うのかよ!?」
「元々殺す気で呼んだんでしょう?それとも…」

苦笑しながら、小次郎は政宗を見る。

「豊臣の時みたいに説得でもしようなんて思ったんですか?」
「違うッ!!」

政宗の高い声が部屋に響いた。

「…抵抗しないやつを…斬れって言うのかよ…」
「…兄上は甘いですよ。敵でもなんでも、すぐ許しちゃう。ああやって殺せばいいのに

父上を殺したときみたいに」
「あれはッ…仕方…なく…」

その筈。

「兄上は、僕に何もしてくれなかった。遊びを教えてもくれなかった。あんなに頼んだのに、兄上はいつも無視した」
「そ…れは…」
「だから最後に頼みますよ、僕をその手で殺してください。成実を暗殺しようとした時点で、僕は完全に兄上の敵…僕は兄上を裏切ったんです。口調からではきっと感じ取れないと思いますが、僕は罪悪感に苛まれてる。

…せめてもの償いです。殺してください」

「…ッ!!」


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