二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- {Fate}異端者は槍を構え運命を笑う{短篇集}
- 日時: 2016/01/13 09:18
- 名前: 明星陽炎 (ID: RGCZI60V)
初めましてないしはお久しぶりです!
この作品はFateシリーズの二次創作SS集です。Fate好き増えて下さい。
以下、この作品に登場するオリキャラ達。
無銘/異端者シリーズ/本作メインシリーズキャラ。
ななし(七紙新)/しにたがりのななしさん/無銘の派生キャラ。
リュムール(噂屋)/腐れ外道と厭世作家/腐れ外道な情報屋。
七紙時雨/人間未満と亡霊/鉄パイプ系微少女。
どのキャラもルーを入れ過ぎて溶け残った塊が浮いているカレー並に濃ゆいです。
>>83 「FGO風ステータステンプレート」 ご自由にお使いください
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- Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.20 )
- 日時: 2013/09/23 20:34
- 名前: 明星陽炎 (ID: hFzsSRAo)
「貴様は度しがたい程に醜悪だな」
悠然と足を組み、豪奢なソファに体をもたせかけながら——黄金の王は薄暗い部屋で少女を睨めつける。嗚呼、醜いと忌々しげに呟きながら。
「人間の象徴でありながら尚、我を殺し個を殺し信を殺し、機械であり続けようとするその道は醜悪としか言い表せん」
ゆったりとした語り口からは、その声音とは裏腹に煮えきった怒りが滲み、彼の纏う王気と共にびりびりと空気を震わせた。
「貴様のうちにある『別の貴様』の在り様はまだ見れた物であったが、貴様のそれは最早見るにも値しない。我の庭から早に失せよ——阿頼耶識の末端風情が」
そこまで彼の王が吐き捨てた所で、黙り続けていた銀の少女が口を開いた。
「私の『意思』に貴方の感情を酌む必要が何処に有ると言うのですか?——英雄王」
「その汚れた口を閉じよ…異端者風情がァ!」
ばぢり、と二つの殺気が空気を巻き込んで爆ぜ、空間は黄金と白銀の二つに割れた。
→真面目に格好いいギルガメッシュを書くとこうなる。この後戦い始めるんだけど下手をすると世界を壊滅させかねない上、決着つかずに共倒れするので書くのを諦めました。
- Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.21 )
- 日時: 2013/09/30 08:45
- 名前: 明星陽炎 (ID: tRamSAT8)
穏やかとは言い難いが普段は文字通りの無邪気にころころとよく笑う、その様は周囲に言わしめて小動物。たまに周囲を巻き込んで質の悪い悪戯こそすれ、基本的には他者を害することをそう好みはしない、そんな彼女が他者を本気で屠ろうとすると一体誰が想像できたろうか。
少なくともアーチャーには想像力出来なかった。
周囲の気温を下げるような冷たく鋭い殺気、正反対にジリジリと燻るような怒りの焔が黄金色の瞳から零れる。
「あまりふざけたことを抜かすなよ、愚か者」
低い声、ゆらりとその影が揺れたのは集中された魔力だろうか。小柄なはずのその銀色は何倍にも大きく見える。
同じ英霊の筈のアーチャーすら殺気に充てられて動けない…いや、そもそも存在が違い過ぎるのだ、彼女は謂わば人類そのものの象徴、末端も末端な掃除屋である自分とは違う…その存在の殺気を全て一身に受けている件の魔術師は所詮は人間だ。震え上がり、辛うじて意識を保っているその男の弱々しい呼吸音がひゅーひゅーと微かに響く。まだ意識を保っていられるのは恐らく彼女が加減をしているからだろう。優しいのではない、それほどまでに怒っているのだ。気絶すら赦さぬほどに。
「呆れたものだな、加減に加減を重ねてやったこの程度の殺気で震え上がり動けなくなりおって」
はっ、小さく吐き捨てて薄ら笑いを浮かべるその姿は普段アーチャーに叱られて縮こまる少女と同一人物とは到底思えない。けれど確かに、それが彼女である事は事実で。何故なら彼女の逆鱗を引き剥がす切欠となったのは他ならぬアーチャー本人なのだから。
「全く、片腹痛いな。まさかこの程度の能力しか持たぬ分際で!我等英霊を捕らえられるられると本気で思っていたのかね?余り笑えない冗談を言うなよ戯け者が」
容赦という言葉をまるごとかなぐり捨てて、異端者の名を持つ少女は静かにその怒りを燃やしていた。
「うっかり、捻り潰したくなるだろう?」
どうしてそうなったのかと問われれば最早言い訳のしようもなく、ただ純粋に己のせいであるとアーチャーは思う。そう、下らない平和…まるであの繰り返された四日間のように、まるで虎聖杯を巡ったあの訳の判らない日常のように、まるでお祭り騒ぎだったあの夢のように、そんなあり得なかった筈の平穏に呑まれて油断していたのだ。剣呑な戦いはもう其処にはなく、誰一人欠けることのないただの平穏…だがしかしそれを享受する事を看過するにはアーチャーを含むサーヴァント…英霊達は余りにも異質すぎた。
黙っていなかったのは魔術協会、それはそうだろう。聖杯という代物によって『世界を超えてきた』その存在は魔術師達が悲願とする『魔法の習得』…ひいては、『この世界の根源』への到達に限り無く近いものなのだから。
協会が再三、聖杯戦争に参加したマスター達にサーヴァント達の『引渡し』を求めていた事はアーチャーも知っていた。そして、それ等を全てマスター達が一蹴していたことも。
つまりは業を煮やしたのだろう。強行手段に出てきた魔術協会の魔術師に、アーチャーは敢えなく動きを封じられた。
幾ら人間を遥かに上回る身体能力を持つとはいえ、アーチャーはサーヴァント達の中でも能力は然程高くない。まして油断していた。
完全に魔力の供給を断たれ、動くことも儘ならない状況。助からない——アーチャーの頭が恐ろしいほどに冷静な諦めの判断を下そうとした、その瞬間の出来事だった。
「アーチャー!!」
絶叫、そして轟く爆音。霞む視界に揺れた銀色とその悲痛な声でどうにか状況を理解し、アーチャーは殆ど無意識のうちに巧く回らない口で彼女の名を呼んだ。
大丈夫、今助ける、そんなような台詞。口のなかに何かを押し込まれ、それを呑み込んだ所で一度アーチャーの意識は飛んでいる。
陽の傾き具合から見て、それから然程時間は経過していないらしい。アーチャーが目を醒ました時には既にこの状況だった。パスが回復している事から恐らくは何か霊薬のようなものを飲まされたのだろうと推測し、ぼんやりと天井を仰ぐ。古びた洋館に空けられた大きな風穴からは清々しいまでに青い空が見えた。ああ、もうじき秋だな…ぼんやりとそんなことを考えたのは現実逃避かもしれない。銀色を止めようにもアーチャーの体は本能から溢れる恐怖に抗えない。
「いい加減に何か言ったらどうだ虫けら」
縮み上がり声も上げられない魔術師に痺れを切らしたか、少女の掌で光を放ちながら一振りの刀が形成されて降り下ろされる。それは魔術師の首のすぐ横の壁に突き立てられ、魔術師が小さく「ひっ」と声を上げた。
「折角その矮小な心臓の鼓動を続けさせてやっているのだ、小童。その首を手折られる前に逃げ出したらどうかね?」
すう、と魔術師に顔を近づけてうっそりと微笑んだ銀色の異端者。整った顔が妖艶に笑う姿は余計に恐怖を煽り、魔術師は不様に這いずりながら後退さる。
「貴様らの上にでも伝えておけ。『我等に仇為すならばその矮小な魔術回路の全てをずたずたに切り裂いてやる』とな」
その言葉に必死に頷きながらばたばたと魔術師が立ち去った所でふ、と空気が軽くなる。
「久々に怒ったらお腹すきました、アーチャー、帰ってご飯にしましょう?」
ゆっくりとアーチャーの方を向いた銀色の少女はいつものように笑った。
- Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.22 )
- 日時: 2013/11/02 16:35
- 名前: 明星陽炎 (ID: wGslLelu)
これは、逆行から始まる物語。
誰も知らない記憶、異端者が異端者に至るための物語。
静かに微笑んでいた。目の前では一人前になった証として小さな首飾り型の礼装を受けとる弟の姿。これでもう、彼はこの家の当主。そうなれば両親にとって、彼のスペアにもなれず、かといって珍しすぎる起源と属性であるゆえに迂闊に胎盤にも出来ぬ私は本格的に厄介な荷物となる。
仮に使い道があったとして、珍しい魔術を使えることを周囲に自慢するための<お人形>か、或いはクロックタワーの上層部に高値で売るか。いずれにせよ其処に<私>は不要だ。
ならばせめて自由を求めて旅立とうか。生まれつき運は悪いが幸いにして今は生きている。
優しい弟は、私を守ると言ってはくれたが、そんな弟に甘えてもいられはしない。事実がどうであれ、この下らない魔術師達の世間では私は権力争いに負けたのだから。
弟が父に連れられ、父の工房へと向かう。恐らく其処で継承の儀が行われるのだろう。私は母に促されるままにその後ろを着いていく。
「貴方は珍しい属性と起源なの」
もう耳に蛸が出来るほど聞いた言葉。
「他者の踏み台になる能力」
誰かのために犠牲にならざるを得ない能力。
「そして思うがままに全てを造り出す能力」
魔術師達がどうしても欲しがる能力。
「だから考えたのよ」
母は振り返る。
「貴方を私達の息子の為に使ったら?そうしたらあの子は魔術師達への悲願へ、この世界の『根源』に辿り着ける」
その手には、刃。そしてそれは、真っ直ぐに私の心臓を、貫いて、いた。
「この刃はお父様特製の礼装よ。貴方の生命を吸わせることで貴方はあの子の礼装になれる」
共に根源に向かえるのよ。
そういって笑う。
「ありがとう。愛しているわ」
初めて言われたその言葉は、ただの死刑判決にしか聞こえなかった。
そして、暗転。
もう数えきれないほどやって来たこの昏い空間。ぼんやりと其処で佇んでいたら、それは囁いた。
——憎いか?
いいや。そんな落ちだろうと思ってはいた。
——主はどうする?また輪廻にたゆたい、他者の幸福の犠牲になるか?
…出来るならもう誰にも気にされずに消えたいなぁ。
——なれば、我が一部として、働いてはくれまいか?
あんたの一部?
——そうだ。主はもう十分に救った。だからもう輪廻から引き上げても、よいだろう。
…なんだかわからないけど、それでもいいかな。
——そうか。なれば来い。
【そして彼女は異端者に至る】
- Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.23 )
- 日時: 2013/11/12 18:07
- 名前: 明星陽炎 (ID: RnkmdEze)
『無銘は涙の代わりに宝石が零れる病気です。進行すると徐々に記憶を失っていきます』
金色の瞳がゆらゆらと揺れながら不思議そうに私を見つめていた。
少女の周囲にはきらきらと光る綺麗な宝石が溢れるほど散らばっている。
透明に輝くそれが、この刻の流れから取り残された砂漠でたった一人少女が流せなくなった涙の代わりに溢し続けていたものだと知ると、例えそれが最早私の知る少女と同じではないとしても……切なさは募る。
強い色を残しつつ、それでもやはり何処か不可思議に儚い雰囲気を持っていた銀色は、いまやその存在すら危ういような、いっそ消え入りそうな有り様で。嗚呼、自らを犠牲にして他者を救うのが彼女の概念であるにしたって、これは、あまりにも、酷い。
私が誰であるのか、どうして自分がここに存在するのか、いやいっそ自分がどんな存在であるかすら忘れてしまっているだろう空っぽの彼女の小さな体を抱き締めて。
「君を、救えなかった…!!」
「…?何故、泣いてるの?救えなかったって、なあに?」
もう泣けない少女の為に、泣いた。
【空っぽになった異端者】
→診断メーカー、『奇病にかかったー』にて。
もともと自己の記憶が希薄な無銘に記憶が消える症状が出るときいてつい。
- Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.24 )
- 日時: 2013/11/13 11:10
- 名前: 明星陽炎 (ID: SrUKMM4y)
ねたたたたた
基本アーチャーと絡む
・阿頼耶式は親馬鹿
アーチャー視点。人類の総合無意識は実は娘(無銘)にくっそ甘かったら面白いよねって。本人の知らないところでベタ甘な阿頼耶と気付かない無銘と板挟みなアーチャーでほのぼのを目指してみる。
・生まれ変わったら嘗ての友人と兄妹になっていた。な、なにを(ry
アーチャーが生まれ変わったら記憶のない無銘と実の兄妹になっていた。実は地味に上記の派生。親馬鹿お父さんからの休暇がわりな日常話…かと思いきや何故か四次聖杯戦争に巻き込まれたり。
・自殺志願ニート少女ととある大学生達
ニート少女=理恵=無銘。母親にころされた記憶が鮮烈&結局人類の守護者なんていう『犠牲』以外の何者でもない存在をやっていたことを思い出してるせいで何処までも鬱なニート少女と、彼女を取り巻くなにも覚えていないが彼女を放っておけない大学生達。
・あにきーあにきー
もしも無銘にとって甘える相手がアーチャーじゃなくてランサーだったら。マザコンからブラコンにジョブチェンジー☆
・▼おや ? フラグ の ようす が …
珍しく無銘に恋愛のフラグが立つ。
相手候補は槍二人、四次狂…?
・「まさに悪童」
金ぴかと無銘がひたすらイタズラし続ける話。
被害者ランサーの切実な呟き。
・全部壊してしまえば良いのですよ
—いっそ美しく、銀色は嗤った。
四次魔陣営無銘、通称殺人鬼さんの話。ただの一度も理解されず、誰一人として理解しようとしない殺人鬼にとっての世界。
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