二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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{Fate}異端者は槍を構え運命を笑う{短篇集}
日時: 2016/01/13 09:18
名前: 明星陽炎 (ID: RGCZI60V)

初めましてないしはお久しぶりです!
この作品はFateシリーズの二次創作SS集です。Fate好き増えて下さい。

以下、この作品に登場するオリキャラ達。


無銘ムメイ/異端者シリーズ/本作メインシリーズキャラ。
ななし(七紙新)/しにたがりのななしさん/無銘の派生キャラ。
リュムール(噂屋)/腐れ外道と厭世作家/腐れ外道な情報屋。
七紙時雨/人間未満と亡霊/鉄パイプ系微少女。


どのキャラもルーを入れ過ぎて溶け残った塊が浮いているカレー並に濃ゆいです。


>>83 「FGO風ステータステンプレート」 ご自由にお使いください

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Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.15 )
日時: 2013/06/29 08:59
名前: 明星陽炎 (ID: Uj9lR0Ik)

【それ】が自らの異変に気付くのにそう時間は必要なかった。
まず第一に、自らの視界の低さ。いつもよりも見える範囲が低い。
第二に、そこにあるはずのものがなく、ないはずのものがある。
第三…最大の異変は目の前。
「かっ、かーちゃん俺本当に俺に!…ってかーちゃんもかーちゃんになってるううう!?」
「君は落ち着かないか!!」
エミヤシロウ、【元】抑止の守護者。この世界で受肉を果たして早幾月になるが、修正力仕事しろと思ったことはこれが初めてである。

「……どうしてこう次から次に厄介なことが…」
思わず米神を抑え天を仰ぐと、視界に入った鏡に映る白い髪に褐色肌の女性にまた胃痛が振り返しそうになる。…よりによってどうして。
「性別逆転とかなんでさ」
吐き出した言葉が真理である。
自身の姿に溜め息を吐き出しながら正面を向けば目の前で自分の服に身を包み、正座をする青年。年齢は恐らく二十代半ばだろう、癖の強い銀髪から覗く快活そうだが鋭い眼光は、その瞳が死んでいることを抜きにしても見るものを惹き付ける。また顔の造形は一つ一つが整っており、全体的にも二枚目と言っても差し支えはないだろう。
「ごめんなさいかーちゃ…アーチャー」
尤も、今目の前で華麗な土下座さえしていなければの話だが。
「…君を責めている訳じゃない。頭を上げないかヘレシー」
かーちゃん怒ってない?と涙目で此方を見上げる仕草は酷く幼い。仲の良い相手にだけ見せる甘えようは如何せん好青年然とした外見に反してあまりにもアンバランスだが不自然に見えないのは性格が外面に押し出ているからもあるのだろう…無邪気で悪戯好きなその異端たる英霊…某ちゃんねるでは銀色の異端としてスレを賑わせる愉快犯は、今回ばかりは自身の幸運の低さゆえに巻き込まれた被害者である。
ことの起こりは安心と安定の暇人ニーt…もとい世界最古のジャイ●ンの暇潰しから始まっていた。
事もあろうかあのニート、自身の退屈しのぎの為だけに霊脈に秘薬を流したらしい。流石の愉快犯ヘレシーもいくらなんでもやり過ぎだと止めようとしたそうだが揉み合いの末に頭から秘薬を被り、且つ霊脈にしっかりそれを流してしまったようだ。この際どうして毎日のように教会に通っているのかは気にしないことにする。何故かは知らないがあの神父に異様になついている彼女…今は彼だが…の事だし、不思議と神父の方も可愛がっているようなので危害を加えられることはないのだろう。
さておき。
「…で、その元凶はどうした?」
「ギルははっ倒して亀甲縛りしといた」
きりっ、と携帯を片手にサムズアップする彼が眩しい。キャスター製の縄だから霊体化しても解けないよ☆とウィンクしてくるその姿から目を背けた自分は間違っていない。あわれ英雄王、異端と書いてチートと読むこの英霊(アラヤの端末)に喧嘩を売った事をこの後はずっと後悔することになるのだろう。だが同情はしない。

「…悲観しても仕方あるまい…キャスターに協力は要請したのだろう?」
「うん。奥様も戸惑ってたけど解除方法探してくれるって」
「ならば暫しの辛抱だな…やれやれ」
肩を竦め椅子に腰掛け直したアーチャーに正座から立ち上がった銀色が近寄っていく。
「ね、アーチャー」
心なしか瞳が輝いているような?
嫌な予感がアーチャーの背筋を駆け上がる。
「なにかね、ヘレシー」
「あのさ、あのさ!俺、やりたいことあるんだけど!」
「……………言ってみたまえ」
「ナンパしてみたい!」
そんなことだろうと思った、アーチャーは頭を抱える。まったく、この馬鹿は…!
「ねっ、ねっ!いってきていい?」
「駄目に決まっているだろうたわけ!!」
思わず声を荒げてから思う。
ああ…やんちゃ盛りの息子っていたらこんな感じなんだろうか。
尤も。アーチャーは本来は男で、ヘレシーは女。年齢もそう大差はない(筈)なのだが。

後日、某ちゃんねるの相談板に【同僚は】相談にのってくれ【ダメ息子】というスレが立ったとか立たなかったとか。

Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.16 )
日時: 2013/08/24 23:47
名前: 明星陽炎 (ID: KdWdIJEr)

上げますー

Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.17 )
日時: 2013/08/24 23:48
名前: 明星陽炎 (ID: KdWdIJEr)

ゆめみるさっかとせいぎのみかた

やあ、いらっしゃい。と彼女はいつも通りへらりと笑って見せた。
「いやぁ、君が来るならちょっとは片付けときゃよかったかなあ」
そう言って手にしたスマートフォンをひらひらと振り回す彼女の言葉に辺りを見回せば、やや薄暗いこの部屋は様々な書籍や絵画、人形やノート、紙——彼女の趣味の品なのか、時折模型などもあるようだ——が乱雑に広がっている。
「——確かに、住民の粗雑な性格が良く出た部屋だな」
「割とひでぇ…まあ事実なんですけどねー」
傷付いたー!と云う言葉の割にけらけらと笑う彼女に傷付いた様子は見られない。
やれやれ、と肩を竦める私に笑顔のままで目の前の女は「じゃあ、奥においで」と促す。

歩く。
薄暗い、何処までも続く白い部屋。
乱雑に積まれた様々なモノ。
良く目を凝らせば、見覚えのあるものもちらほらと見える気がする。例えばあれは、————の持つあの聖なる剣のレプリカだとか———?
「ああほら気を付けて、転ばないようにね」
その声にふと現実に引き戻される。
足元に佇む黄色くて大きな縫いぐるみはなるほど、蹴飛ばすよりも蹴躓くことの方が容易な程度の大きさで。それをそっと右に寄せてからもう一度辺りを見回したが、見つけたはずのナニカはもう何処にあるかも分からなくなってしまった。
仕方無い。そう思い直して少し遠くにある背中への距離を縮めることにした。

「世界はさぁ、優しくないよね」
「不条理だし、思うようにいくことなんかないし」
「嫌いな奴ほど世渡りうまくてさぁ」
「あ、あとついてない!これは本当にそう思う!」
「君だってそう思わない?」
「理想は届かないもの、夢は叶わないもの」
「皆不幸で、皆哀しまずにはいられなくて」
べらべらとまあ、よく喋るこの女の語り口は全て己へと向けられたものだ。顔も向けずに語られるそのなかには、正直素直に頷きたくはないものも多い。
だから黙りこくる私を理解していないのか、或いは知っていて敢えて続けているのかは分からないが、それでも彼女は饒舌に語る。
「けれどさぁ、やっぱり皆幸せになりたいでしょう?」
「だからさ、せめて」
「俺は優しい噺をしたいんだ」
くるり。
癖の強い髪がなびいて、ゆっくりと顔が向けられる。相変わらず眠たそうな、特徴のない顔にふわりと笑顔が乗せられる。
「例えば安っぽいハッピーエンドとか。例えば使い古されたトゥルーエンドとか」
「子供みたいと笑ってもいいけれど、そんな綺麗で優しいエンディングってのが好きだから」
静かにスマートフォンを持ち上げて、展開するのは彼女の<世界>(こゆうけっかい)。微笑みと温もりの、優しい色をした疑似空間。
「だから、正義の味方の君へ」
「君に優しい世界を送るよ」
「所詮自己満足だけど」
「君に笑顔を」
「君に温もりを」
「君に、しあわせを」
さあ、目を閉じて。優しい噺をしよう。
その言葉にあわせて、私は目を閉じた。

「やさしく」て「あたたかく」て「しあわせ」
そんな夢を貴方に届けたい

Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.18 )
日時: 2013/09/02 18:35
名前: 明星陽炎 (ID: 2PmCSfE.)

無銘の設定について

無銘(阿頼弥識)

聖杯戦争にイレギュラーとして召喚されたサーヴァント。真名はなく、自身では『無銘』と名乗っている。(ちなみに無銘とは何かしらの概念としての英霊に与えられる仮名であり、彼女の固有名詞には為り得ない)正確には性別はなく、どちらでもありどちらでもないのだが、普段は女性体を取っている事が多いので便宜上彼女と表記する。
人類の統合的総合無意識の概念であり、阿頼弥識の端末個体。阿頼弥識の意識が彼女の意思であり、また彼女の意識が阿頼弥識の意識にも影響を与え得る為、彼女の真名を『阿頼弥識』とする場合もあり、単純な霊格としては英霊は愚か神霊と同等。ただし神性はない。
天敵はギルガメッシュ、クー・フーリン、ヘラクレスなど、スキルに神性を持つ英霊。理由としては『人類の総合無意識』の端末であるゆえに、人智を超えた『神』という存在への畏怖を持っているため。ただし彼女自身の宝具そのものの相性としては優位に立てる。(特にギルガメッシュに対してはエミヤシロウと同様に宝具の射出とのタイムラグの関係で非常に有利)しかし仮に戦ったとして、負けることはなくとも勝つこともない。
彼女が普段取る事の多い女性体の外殻になったのは藤堂理恵という少女。所謂多重転生者であり、Fateシリーズが物語となっていた世界からFate世界へ転生、数回の転生を繰り返し、最後の生では藤堂理恵という魔術師として生きていた。ちなみに理恵には二つほど年の離れた弟がおり、理恵が実家の魔術と体質が合わなかったことから家督を譲られていた。関係はそこそこ良好であったらしい。
ちなみに無銘(藤堂理恵)の属性は『無』、起源は『創造』『贄』。創造という起源の名残が現在の無銘の宝具にも現れており、『創造されし想像』で自在に武具を生成できるのはこの起源があるため。また、もう一つの起源の『贄』だが、これは多重転生の始めの人生に起因し、付加されたもの。敬遠な宗教者であった僧が『我が身を犠牲に数多の他者に幸福を』願ったものが聞き入れられ、自身が不遇になる代わりに周囲の人間が客観的に見て『幸福』になるように運命が巡る。自身の運気を犠牲にするのでどのマスターに召喚されたとしても幸運値は上がらない上、長く他者と関わるほど下がる。
座は月のない夜空の下に広がる赤い砂漠。『何もない』と本人が述べる通りひたすら砂漠が続くだけで風ひとつ吹かない。彼女の宝具である【固有結界:総合無意識】で再現される空間はこの座がモデルとなっている。ちなみに砂漠の砂の一つ一つが世界の原初から現在に至るまでの人間の命を示しているらしい。また、阿頼弥識の端末ということからこの座は阿頼弥識に属する英雄…カウンターガーディアンのそれぞれの座に繋がっており、無銘側からは行き来が自由。
端的に言えば多重人格者であり、その人格の数は本人ですら把握しきれていない。人類の象徴であるがゆえに、人間の数だけその人格は存在し、主人格と呼ばれるものは現在のところないと本人は語っている。(しかし各人格を統括する人格と、主として表に出る人格はある)
主として表に出る人格はコミュニケーション能力に長け、無邪気な性格で他人を巻き込むトラブルメイカー。全であることより個である事を前提とし、確立した自我と自己規律のもとに行動する。また、様々な英雄達と交流があり、彼等の技や術、宝具等をコピーして使用してくる。
対して統括人格は閉鎖的で卑屈な皮肉屋。他者を『友』(わたし)と称し、個としての自我を否定し全として阿頼弥識の規律に従い行動する。定められた運命をその通りに進ませる(たとえそれがBadendであるとしても)ことが優先であるため、ある意味では究極のラスボスとも言える。(こと、エミヤシロウにとっては衛宮士郎が守護者になる運命を彼女に決定付けられているために、自身の存在を消すことが出来ないので最大の敵である)
ちなみにどの人格も『自分自身が阿頼弥識の端末であるということ』を諦めており、自らの過去を変えるべく奮闘するエミヤの事を『愛しい愚者』としてどのような形であれ好ましく思っている。

Re: 異端者は槍を構え運命を笑う ( No.19 )
日時: 2013/09/15 15:44
名前: 明星陽炎 (ID: w/AVokpv)

Bad Apple!!替え歌

壊れてく心の中でも
切なさがほらぐるぐる廻って
誰かから零れる叫びも
聞こえない そう 知らない
自分から 変わることもせず
時の狭間にくすぶり続けて
知らないわ 世界のことなど
「私は阿頼耶織ワタシ それだけ」

夢見てる? 何も見てない?
語る意味無き 個人の言葉
足掻くのなんて 疲れるだけさ
何も感じず 壊せばいいの
戸惑う心 振り払うだけ
自分の中に 踏み込まないで
もし私から 動くのならば
全て変えるのなら 黒にする

「こんな自分に 明日は来るの?」
「こんな世界で 異端でいるの?」
「今切ないの?」「今悲しいの?」
「自分のことも解らないまま?」
歩むことすら 諦めてるの
誰かになんて 為れもしないわ
「こんな私も変われるのなら」
「もし変われるのなら」 白になる


壊れてく心の中でも
切なさがほらぐるぐる廻って
誰かから零れた叫びに
振り返る そう 聞こえる
自分から 変わることもせず
時の狭間で膝を抱えてる
知りたいわ 世界のことなら
「私は個人ワタシ それだけ」

夢見てる? 何も見てない?
語る言葉に 意味はいらない
足掻き続けて 疲れ果てても
何も感じず 壊すよりいい
戸惑う心 与えられてる
自分の中へ 受け入れるだけ
もし私から 動くのならば
全て変えるのなら 白になれ

「無駄な時間に 意味などあるの?」
「こんな所に 私がいるの?」
「私のことを」「言いたいならば」
「言葉にするのなら 『人殺し』」
こんなところに 私はいるの?
こんな時間も 私でいたの?
「こんな私が変えるのならば」
「もし変えられるのなら」 黒になれ


夢見てる? 何も見てない?
語る意味無き 個人の言葉
足掻くのなんて 疲れるだけさ
何も感じず 壊せばいいの

戸惑う心 与えられてる
自分の中へ 受け入れるだけ
もし私から 動くのならば
全て変えるのなら 白になれ

動くのならば 動くのならば
すべて壊すわ すべて救うわ
悲しむならば 足掻くのならば
私の心 白く変われる?
貴方のことも 私のことも 世界のことも
まだ知らないの
重い瞼を 開けたのならば
すべて抱くのなら 人になれ


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