二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 作者とオリキャラとカオスな仲間たちの日常【リメイク】
- 日時: 2019/08/01 08:44
- 名前: 葉月 (ID: 9Urj1l4Z)
- 参照: 古いものはこちらに移動します
みなさんどうも葉月です。日常ですけど、古いヤツは打ち切りにして、新たに作り直します。今まで応募した人はこのまま続投しますが、実況とか、完結したものとかもこちらに移します。移す作業は大変ですが、今まで更新したものを移動させますのでよろしくです。
未完のまま更新停止してるものは、途中まで完成してるものをこちらに移して、新たに書きますね。
無論、新しく思いついたネタも書きますのでよろしくお願いします。
また、日常における長編も後日投稿しますのでよろしくです。
【もく〜じ(°∀°)】
目次1 >>
【実況シリーズ】
「単発・中編」
赤ずきんDS(完結) >>1-4
三分間(完結) >>47-50
「長編」
「でっていうストーリー」
part1 >>16-17
part2 >>26-27
「オンドゥルカービィ」
はるかぜ編(完結) >>28-32
ダイナブレイド編 >>55(更新中)
グルメレース編 >>
洞窟大作戦編 >>
メタナイトの逆襲編 >>
銀河に願いを編 >>
格闘王への道 >>
大王の逆襲編 >>
ヘルパーマスターへの道編 >>
メタナイトでGO!編 >>
真・格闘王への道編 >>
「魔女の家」
part1 >>5-9、>>11、>>13
part2 >>18-25
part3 >>159-167
「いちろ少年忌憚」
part1 >>184-187(更新中)
【演じてみた】
スマブラX「亜空の使者」
part1 >>33-34
part2 >>192-193
part3 >>196-197
part4 >>198-199
part5 >>200
part6 >>201
part7 >>202
part8 >>203
part9 >>204
スマブラFor「ForのPV」
ロックマン編 >>205
ロゼッタ&チコ編 >>206
リザードン&ゲッコウガ編 >>207
【TRPGシリーズ】
「ダブルクロス編」
説明 >>74-80
キャラ紹介 >>81-85
「ネクロニカ編」
組み分けと説明とドール作成 >>86-94
@キャラクター紹介@
桃組 >>95-97
赤組 >>98-100
黄色組 >>101-102、>>104
【短編】
「ミリしらシリーズ」
第一回「初音ミク編」 >>149-154
「ゆっくり達の絶対に検索してはいけない言葉」
その1 >>174-175
その2 >>176-179
その3 >>190-191
「没ネタ・NG集」
「モジモジくんシリーズ」
パート1 >>210-215
【中編】
「ドッキリ」
・殺し合え、狂気の果てまで ・
設定 >>35
本編(シリアス) >>36-39
裏側(カオス) >>40-46
「お願いだからここから出してちょんまげwww」※2ちゃんネタ
コテハン >>194
本編 >>188-189
「ループもの」
『繰り返す悲劇』
はじめに >>155
設定 >>156
配役&登場人物紹介 >>157
「料理対決シリーズ」※戦慄とか恐怖とかで察してください
戦慄! 恐怖のクッキングバトル
>>290-292
>>294-299
>>300-305
恐怖再び! 戦慄のクッキングバトル >>
悪夢三度!? 恐怖のクッキングバトル >>
もはや地獄!? 四度目のクッキングバトル >>
ゲストも出るよ! 五度目のクッキングバトル >>
ゲストもいるよ! 六回目のクッキングバトル! >>
ゲテモノ大集結!? 七度目のクッキングバトル! >>
裏も修羅場な七回目のクッキングバトル >>
スマブラファイターズだけのクッキングバトル! >>
料理対決プロトタイプ >>
ポップンキャラ達の料理対決 >>
刀剣男士の男の料理 >>
艦娘の料理対決 >>
眠れる王子が料理対決をするようです。 >>
やる夫が料理対決をするようです。 >>
「着ぐるみ大運動会シリーズ」
*第一回*
*第二回*
*第三回*
【長編】
「君と繋ぐ運命」
・共通・
設定 >>68-69
語り継ぐ物 >>70 NGシーン >>71
プロローグ >>72
・木実編・
動き出す脅威 >>169-172 NGシーン >>173
・純編・
・早希&椎奈編・
「希望の光と絶望の闇」
「逃走中をやるのだよ」
設定 >>56
予告編 >>57
本編1 >>58-63
2 >>64-67
「断章のグリムパロ」※Rー15G
『悪夢の断章 ーおとぎの鎮魂歌ー』
『設定集』
はじめに&用語集 >>16(用語集は全国共通ウサ)
童話一覧 >>107(童話も全国共通ウサ)
登場作品一覧 >>108
『本編』
【灰かぶり編】
プロローグ的な何か >>120-124
『ポップン×ぷよぷよの断章』
『はじめに・登場人物』
登場人物紹介 >>113
『本編』
【赤ずきん編】
プロローグ >>118-119
『やる夫が断章のグリムをやるようです』
『はじめに・登場人物』
登場人物紹介 >>115
『本編』
【赤ずきん編】
プロローグ >>116-117
『スマブラで断章のグリムパロ(仮)』
『はじめに・登場人物』
登場人物紹介 >>114
『本編』
【白雪姫編】
プロローグ >>125-132
『作者達の断章』
『本編』
【眠り姫編】
プロローグ >>133-134
「戦うお正月シリーズ」
1 >>139-146
【小ネタ】
「作者オンリーのお話」
その1 >>51、>>73
その2 >>112、>>195
「室ちんチャレンジシリーズ」
メントスコーラ編 >>109
「LINEネタ」
スマブラのアフレコについて >>208-209
お花見しようず! >>110-111
ある日の日常 >>
「没ネタ・NG集」
「もちもち刀剣男士」
もちんばともちちか >>226
膝丸ともちちか >>227
「リョータくんとショーゴくん」
【TX作・作者と愉快な仲間たち!番外編】
*募集*
逃走中シリーズ >>147
バトロワ >>148
作者メイン >>168
タグ:多重クロスオーバー、オリキャラ、無双シリーズ、戦国BASARA、リリカルなのは、スマブラ、ひぐらし、ダンガンロンパ、千メモ、FF、王国心、ポップン、黒子のバスケ、版権
ギャグ、カオス、シリアス、キャラ崩壊・オリジナル設定あり
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- 断章のグリムパロ ( No.128 )
- 日時: 2016/06/03 19:46
- 名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)
それからまもなく、日がくれて、七人の小人こびとたちが、家にかえってきましたが、かわいがっていた白雪姫が、地べたの上にたおれているのを見たときには、小人たちのおどろきようといったらありませんでした。白雪姫は、まるで死人のように、息もしなければ、動きもしませんでした。みんなで白雪姫を地べたから高いところにつれていきました。そして、のどのところが、かたくしめつけられているのを見て、小人たちは、しめひもを二つに切ってしまいました。すると、すこし息をしはじめて、だんだん元気づいてきました。小人たちは、どんなことがあったのかをききますと、姫はきょうあった、いっさいのことを話しました。
「その小間物売の女こそ、鬼のような女王にちがいない。よく気をつけなさいよ。わたしたちがそばにいないときには、どんな人だって、家にいれないようにするんですよ。」と。
わるい女王の方では、家にかえってくると、すぐ鏡の前にいって、たずねました。
「鏡や、鏡、壁かべにかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
すると、鏡は、正直にまえとおなじに答えました。
「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
けれども、いくつも山こした、
七人の小人こびとの家にいる白雪姫は、
まだ千ばいもうつくしい。」
と、このことを女王さまがきいたときには、からだじゅうの血ちがいっぺんに、胸によってきたかと思うくらいおどろいてしまいました。白雪姫が、また生きかえったということを知ったからです。
「だが、こんどこそは、おまえを、ほんとうにころしてしまうようなことを工夫くふうしてやるぞ。」そういって、じぶんの知っている魔法まほうをつかって、一つの毒どくをぬった櫛くしをこしらえました。それから、女王さまは、みなりをかえ、まえとはべつなおばあさんのすがたになって、七つの山をこえ、七人の小人のところにいって、トントンと戸をたたいて、いいました。
「よい品物しなものがありますが、お買いになりませんか。」
白雪姫は、中からちょっと顔をだして、
「さあ、あっちにいってちょうだい。だれも、ここにいれないことになっているんですから。」
「でも、見るだけなら、かまわないでしょう。」
おばあさんはそういって、毒のついている櫛くしを、箱はこから取りだし、手のひらにのせて高くさしあげてみせました。ところが、その櫛がばかに、白雪姫のお気にいりましたので、その方に気をとられて、思わず戸をあけてしまいました。そして、櫛を買うことがきまったときに、おばあさんは、
「では、わたしが、ひとつ、いいぐあいに髪かみをといてあげましょう。」といいました。
かわいそうな白雪姫は、なんの気なしに、おばあさんのいうとおりにさせました。ところが、櫛くしの歯はが髪の毛のあいだにはいるかはいらないうちに、おそろしい毒が、姫の頭にしみこんだものですから、姫はそのばで気をうしなってたおれてしまいました。
「いくら、おまえがきれいでも、こんどこそおしまいだろう。」と、心のまがった女は、きみのわるい笑いを浮かべながら、そこをでていってしまいました。
けれども、ちょうどいいぐあいに、すぐゆうがたになって、七人の小人こびとがかえってきました。そして、白雪姫が、また死んだようになって、地べたにたおれているのを見て、すぐまま母のしわざと気づきました。それで、ほうぼう姫のからだをしらべてみますと、毒どくの櫛くしが見つかりましたので、それをひきぬきますと、すぐに姫は息をふきかえしました。そして、きょうのことを、すっかり小人たちに話しました。小人たちは、白雪姫にむかってもういちど、よく用心して、けっしてだれがきても、戸をあけてはいけないと、ちゅういしました。
心のねじけた女王さまは、家にかえって、鏡かがみの前に立っていいました。
「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
すると、鏡は、まえとおなじようにに答えました。
「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
けれども、いくつも山こした、
七人の小人の家にいる白雪姫は、
まだ千ばいもうつくしい。」
女王さまは、鏡が、こういったのをきいたとき、あまりの腹だちに、からだじゅうをブルブルとふるわしてくやしがりました。
「白雪姫のやつ、どうしたって、ころさないではおくものか。たとえ、わたしの命がなくなっても、そうしてやるのだ。」と、大きな声でいいました。それからすぐ、女王さまは、まだだれもはいったことのない、はなれたひみつのへやにいって、そこで、毒の上に毒をぬった一つのリンゴをこさえました。そのリンゴは、見かけはいかにもうつくしくて、白いところに赤みをもっていて、一目見ると、だれでもかじりつきたくなるようにしてありました。けれども、その一きれでもたべようものなら、それこそ、たちどころに死んでしまうという、おそろしいリンゴでした。
切ります。
- 断章のグリムパロ ( No.129 )
- 日時: 2016/06/03 19:51
- 名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)
さて、リンゴが、すっかりできあがりますと、顔を黒くぬって、百姓しのおかみさんのふうをして、七つの山をこして、七人の小人の家へいきました。そして、戸をトントンとたたきますと、白雪姫が、窓から頭をだして、
「七人の小人が、いけないといいましたから、わたしは、だれも中にいれるわけにはいきません。」といいました。
「いいえ、はいらなくてもいいんですよ。わたしはね、いまリンゴをすててしまおうかと思っているところなので、おまえさんにも、ひとつあげようかと思ってね。」と、百姓の女はいいました。
「いいえ、わたしはどんなものでも、人からもらってはいけないのよ。」と、白雪姫はことわりました。
「おまえさんは、毒でもはいっていると思いなさるのかね。まあ、ごらんなさい。このとおり、二つに切って、半分はわたしがたべましょう。よくうれた赤い方を、おまえさんおあがりなさい。」といいました。
そのリンゴは、たいへんじょうずに、こしらえてありまして、赤い方のがわだけに、毒がはいっていました。白雪姫は、百姓のおかみさんが、さもうまそうにたべているのを見ますと、そのきれいなリンゴがほしくてたまらなくなりました。それで、ついなんの気なしに手をだして、毒のはいっている方の半分を受けとってしまいました。けれども、一かじり口にいれるかいれないうちに、バッタリとたおれ、そのまま息がたえてしまいました。すると、女王さまは、そのようすをおそろしい目つきでながめて、さもうれしそうに、大きな声で笑いながら、
「雪のように白く、血のように赤く、こくたんのように黒いやつ、こんどこそは、小人こびとたちだって、助けることはできまい。」といいました。そして、大いそぎで家にかえりますと、まず鏡のところにかけつけてたずねました。
「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
すると、とうとう鏡が答えました。
「女王さま、お国でいちばん、あなたがうつくしい。」
これで、女王さまの、ねたみぶかい心も、やっとしずめることができて、ほんとうにおちついた気もちになりました。
ゆうがたになって、小人たちは、家にかえってきましたが、さあたいへん、こんども、また白雪姫が、地べたにころがって、たおれているではありませんか。びっくりして、かけよってみれば、もう姫の口からは息一つすらしていません。かわいそうに死んで、もうひえきってしまっているのでした。小人たちは、お姫さまを、高いところにはこんでいって、なにか毒になるものはありはしないかと、さがしてみたり、ひもをといたり、髪の毛をすいたり、水や、お酒で、よくあらってみたりしましたが、なんの役にもたちませんでした。みんなでかわいがっていたこどもは、こうしてほんとうに死んでしまって、ふたたび生きかえりませんでした。
小人たちは、白雪姫のからだを、一つの棺かんの上にのせました。そして、七人の者が、のこらずそのまわりにすわって、三日三晩泣きくらしました。それから、姫をうずめようと思いましたが、なにしろ姫はまだ生きていたそのままで、いきいきと顔色も赤く、かわいらしく、きれいなものですから、小人たちは、
「まあ見ろよ。これを、あのまっ黒い土の中に、うめることなんかできるものか。」そういって、外から中が見られるガラスの棺かんをつくり、その中に姫のからだをねかせ、その上に金文字で白雪姫という名を書き、王さまのお姫さまであるということも、書きそえておきました。それから、みんなで、棺を山の上にはこびあげ、七人のうちのひとりが、いつでも、そのそばにいて番をすることになりました。すると、鳥や、けだものまでが、そこにやってきて、白雪姫のことを泣きかなしむのでした。いちばんはじめにきたのは、フクロウで、そのつぎがカラス、いちばんおしまいにハトがきました。
切ります。
- 断章のグリムパロ ( No.130 )
- 日時: 2016/06/03 19:55
- 名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)
さて、白雪姫は、ながいながいあいだ棺の中によこになっていましたが、そのからだは、すこしもかわらず、まるで眠っているようにしか見えませんでした。お姫さまは、まだ雪のように白く、血のように赤く、こくたんのように黒い髪かみの毛をしていました。
すると、そのうち、ある日のこと、ひとりの王子が、森の中にまよいこんで、七人の小人の家にきて、一晩とまりました。王子は、ふと山の上にきて、ガラスの棺に目をとめました。近よってのぞきますと、じつにうつくしいうつくしい少女のからだがはいっています。しばらくわれをわすれて見とれていました王子は、棺の上に金文字で書いてあることばをよみ、すぐ小人たちに、
「この棺かんを、わたしにゆずってくれませんか。そのかわりわたしは、なんでも、おまえさんたちのほしいと思うものをやるから。」といわれました。けれども、小人たちは、
「たとえわたしたちは、世界じゅうのお金を、みんないただいても、こればかりはさしあげられません。」とお答えしました。
「そうだ、これにかわるお礼なんぞあるもんじゃあない。だがわたしは、白雪姫を見ないでは、もう生きていられない。お礼なぞしないから、ただください。わたしの生きているあいだは、白雪姫をうやまい、きっとそまつにはしないから。」王子はおりいっておたのみになりました。
王子が、こんなにまでおっしゃるので、気だてのよい小人たちは、王子の心もちを、気のどくに思って、その棺をさしあげることにしました。王子は、それを、家来たちにめいじて、肩かたにかついではこばせました。ところが、まもなく、家来のひとりが、一本の木につまずきました。で、棺がゆれたひょうしに、白雪姫がかみ切った毒のリンゴの一きれが、のどからとびだしたものです。すると、まもなく、お姫さまは目をパッチリ見ひらいて、棺かんのふたをもちあげて、起きあがってきました。そして元気づいて、
「おやまあ、わたしは、どこにいるんでしょう。」といいました。それをきいた王子のよろこびはたとえようもありませんでした。
「わたしのそばにいるんですよ。」といって、いままであったことをお話しになって、そのあとから、
「わたしは、あなたが世界じゅうのなにものよりもかわいいのです。さあ、わたしのおとうさんのお城へいっしょにいきましょう。そしてあなたは、わたしのお嫁さんになってください。」といわれました。
そこで、白雪姫もしょうちして、王子といっしょにお城にいきました。そして、ふたりのごこんれいは、できるだけりっぱに、さかんにいわわれることになりました。
短いけど切ります。
- 断章のグリムパロ ( No.131 )
- 日時: 2016/06/03 20:04
- 名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)
けれども、このおいわいの式しきには、白雪姫のまま母である女王さまもまねかれることになりました。女王さまは、わかい花嫁が白雪姫だとは知りませんでした。女王さまはうつくしい着物をきてしまったときに、鏡かがみの前にいって、たずねました。
「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
鏡は答えていいました。
「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
けれども、わかい女王さまは、千ばいもうつくしい。」
これをきいたわるい女王さまは、腹をたてまいことか、のろいのことばをつぎつぎにあびせかけました。そして、気になって気になって、どうしてよいか、わからないくらいでした。女王さまは、はじめのうちは、もうごこんれいの式にはいくのをやめようかと思いましたけれども、それでも、じぶんででかけていって、そのわかい女王さまを見ないでは、とても、安心できませんでした。女王さまは、まねかれたご殿にはいりました。そして、ふと見れば、わかい女王になる人とは白雪姫ではありませんか。女王はおそろしさで、そこに立ちすくんだまま動くことができなくなりました。
けれども、そのときは、もう人々がまえから石炭の火の上に、鉄でつくったうわぐつをのせておきましたのが、まっ赤にやけてきましたので、それを火ばしでへやの中に持ってきて、わるい女王さまの前におきました。そして、むりやり女王さまに、そのまっ赤にやけたくつをはかせて、たおれて死ぬまでおどらせました。
- 断章のグリムパロ ( No.132 )
- 日時: 2016/06/03 20:07
- 名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)
僕たち人間とこの世界は、〈神の悪夢〉によって常に脅かされている。
神は実在する。全ての人間の意識の遥か奥、集合無意識の海の深みに、神は確かに存在している。
この概念上『神』と呼ばれるものに最も近い絶対存在は、僕ら人間の意識の遥か奥底で有史以来ずっと眠り続けている。眠っているから僕たち人間には全くの無関心で、それゆえ無慈悲で公平だ。
あるとき、神は悪夢を見た。
神は全知なので、この世に存在するありとあらゆる恐怖を一度に夢に見てしまった。
そして神は全能なので、眠りの邪魔になる、この人間の小さな意識では見ることすらできないほどの巨大な悪夢を、切り離して捨ててしまった。捨てられた悪夢は集合無意識の海の底から泡となって、いくつもの小さな泡に分かれながら、上へ上へと浮かび上がっていった。
上へ————僕たちの、意識へ向かって。
僕らの意識へと浮かび上がった〈悪夢の泡〉は、その『全知』と称される普遍性ゆえに僕らの意識に溶け出して、個人の抱える固有の恐怖と混じりあう。
そしてその〈悪夢の泡〉が僕らの意識よりも大きかった時、悪夢は器をあふれて現実へと漏れ出すのだ。
かくして神の悪夢と混じりあった僕らの悪夢は、現実のモノとなる。
————————甲田学人「断章のグリム」シリーズより引用
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