二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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作者とオリキャラとカオスな仲間たちの日常【リメイク】
日時: 2019/08/01 08:44
名前: 葉月 (ID: 9Urj1l4Z)
参照: 古いものはこちらに移動します

みなさんどうも葉月です。日常ですけど、古いヤツは打ち切りにして、新たに作り直します。今まで応募した人はこのまま続投しますが、実況とか、完結したものとかもこちらに移します。移す作業は大変ですが、今まで更新したものを移動させますのでよろしくです。
未完のまま更新停止してるものは、途中まで完成してるものをこちらに移して、新たに書きますね。
無論、新しく思いついたネタも書きますのでよろしくお願いします。

また、日常における長編も後日投稿しますのでよろしくです。

【もく〜じ(°∀°)】

目次1 >>

【実況シリーズ】

「単発・中編」

赤ずきんDS(完結) >>1-4

三分間(完結) >>47-50


「長編」

「でっていうストーリー」

part1 >>16-17

part2 >>26-27

「オンドゥルカービィ」

はるかぜ編(完結) >>28-32

ダイナブレイド編 >>55(更新中)

グルメレース編 >>

洞窟大作戦編 >>

メタナイトの逆襲編 >>

銀河に願いを編 >>

格闘王への道 >>

大王の逆襲編 >>

ヘルパーマスターへの道編 >>

メタナイトでGO!編 >>

真・格闘王への道編 >>

「魔女の家」

part1 >>5-9>>11>>13

part2 >>18-25

part3 >>159-167

「いちろ少年忌憚」

part1 >>184-187(更新中)

【演じてみた】

スマブラX「亜空の使者」

part1 >>33-34

part2 >>192-193

part3 >>196-197

part4 >>198-199

part5 >>200

part6 >>201

part7 >>202

part8 >>203

part9 >>204



スマブラFor「ForのPV」

ロックマン編 >>205

ロゼッタ&チコ編 >>206

リザードン&ゲッコウガ編 >>207


【TRPGシリーズ】

「ダブルクロス編」

説明 >>74-80

キャラ紹介 >>81-85




「ネクロニカ編」

組み分けと説明とドール作成 >>86-94

@キャラクター紹介@

桃組 >>95-97

赤組 >>98-100

黄色組 >>101-102>>104


【短編】

「ミリしらシリーズ」

第一回「初音ミク編」 >>149-154

「ゆっくり達の絶対に検索してはいけない言葉」

その1 >>174-175

その2 >>176-179

その3 >>190-191


「没ネタ・NG集」

「モジモジくんシリーズ」

パート1 >>210-215



【中編】

「ドッキリ」

・殺し合え、狂気の果てまで ・

設定 >>35

本編(シリアス) >>36-39

裏側(カオス) >>40-46


「お願いだからここから出してちょんまげwww」※2ちゃんネタ

コテハン >>194

本編 >>188-189

「ループもの」

『繰り返す悲劇』

はじめに >>155

設定 >>156

配役&登場人物紹介 >>157

「料理対決シリーズ」※戦慄とか恐怖とかで察してください

戦慄! 恐怖のクッキングバトル

>>290-292

>>294-299

>>300-305


恐怖再び! 戦慄のクッキングバトル >>

悪夢三度!? 恐怖のクッキングバトル >>

もはや地獄!? 四度目のクッキングバトル >>

ゲストも出るよ! 五度目のクッキングバトル >>

ゲストもいるよ! 六回目のクッキングバトル! >>

ゲテモノ大集結!? 七度目のクッキングバトル! >>

裏も修羅場な七回目のクッキングバトル >>

スマブラファイターズだけのクッキングバトル! >>

料理対決プロトタイプ >>

ポップンキャラ達の料理対決 >>

刀剣男士の男の料理 >>

艦娘の料理対決 >>

眠れる王子が料理対決をするようです。 >>

やる夫が料理対決をするようです。 >>



「着ぐるみ大運動会シリーズ」

*第一回*

*第二回*

*第三回*

【長編】

「君と繋ぐ運命」

・共通・

設定 >>68-69

語り継ぐ物 >>70 NGシーン >>71

プロローグ >>72

・木実編・

動き出す脅威 >>169-172 NGシーン >>173


・純編・

・早希&椎奈編・


「希望の光と絶望の闇」

「逃走中をやるのだよ」

設定 >>56

予告編 >>57

本編1 >>58-63

>>64-67

「断章のグリムパロ」※Rー15G

『悪夢の断章 ーおとぎの鎮魂歌ー』


『設定集』

はじめに&用語集 >>16(用語集は全国共通ウサ)

童話一覧 >>107(童話も全国共通ウサ)

登場作品一覧 >>108


『本編』

【灰かぶり編】

プロローグ的な何か >>120-124


『ポップン×ぷよぷよの断章』

『はじめに・登場人物』

登場人物紹介 >>113



『本編』

【赤ずきん編】

プロローグ >>118-119



『やる夫が断章のグリムをやるようです』

『はじめに・登場人物』

登場人物紹介 >>115


『本編』

【赤ずきん編】

プロローグ >>116-117


『スマブラで断章のグリムパロ(仮)』

『はじめに・登場人物』

登場人物紹介 >>114



『本編』

【白雪姫編】

プロローグ >>125-132




『作者達の断章』

『本編』

【眠り姫編】

プロローグ >>133-134



「戦うお正月シリーズ」

>>139-146


【小ネタ】

「作者オンリーのお話」

その1 >>51>>73

その2 >>112>>195


「室ちんチャレンジシリーズ」

メントスコーラ編 >>109

「LINEネタ」

スマブラのアフレコについて >>208-209

お花見しようず! >>110-111

ある日の日常 >>


「没ネタ・NG集」

「もちもち刀剣男士」

もちんばともちちか >>226

膝丸ともちちか >>227


「リョータくんとショーゴくん」




【TX作・作者と愉快な仲間たち!番外編】





*募集*

逃走中シリーズ >>147

バトロワ >>148

作者メイン >>168


タグ:多重クロスオーバー、オリキャラ、無双シリーズ、戦国BASARA、リリカルなのは、スマブラ、ひぐらし、ダンガンロンパ、千メモ、FF、王国心、ポップン、黒子のバスケ、版権
ギャグ、カオス、シリアス、キャラ崩壊・オリジナル設定あり

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断章のグリムパロ ( No.123 )
日時: 2016/06/03 19:36
名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)

 あれこれやったけどうまくいかなかった、けれどこの靴が花嫁探しの手助けをしてくれるだろう、と王子は考えました。そして、この金の靴の合う者を妻にする、というおふれを出しました。

 けれども、誰が履いてもその靴はあまりに小さすぎました。

 とうとうふたりの姉さんたちにも靴をためす順番がやってきました。ふたりは喜びました。なぜならふたりは小さな美しい足をしていたので、きっとうまくいく、と思っていたのです。

「お聞き」お母さんがこっそり言いました。「ここにナイフがあるから、もし靴がどうしてもきつかったら、足を少し切り落とすんだよ。少しは痛いだろうけど、そんなこと構うもんか。じきに良くなるさ。そうすれば、お前達どちらかが女王様になるんだし、女王様になったら足で歩くこともないからね!」

 そこで上の姉さんが自分の部屋へ行き、ためしに靴を履いてみました。爪先は入るのですが、かかとが大きすぎました。そこで姉さんはナイフを取り、かかとを少し切り落とし、そうして無理やり足を靴の中に押し込みました。そうやって上の姉さんは王子の前に出ました。

 姉さんの足が靴に納まっているのを見ると、王子は、この人が私の花嫁だと言って、馬車へ連れて行き、一緒にお城へ向いました。ところが馬車がお城の門のところに来ると、門の上に鳩達が止まっていて、言いました。

ククルッ、ククルッ、ちょっと後ろを見てごらん

靴の中は血だらけだ

靴が小さすぎるもの

本当の花嫁はまだ家の中!

 王子はかがんで、靴を見ました。すると、血が噴き出していました。

 王子は騙されたことに気付き、偽の花嫁を家に帰しました。けれども、お母さんは二番目の娘に言いました。

「おまえが靴をためしてごらん。もし小さすぎるようだったら、爪先の方を切った方がいいね」

 そこで二番目の娘は靴を持って自分の部屋へ行きました。足が大きすぎると、娘は歯を食いしばって爪先を大きく切り取り、大急ぎで足を靴に押し込みました。そうやって娘が進み出ると、王子は、この人が自分の本当の花嫁だと思い、一緒に馬車で城に向いました。

 ところが門のところに来ると、鳩達がまた言いました。

ククルッ、ククルッ、ちょっと後ろを見てごらん

靴の中は血だらけだ

靴が小さすぎるもの

本当の花嫁はまだ家の中!

 王子は下を見ました。すると、花嫁の白い靴下が赤く染まって、血が上の方まで上がってきていました。そこで王子は、二番目の娘もお母さんのところへ連れて行き、言いました。

「この人も本当の花嫁ではありません。でも、この家にもうひとり娘さんはいませんか」

「いいえ」

 お母さんは首を横に振りました。

「汚らしい灰かぶりが いるにはいますが、いつも灰の中にいる子で、靴が合うわけありません」

 お母さんは灰かぶりを呼んでこようともしませんでしたが、どうしてもと王子が言い張るので、ついに灰かぶりが呼ばれました。灰かぶりは、王子が来ていると聞くと、大急ぎで顔と手をきれいに洗いました。

 灰かぶりが居間に入り、お辞儀をすると、王子は灰かぶりに金の靴を渡して、

「さあ、ためしてごらん。もしこの靴が合えば、君は私の妻になるのだ」と言いました。

 そこで、灰かぶりは左足の重い靴を脱ぎ、金の靴の上に左足をのせ、ほんの少し押し込みました。すると、靴は灰かぶりの足にぴったりと合いました。

 そして灰かぶりが体を起こすと、王子は灰かぶりの顔を見つめ、あの美しい姫であることに気が付いて言いました。

「これが本当の花嫁です」

 継母とふたりの高慢な姉さんたちはびっくりして青ざめました。王子は灰かぶりを連れて行き、馬車に乗せました。そして、馬車が門を通るとき、鳩達は言いました。

ククルッ、ククルッ、ちょっと後ろを見てごらん

靴に血はたまってない

靴はぴったり合っている

今度は本当の花嫁だ!



参考文献
『ベスト・セレクション 初版グリム童話集』 吉原高志・吉原素子編訳 白水社

断章のグリムパロ ( No.124 )
日時: 2016/06/03 19:37
名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)

僕たち人間とこの世界は、〈神の悪夢〉によって常に脅かされている。
神は実在する。全ての人間の意識の遥か奥、集合無意識の海の深みに、神は確かに存在している。

この概念上『神』と呼ばれるものに最も近い絶対存在は、僕ら人間の意識の遥か奥底で有史以来ずっと眠り続けている。眠っているから僕たち人間には全くの無関心で、それゆえ無慈悲で公平だ。

あるとき、神は悪夢を見た。

神は全知なので、この世に存在するありとあらゆる恐怖を一度に夢に見てしまった。
そして神は全能なので、眠りの邪魔になる、この人間の小さな意識では見ることすらできないほどの巨大な悪夢を、切り離して捨ててしまった。捨てられた悪夢は集合無意識の海の底から泡となって、いくつもの小さな泡に分かれながら、上へ上へと浮かび上がっていった。

上へ————僕たちの、意識へ向かって。

僕らの意識へと浮かび上がった〈悪夢の泡〉は、その『全知』と称される普遍性ゆえに僕らの意識に溶け出して、個人の抱える固有の恐怖と混じりあう。
そしてその〈悪夢の泡〉が僕らの意識よりも大きかった時、悪夢は器をあふれて現実へと漏れ出すのだ。

かくして神の悪夢と混じりあった僕らの悪夢は、現実のモノとなる。






————————甲田学人「断章のグリム」シリーズより引用


断章のグリムパロ ( No.125 )
日時: 2016/06/03 19:42
名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)

クリック? クラック!

さぁ、今回はこのお話をいたしましょう。

最初の話は『白雪姫』。


 むかしむかし、冬のさなかのことでした。雪が、鳥の羽のように、ヒラヒラと天からふっていましたときに、ひとりの女王さまが、こくたんのわくのはまった窓まどのところにすわって、ぬいものをしておいでになりました。女王さまは、ぬいものをしながら、雪をながめておいでになりましたが、チクリとゆびを針でおさしになりました。すると、雪のつもった中に、ポタポタポタと三滴の血がおちました。まっ白い雪の中で、そのまっ赤な血の色が、たいへんきれいに見えたものですから、女王さまはひとりで、こんなことをお考えになりました。
「どうかして、わたしは、雪のようにからだが白く、血のように赤いうつくしいほっぺたをもち、このこくたんのわくのように黒い髪かみをした子がほしいものだ。」と。
 それから、すこしたちまして、女王さまは、ひとりのお姫ひめさまをおうみになりましたが、そのお姫さまは色が雪のように白く、ほおは血のように赤く、髪の毛はこくたんのように黒くつやがありました。それで、名も白雪姫しらゆきひめとおつけになりました。けれども、女王さまは、このお姫さまがおうまれになりますと、すぐおなくなりになりました。
 一年以上たちますと、王さまはあとがわりの女王さまをおもらいになりました。その女王さまはうつくしいかたでしたが、たいへんうぬぼれが強く、わがままなかたで、じぶんよりもほかの人がすこしでもうつくしいと、じっとしてはいられないかたでありました。ところが、この女王さまは、まえから一つのふしぎな鏡かがみを持っておいでになりました。その鏡をごらんになるときは、いつでも、こうおっしゃるのでした。
「鏡や、鏡、壁かべにかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
 すると、鏡はいつもこう答えていました。
「女王さま、あなたこそ、お国でいちばんうつくしい。」
 それをきいて、女王さまはご安心なさるのでした。というのは、この鏡は、うそをいわないということを、女王さまは、よく知っていられたからです。
 そのうちに、白雪姫しらゆきひめは、大きくなるにつれて、だんだんうつくしくなってきました。お姫さまが、ちょうど七つになられたときには、青々と晴れた日のように、うつくしくなって、女王さまよりも、ずっとうつくしくなりました。ある日、女王さまは、鏡の前にいって、おたずねになりました。
「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
 すると、鏡は答えていいました。
「女王、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、白雪姫は、千ばいもうつくしい。」
 女王さまは、このことをおききになると、びっくりして、ねたましくなって、顔色を黄いろくしたり、青くしたりなさいました。
 さて、それからというものは、女王さまは、白雪姫をごらんになるたびごとに、ひどくいじめるようになりました。そして、ねたみと、こうまんとが、野原の草がいっぱいはびこるように、女王さまの、心の中にだんだんとはびこってきましたので、いまでは夜もひるも、もうじっとしてはいられなくなりました。
 そこで、女王さまは、ひとりのかりうどをじぶんのところにおよびになって、こういいつけられました。
「あの子を、森の中につれていっておくれ。わたしは、もうあの子を、二どと見たくないんだから。だが、おまえはあの子をころして、そのしょうこに、あの子の血ちを、このハンケチにつけてこなければなりません。」
 かりうどは、そのおおせにしたがって、白雪姫を森の中へつれていきました。かりうどが、狩りにつかう刀をぬいて、なにも知らない白雪姫の胸をつきさそうとしますと、お姫さまは泣いて、おっしゃいました。
「ああ、かりうどさん、わたしを助けてちょうだい。そのかわり、わたしは森のおくの方にはいっていって、もう家にはけっしてかえらないから。」
 これをきくと、かりうども、お姫さまがあまりにうつくしかったので、かわいそうになってしまって、
「じゃあ、はやくおにげなさい。かわいそうなお子さまだ。」といいました。
「きっと、けものが、すぐでてきて、くいころしてしまうだろう。」と、心のうちで思いましたが、お姫さまをころさないですんだので、胸の上からおもい石でもとれたように、らくな気もちになりました。ちょうどそのとき、イノシシの子が、むこうからとびだしてきましたので、かりうどはそれをころして、その血ちをハンケチにつけて、お姫さまをころしたしょうこに、女王さまのところに持っていきました。女王さまは、それをごらんになって、すっかり安心して、白雪姫は死んだものと思っていました。

切ります。

断章のグリムパロ ( No.126 )
日時: 2016/06/03 19:44
名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)

 さて、かわいそうなお姫さまは、大きな森の中で、たったひとりぼっちになってしまって、こわくってたまらず、いろいろな木の葉っぱを見ても、どうしてよいのか、わからないくらいでした。お姫さまは、とにかくかけだして、とがった石の上をとびこえたり、イバラの中をつきぬけたりして、森のおくの方へとすすんでいきました。ところが、けだものはそばをかけすぎますけれども、すこしもお姫さまをきずつけようとはしませんでした。白雪姫は、足のつづくかぎり走りつづけて、とうとうゆうがたになるころに、一軒けんの小さな家うちを見つけましたので、つかれを休めようと思って、その中にはいりました。その家の中にあるものは、なんでもみんな小さいものばかりでしたが、なんともいいようがないくらいりっぱで、きよらかでした。
 そのへやのまん中には、ひとつの白い布きれをかけたテーブルがあって、その上には、七つの小さなお皿さらがあって、またその一つ一つには、さじに、ナイフに、フォークがつけてあって、なおそのほかに、七つの小さなおさかずきがおいてありました。そして、また壁かべぎわのところには、七つの小さな寝ねどこが、すこしあいだをおいて、じゅんじゅんにならんで、その上には、みんな雪のように白い麻あさの敷布しきふがしいてありました。
 白雪姫は、たいへんおなかがすいて、おまけにのどもかわいていましたから、一つ一つのお皿さらから、すこしずつやさいのスープとパンをたべ、それから、一つ一つのおさかずきから、一滴てきずつブドウ酒しゅをのみました。それは、一つところのを、みんなたべてしまうのは、わるいと思ったからでした。それが、すんでしまうと、こんどは、たいへんつかれていましたから、ねようと思って、一つの寝どこにはいってみました。けれども、どれもこれもちょうどうまくからだにあいませんでした。長すぎたり、短すぎたりしましたが、いちばんおしまいに、七ばんめの寝どこが、やっとからだにあいました。それで、その寝どこにはいって、神さまにおいのりをして、そのままグッスリねむってしまいました。
 日がくれて、あたりがまっくらになったときに、この小さな家の主人たちがかえってきました。その主人たちというのは、七人の小人こびとでありました。この小人たちは、毎日、山の中にはいりこんで、金や銀ぎんのはいった石をさがして、よりわけたり、ほりだしたりするのが、しごとでありました。小人こびとはじぶんたちの七つのランプに火をつけました。すると、家の中がパッとあかるくなりますと、だれかが、その中にいるということがわかりました。それは、小人たちが家をでかけたときのように、いろいろのものが、ちゃんとおいてなかったからでした。第一の小人が、まず口をひらいて、いいました。
「だれか、わしのいすに腰こしをかけた者があるぞ。」
 すると、第二の小人がいいました。
「だれか、わしのお皿さらのものをすこしたべた者があるぞ。」
 第三の小人がいいました。
「だれか、わしのパンをちぎった者があるぞ。」
 第四の小人がいいました。
「だれか、わしのやさいをたべた者があるぞ。」
 第五の小人がいいました。
「だれかわしのフォークを使った者があるぞ。」
 第六の小人こびとがいいました。
「だれか、わしのナイフで切った者があるぞ。」
 第七の小人がいいました。
「だれか、わしのさかずきでのんだ者があるぞ。」
 それから、第一の小人が、ほうぼうを見まわしますと、じぶんの寝ねどこが、くぼんでいるのを見つけて、声をたてました。
「だれが、わしの寝どこにはいりこんだのだ。」
 すると、ほかの小人こびとたちが寝ねどこへかけつけてきて、さわぎだしました。
「わしの寝どこにも、だれかがねたぞ。」
 けれども、第七ばんめの小人は、じぶんの寝どこへいってみると、その中に、はいってねむっている白雪姫を見つけました。こんどは、第七ばんめの小人が、みんなをよびますと、みんなは、なにがおこったのかと思ってかけよってきて、びっくりして声をたてながら七つのランプを持ってきて白雪姫をてらしました。
「おやおやおやおや、なんて、この子は、きれいなんだろう。」と、小人こびとはさけびました。それから小人たちは、大よろこびで、白雪姫しらゆきひめをおこさないで、寝ねどこの中に、そのままソッとねさせておきました。そして、七ばんめの小人は、一時間ずつほかの小人の寝どこにねるようにして、その夜をあかしました。

切ります。

断章のグリムパロ ( No.127 )
日時: 2016/06/03 19:45
名前: 葉月 (ID: kgjUD18D)

続きます。

 朝になって、白雪姫は目をさまして、七人の小人を見て、おどろきました。けれども、小人たちは、たいへんしんせつにしてくれて、「おまえさんの名まえはなんというのかな。」とたずねました。すると、
「わたしの名まえは、白雪姫というのです。」と、お姫さまは答えました。
「おまえさんは、どうして、わたしたちの家うちにはいってきたのかね。」と、小人たちはききました。そこで、お姫さまは、まま母が、じぶんをころそうとしたのを、かりうどが、そっと助けてくれたので、一日じゅう、かけずりまわって、やっと、この家を見つけたことを、小人たちに話しました。その話をきいて、小人たちは、
「もしも、おまえさんが、わしたちの家の中のしごとをちゃんと引きうけて、にたきもすれば、おとこものべるし、せんたくも、ぬいものも、あみものも、きちんときれいにする気があれば、わしたちは、おまえさんを家うちにおいてあげて、なんにもふそくのないようにしてあげるんだが。」といいました。
「どうぞ、おねがいします。」と、お姫さまはたのみました。それからは、白雪姫しらゆきひめは、小人こびとの家にいることになりました。
 白雪姫は、小人の家のしごとを、きちんとやります。小人の方では毎朝、山にはいりこんで、金や銀ぎんのはいった石をさがし、夜になると、家にかえってくるのでした。そのときまでに、ごはんのしたくをしておかねばなりませんでした。ですから、ひるまは白雪姫は、たったひとりでるすをしなければなりませんので、しんせつな小人たちは、こんなことをいいました。
「おまえさんのまま母さんに用心なさいよ。おまえさんが、ここにいることを、すぐ知るにちがいない。だから、だれも、この家の中にいれてはいけないよ。」
 こんなことはすこしも知らない女王さまは、かりうどが白雪姫をころしてしまったものだと思って、じぶんが、また第一のうつくしい女になったと安心していましたので、あるとき鏡かがみの前にいって、いいました。
「鏡や、鏡、壁かべにかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
 すると、鏡が答えました。
「女王じょおうさま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、いくつも山こした、
 七人の小人の家にいる白雪姫しらゆきひめは、
 まだ千ばいもうつくしい。」
 これをきいたときの、女王さまのおどろきようといったらありませんでした。この鏡は、けっしてまちがったことをいわない、ということを知っていましたので、かりうどが、じぶんをだましたということも、白雪姫が、まだ生きているということも、みんなわかってしまいました。そこで、どうにかして、白雪姫をころしてしまいたいものだと思いまして、またあたらしく、いろいろと考えはじめました。女王さまは、国じゅうでじぶんがいちばんうつくしい女にならないうちは、ねたましくて、どうしても、安心していられないからでありました。
 そこで、女王さまは、おしまいになにか一つの計略けいりゃくを考えだしました。そしてじぶんの顔を黒くぬって、年よりの小間物屋こまものやのような着物きものをきて、だれにも女王さまとは思えないようになってしまいました。こんなふうをして、七つの山をこえて、七人の小人こびとの家にいって、戸をトントンとたたいて、いいました。
「よい品物しなものがありますが、お買いになりませんか。」
 白雪姫はなにかと思って、窓まどから首をだしてよびました。
「こんにちは、おかみさん、なにがあるの。」
「上等じょうとうな品で、きれいな品を持ってきました。いろいろかわったしめひもがあります。」といって、いろいろな色の絹糸きぬいとであんだひもを、一つ取りだしました。白雪姫は、
「この正直しょうじきそうなおかみさんなら、家の中にいれてもかまわないだろう。」と思いまして、戸をあけて、きれいなしめひもを買いとりました。
「おじょうさんには、よくにあうことでしょう。さあ、わたしがひとつよくむすんであげましょう。」と、年よりの小間物屋こまものやはいいました。
 白雪姫は、すこしもうたがう気がありませんから、そのおかみさんの前に立って、あたらしい買いたてのひもでむすばせました。すると、そのばあさんは、すばやく、そのしめひもを白雪姫の首をまきつけて、強くしめましたので、息ができなくなって、死んだようにたおれてしまいました。
「さあ、これで、わたしが、いちばんうつくしい女になったのだ。」といって、まま母はいそいで、でていってしまいました。

切ります。


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