二次創作小説(新・総合)

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逃走中#CR06 Welcome to Lapistoria
日時: 2020/11/26 22:09
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: okMbZHAS)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1552

どうもです、灯焔です。
マイペースに6回目の開催を迎えた逃走中#CR06。前回、ゼウスの力で刀が顕現したり天界が大変なことになっていたことが発覚したりとまた新たな天界に巻き込まれそうな予感がするコネクトワールド。
今回の舞台は、ポップンワールドとは別の世界に位置する『ラピストリア』という世界にある学園『ラピストリア学園』。音楽が溢れる学園を舞台に、逃走者とハンターとの6回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!


新たな敵の存在が明らかになったコネクトワールド。今だ均衡状態にある最中、ゼウスが刀剣達を顕現させてしまう現象が起きてしまいました。そのうちの一振を近侍に迎え、サクヤも自分なりに世界について考えていくようになるのですが…。
はてさて、今回はどんな物語が彼女達を待ち受けているんでしょうかね。


<ルール>
『ラピストリア学園』 出典:pop'n music ラピストリア
『ラピストリア』という世界に存在する巨大な学園。世界自体はMZDが作成し、現在も『ラピス』に世界の管理を任せている。相変わらず理事長はジェイド、学園長はジェダイト。
今回使用するのは学び屋である学園エリアのみとなる。
学園エリアは円形の形をしており、3階建て。
エリア紹介 >>1





逃走時間:80分

賞金:48万(1秒100円)

ハンター:初期3体or4体(OPゲームの結果に基づき変更)

自首方法:『理科室』or『コンピュータールーム』にある自首用電話から自首する旨を電話する。


<参加者>

【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
ヨシオ
おとこマン
鉄男

【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
エフラム
エイリーク
リオン

【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細>>4
朝日奈葵
澪田唯吹
茶柱転子

【白猫プロジェクト】より (3人) 詳細>>5
ツキミ・ヨゾラ
オスクロル・ラス・カサス
レイン・ディアボルス

【ハイキュー!!】より (3人) 詳細>>6
及川徹
弧爪研磨
赤葦京治

【作者枠】 (3人) 詳細>>7
ヤード
konakun.
Ga.c=evo.

【逃走中#05 MVP】 (2人) 詳細>>8
イヤミ
キュベリア

計20名



◎AfterBreakTime

 ①『心機一転、新章開始』 >>9
 ②『刀剣の契約、それは―――』 >>21
 ③『拳は剣よりも強し』 >>31 >>34
 ④『秋風は優しくそよぐ』 >>46
 ⑤『ココロネとタマシイ』 >>52
 ⑥『彼女が青龍になった理由』 >>72 >>75
 ⑦『生命の輝きは強く、尊いものだ』 >>95
 ⑧『打ち上げパーティ』 >>138-140 >>144 >>147

 Extra『秋の夜長と花火と酒と』 >>150-155



○逃走中#CR07 シード枠争奪アンケート実施中! 
※締め切りました


○逃走中#CR07 次回参加者募集中!
※締め切りました
次回参加者 >>119
作者枠発表 >>133

※『お手伝い』として参加してくださる方向けの案内※
※締め切りました



以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。

Re: 逃走中#CR06 Welcome to Lapistoria ( No.29 )
日時: 2020/10/06 22:17
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: jWLR8WQp)

【73:38】





~校舎エリア 1F 玄関ホール~





左右田「『通行手形』はこちらで配っておりまーす!…って、なんで俺がこんなことする羽目になってるんだよ!」

影山「えーと…。確か『左右田和一が推しの作者が今回参加してるから、どっかのミッションで左右田を引っ張り出して来い』との依頼があったみたいだな」

左右田「どうせ日向のヤローだろ!くっそ!くっそ!そいつに会ったら文句の1つや2つ言ってやる!」



 開口一番何やってるんですか。玄関ホールでは左右田くんと影山が『通行手形はこちら』と貼り付けられている机の前に立っています。…無理矢理引っ張り出された左右田くんはともかく、影山が交渉系の依頼を受けるなんて珍しいですね。



影山「あ、いや…。澤村さんに頼まれてしまったら断るわけにはいかないッス。それに、日向もここ通る予定らしいんで、会ったら話するつもりで引き受けました」

左右田「ん?お前のとこにも『日向』って苗字の奴がいんのか?」

影山「あぁ。『日向』もいるし『田中』もいる」

左右田「なんだそれ…。これ探せば苗字共通してるやつもっと見つかるんじゃねーのか?」



 成程。そういう意味もあったか。左右田くんは『日向創』のソウルフレンド。そして影山は『日向翔陽』の相棒かつライバルです。いやー、同じ苗字の人物が身近にいるなんて。世界って意外と狭いですね。
 ……おっと。そんなことを言っている間に玄関ホールへとたどり着いた逃走者がいるみたいですよ!早速様子を見てみましょう!


















オスクロル「あっ、見えてきました!」

konakun.「いやー、うろうろしてたら見かけたから。ついてきて正解だったよー」

オスクロル「konakun.さんは世渡り上手なのですね!私も見習わなくては…」



 やって来たのはオスクロルとkonakun.!どうやら先にオスクロルが向かっていたのを見かけ、konakun.がついてきたような感じですね。左右田と影山が立っている机の前の紙を確認し、2人は受付係の元まで急ぎます。



オスクロル「すみません!『通行手形』をいただける受付係の方でよろしいでしょうか?」

影山「うっす。そうっす。……あ、あんた確か…。3回目の時はお世話になりました」

konakun.「飛雄もいたのかー。今回はエキストラとしての参加なんだね」

左右田「なんだなんだ?お前ら知り合いか?」

影山「3回目の時に逃走者として一緒に走ったんだよ。確かもう1人の方も今回参加者側としているんすよね?」

konakun.「じーくんのことだよね?うん、いるよ。このミッション、自首するかもしれないから、部屋に入れないのは困るし」

オスクロル「え?konakun.さんは自首希望なんですか?ルール的には全然ありだとは思いますし、全然私に気にしませんけど…」

左右田「俺も自首が出来るならしたかった」

konakun.「和一の場合はバッシングが凄いんじゃない?」

左右田「なんでそういう前提で話を進めるんだよ?!」

影山「えーと…。話がずれてきたんでそろそろ本題に戻していいっすか?」

オスクロル「あ!えっと、す、すみません!話し込んでしまって…。通行手形、いただけませんか?」



 そうそう。konakun.と影山は既に3回目の逃走中で一緒に走っているんですよねー。絡みはほとんどなかったように思いますが。
 思い出話に花を咲かせるのもいいですが、あまり会話をし過ぎるとタイムロスになってしまいます。まさかの影山からの提言で我に返るオスクロル。そうです、通行手形を貰わなければ。



影山「これが『通行手形』になります。これ、通知にもあったと思いますけど無くしたりしても『再配布出来ない』んで、あらかじめご理解お願いします」

konakun.「オッケー。分かったよ。ありがとー。どっかにつけろとか指定はある?」

左右田「それはねーな。分かりやすい場所につけとけばいいんじゃね?必要なら首から下げる紐もあげるしよ」

オスクロル「まぁ、親切にありがとうございます。紐、konakun.さんの分もいただいておきましょうか?」

konakun.「そうだねー。絡まらないように調整できる奴だといいなー」



 影山から通行手形と、それを付ける為の紐を貰った2人。紐は調節可能な便利機能付きのものです。安心してください。
 2人で確かに通行手形を身に付けたことを確認し、各々別れることにしました。とりあえずミッション①クリア者が出ましたね!





【73:04】

オスクロル・ラス・カサス
konakun.

通行手形入手
ミッション①クリア





 ミッションの進捗はクリア者が出た時点で随時通知されますよー!








ピリリ ピリリ








赤葦「通知か。『オスクロル・ラス・カサス konakun. 通行手形入手 ミッション①クリア』 早速クリア者が出たのか。クリアしたらこういう風に随時通知が来るのは嬉しいですね」

イヤミ「ミーも急ぐザンス~!」

キュベリア「zzz……」




 各々反応を見せる逃走者。まだミッション①の終了時間までには余裕がありますが、油断せずに行動をお願いしますね!



 その後……。





【72:45】





Ga.「よしよし、これでOKっと」

リオン「ふぅ…。エイリークが捕まってから1階に降りてきていて正解だったよ」



リオン
Ga.c=evo.

通行手形入手
ミッション①クリア





【71:31】





おとこマン「ふんぬーーー!!!ますらおパワーさえあれば任務など余裕のよっちゃんなのだーーー!!!」

研磨「暑苦しいから近付かないでおこう…」



おとこマン
弧爪研磨

通行手形入手
ミッション①クリア





【71:03】





茶柱「とーちゃーく!って何ですか!何で男死が配布をしているんですか?!」

鉄男「まぁまぁ。貰えるだけいいじゃねーか。部屋に入ってハンターに位置情報知られるよりは100倍マシだろ」

茶柱「ふん!貴方に慰められなくても転子はやり遂げてみせますから!余計なお世話ですよ!でも…ありがとうございます」

左右田「いらねーならお前の分だけ破棄するけど」

茶柱「要りますよ!!貴方は今の会話の何を聞いていたんですか!」



鉄男
茶柱転子

通行手形入手
ミッション①クリア





 以上の6名が玄関ホールに辿りつき、通行手形を入手しミッション①をクリアしました。




【ミッション① 進捗状況】


◎ミッション① クリア者 8名

 おとこマン 鉄男

 リオン

 茶柱転子

 オスクロル

 弧爪研磨

 konakun. Ga.c=evo.


●ミッション① 未クリア者 10名

 ヨシオ

 エフラム

 朝日奈葵

 ツキミ レイン

 及川徹 赤葦京治

 ヤード

 イヤミ キュベリア




 続々と通行手形を入手する逃走者達。今後の為にも大事ですが、ハンターにも気を付けてくださいねー!

Re: 逃走中#CR06 Welcome to Lapistoria ( No.30 )
日時: 2020/10/07 22:00
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: jWLR8WQp)

【70:37】





~校舎エリア 1F 職員室付近~





及川「ふぅ。ハンターが近づいてきてたから様子見してたけど…。正解だったね」



 澪田さんが部屋から出るのを目撃してしまった及川。その場から立ち去った後、また別のハンターを遠目に目撃してしまい1階まで降りてこられたのが今になってしまいました。大変でしたね。



及川「大変どころじゃないよ!…ま、でも『理科室』に通行手形を持たないまま入っちゃいけないことは分かったし~。今は他の部屋を調べてる余裕無いし、早いところ手形を受け取りに行かないとね」



 軟派ながらも考えることは流石青葉城西の主将。常に冷静を保っています。及川は時間も惜しいとマップで玄関ホールの場所を確かめ、そのまままっすぐ走って行ったのでした。














~校舎エリア 1F 玄関ホール~





エフラム「ここか。玄関ホールというのは。何とか辿りつけて良かったな」

イヤミ「シェ?!お前は確か…エイリークザンス?」

エフラム「エイリークは俺の双子の妹だ。お前も今到着したのか?」

イヤミ「そうザンス!位置情報が知られて知らない間に捕まりましたー、なんてお話にならんザンスからね!」



 ところ変わって玄関ホール。現在エフラムとイヤミが同着でたどり着いたみたいですね。イヤミは案の定人の名前を間違えているようで…。ちゃんと名前正しく言えた人いるんですか?



イヤミ「天の声も失礼ザンスね!ミーはちゃんと人の名前言ってるザンス!!!」

エフラム「『正しく』言えていないから突っ込まれているんじゃないのか?」

イヤミ「キーーーッ!!!前回から気になってたザンスけど、どいつもこいつもミーのことを貶しすぎザンス!!折角前回逃走成功したのに!!六つ子ちゃん達には


『まぐれでしょ』とか!

『偶然だって~』とか!


    心にもないこと言われてるザンス~~!!だから今回も逃げ切って、前回のは運じゃないって全国のミーのファン共に知らしめるザンス~~~!!!」

エフラム「(何となくこいつが軽くあしらわれている理由が分かったかもしれん…)」

『あれ、せっかく手形貰えるのに何やってるの~?喧嘩はよくないよ?』



 イヤミ、あらぬことを独り言のようにブツブツ言っています。どうやら前回折角逃走成功したのに五つ子に軽くあしらわれてしまったようで。相当根に持っているみたいですね。
 呆れたままエフラムが動けずにいると、彼らに話しかけてくる人影が近づいてきました。その正体は勿論……。
















及川「もう70分切りそうだよ?まだ話してる余裕はありそうだけど…。このままじっとしてるとハンターに見つかるかも」

エフラム「お前は確か…及川か。まだ『通行手形』を手に入れてないのか?」

及川「うん。今後の為にも手に入れておかないとまずいからね」

エフラム「確かにそうだな。こんなところで時間を食っている場合でもなさそうだ。一緒に行くか?」

及川「そうだね~。折角会えたんだからご一緒させてもらおうかな?……ゲームが終わったら君の妹さんのこと紹介して『エイリークは軟派な男なんかに揺らがないぞ』 ……手強いなぁ」

イヤミ「言ってる傍からミーを置いていくなザンスーーー!!!」



 独り言を言っている男は放置。及川とエフラムは早速受付まで急ぐことにしました。それに気付き、2人に悪態をつきながら付いていくイヤミ。前回の雄姿はどこに行ったんでしょうね。
 そんな話を続けながらも、3人は受付へと到着した……のですが。その人物を見た及川の顔が歪みました。



及川「げげっ。配ってんの飛雄ちゃんなの?!」

影山「……あ。及川さんですか。ご無沙汰してます」

左右田「なんだなんだ?お前らも知り合いか?」

影山「及川さんとは中学時代の先輩後輩関係だったっス」

エフラム「そうなのか。それにしては及川の顔が凄いことになっているが…」

イヤミ「多分あの黒髪のこと苦手…というより嫌い寄りじゃないザンスか?」

及川「飛雄ちゃんよりいい成績残してゲームを清々しく終わろうと思ったのに!実際に飛雄ちゃんと会っちゃうと対抗心湧くよねー!」

影山「応援してます。頑張ってください」

及川「キーッ!!それだよそ・れ!!自分が好成績出したからって自信満々気にするんじゃないよ飛雄!!ふーんだ、どうせだから逃走成功してお前より凄いって認めさせてやるもんね!!」

エフラム「(もしかして…及川ってイヤミと同類なのか…?)」

イヤミ「そ、それは良いザンス!さっさとミーに『通行手形』とやらを寄越すザンス!!」

左右田「あ、話に流されるところだった。頑張れよイヤミ。不遇コンビの片割れとしてお前のことは応援してんだからよ俺」

イヤミ「ミーはお前なんかとコンビを組んだ覚えはないザンス!不幸が寄るから必要以上に近付くなザンス!!」



 及川は影山と。イヤミは左右田くんと。やんややんや言い合っているようで…。エフラムが完全に置いていかれてるではありませんか。
 イヤミの言葉で左右田くんが本来の目的を思い出し、『通行手形』を3人に渡しました。



影山「これが『通行手形』になります。これ、通知にもあったと思いますけど無くしたりしても『再配布出来ない』んで、あらかじめご理解お願いします」

エフラム「貰った紐に通しておけば落とさないだろうからな。ありがとう」

イヤミ「ミーはお洒落に胸ポケットにしまって逃げるザンス!」

及川「カッコつける人から脱落するよねこのゲームって~」

イヤミ「毒を自然に吐くなザンス?!……くーっ、格好悪いけど位置情報のせいで捕まる方が格好悪いから紐で括るザンス!」

左右田「ま、頑張れよ~」



 通行手形を首から下げました。ばっちりですね!これでこの3人も無事ミッション①クリアー!位置情報を知られる危険性がなくなって安心です。





【69:11】


エフラム
及川徹
イヤミ

通行手形入手
ミッション①クリア





 その後……。





【68:43】





ヨシオ「間に合ってよかったでござる…」

レイン「まさかオメーと鉢合うなんてな。オメーは弱そうだからいいや」

ヨシオ「よ…よわ…」



ヨシオ
レイン・ディアボルス

通行手形入手
ミッション①クリア





【67:59】





朝日奈「とーちゃーく!赤葦、一緒に来てくれてありがとね!」

赤葦「逃走中は個人戦でもあるけど協力が必要不可欠だからね。困ったらまた言って。協力できることはするよ」

朝日奈「うん!あたしも出来ることがあればじゃんじゃん手伝うからね!」



朝日奈葵
赤葦京治

通行手形入手
ミッション①クリア





 以上の4名が玄関ホールに辿りつき、通行手形を入手しミッション①をクリアしました。
 さて。ミッションの残り時間も3分を切りましたが。通行手形を手に入れていない逃走者は―――。



ツキミ「ありゃありゃ。出遅れちゃったねぇ」


ヤード「初っ端のミッションからここまで手こずるとは…。さっさと移動したいんだけどな…」


キュベリア「ぐがー…ぐがー…zzz…」



 この3名。既にエリア内のどこかで爆睡しているキュベリアはもう放置です。実質2名はあと3分以内に玄関ホールで『通行手形』を手に入れなければ、位置情報がどこで起きるか分からないままゲームを続けなければなりません。
 またしても作者陣がラスト3人に残ってしまっています。果たしてどうなることやら…。




【ミッション① 進捗状況】


◎ミッション① クリア者 15名

 ヨシオ おとこマン 鉄男

 エフラム リオン

 朝日奈葵 茶柱転子

 オスクロル レイン

 及川徹 弧爪研磨 赤葦京治

 konakun. Ga.c=evo.

 イヤミ


●ミッション① 未クリア者 3名

 ツキミ

 ヤード

 キュベリア




 ミッション①終了まで残り3分!逃走者達の運命はどうなってしまうんでしょうか…。

ABT③『拳は剣よりも強し』-1 ( No.31 )
日時: 2020/10/07 22:06
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: jWLR8WQp)

某乱舞ゲーで太刀の打撃ワンツーを決めている男がいました。
そんな彼の元に舞い込む『お手伝い』とは…?

------------------------



~運営本部 メインサーバ~



大典太「……主。荷物はこれで全部か?」

サクヤ「はい、それで終わりです。いや、助かりました。いくら神とはいえ、この姿では重い荷物が中々持ちにくくて…。龍に戻れば楽なのですが、本部を壊してしまってもいけませんものね」

大典太「俺は『今は』あんたの近侍なんだ。あんたに出来ないことは…俺がやる」

サクヤ「それは頼もしい。相変わらず力持ちですね。ありがとうございます」

大典太「…………」

前田「大典太さん、もしかして照れてます?」

大典太「…………」(ふいっ)



 前田の騒動も落ち着き、各々仕事に入った運営本部。大典太は重い荷物を運んでくるようサクヤに頼まれていました。まぁ、彼190cmありますし。意外にスラっとした長身なのですが、彼は戦う男です。陰気な雰囲気とは裏腹に、かなり力持ちのようで。
 サクヤに褒められた大典太はふいっとそっぽを向いてしまいました。…黒い髪からちらりと覗いた頬がほんのり赤いような気がするんですが。照れてます?
 ―――それを誤魔化すかのようにそういえば、と彼は会話を切り出します。



大典太「……あんたの手伝いに来た『さくしゃ』とやらの1人が言っていたぞ。『岸辺莉愛』はどこだと。確か…俺が顕現する前に助けたらしい幼子の名前だったな」

サクヤ「莉愛さんですか?アシッドさんの計らいで普通の高校に通わせてもらえることになったそうです。現在はネクストコーポレーションに身を置いているので、ここにはいませんよ」

前田「そうだったのですか。まぁ、流石に一般人に戻った人を戦いがあるかもしれないこの場に巻き込むわけには参りませんからね…」

サクヤ「はい。それに…彼女には普通の『人間らしい』生活を送ってもらいたいですからね。我々に付き合う必要もありません」

前田「お優しいのですね、主君は」

サクヤ「まさか。私が優しかったら地球上の皆優しいことになりますが」

大典太「あんたは自分を卑下しすぎじゃないのか。……俺が言えたことではないが」



 莉愛は現在ネクストコーポレーションで保護されているみたいですね。社長であるアシッドが動いたんですから確実でしょう。人間らしい人生を送らせる、ですか。随分と短い人生でしたからね、一度目の彼女の人生は…。せめて、幸せに長生きできることを天の声も祈ります。
 そんな話を続けていると、ふとひょっこりと姿を現す一頭身が。彼はそのまま大典太の元へと近づいてきます。それに気付いた大典太はそろりと後ずさり。何のコントですか。



バンワド「すみません、大典太さんでしたよね!ボク、貴方があんな重い荷物軽々とここまで運んでいるのを見ちゃいました!」

大典太「ち、近付くな。あんたみたいな小さいのが俺に近付いたらきっと怪我をする…」

バンワド「しませんよ!ボク、これでも国の王様の側近やってますからね!それよりも、です。サクヤさん、大典太さんって力持ちなんですか?」

サクヤ「力持ち…ですね。もしかしたらバンワドくんと同じか、それ以上に怪力かもしれません」

大典太「あ、主。それは言い過ぎだ…。俺なんて、力があってもそれで他の生命を殺すような刀なんだからな…」

前田「ですが、今さっき主君が出来ないことやってのけましたよね。大典太さん」

大典太「うっ…!」

バンワド「力持ちな上に優しいなんて…!あぁ、大王さまみたいですー!と、違うんです!サクヤさん、今から稽古部屋を借りてもいいでしょうか?」

サクヤ「稽古部屋?今の時間だとアイクさんが素振りしてると思うんですが…。どうしたんです?」



 やってきたその一頭身の正体はバンワド。本部随一の怪力の持ち主です。彼、『利き手じゃない方』でメガトンパンチの大会に出る程ですからね。故郷の星にヒビ入れますからね。
 近付かないよう口に出す大典太でしたが、バンワドと前田に論破され既にタジタジ。観念したのか後ずさりをするのをやめました。どうやらバンワド、大典太に用事があって、それで『稽古部屋』なるものを使いたいようですが…。

 さてと。『稽古部屋』について説明をしておきましょう。
 運営本部は皆様ご存知の通り、いつ誰が襲ってくるか分かりません。その為、戦えるメンバーはいついかなる時も戦闘態勢になれるよう動いているんですが。その特訓場所が実はあるんですねー。形状的にはスマブラforの『闘技場』ステージが一番近いでしょうか。



バンワド「『かちわりメガトンパンチ』で勝負したいんです!そこの大典太さんと!」

大典太「?!」

前田「『めがとんぱんち』?何ですかそれは?」

サクヤ「えーっと…。確か、バンワドくんの故郷で一時期流行っていた大会ですよね。一撃のパンチでどれだけ地下のブロックをかち割れるかを競う競技だったはずです」

前田「『瓦割り』のようなものですかね?」

サクヤ「そのようなイメージで大丈夫なはずです。普通は地下のブロック『だけ』をかち割って終わるのですが、たまーに星ごと割っちゃう選手がいたという噂が…」

バンワド「ちなみに、ポップスターを割れたのはボクとカービィだけなんですよ!えっへん!」

大典太「それは自慢することなのか…?」

サクヤ「まぁ、彼星を割ってしまったせいでスマブラへの招集が未だにかかってないんですよねぇ」

バンワド「それは言わないお約束です~~~!!!」



 バンワド、大典太と『かちわりメガトンパンチ』で勝負がしたいようで。原作を知っている方は分かると思いますが、あれコマンド全部成功させるとポップスターを真っ二つにするんですよね。余談ですが、コネクトワールドのバンワドの怪力設定はここから来ています。
 まぁ、それは置いといて。彼が自慢げに怪力だということを自慢したので、ようやく警戒を解いた大典太。あまり乗り気ではないようですが、サクヤは『良い機会です』とバンワドの案に乗ることにしました。



サクヤ「では、稽古部屋でメガトンパンチの準備をしましょう。大典太さんの力強さを見れるいいチャンスですし」

前田「僕は単純にその『かちわりメガトンパンチ』とやらに興味があります!大典太さんの順番が終わったら僕もやっていいですか?」

大典太「俺はやるとは一言も…。それに、ゲームの監視はどうするんだ」

サクヤ「どこにいてもゲーム中の様子は私が確認しているので大丈夫ですよ。お気になさらずに」

バンワド「じゃあ決まりですね!早速稽古部屋に行きましょう!」



 あらら。前田も乗り気ですね。これは腹をくくるしかなさそうですよ大典太。サクヤもゲームの監視には問題が無いと背中を後押し(?)し、バンワドに連れられて稽古部屋に足を運ぶ為移動を始めるのでした。














~運営本部 エントランス~



サクヤ「…ん?何やら騒がしいですね。お客様が来るとは聞いていないのですが…」

大典太「誰かを探し求めているような声が聞こえているな…」

バンワド「ウチに捜索依頼は来ていないと思うんですが…」



 エントランスまでやって来た4人。何やら向こうから騒がしい声が聞こえてきます。『誰かを探しているような声』と言っている人もいます。アポなしで突撃してくる人物なんて過去にも散々いましたが、流石に今回はいないと可能性を潰しにかかるサクヤ。いや、そういう時ほどいるもんですよ。
 とりあえず声の正体を探ろうとその方向に歩いていった、その瞬間でした。










『なっ―――。天下五剣!!何故お前がここにいることを俺に知らせない!!』

大典太「……?!」

サクヤ「大丈夫です。多分敵襲じゃないですから。刀を鞘に納めてください」



 声の主が大典太に気付いたようで、びしっと彼に指を指したままそう叫びました。思わず戦闘態勢を取る大典太。何とかその場はサクヤが宥めて事なきを得ましたが、一体誰なんでしょうか。大典太は長い間蔵に政府に、と他の刀と交流する暇すら無かったはずです。
 近付くにつれ、その指差している人物の正体が明らかになりました。勝気そうな印象の赤髪に銀色の瞳をした、まるで熱血委員長のような青年でした。霊力からその正体を察した大典太。眉間にしわが寄っています。



『なんだ。貴様だけなのか『大典太光世』。他の連中はいないのか。数珠丸殿の気配はしているが』

大典太「……顕現しているのが俺だけで悪かったな。どうせ俺なんて足利時代は何も逸話が無いただの刀だよ…」

『そういう話をしているのではない!!三日月宗近はどうした。鬼丸国綱は。童子切はどこだ』

『きょひょ~?探し人は見つかったのかい『大包平』く~ん?』

サクヤ「え?大包平?」

大典太「あぁ。霊力が『大包平』のそれだ。間違いない、こいつは刀だ…」

前田「では、僕達のお仲間ということなのですね!」

バンワド「あ、あのー。ハキハキとした声とは他に、聞き覚えのある声も聞こえて来てるんですけど…」



 赤髪の青年は『大包平』というようです。ん?大包平?『日本一』との誉れが高い日本刀で、童子切安綱と並んで『日本刀の東西両横綱』と称される程の名刀です。そんな彼が人間として現れた、ということは―――。彼もまた『顕現した刀』の一種という事になりますね。
 ゼウスの影響を受けたのでしょうか?そうではないような気がするのですが…。そんな話を進めているうちに、彼ではない違う声がエントランスに木霊します。その正体に気付いたバンワドが呆れつつサクヤに見る様促します。その正体は…。










ごくそつ「呼ばれてなくても勝手に来たよ!ごくそつくんだよ~!」

サクヤ「って貴方、なんで刀を持っているんですか?!」

バンワド「ゲーム前に話したこと、本当だったんでしょうか?」

ごくそつ「なんだよ~。お前らに愉快でカオスで面白いイタズラしてやろうと思ったのに!それにぼくはこの刀と『正式に契約』を結んでさらに強くなったのさ!きょひょひょ、それを早くあのボス共に見せてやりたくてね~!それであいつらいまどこ?」

前田「け、契約ですか?!」

大典太「大包平、あんた隣のこいつと契約を結んだのか…?!」

大包平「あぁ。そうだが。何か問題でもあるのか?」

サクヤ「いや、あることにはある、といいますか。ないことにはない、といいますか」

大包平「歯切れが悪いな。はっきり言え!」



 ごくそつくんが大包平と『正式に契約した』ことで、彼が大包平の本体を持っていたという事ですね。それを聞いた4人は驚きを隠せません。大包平も納得しているようで、驚いていることに不思議そうに首を傾げています。
 と、その時でした。サクヤの耳元に聞き覚えのある通信が。



MZD『あー。そこの赤髪のお兄さんに忠告しといた方がいいよ。『10秒以内にその場から離れろ』って』

サクヤ「―――あっ、はい。大包平さん。少しこちらでお話をしましょうか」

大包平「? 構わんが。ここにいては問題があるのか?」

サクヤ「と、とにかく!こっちに来て話をしましょう!大典太さん、後ろから彼を押してください!」

大典太「わ、わかった」

大包平「な、何をする貴様!訳を話せと言っている!」

大典太「……黙って歩け」



 MZDが連絡してきた、ということは―――。
 大典太の力も借り、大包平を素早くその場から避難させた瞬間でした。









『骨の髄まで灰にしてやる。光栄に思うのだな』

ごくそつ「きょ、ひょーーーーーっ!!!」









 物凄い爆発音と共にごくそつくんが吹っ飛んだ。十中八九あいつの仕業だ。もし大包平がその場にいたらしっかり爆発に巻き込まれてましたねー。
 ふっ飛ばした男は素早く彼の右手から刀を奪い取り、サクヤ達の元へと瞬間移動してきました。



ヴィル「これがかの『大包平』とやらの本体なのだな。ほら、受け取れ」

サクヤ「いや。ヴィルさん。貴方ごくそつさんに鬱憤を晴らしたかっただけですよね?それに…彼の口ぶりからして大包平さんは既にごくそつさんの刀です。受け取る訳には参りません」

ヴィル「……は?彼奴は契約を果たしたのか?!」

ごくそつ「だ~か~ら~。さっきからそういってんじゃ~ん!!そいつはぼくの刀なの!!言い方変えれば『近侍』だよ!」

大包平「俺は『大包平』。池田輝政が見出した、刀剣の美の結晶。最も美しい剣の一つ。隣の主…ごくそつ殿の近侍として主命を受けている」

バンワド「あの爆発を食らってほぼ無傷って凄いですねごくそつくん…」



 呆気に取られているヴィルヘルムから刀を奪い返すごくそつくん。まぁそうですよね。既に契約を果たした刀は受け取る訳にはいきませんからね。
 一応サクヤが『何故契約に至ったか』を聞くと、2人は意外にも真面目に答えてくれました。



ごくそつ「マリオ達と世界一周旅行してる時にね?ごろつきが湧いて困ってる村をごろつき懲らしめて助けたんだよ!そしたら、お礼にこの刀を貰ってさ。カービィもマリオもいらなさそうな顔してたし、ルキナちゃんは『刀はごくそつさんの方がお詳しいのでは?』と譲ってくれたんだよね~!
     そして、助けた村で1日厄介になった次の日…。ぼくの寝てたベッドの近くにこいつがいたんだよ」

大典太「顕現したタイミングはほぼ俺と一緒なのか…」

大包平「彼と話をした上、主の思想に共感した。それで、主の『近侍』として主命を果たすことになったのだ」

ごくそつ「それにね?大包平くんがぼくと『正式に契約』する前は、マリオとかカービィとかのイタズラで勝手に刀に戻ってたんだよね~。でも、契約した後はそれが利かなくなって。きょひょひょ、おもしろいよね~!」

前田「ごくそつさんと『正式に契約を果たした』から、他の霊力の影響を受けなくなったという事でしょうか?」

サクヤ「(となると…。大包平さんが顕現したきっかけはゼウス様の影響で間違いない。しかし…。ごくそつさんが正式に契約をしたタイミングでそれは解けている、と考えて間違いないでしょうか)」

バンワド「それじゃあ、大典太さんと前田くんもどんなことをされても刀に勝手に戻されることはないってことですよね!」

前田「はい。そうなりますね!主君の刀だと改めて自覚が出来て嬉しいです!」

大典太「…………」

ヴィル「? どうしたんだ大典太殿。バンダナ殿の言っていることは間違っていない様に思えるのだが」

大典太「……そう、だな」



 成程ですね。顕現するトリガーはゼウスが関わっていても、一度『正式に契約』を果たすと主導権が完全に契約した主に移る、と。マリオとカービィのイタズラで大包平が刀に戻らなくなったのがそれを証明していますね。
 前田は大丈夫ですが…。そうか。大典太がサクヤと『仮の契約』を交わしているのを知っているのはサクヤ本人と、当時懐にいた前田くらいのものでしたよね。そりゃみんな『サクヤと大典太が正式に契約を交わした』と思い込んでいても仕方がありません。
 きまりの悪そうな顔をしている大典太に、不思議そうにヴィルヘルムは首を傾げるのでした。



バンワド「……あっ!そうだ。早く稽古部屋に行ってメガトンパンチの準備をしないと!」

大包平「『めがとんぱんち』?なんだそれは?」

大典太「……あの小さいのの故郷で流行っていた力比べらしい。主と前田に押されて俺も参加することになってな」

大包平「! 力比べ…。大典太光世。それで俺と勝負しろ!俺の方が優れているというところを彼らに見せる良い機会だ!!」

バンワド「大包平さんも腕力に自信があるんですか?」

大包平「ふっ。俺は池田輝政に見出されたんだぞ。天下五剣がなんだ。童子切に挑む前に、こいつに勝って俺も優秀な刀だという事を知らしめてやる」

大典太「俺は前座扱いか。ふふっ。どうせ蔵に仕舞われていたから実力が無いとでも思われてるんだろうな…。分かってるよ…」

サクヤ「大典太さん。大典太さん。戻ってきてください」

バンワド「それでは、ボクと勝負する前に大典太さんと大包平さんで勝負ですね!ボク張り切って準備しちゃいますよー!」




 あれれ?『力比べ』と聞いた瞬間、大包平の目の色が変わりましたよ?何か彼、天下五剣に対抗心を燃やしているみたいで。バンワドも面白そうだと乗っちゃってますし。
 ごくそつくんも『暇してたからいいよ~』、とあっさり承諾。その勢いのまま、サクヤ達は稽古部屋へと足を進めたのでした…。

Re: 逃走中#CR06 Welcome to Lapistoria ( No.32 )
日時: 2020/10/07 22:53
名前: 葉月 (ID: QQmxnDsv)

どうも葉月です。しばらく見ないうちに更新してましたね。ゲームの方ではオープニングゲームは成功したけど澪田ちゃんが確保。最初のミッションは手形を手に入れることですね。
ほぼ手形を手に入れてクリアしたけど後三人は間に合うんでしょうか?
運営サイドでは新たに前田君と大包平が登場しましたね! 大包平はごくそつくんと契約して主従関係になりましたし、かちわりメガトンパンチ懐かしい! 確かこれってタイミングもシビアな奴ですよね。ワドちゃんの言うポップスター真っ二つって全部パーフェクトじゃないとならない奴じゃないですかやだー!(スパデラ及びウルデラプレイ済み
それで前田君とおでんと大包平がかちわりメガトンパンチをやるけど、パワータイプの刀剣の力比べなかなか燃えますな(^ω^)
刀剣繋がりで刹那の見斬りもありなのでは? と思ったけど、メガトンパンチも楽しみにしてます(^ω^)

短いけど今回はこれだけで失礼します。

Re: 逃走中#CR06 Welcome to Lapistoria ( No.33 )
日時: 2020/10/08 22:09
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: jWLR8WQp)

どうもです。灯焔です。
スマブラ等外伝作品でしか知らない方に是非原作をやっていただきたいと思っている人間なのですが、どうしたらおすすめできるか悩んでいます。どうしたらいいのかなぁ。



>>葉月 様

どうもです。コメントありがとうございます。
OPゲームは6回中やっと初クリアの大挙を成し遂げてくれましたが、貢献してくれたうちの1人が早々に確保。今回も波乱の展開を迎えております。
ミッションも佳境に近付いてまいりましたね。全員無事に手形をゲットできればいいのですが…。

顕現してそのままサクヤの刀になった前田くん、そしてごくそつくんと契約を果たした大包平が登場です。邪気に侵されていないようで安心しましたよ。
そうです。タイミングが超シビアなあのゲームです。刹那の見切りの方がまぁ合ってますね。『刀剣』男士ですからね。ですが今回の発案者はバンワドなので、かちわりメガトンパンチになりました。刹那の見切りに彼登場してませんからね…。


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