二次創作小説(新・総合)
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- 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編【完結】
- 日時: 2021/01/21 23:08
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)
- 参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1611
どうもです、灯焔です。
のらりくらりと7回目の開催を迎えた逃走中#CR07。ニアの不穏な言葉の裏でグレン達5人は温泉旅行へと旅立つ。彼女の言っていた言葉の真意、そして裏でうごめいている『もう1つの物語』にも遂に決着の火蓋が…?
今回の舞台は、白猫プロジェクトより『アオイの島』。温泉事業で有名な四季折々の景色が見える島を舞台に、逃走者とハンターとの7回目の逃走劇が今、幕を開ける―――!
※注意※
・登場するキャラクターは全て履修済みの作品からの出典です。かつ基本的な性格、口調等は原作準拠を心掛けております。が、表記上分かり易くする為キャラ崩壊にならない程度の改変を入れております。
・原作の設定が薄いキャラクター等、一部の登場人物に関しては自作設定を盛り込んでおります。苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
・誤字、脱字、展開の強引さ等ございますが温かい目でお見守りの方をよろしくお願いいたします。
<ルール>
【逃走エリア】
『アオイの島』 出典:白猫プロジェクト
和風な景色が広がる、情緒豊かな島。
四季のルーンの力によって、変化にとんだ風景を楽しませてくれる。
今回逃走エリアに使用するのは、天守閣周りの『温泉街エリア』と呼ばれる場所となる。
エリア紹介 >>1
逃走時間:85分
賞金:51万(1秒100円)
ハンター:初期3体or4体(OPゲームの結果に基づき変更)
自首方法:『侍の寄合所』にいる侍に『自首届』を記載し、小判を1枚添付した状態で提出する。
<参加者>
【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>2
ウーノ
アン
クアトロ
【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>3
アルフォンス
シャロン
アンナ
【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細>>4
大和田紋土
弐大猫丸
獄原ゴン太
【スーパーマリオシリーズ】より (3人) 詳細>>5
ワリオ
ヨッシー
ドンキーコング
【光神話 パルテナの鏡】より (3人) 詳細>>6
ピット
パルテナ
ブラックピット
【作者枠】 (3人) 詳細>>7
junris
YUMA
柊
【逃走中#06 MVP】 (2人) 詳細>>8
及川徹
エフラム
計20名
◎AfterBreakTime
①『非日常は唐突に訪れる』 >>9
②『香る赤い松の気配』 >>26
③『溝を乗り越える勇気を持って』 >>36
④『魔族と神と人間の関係』 >>47
⑤『鳥をも落とす霊刀でも』 >>53
⑥『支配から手を伸ばせ!』 >>68
⑦『神と邪神は紙一重』 >>71
⑧『立ち向かえ!悪魔の手の元に』 >>76
⑨『松の絆は永遠に』 >>83
⑩『理は人知を超えて』 >>90
⑪『打ち上げ』 >>112-113 >>116-118
○逃走中#CR09 シード枠争奪アンケート実施中!
※締め切りました
結果発表 >>99
○逃走中#CR08 MVP投票受付中!
※締め切りました
次回参加者 >>103
MVP発表 >>111
以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。
- 温泉旅行の進捗 ③ ( No.63 )
- 日時: 2020/12/26 22:02
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 5VHpYoUr)
―――ピチチ。ピチチ。彼らは鳥のさえずりで目を覚ましました。
~青空館 『桜の間』~
グレン「……う……」
クレア「太陽がまぶしいですねぇ…。おはようございますぅ…」
もぞもぞと布団からはい出したクレア。その向かいで静かに部屋の天井を見やるグレン。…しかし、クレア以外の音が聞こえてくる気配がありません。
―――思わず周りを見てみると、そこには―――。
グレン「いない―――!」
クレア「どうしたんですか…?」
グレン「みんなが…いない…!」
嘘だ。自分が見ているのは幻想だ。そんな思いを抱きながらもう一度辺りを見回すグレン。しかし…彼の目にはクレアしか映っておらず。一緒に旅行に来たはずの3人がいませんでした。
クレアも状況を理解したのか、きょろきょろと辺りを見回した後―――。部屋に響くくらいの声で叫んだのでした。
クレア「ど、どどど、どうするんですか?!何があったんですか?!」
グレン「チタ殿やシェリル殿ならば朝早くから外にいる可能性もあるが、ルーファス殿が一緒にいなくなっているなんてことは考えたくない。…フロントの方に聞いてみる他ないだろうな」
クレア「皆さんどこにいるんでしょうか…。私も一緒に行きます!」
いなくなった3人は一体どこに行ったのか…。もしかしたら2人よりも早く目覚めて外で遊んでいるのかもしれない。微かな希望を胸に抱えフロントへと向かう2人。しかし…。そこで見た光景は、想像を絶するものでした。
グレン「誰も…いない…」
クレア「お客さんがいないのもおかしいですけど、スタッフさんももぬけの殻?!」
客も、働いているスタッフすらもいない。彼らの周りはしん、と静まり返っていました。不気味なほどの静けさに、思わず身じろぎする2人。
……それでも誰かいるかもしれない。微かな望みを胸にフロント中を探します。すると……。外からたったった、と軽くかけてくる音が聞こえてきました。
その音に目を向けると、何やら不思議そうな顔をしているルーニーと鉢合いました。
ルーニー「グレン様。クレア様。おはようございます。慌てたご様子ですが…。どうかなされたのですか?」
グレン「すみません。外でチタ達…私達と一緒に旅行に来た3人を見かけませんでしたか?」
ルーニー「いいえ、私は先程こちらに到着しましたが…。彼らとはすれ違いませんでした。もしかして…いらっしゃらないのですか?」
クレア「実はそうなんです!朝起きたら布団からいなくなってしまってて…」
ルーニー「…………。成程。そうでございますか。もしかしたら街の中で迷ってしまっているかもしれませんね。この島は似たような景色が沢山ございますので…」
グレン「島の地図も荷物の中に入れたままだ。迷っている可能性もある。とにかく今から探そう。私は街の東側を探すから、クレア殿は西側を探してくれ」
クレア「わかりました!」
ルーニー「旅行者様が行方不明のままツアーを終えられると、私もタケモト様に叱られてしまいますので…。一緒に探索いたします」
クレア「本当ですか?!ありがとうございます!」
ルーニー「はい。出来ればお二人で東側を探していただきたいのですが…」
ルーニーにチタ達の行方を聞いても『知らない』の一点張り。一体どこに行ってしまったんでしょうか…。彼女の『もしかしたら島で迷っているかもしれない』という言葉に乗っかり、3人を探すことに。ルーニーも責任があると捜索を手伝ってくれることになり、グレンとクレアは島の東側。ルーニーは西側を探すことにしたのでした。
ルーニー「もし誰か1人でも見つけましたら連絡いたしますね」
グレン「ありがとう。助かる。―――クレア殿。何が起こるか分からない。用心して探そう」
クレア「はい!」
『誰か1人でも見つかったら即連絡をする』そういう約束を立て、3人は旅館の外に出てみたの、ですが―――。
彼らが見たものは、常識を逸脱する光景でした。
『黄色い布』を片手に虚ろな目をした人間が、ぞろぞろと1つの場所まで向かっていました。まるで生気が感じられないその動きは、まるで『ゾンビ』…。そんな言葉が思い浮かぶほどに不気味でした。
クレア「あ、あのっ!大丈夫ですか?!」
島人A「…………」
クレアが近づき何度揺さぶっても、声をかけても反応なし。まるで何かに乗っ取られたかのように、皆同じ方向を目指して進んでいます。どうしようもないと諦め彼女は戻って状況を説明。すると―――。ルーニーがしばらく考えた後、こう告げました。
ルーニー「ふーむ…。一方向に向かっているというのならば、我々もそれを追った方がいいのではないでしょうか?」
グレン「どういうことだ?」
ルーニー「この場にいる我々以外の全ての者が『虚ろな目をし、一か所に向かって吸い寄せられている』…。ということは、何か『1つの場所に人々を集めて何かをやろうとしている』ということに繋がりませんか?」
クレア「確かに…。そう考えれば、1つの場所に沢山の人が行くのもあり得ますよね!ですが…。声をかけても何の反応もなかったんです。ツアーの隠しイベント…とかではないですよね?」
ルーニー「はい。そのような話は聞いておりません」
グレン「ならば…。その方向に向かった方がいい。ついていってみよう」
『虚ろな人間』が『1箇所に吸い寄せられているように進んでいる』。何かあると思わない方が変ですよね。ルーニーの言葉を受け、グレンとクレアは人々について行ってみることにしました。
しばらく人の波をよけながら進んでいると―――。ふと、クレアが周りの人の足にもつれ転びかけてしまいます。
クレア「きゃっ?!」
転ぶ―――。そう思った矢先でした。
彼女の身体は地面にはありませんでした。寸のところで誰かに支えられていたようです。お礼を言おうと身体を傾けると、そこには『見惚れてしまう程に美しい』白い髪の、褐色の男性が腕を掴んでいました。
『お嬢ちゃん、大丈夫?ここらへん変な人が沢山歩いているし、危険だよ?』
クレア「あ、ありがとうございます!―――えーっと。貴方は…?」
普通に会話が出来ていることから他の人とは違うと判断したクレア。体制を立て直した後グレンとルーニーを連れて彼の前までやってきます。
グレンが彼の『顔』を見た時、ふと違和感を覚えます。
グレン「………?」
『あれ、どうしたの?オレの顔に何かついてる?』
グレン「いや…。貴方は…どこかで会ったような…?」
『少なくともオレは初対面のはずだから、そんなことはないと思うんだけどなぁ。まぁいいや。君達どうしたの?周りを見れば分かるとは思うけどさ。今人が操られて『城』に向かってるみたいで危険なんだよね~。
危ないし、早くこの島から出た方が賢明だと思うけど』
ルーニー「そういう訳には行かないのです。彼らのお友達が急に行方不明になってしまい、見つけ出さねばならないのです」
『…………。ふーん?お友達が巻き込まれたのかい。災難だねぇ。
―――ま。そういうことなら。オレも有益になりそうな情報持ってるし渡してもいいよ?』
クレア「本当ですか?!」
友達がいなくなって慌てている目の前の2人の表情を『楽しむように』見やった青年は、『それなら』と有益な情報が渡せるかもしれないと協力を持ちかけてきます。
そんな芝居づいた台詞を口にしたことを不思議に思ったグレンでしたが、チタ達が助かるならばそれに越したことはない。彼からの『情報』を聞くことにしたのでした。
グレン「…その『有益な情報』とやらを教えてもらえませんか」
『いいよ~。今この不気味な人間たちが向かっている場所は『大和城』。天守閣の次に大きな城だね。結構な大きさの大広間もあるし、何があるか見てきてもいいとはオレ思うけど』
クレア「『大和城』…。潤いの湯があった場所ですよね!何かあるんでしょうか…?」
グレン「ルーニー殿の言った通り、あの場所で何かを企んでいる人物がいるかもしれない。それに…」
グレンは気になっていたことをもう1つ上げます。通行人の片手に握っている『黄色い布』。彼はあれに見覚えがありました。
……そう。旅館に案内される前にタケモトから貰った『黄色いハンカチ』と同じ形状をしていました。
クレア「あっ!そういえば受け取れませんでしたよね、私達!」
グレン「あぁ。いなくなった3人は黄色いハンカチを『受け取っていた』…。何か、裏があってもおかしくはないと思うのだが」
『そっかぁ。みんな黄色い布持ってるから、黄色が好きだと思ったらそうじゃないんだな。なら、急いだほうがいいかもね。そのハンカチを渡した人、怪しく見えてこない?』
クレア「確かに…」
グレン「大きな事件に巻き込まれた可能性もある。……行こう。『大和城』へ」
クレア「ルーニーさんも一緒に……あれ?ルーニーさん?」
そうと決まれば『大和城』に様子を見に行くしかないと判断したグレン。クレアもその意見に賛成し、ルーニーと共に行こうと彼女の方向を向きますが…。そこには既に彼女の姿はありませんでした。
不思議そうにいたはずの場所を見る2人と、何かを悟ったように含み笑いをする褐色の青年。青年はその表情のまま、2人にこう語りかけてきました。
『……君達。随分と厄介な奴に好かれちゃったねぇ。ま、君達に危害を加えるつもりはないみたいだし、お友達も助ける気満々だからいいけどさ。
気を付けなよ?……『邪神は気まぐれ』なんだ』
2人の耳元でぼそっとそう呟いた後、彼は城の方向まで一瞬で消えてしまいました。
グレン「今の言葉…。どういう、意味なのだろうか…」
クレア「―――はっ!それよりもですグレンさん!早くチタさん達を助けに行かないと!」
グレン「そ、そうだな。我々も急ぐとしよう」
虚ろな目をした人々を追って、大和城へと進む2人。その行動は吉と出るのか、凶と出るのか。そして……行方不明になったチタ達を無事に見つけることは出来るのでしょうか…。
- Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.64 )
- 日時: 2020/12/26 22:11
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 5VHpYoUr)
【40:00】
ピリリ ピリリ
ワリオ「ワーっ!急に驚かすなよこのキカイー!……ん?3つ目のミッションだな!」
アルフォンス「『残り時間25分を経過すると、『侍の寄合所』に設置されたハンターボックスから5体のハンターが放出されてしまう。』 …5体?!今4体エリアにいるから…。倍以上はきついね…」
及川「『それを阻止する為には、残り時間25分までに『城下町』のどこかにある3種の『ゴエモン像』を『侍の寄合所』前にある『封印エリア』に全て移動させる必要がある。』 成程。像を指定のエリアに持っていけば良いわけだね」
ゴン太「『また、各ゴエモン像には『移動できる条件』があり、条件を満たさないと鉛のように持ち上げることが出来ない。』 なんかこの書き方だと『1人じゃ持っていけない』ように感じるね…」
パルテナ「『条件は『ゴエモン像の背中』に表示されている為、確認すること。』 背中に書いてくれているのですか。それは親切ですね」
シャロン「ま、まずいじゃないですか5体放出って!失敗してしまったら大変なことになってしまいます!」
弐大「1つ目のミッションとは逆じゃのう。これは積極的に向かわんと後の祭りになる。……走り込みじゃあああああ!!!!!」
やってきました3つ目のミッション!
残り時間25分を経過すると、『侍の寄合所』に設置されているハンターボックスから5体のハンターが放出されてしまいます。ちなみに現在4体エリアにいるので、もし失敗してしまうと9体になってしまいます。野外エリアで9体はきついです。いや屋内エリアでもきついですが。
それを阻止する為には、残り時間25分までに『城下町』のどこかにある3種の『ゴエモン像』を『侍の寄合所』前にある『封印エリア』に全て移動させる必要があります。しかし、移動する為には『条件』が必要なようで…。条件を満たさないと動かせないのだそう。ちなみにその『条件』は、ゴエモン像の背中に書いてあります。
ミッション③ 『ゴエモン像を全て移動させよ!』
残り時間25分を経過すると、『侍の寄合所』に設置されたハンターボックスから5体のハンターが放出されてしまう。それを阻止する為には、残り時間25分までに『城下町』のどこかにある3種の『ゴエモン像』を『侍の寄合所』前にある『封印エリア』に全て移動させる必要がある。また、各ゴエモン像には『移動できる条件』があり、条件を満たさないと鉛のように持ち上げることができない。条件はゴエモン像の背中に表示されている為、確認すること。
柊「ハンター9体なんてとてもじゃないが逃げ切れない…!条件ってのも気になるし、早く城下町を探そう」
エフラム「全部『城下町』にあるんだよな。移動した方が良さそうだ」
ウーノ「これは参加しないとまずいね…!出来る限り活躍をしてみせよう!」
ハンター5体放出はきつい!例え25分、されど25分ですからね。狙われる数は少ない方がいいです。パルテナ、ワリオも含め全員が参加を表明。
無事にハンター放出を阻止できるよう、祈っています!
【39:34】
~城下町・下町~
弐大「応。そういうことならば……この辺りを探すんじゃあ!!!!!」
先程移動を始めた弐大くんですが、下町エリアから出ないままミッションの開始を迎えました。丁度いるのならば探す他ない、そう思った彼は大きな声を出しながら移動を始めました。
しばらく歩いていると―――。万屋らしき場所の前で、1人が立ち往生しているのを見かけます。
弐大「ん?あれは……」
弐大くんが見つけたのは―――。
柊「『ゴエモン像』って、これか?歌舞伎のようなメイクをした男が目を隠している…」
弐大くんが見つけたのは柊!どうやら彼女も下町エリアを逃げていたようですね。そう確信した弐大くんは彼女に近付き、考え込んでいる彼女の背中をバシバシと叩きました。
弐大「柊!!!元気だったかのう!!!」
柊「ひゃいぃ?!なんだよ、びっくりさせるな……あぁぁぁぁ……!!!」
弐大「応?どうした柊!!!会えてよかったぞ!!!」
柊「えと、あの、うん、背中急に叩かれたから驚いた…」
弐大「がっはっはっはっは!!!それはすまんかったのう!!!して、何をしておったのじゃ?」
当の叩かれた彼女は驚いて固まってしまっています。そりゃあ後ろにいたのが推し。そしてビビりでもあるので唐突な相手の行動に動けなくなるのも無理はありません。
言葉がたどたどしくなっている柊をよそに、弐大くんは彼女の前にあった『例の像』を見やります。
柊「これ…。多分ミッションで移動が必要な像っぽいんだけど…私1人じゃ持てそうになくて困ってたんだよ」
弐大「確かにお前さん1人では無理そうじゃがのう。この儂であれば片手で持てる大きさだわい!!!」
柊「た、確かに…。でも、『条件』が背中に書いてあるんだよな!もしかしたら弐大くん1人で持てる条件かもしれないし、そうじゃないかもしれないし…」
弐大「何にせよ、背中を見てみんことには先には進めんということじゃな。がっはっはっはっは!!!」
高笑いをしながら2人はゴエモン像の背中を見る為回ります。
……さーて。背中には何が書いてあったんでしょうか。今いる人数で運べればいいんですが…。
- Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.65 )
- 日時: 2020/12/27 22:00
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 5VHpYoUr)
【38:53】
~城下町・下町 『ゴエモン像』前~
柊「えーっと…。あったあった。これかな?」
弐大「確かに背中に張り紙のようなものがあるようじゃな」
弐大くんが両手で持っていけそうな大きさのゴエモン像を見つけた柊と弐大くん。ゴエモン像の背中側に回り、モニターに表示されている文字を確認します。
モニターには下記のような文字列が表示されていました。
『♠×1 と ♡×1』
柊「スペードとハートが1つずつ書かれてる…?『と』って書いてあるってことは1人では持てない代物なんだろうな」
弐大「そうじゃのう。この記号に当てはめて考えるならば…。『スペード』は『男』、『ハート』は『女』のように見えるがのう」
柊「カラオケのデュエット曲の歌詞にもパートの前にマークが書かれてることがあるからな。それかもしれない。―――物は試しだ。持ってみないか?」
弐大「がっはっはっはっは!!!勢いがあるのう!!!応、儂の力が必要ならば貸すぞ!!!」
まぁそうすんなり条件が書いてあるわけありませんものねー。それにもたじろがず、冷静にマークの意味を考える2人。
カラオケで表示されているものと似ているとの考えから、『男1人と女1人』で移動させられるのではないかと導き出しました。早速柊と弐大くんはゴエモン像の両端に立ち、ゴエモン像を持ってみました。すると……?
柊「軽っ?!」
弐大「条件を満たしたから羽のように軽いのう!!」
まるで空箱を持ち上げたかのように、目の前の像はあっさりと持ち上がりました。この像、何か不思議な力がかけられているそうで。背中の指示に従うと重い筈の像が軽くなるようですね。
これなら運べる、と2人は早速『侍の寄合所』まで移動を始めたのでした…。
【38:33】
~牢獄ルーム~
アンナ「まさか短時間に沢山来るとは思わなかったわ」
アン「油断しなければミッション②、クリアできたはずですのに…。悔しいです!」
クアトロ「まぁまぁ。アンはミッション①で大活躍だったんだし良かったじゃないノ♪」
YUMA「また序盤確保だ…。呪われてるのか私は…」
ブラピ「普段の行いのせいじゃないのか?」
ピット「そんなこと言っちゃだめだぞブラピ。たまたま運が悪いのが続いただけだよ」
YUMA「フォローしてくれてありがとうピットきゅん」
こちらは牢獄ルーム。ミッション②が終わり、現在10人の逃走者がこちらにてゲームの様子を見守っています。それにしても今までだと12人位エリアに残っていたと思うので、確保ペースが少し早いですよね、今回。
大和田「そうかぁ?そうだとしても、全員ブタ箱行きは勘弁してほしいもんだぜ」
DK「ウホ!ウホホ!(オレは豚じゃないぞ!)」
jun「でも、終盤に躓いて全滅してしまった4回目っていう事例があるし…。二度目の全滅なんて考えたくないけど」
ヨッシー「ヨッシー?ヨッシー!(なるようにしかならないけど、ボクもみんなに逃げきってほしいな!)」
ピット「あの。そういえば気になったんですけど…」
YUMA「どうしたピットきゅん」
全滅は回避してほしい、と口にする逃走者。確かに毎回色々な目に遭っていますよね。逃走者に関しても。確かにその苦労が全滅で水の泡、なんて想像はしたくないでしょうね。
……そんな折々の話をしている中、ピットがふと『気になった』と一言。すかさずYUMAが問い返すと、彼は眉間にしわを寄せてこう口にしました。
ピット「なんというか…。ミッション③が始まってから人気が一気に無くなった気がするんですよ。ボクは最初に捕まっちゃったんでエリア内の様子なんて分かりませんけど…。変に静かなんです。あの扉の向こう」
ブラピ「『変に静か』だぁ?今は大会中なんだし、商売をしている奴もいるが基本は逃走者だけだろ。観光客にぶつかって怪我でもしたらたまったもんじゃないからな」
ピット「そうじゃなくて!その、『数少ない人の気配』も消えたようにボク思えるんだよ。…もしかして、エリアにいる逃走者達の知らないところでなんか起きようとしてるんじゃないかなあ?」
アン「そう…なのでしょうか?私にはよく分かりませんが…」
大和田「人間にはわかんねーってこったろ。ゴン太のヤローはどうだか知らねーけどよ」
ヨッシー「フンフン…。ンンー?(確かに人のにおいしないよー?)」
アンナ「彼の匂いでも『逃走者以外の人の気配がしない』って結果が出てるわ。ピットが思っていること…もしかしたら当たっているかもしれないわね」
jun「え。もしそれが本当だったら…。どうなっちゃうのかな?」
クアトロ「なるようにしかならないんだから、風の向くまま気の向くまま、ヨ♪」
アン「クアトロのようにみんながみんなお気楽に気持ちを持てるわけではないのですよ?もう…」
ブラピ「ま、こいつの言うことも間違っちゃいないとは思うからな。―――オレ達に出来ることは何もないが、何もないことを祈るしかないだろ」
ピット「そうだね…。パルテナ様、お怪我とかされないといいんですけど…」
どうやらピットやヨッシー等一部の逃走者も『逃走エリアの人気が減っている』ことに気付いている様子。裏で何が起きているのかは分かりませんが…。これはまた最後の最後に面倒臭いことが起きてしまいそうな予感がします。
そんなことを脳裏に浮かべながら、ピットは上司の女神の安否を心配したのでした…。
【37:11】
~侍の寄合所~
柊「あっ、見えてきた。あれが侍の寄合所か!」
弐大「もう少しじゃああああ!!!!!」
侍の寄合所が見えてきましたよ!建物の前に、3つの像を置く台が設置してあります。そこに持ってきたゴエモン像を設置することでミッションを進められるようですね。
寄合所まではもう少し!しかし。そう簡単に彼らの移動を『あいつ』が許すはずはありませんでした…。
- Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.66 )
- 日時: 2020/12/28 22:08
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 5VHpYoUr)
【37:03】
~侍の寄合所~
柊「もう少しだ!」
弐大「急げい!!!!!」
寄合所前の台に急いで移動する柊と弐大くん。しかし……それを阻む影が、彼らに近付いていました…。
ハンターKY「…………」
黒い影。ハンターがこちらに近付いてきていました。しかし、柊と弐大くんは近付くハンターに気付いておりません。このままではいずれハンターに2人が見つかり、確保は免れないでしょう。
ハンターKY「…………」
柊「よーし、ついた!」
弐大「早う台に乗せるんじゃあ!!!」
そんなことをしている間にも2人が寄合所の台の前に到着。台は左から順に大きくなっています。一番左側の台は小さすぎて載せられないので、丁度良さそうな真ん中の台に置くことにしました。
柊「弐大くん、『せーの』で置こう。バランスを崩して落ちても駄目だからな」
弐大「承知!!!」
ハンターKY「…………」
『せーの』の掛け声で、真ん中の台にゴエモン像を置いた2人。すると……。乗せた台の淵が黄色く光りました。これでミッション③クリアまでの残りの像は2つですね!
【36:53】
弐大猫丸 柊
ゴエモン像 設置
ミッション③クリアまで 残り2つ
ミッション②クリアも束の間、彼女達がいる方向にハンターが迫っていることなど気付いてもいません。そのままくるりと後ろを見やった弐大くん。柊にこんなことを言います。
弐大「気付かれておらんが、ハンターが近づいておるのう」
柊「うわ、来てたのか…。気付かれなかっただけ幸いだったな」
ようやく弐大くんがハンターを認知!幸いこの時もハンターには気付かれていませんでしたね。こちらに来る前に2人は別方向へと退散したのでした。
柊「(もうちょっと弐大くんと話がしたかったな~)」
柊の頭の中にはそんな考えが浮かんでいたのだとか。
ピリリ ピリリ
アルフォンス「『柊、弐大猫丸が『侍の寄合所』にゴエモン像を設置した。ミッション③クリアまでに必要なゴエモン像の数は、あと2つだ。』 おお、早速クリアしてくれたみたいだね!」
パルテナ「確かあちらに変な形の像が見えた気がするのですが…。気になりますし、行ってみましょうか」
ワリオ「うおー?!もう見つけた奴がいるのかー?!ずるいぞ、置く前にオレ様に渡しなさーい!!!」
ミッションクリアまであと2つ!他の逃走者も動き始めています。まだ時間は残っていますが、油断は禁物です。
【36:47】
~侍の寄合所~
ゴン太「柊さんと弐大くんにお話を聞こうと思ったけど、もういなくなったみたいだね…」
どうやらゴン太くん。2人に話を聞く為寄合所まで来ていたようですね。2人がいないことに残念がるゴン太くん。それもそのはず。ハンターが近付いているからなのですが…。
ハンターKY「…………」
まだ歩いていた。そしてゴン太くんはハンターに気付いておりません。今のうちにその場を離れないと見つかってしまいますよ!
ゴン太「誰もいないし、ゴン太もゴエモン像さんを探しに行こうっと」
動こうとした瞬間―――。
ハンターKY「…………!!」
ダッダッダッダッダ!!!!!
ROCK ON【GONTA GOKUHARA】
ピーーーーーーーーーーーー
ゴン太「わ、わわっ!ハンターさんだ!」
ハンター、ゴン太くんを認識し追いかけ始めました!彼もハンターに気付き、逃げる為走り出します!
ゴン太「うおおおおおおっ!!!!!」
ハンターKY「…………!!」
さすがは『超高校級の昆虫博士』と呼ばれる高校生。狼に育てられた話通りの走力を見せます!彼はいち早くハンターを撒く為、全速力でハンターを引き離します!
ゴン太「これなら逃げられるかも!紳士として捕まるわけにはいかないからね!」
ハンターKY「…………!!」
ハンターとの距離も少しずつ離れていっています!これは期待できそうですね!逃げる道を増やす為、曲がり角を彼は曲がったのですが―――。
シャロン『えーと、確かあっちにゴエモン像さんがあるんですよね!人手が必要そうですし、急ぎましょう』
ゴン太「あっ……!このままだとシャロンさんが捕まっちゃう!」
なんと、曲がった目線の先にシャロン……!彼女はゴン太くんを追っているハンターに気付いていない為、このまま彼女を巻き込んで追い越せばハンターの魔の手を回避出来そうなものですが…。
仮にも『紳士』と豪語するゴン太くん。逃走者、しかも女性にそんな真似は出来ません。このまま走っているとシャロンを巻き込んでしまうと判断した彼は、走るのを辞めて立ち止まってそのまま捕まる選択をしたのでした…。
ポンッ
【36:02】
獄原ゴン太 確保 残り9名
ゴン太「あのままゴン太が走ってたらきっとシャロンさんが捕まってたし、きっとこれで良かったんだよね?」
自分ではなく他人を優先するゴン太くん。最後は彼らしい確保を迎えましたとさ。
ピリリ ピリリ
及川「おっと?『獄原ゴン太 確保 残り9人』。あっちゃー。あの人捕まっちゃったの?!体力ありそうだし、足速そうだったから逃げ切りそうだと思ってたんだけど」
弐大「遂に希望ヶ峰学園からの参戦も儂だけになったのかのう。これは……負けてられん!!!」
シャロン「あわわ…。10人切っちゃいましたよ…。いよいよ、って感じですね」
ゴン太くんが確保されたことにより、残り人数が10人を遂に切りました。あぁ、これからどうなってしまうことやら。
そして、ハンター5体の放出を逃走者は無事に阻止することが出来るのでしょうか…。
- Re: 逃走中#CR07 白猫温泉物語 混沌編 ( No.67 )
- 日時: 2020/12/29 22:38
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 5VHpYoUr)
【35:31】
~城下町・外れ~
パルテナ「先程おかしなポーズをする像を見かけたのですが…。確か、こちらかしら?」
城下町の外れにゴエモン像を見かけた為、そこまで向かっているパルテナ。サイズによっては彼女以外の助力が必要です。まぁ、その判断をする為には何はともあれゴエモン像を発見しないことには始まらないのですが。
ハンターを警戒しながら移動します。しばらく歩いていると、ふと寂れた家の前で『そこにあるには違和感があるもの』を見つけました。
パルテナ「あら?これは…。両手で耳を塞いでいるポーズなのでしょうか」
家の前に置いてあったのは『ゴエモン像』でした。しかし、柊と弐大くんが運んだものとは違い『耳を塞いでいる』ポーズを取っています。勘の鋭い視聴者の方ならば残りの1つ、ゴエモン像がどんなポーズをしているのかが分かる筈です。
パルテナが両手で抱えられそうなサイズですが、条件を満たさないとこれでも鉛のような重さに感じてしまいます。
パルテナ「開けた道ですと、ハンターと鉢合った時に私が不利です。条件を確認して、もし運べそうなら持っていきましょう。この大きさであれば私1人でも十分いけますからね」
そう言って彼女はゴエモン像の背中側へ。やはりそこにはモニターがあり、モニターには下記の文字が表示されていました。
『♠×1 か ♡×1』
パルテナ「スペードとハートのマーク、そして『か』という平仮名ですか…。天空界でもカラオケはよくやるので、マークが何を示しているのかはすぐに分かりました。しかし…この『か』というのは何なのでしょうか」
パルテナもマークの意味についてはすぐに理解。しかし、間に表示されている『か』の文字の意図について悩んでいました。
パルテナ「普通『か』という文字は、『スペードの示す方』か『ハートの示す方』どちらかで条件は満たすということなのでしょうが…。捻って考えなくてもいいのならば、私1人でも持っていけそうですね。スペードは男性、ハートは女性を表しているのでしょうから」
そう判断し、試しに彼女はゴエモン像を持ってみることにしました。すると……。
パルテナ「あら。条件が満たされるとこんなに軽く持てるのですね。これなら走って持っていけそうです」
奇跡が使えない為持てるかという不安はどこへやら。羽のように軽々しく持ち上げられてしまいました。推測通り、これは『男性1人』か『女性1人』で持っていけるゴエモン像のようですね。
パルテナ「それでは寄合所に急ぎましょう。ミッションクリアは早ければ早い方がいいですから」
ここから寄合所までは少し距離がありますからね。行動は早い方がいい。パルテナは早速ゴエモン像を持って、移動を始めたのでした。無事に届けられますように!
【34:26】
~城下町 外れ付近~
ワリオ「どこにもないぞ『ゴエモン像』とやら!オレ様はその像を売っ払って大金持ちになるのだ!!」
ゴエモン像を売らないでください。それにあの像のデザインならそんなにいい値段では売れないと思います。ワリオは若干見当違いな考えを延べ、城下町を歩いていました。
中々ゴエモン像が見つからず、イライラしている様子。そんな彼の元に近づいてくる影が。その正体は……。
パルテナ「……あら?誰かがきょろきょろしていますね」
ワリオ「誰かが近づいている気配がしたが焼き鳥の上司か!ってオマエ、それはーーー!!!」
パルテナ「ピットを焼き鳥呼ばわりだとは。貴方も相変わらずですねぇ」
ゴエモン像を移動していたパルテナと邂逅。ハンターではなくて良かったですね。そして、彼女が抱えているゴエモン像を見て目の色を変えました。正に自分が探し求めていたものですからね。目的は置いておいて。
それを他の人物に取られたことに憤慨し、ワリオは彼女に見当違いの言葉を浴びせるのでした。
ワリオ「フンガー!!なぜキサマがオレ様の大事な大事な商売道具を持っているのだ!!すぐに渡しなさーい!!」
パルテナ「これは商売道具ではありませんよ。それに売値もそんなに高くならないでしょうし…。ミッションに必要なので移動しているだけです」
ワリオ「このオレ様にグチグチ口答えするなーーー!!!寄越しなさいったら寄越しなさーい!!!」
パルテナ「あっ、触ってはいけません!!」
ワリオはパルテナからゴエモン像を奪おうと手出しをします!背中の言葉の意味をしっかり理解しているパルテナは、それを触らせまいと何とか死守しようとしますが、遂に像にワリオの手が触れてしまいました。すると……?
パルテナ「きゃっ?!」
ワリオ「なにーっ?!」
そう。条件から外れた瞬間、ゴエモン像は鉛のように重くなってしまいます。それは、『1人』が指定された場合でも『2人』が指定された場合でも、それ以上でも一緒。今の場合はワリオが手を出してしまった為、『男1人か女1人』の条件から外れてしまったんですね。
重くなる像を抱えながらワリオの手を離すと、ゴエモン像は最初に彼女が抱えた時の大きさに戻りました。
ワリオ「な、何をするのだー!!フンガー!!」
パルテナ「もう。このゴエモン像、条件を満たさなかったり、外れたりすると重くなってしまうようなのです。だから、触らないでもらえます?」
ワリオ「な、なにーっ?!ならばキサマがおろしてオレ様に渡せばいいだろうがーーー!!」
パルテナ「それが出来るならお渡ししたいのですが…。貴方のその調子だといつまで経っても寄合所まで行ってくれなさそうですので。それでは時間もありませんし失礼いたしますね」
ワリオ「ぐぬぬぬぬぬ……!!」
ワリオ、してやられたり。パルテナの口車にまんまと乗せられてパルテナに道を譲ってしまいました。流石に逃走エリアで乱闘騒ぎは駄目ですからね。ワリオもパルテナの凄みに抑えられ、大人しくするしかないのでした。
ワリオから離れたパルテナ。運びながらスマホでタイマーを確認します。
【32:03】
パルテナ「あそこで随分タイムロスしてしまいましたねぇ。急がなくては」
ワリオとの天界…ではない漫才を約3分程繰り広げていたパルテナ。結構なタイムロスですが大丈夫でしょうか…。
時間を見て、急いで寄合所まで向かいます。もうじき30分を切りそうな感じ。急いで!
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